2009年07月06日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 7/5

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

7月5日

森  崇


ブル材料
1.ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフリー・イメルトCEOは29日、以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★世界的なリセッションに伴う経営危機の時期は過去のものになった。来年にはある程度の景気回復が見込まれる。
★資本市場はほぼ完全に機能していると言えるだろう。ある形で2010年以降に景気は回復する。どれだけの成長となるかは現時点では不明だ。
★今後2年間でこれまでにない数多くの製品を投入し、価格帯を広げ製品数を増す。景気低迷の継続にもかかわらず、昨年を上回るR&D計画を実施する。
★私の生涯で金融サービス業界が依然のような形態に戻ることはなく、規制が強化されるだろう。

2.イラク駐留米軍は28日、期限の30日を前に都市部からの撤収を完了させた。2年半後のイラク完全撤退を目指すオバマ政権にとって、大きな里程標になる。
 
3.テプコ・パートナーズ(TPP)
エネルギーパイプラインなどを保有するエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズは29日、同業のテプコ・パートナーズを約33億ドルで買収することで合意。両社を合わせると全長約7万7000キロのパイプラインを持つ全米最大規模のエネルギー関連マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)となる。テプコの株主は同社ユニット株1株につきエンタープライズのユニット株1.24株を受け取る。26日の終値ベースで31.36ドルとなり、テプコの同日終値に9.3%上乗せとなる。

4.欧州連合(EU)欧州委員会は29日、ユーロ圏の四半期報告を発表。

  (要旨)
★ユーロ圏の景気後退は依然として深刻だが、域内経済は最悪期を脱したとみられる。
★経済状況は引き続き脆弱だが、ほとんどの金融市場では安定化の明るい兆候がみられる。
★昨年秋から域内で実施している銀行救済策により、金融界の崩壊は回避したが、状況は弱いままだ。金融危機による雇用減少や生産性の低下で、今後数年間は域内の経済成長が下振れしそうだ。

5.中国国営アルミ生産大手チャイナルコは、世界3位の鉱山会社、リオ・ティントが実施する株主割当増資を通して、同社株式8億8000億ポンド(約1390億円)相当を購入する計画だ。今回の株主割当増資により、チャイナルコはリオ・ティント株の9%を保持することになる。リオはチャイナルコによる195億ドルの出資提案を拒否していた。リオは一方で、鉱山会社最大手オーストラリアのBHPビリトンと、株式売却に加え、鉄鉱石の合弁設立で合意している。

6.アップル(AAPL)
アップルは29日、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が職場に復帰したことを明らかにした。ジョブズCEOは1月から病気療養のため休職していた。1週間のうち数日は出社で、残りは自宅で勤務すると説明。ジョブズCEOは休職中に肝臓移植手術を受けている。

7.マイクロソフト(MSFT)
同社株に強気材料が出た。

ドイチェバンク
★投資判断:“買い”
★目標価格:これまでの22ドルから30ドルへ上方修正。
★ウィンドウズ7のリリースで、株価は上昇するだろう。過去5度のOSリリースを見ても、株価は上昇している。
★ウィンドウズ7のリリースの要因は、まだ株価に織り込まれていない。
★ウィンドウズ7の販売のみで、5億ドルの収益が見込める。

コリンズ・スチュワート
★投資判断:“買い”
★目標価格:これまでの26ドルから30ドルへ上方修正。
★市場のEPS見通しは、低すぎる。
★コスト削減と、BINGのシェア拡大で、好業績となるだろう。
★ウィンドウズ7のリリースで、株価は上昇するだろう。
★2009年度と2010年度の利益予想は引き下げる。保守的PC出荷を見込んでいることや、新製品開発用のR&Dコストがかさむことを背景にしている。

8.フォード(F)
フォード・モーターは29日、同社が7−9月の生産台数を約2万5000台引き上げる計画であることを明らかにした。フォードは7−9月に48万5000台を生産する計画で、前年同期比で16%の増加となる。

