2007年12月28日

先週米国株を取り巻くブルベア材料 12/31

先週米国株を取り巻くブルベア材料

12月31日

森  崇

ブル材料
1.メリルリンチ(MER)
メリルリンチは24日、 シンガポール政府系投資会社のテマセク・ホールディングスと米投資顧問会社デービス・セレクテッド・アドバイザーズから合計62億ドルの資金を受け入れると発表。テマセクの投資額は最大50億ドル、
デービスは12億ドル相当のメリル株式を取得。62億ドル分の第三者割当増資の形を取る。また、傘下の法人向け金融子会社メリルリンチ・キャピタルの事業の大半を、ゼネラル・エレクトリックの金融部門GEキャピタルに売却する。

2.ロッキード・マーチン(LMT)
米 航空宇宙局(NASA)は、ロッキード・マーチンとの間で、スペースシャトル向けの外部燃料タンクの供給契約を延長すると発表。ロッキードはこれにより、2010年までに17の外部燃料タンクを供給することになる。

3.24日の短期金融市場では、ユーロ建て、ポ ンド建て、ドル建ての短期金利が低下している。欧米の主要中央銀行による流動性供給が成果をもたらしている兆候を示した。

4.ターゲット(TGT)
投資家のウィリアム・アックマン氏は、 ターゲットの持ち株比率を引き上げ、ターゲットの経営陣と株価押し上げについて協議。 アックマン氏はターゲットの持ち株比率を9.6%から10%に引き上げた。

5.テバ・ファーマスーティカルズ(TEVA)
  後発医薬品メーカー最大手が、2007年度通期ベース利益見通しを引き上げた。

6.国際ショッピングセンター評議会 (ICSC)とUBSセキュリティーズの発表によると、22日に終了した週の米小売売上高は前年同週比2.8%増加。値引きが奏功した。11月と12月の既存店売上高は前年比で2.5%増の当初予想をやや下回る見通し。22日までの1週間の既存店売上高は前週比で2.8%増だった。

7.ナスダック(NDAQ)
米連邦取引委員会(FTC)は、 米電子取引市場ナスダックを運営するナスダック・ストック・マーケットによる6億5200万ドルでのフィラデルフィア証券取引所の買収を承認した。ナスダック・ストック・マーケットは1兆ドル相当の米オプション業界で規模が第3位の取引所となる。

8.著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイは、米複合企業マーモン・ホールディングス(配管パイプや鉄道貨車の製造などを手掛ける)の60%を45億ドルで買収すると言う。マーモンのオーナーの米資産家プリツカー家と合意。2008年1―3月中に60%、14年までに残るすべての株式を買い取ると言う。

9.ベアー・スターンズのチーフ投資ストラテジスト、ゴルプ氏が強気コメント。
  (骨子)
★2008年の米経済はリセッションを回避するだろう。米消費者は年末商戦期間中も買い控えることはなかった。消費者主導でリセッションに陥るとは考えていない。
★11月の小売売上高が市場予想を上回り、感謝祭翌日の大売り出しの結果も上々だったのは、個人消費が落ち込んでいないことの表れだ。
★軟調な経済の打撃は低所得者層に強く響く為、百貨店等のパフォーマンスはターゲットのようなディスカウンターを上回る可能性がある。

10.中国の代替エネルギー関連株
  中国政府が、代替エネルギー開発を促進すると表明したことから、関連のADRが上昇。ソラーファン・パワー(SOLF)、エベーグリーン・ソラー(ESLR)、チャイナ・サナジー(CSUN)等の株価が上昇。

11.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
  世界最大のオンライン通販アマゾンが、強気コメント。2007年のホリデー・シーズンは、過去最高だったと言う。12月10日は最高で、540万点以上の受注があったもよう。

12.USスチール(X)やその他の鉄鋼株
  中国が、貿易黒字を減らす為、国内の鉄鋼製品へ輸出税を課すとの観測が出た。これを受け、米国鉄鋼株が軒並み買われた。
  
13.MBIA(MBI)
  債券保証会社大手に好材料。デビッド・セレクテッド・アドバイザーズがMBIAに5.1%出資していることがSECへの届出により判明した。
  これを受け、ライバル社のアンバック(ABK)にも連想買いが入った。

14.ファニーメイ(FNM)とフレディマック(FRE)
米連邦住宅公社監督局(OFHEO)は27日、米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は、9月30日現在で、自己資本規制をクリアーしていたとコメント。ファニーメイが5.9%上回り、
フレディマックが同1.7%上回っていたとしている。

15.シーラス・ロジック(CRUS)
ジョージ・ソロス氏の資産運用会社 ソロス・ファンド・マネジメントは、半導体メーカー、シーラス・ロジックの持ち株比率を5.2%に引き上げた。

16.12月の米消費者信頼感指数は88.6(前月は87.8)と、予想(86.5)を上回
った。現況指数は108.3と、前月の115.7から低下。一方、半年後の景況感を示す期待指数は75.5と前月の69.1から上昇した。