9.シカゴ購買部協会が30日に発表した6月のシカゴ地区の製造業景況指数は39.9(前月34.9)と、予想(39.0)を上回った。

10.全米20都市を対象にした4月 のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で18.1%低下(3月は18.7%のマイナス)し、予想(18.6%低下)を下回る下落率だった。住宅価格指数は前月比では0.6%低下と、2008年6月以降で最小の低下幅だった。20都市のうち8都市で前月比プラスを記録した。特にダラスでは1.7%上昇した。

11.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、クライスラーと同じように、30日に始まる裁判所審理で資産の大半の売却について承認を得られる見通し。実現すれば、オバマ政権は米自動車産業の再建計画を予定より約1カ月早く進めることができる。GMは、米財務省が出資する受け皿会社ビークル・アクイジション・ホールディングスへの資産売却について承認を求める。ビークル・アクイジションは同社資産の唯一の買い手候補。

12.クライスラー・グループは30日、米国ではフィアットブランドで自動車は販売しないが、フィアットのサブコンパクトカー「500」や高級車「アルファロメオ」は米国で販売することを明らかにした。クライスラーを通じて販売されるフィアット車は500とアルファロメオに限定するとした。マルキオーネCEOは、500は2010年に米国で発売される可能性があると指摘している。

13.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米保険アメリカン・インターナショナル・グループのエドワード・リディCEOは30日、同社の年次総会に出席し、米政府から受けた支援資金を返済できる確率は十分にあると述べた。同社は先週、海外の生命保険2部門の優先株をニューヨーク連銀に譲渡し、同連銀に対する債務を250億ドル圧縮すると発表した。NY連銀から供与された融資枠での債務残高は400億ドル。同社は4度にわたり計1825億ドルの政府融資を受けた。

14.欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した6月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.1%低下となり、予想(0.2%低下)を下回る落ち込みだった。インフレ率は1996年の統計開始以来で初めてマイナスとなった。ユーロ圏では、欧州一の経済大国であるドイツでインフレ率がゼロに落ち込んだほか、スペインとアイルランドでもインフレ率は3月以来、低下が続いている。また、欧州中央銀行(ECB)が同日発表した5月のユーロ圏マネーサプライ(通貨供給量)統計によると、家計と企業向け融資は統計開始以来の低い伸び率となった。

15.昨年11月に行われた米上院議員のミネソタ州選挙で、共和党のコールマン氏は30日、民主党のフランケン氏への敗北を認めた。コールマン氏は選挙結果について裁判で争っていたが、州最高裁が訴えを退けた。フランケン氏の当選確定により、上院での民主党の議席数は60議席となり、共和党のフィリバスター(議事妨 害)を阻止できる。

16.アポロ・グループ(APOL)
大学経営アポロ・グループが発表した2009年3−5月(第3四半期)決算は、1株当たり利益が市場予想を上回った。同社はまた、自社株買いの規模を5億ドルに引き上げた。

17.エレクトロニック・アーツ(ERTS)
バンク・オブ・アメリカは、ゲームソフトメーカー2位の エレクトロニック・アーツの投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げた。同社業績予想が上方修正される見込みであることを理由に挙げた。

18.エクスコ・リソーシズ(XCO)
米原油・天然ガス生産会社エクスコ・リソーシズは、資産の一部を英天然ガス生産3位のBGグループに売却した。

19.バイカル(VICL)
ワクチン開発会社のバイカルは、開発中の豚インフルエンザ(H1N1型)用ワクチンがネズミとウサギを使った実験で強い免疫反応を引き出したことを発表した。

20.米供給管理協会(ISM)が1日発表した6月の製造業景況指数は44.8(前月42.8)と、予想(44.9)を若干下回った。しかし縮小ペースは過去10カ月で最も緩やかだった。

  (主要コンポーネント内訳)
★生産…52.5(前月46)
★雇用…40.7(前月34.3)
★輸出…49.5(前月48)
★新規受注…49.2(前月51.1)
★仕入れ価格…50(前月43.5)
★入荷遅延…50.6(前月49.8)
★受注残…47.5(前月48)

21.全米不動産業者協会(NAR)が1日に発表した5月の中古住宅販売成約指数は前月比0.1%上昇(前月は7.1%上昇)し、予想(前月比変わらず)を上回った。上昇は4カ月連続。前年同月比では5月は4.6%の上昇だった。