17.欧州中央銀行(ECB)のシュタ ルク理事はユーロ圏経済には十分な力強さがあり、金融市場の混乱に対処できるとの見解を示した。現在の状況は危機ではなく、金融市場の混乱に過ぎない。ただ、この混乱は当分続く可能性があり、来年には欧州でもその全面的な影響の一部が顕著となるだろうとしている。

18.12月のシカゴ地区の米製造業景況指数は56.6(前月は52.9)と、予想(51.7)を上回った。

  (主要コンポーネント内訳)
  ★受注残…60.7(前月45.9)
★新規受注…58.4(前月53.9)
★生産…55.4(前月57.4)
★在庫…44.0(前月47.1)
  ★仕入価格…63.8(前月76.2)
★雇用…49.0(前月54.4)

19.米欧の銀行が、次は資産売却に移る可能性があると27日付WSJ紙が報じた。
  (骨子)
★銀行が支店や部門全体の資産などの売却を検討中。
★シティグループは中規模の事業部門の幾つかを売却または閉鎖する可能性あり。具体的には、学生ローン部門や北米の自動車金融部 門、シティが株式の24%を保有するブラジルのクレジットカード会社および日本の消費者金融部門の売却を検討しているもよう。資産総額は最大120億ドルに上るという。
★HSBCホールディングスは130億ドル規模の自動車ローン事業から部分的または完全に撤退する可能性がある。

20.米大手金融機関のシティグループやゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースは、買い手が見つからない高利回り債やローン、総額2310億ドルを一掃するため、額面1ドルに対し最大10セントを値引きしている。

21.チェックポイント・システムズ(CKP)
防犯用ラベルメーカーのチェックポイント・システムズは、バンデルメルベ氏を社長件CEOに指名した。


ベア材料
1.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、13億ドル相当の株式デ
フォルトスワップを裏付けとする債務担保証券(CDO)の格付けを引き下げた。銀行、不動産会社の株価下落が背景。今回の引き下げは、株式デフォルトスワップを利用した7つの取引が対象となり、米住宅融資最大手のカントリーワイド・ファイナンシャルや米住宅建設3位のパルト・ホームズの株式デフォルトスワップを担保とするCDOが含まれている。

2.ロンドン外国為替市場ではポンドが 対ユーロで過去最安値を更新した。英住宅価格の下落を受けて、利下げを継続するとの観測が広がったことが背景。
ポンドはドルに対しても4カ月ぶりの安値付近で推移。

3.マカフィー(MFE)
ウイルス対策ソフトのマカフィーは、ストックオプシ ョンの会計処理の誤りで、1995年から2005年の決算を1億3740万ドル修正することを明らかにした。同社はこれまで、修正幅について1億−1億5000万ドルとの見通しを示していた。

4.ショッパートラックのマー ティンCEOは24日、ガソリン価格が上昇し住宅価格が低迷するなか米消費者は、より安価な商品を購入したと指摘。

5.メリルリンチ(MER)
CIBCワールド・マーケッツは26日、メリルリンチが10−12月(第4四半期)に住宅ローン関連で最大70億ドルの損失を計上する可能性があるとコメント。これまで、メリルの評価損を60億ドルと予想していた。

6.ターゲット(TGT)
米ディスカウントチェーン2位のターゲッ トは24日、12月の既存店売上高見通しを下方修正。来年1月5日までの5週間の既存店売上高は、季節調
整後で前年同期比1%減−1%増になる見通し。11月8日時点では、12月の既存店売上高が同3−5%増としていた。ウォルマート・ストアーズなど米小売業者の大半は、12月の既存店売上高を1月10日に発表する。

7.インテル(INTC)
欧州最大の半導体メーカー、ST マイクロエレクトロニクスは26日、半導体最大手のインテルとフラッシュメモリー事業を統合し、新会社を設立する計画を延期したと発表した。当初の予定では年内完了を目指していた事業統合を、来年3月28日をめどに完了させる方針。新会社の名称はニューモニクスとなり、年間の売上高は36億ドルが見込まれ、フラッシュメモリーの世界最大手の誕生となる。

8.サリー・メイ(SLM)
米学資ローン最大手サリーメイが株式買い戻し計画に関連した投コストを賄うため、増資の割当先を模索しているもよう。同社は、今月20日、損失リスクの縮小を目指し、シティグループを引受先とした株式フォワード契約など一連の取引を開始した。

9.ブラック・ロック(BX)
ムーディーズ・インベスターズ・サービスが米資産運用会社ブラックロックのブラックロック・キャッシュ・ストラテジーズ・ファンドの格付けを投資不適格(ジャンク)級に引き下げたと言う。WSJ紙が報じた。同ファンドは一部の償還を停止中。

10.米コンサルティング会社アリックスパートナーズは、米年末商戦は小売業者にとって非常に失望的な結果になる可能性が高いとの見方を示した。今年は過去の実績に比べて、米消費者が買い物を先延ばしにする傾向が強かったと言う。

11.10月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で6.1%低下と、2001年に前年比での指数算出を開始して以来で最大の落ち込みだった。前月は同4.9%の低下。5.7%の低下が見込まれていた。20都市部のうち17都市部で10月の住宅価格が前年同月比で下落、特にフロリダ州マイアミとタンパは12%下落した。前月比では20都市部すべてで下落した。