(地域別状況)
北東部は前月比3.1%上昇。西部は2.2%上昇だった。一方、南部は1.7%低下した。中西部は1.3%低下。

22.投信調査会社モーニングスターのまとめたデータによると、4−6月期の米株式投信のリターンは平均で19%。四半期ベースでのリターンとしては、過去約10年で最大だった。また過去1年間では初めてリターンがプラスとなった。S&P500種株価指数の四半期ベースでの上昇率は1998年末以来で最大だった。特に大型株の伸びは17%上昇を記録した。米株式投資信託のうち、第2四半期(4−6月)のリターンが最も高かったのはビル・ミラー氏が運用する投資信託「レッグ・メイソン・オポチュニティー・トラスト」の48%だった。

23.米連邦住宅金融局(FHFA)は1日、政府系住宅金融大手、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の両社が手掛ける住宅ローンについて、住宅価格に対する融資額の比率の上限を拡大すると発表。住宅価格が大幅に下落した物件を所有する借り手に低金利ローンへの借り換えを促し、債務不履行に至る事態を阻止する狙い。両社の住宅ローンでは、実際の住宅価格に対する未払い元本の比率の上限が、これまで
105%に設定されていたが、125%に引き上げる。

24.ヤム・ブランズ(YUM)
タコベル、KFC等のチェーンを営む同社株に好材料。ゴールドマン・サックスが同社株の投資判断を“保有”から“買い”に引き上げた。中国と米国の事業部門の好調により、今年下半期の成長が加速すると言う。

25.ゼネラル・ミルズ(GIS)
食品大手が、1日寄り前に決算発表。売上高がやや弱かったが、利益は予想を上回った。また、2010年度通期利益見通しが予想を大幅に上回った。原料価格の上昇が緩やかなことが強材料になっていると言う。

第4四半期(3−5月期)実績
○売上高…36億5,000万ドル(コンセンサスは36億8,200万ドル)
○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.86ドル(コンセンサス予想は0.81ドル)
○為替差損により、増収率が2%減少した。

(会社側のコメント内容)
○6月29日に増配した。9.3%増配し、47セントとした。
○自社株買戻しから、負債返済にシフトする。

2010年度通期ベース予想
○1株当たり利益(一部項目を控除)…4.20ドル〜4.25ドル(6月17日のガイダンスは4.15ドルだった。コンセンサス予想は4.18ドル)

26.クラフト・フーズ(KFT)
食品大手に好材料。ロシアで工場を拡大すると言う。

27.27日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は61万4000件(前週63万件)と、予想(61万5000件)を下回った。新規失業保険申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は61万5250件と、前週の61万8000件から減少。20日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は670万2000人と、前週の675万5000人から5万3000人減った。失業保険受給者比率は5.0%(前週5.1%)に低下した。

28.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
医薬品メーカー大手の同社は2日、アイルランドの製薬最大手エランのアルツハイマー治療薬を開発することで合意。エラン株式18.4%を10億ドルで取得する。同社はエランと同業のワイスが共同で開発しているアルツハイマー治療薬を受け入れる新会社を創設する計画だ。

29.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は2日、同中銀が今後数カ月、政策金利を現行の過去最低水準に据え置くことを示唆。

  (その他主要発言内容)
★現在の政策金利水準は適正だ。
★経済活動は引き続き弱いと見込まれるものの、今年1−3月(第1四半期)に比べれば縮小のペースは鈍化するだろう。来年について見ると、安定化の時期を経て2010年半ばごろに回復の時期が訪れるだろう。
★ECBは期間1年の流動性供給オペの初回結果に満足している。
★成長が回復した際には金融・財政両面の景気刺激を迅速に引き揚げることの必要性を認識している。
★当面、インフレ圧力が弱い状態が続くだろう。

30.フレディマック(米連邦住宅貸付抵 当公社)が2日発表した住宅ローン報告によると、今週の30年物固定金利は前週から低下。ローン金利低下に向けた米連邦準備制度理事会(FRB)の取り組みが効果を上げていないとの懸念が緩和された。30年物固定金利は平均5.32%と、 前週の5.42%から低下した。15年物固定金利は4.77%だった。