12.HSBCセキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、モリス氏が以下の通りコメント。

  (骨子)
★住宅評価額が正常化されるには、全米でさらに住宅価格が20%落ち込む必要がある。そうなるにはあと3−4年はかかるだろう。
★本当の問題は住宅の評価額が非常に高いことだ。東海岸と西海岸は特にそうだ。

13.11月 の製造業耐久財受注額は前月比0.1%増(前月は0.4%減)と、予想(2.0%増)を大幅に下回った。変動の大きい輸送用機器を除く受注も11月に前月比0.7%減と、予想(0.5%増)に反して減少。

  (今回の統計が示唆するところ)
住宅不況が経済の他の部分にも波及しつつあり、企業が設備投資に対して慎重な姿勢をとり始めている。

14.シティー・グループ(C)
ゴールドマン・サックスがネガティブ・レポートを作成。CIBCワールド・マーケッツも減配予想を既に出している。

  (骨子)
★現在の信用危機の影響を市場が完全に吸収するまでは数四半期を要する。
★シティは現在の資本を維持し増強する必要性に強く迫られている。
★シティグループが来年40%減配の可能性がある。シティが来年、資本増強のため総額62億ドルを調達する必要があると見込まれることから、07年10−12月期の配当1株当たり54セントを08年に40%削減する可能性があるから。
★シティが2007年10−12月(第4四半期)の債務担保証券(CDO)に関連した評価損187億ドルを発表する可能性がある。
★07年10−12月期にJPモルガン・チェースが総額34億ドルのCDO関連評価損(当初は17億ドルを予想)を、メリルリンチが115億ドルの評価損(当初は60億ドルを予想)をそれぞれ計上する可能性があると予想。

15.SLM(SLM)
米学資ローン最大手SLM(サリーメイ)は、普通株と優先株による25億ドル
の増資に向け販売活動を開始すると26日引け後に発表した。

16.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が27日 発表した21日までの1週間の住宅ローン申請指数は、前週比7.6%低下し603.8と、今年最低水準となった。
住宅ローン30年物固定金利は平均6.10%と、前週の6.18%から低下した。

  (その他主要指数動向)
★借り換え指数…8.5%低下し1915.3(前週は2093.6)
★購入指数…6.6%低下し394.5(前週は422.2)

17.年末商戦動向
@調査会社ショッパートラックR CTが27日発表したところによると、今月16−22日の1週間に米小売店を訪れた顧客数は前年比で約11%減少した。
経済的な圧迫に加えオンライ ン販売が影響した。ショッパートラックは07年の年末商戦の売上高を前年比3.6%増と予想している。

A調査会社アークストーン・コンサルティングによれば、今年の年末商戦で
商品券の売上高は前年比25%増の350億ドルの見込み。食料品やガソリン代に充てられるカードが人気を呼んでいると言う。これらのカードが、今年の米年末商戦での商品券の売上高を全体の5.9%に押し上げると予想し
ている。2006年は4.9%だった。商品券を日用品に使うのが今年最大の傾向。商品券は年末商戦を新年まで延長させる効果がある。

18.IKBドイツ産業銀行が最大95億ユーロの損失を計上する可能性があると、ドイツのフランクフルター・アル ゲマイネ(FAZ)紙が報じた。IKBドイツ産業銀行はサブプライム住宅ローン投資に関連する損失が原因で、既に政府系のドイツ復興金融公庫(KfW)グループに救済されている。KfWはリスクの高い約50億ユーロについて肩代わりすることで既に合意している。しかし、損失額がこの金額を上回る場合にはIKBには一段の資本増強が必要となる可能性があると言う。

19.11月の新築一戸建て住宅販売は前月比9%減少して年率換算64万7000戸(10月は71万1000戸)と、予想(71万7000戸)をも下回った。これは12年ぶりの低水準。11月の新築販売件数は前年同月比では34%減少と、1991年1月以来で最大の落ち込み。

20.国際通貨基金(IMF)によると、世界の準備通貨に占めるドルの割合は9月末時点で63.8%と、6月末時点の65%から縮小。ユーロの占める割合は26.4%と、25.5%から拡大した。サブプライム住宅ローン問題の影響で、米国外からのドル建て資産需要が減少した。

21.スタンダード・アンド・プアーズは28日、パキスタンのブット元首相が暗殺されたことを受け、今後国内の政治的混乱がエスカレートした場合、同国の信用格付けを引き下げる可能性があるとの見解を示した。

22.クリストファー・アンド・バンクス(CBK)
婦人物衣料を販売するクリストファー・アンド・バンクスは、2007年12月−08年2月(第4四半期)の利益が1株当たり最大で5セントとの見通しを27日引け後に示した。予想は8セントだった。

23.アムバック(ABK)とMBIA(MBI)
  金融保証会社両社株が下落。ウォーレン・バフェット氏の金融保証事業参入が明らかになったことが背景。


=以上=

posted by mori at 08:45 | TrackBack(0) | マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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