31.コンチネンタル航空(CAL)
モルガン・スタンレーが同社株の投資判断を“イコール・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げた。流動性が恩沢であることを背景にしている。一方、サウスウェスト航空株を“イコール・ウェイト”から“アンダー・ウェイト”に引き下げた。

32.エバーグリーン・ソラー(ESLR)
太陽光発電用ウェーハー・メーカー同社株の投資判断がJ.P.モルガン・チェースによって“アンダー・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げられた。

33.ポタッシュ(POT)
ロシア第2位の肥料メーカー、OAOウラルカリが肥料価格を20%引き上げたことが背景で、同業ポタッシュに買い物が入った。


ベア材料
1.ニューヨーク市マンハッタンの連邦地裁は29日、650億ドル規模と言われる史上最悪のねずみ講事件で逮捕・起訴されたバーナード・マドフ被告に禁固150年の判決を言い渡した。同被告は、証券詐欺や郵便詐欺、3件のマネーロンダリング、偽証、SECへの虚偽報告を含む11の罪で有罪となっている。

2.J.P.モルガン・チェース(JPM)
ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は、以下の通りコメントした。

   (コメント要旨)
★J.P.モルガン・チェースの3−6月(第2四半期)は、金融安定化法に基づく公的資金の返済に関連した優先株の買い戻し費用と、米連邦預金公社(FDIC)に支払う査定費用により、赤字決算となる可能性がある。J.P.モルガンの第2四半期決算は1株当たり10セントの赤字となる可能性がある。予想では、1株当たり24セントの黒字が見込まれている。
★通期の利益見通しを24%引き下げ、1株当たり1.23ドルとしたが、2010年と2011年の見通しは引き上げる。

3.損害保険会社
業界団体が29日発表した文書で、AIGやオールステートなど、米損害保険会社の今年1−3月期の業績は過去最大の赤字だったことが判明。投資が落ち込む一方で、毎月の保険料を上回る請求があったのが背景。リセッションの影響で保険証書を裏付ける債券価値が下落したほか、資金繰りの厳しい顧客に対して保険料を引き下げたのが業績を圧迫した。保険売り上げは1−3月期に過去最大の落ち込みとなる3.6%減の1064億ドルだった。また投資の含み損は164億ドル拡大した。

4.ボストン連銀のローゼングレン総裁が29日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★オバマ大統領が提案する金融システム監督機関は、金融機関が良好な状況にある時でも、より高いリスクを取る可能性が見込まれる場合には資本の増額などを求める権限を持つべきだと述べた。
★システミックリスクを監視する機関は破綻しそうな銀行や非銀行金融機関の業務縮小を命じる権限は必要ないが、大手金融機関や相互に関連したすべての金融機関に対し、支払い能力と流動性を監視する権限を持つべきだ。
★オバマ政権が打ち出した包括的金融規制改革で金融制度全体のリスクを一元的に監視する当局は、バブル再発を防止するための監視も必要だ。

5.国際決済銀行(BIS)は29日公表した年次報告で、以下の通り指摘した。

   (主要指摘内容)
★大手銀行はシステミックリスクに対し比例配分以上の影響力を持つ。このことは、規模が大きいか、他社との相互依存が強い銀行ほど資本増強とレバレッジの縮小が必要なことを示している。
★規制は金融機関や金融商品、市場によってもたらされるシステミックリスクも考慮に入れて策定されるべきだ。
★各国中央銀行はインフレに焦点を絞るのではなく、信用や資産価格の急上昇にも対応すべきだ。

6.全米産業審議会(CB)の6月の新規のオンライン求人広告数は194万9400件で、前月の196万100件(改定値)から減少した。

7.6月の消費者信頼感指数は49.3(前月 54.8)と、予想(55.3)を下回った。

   (項目別動向)
現況指数は24.8と前月の29.7から低下。今後6カ月の期待指数は65.5となり、前月の71.5から落ち込んだ。今後6カ月間で雇用が増加するとの回答の割合は17.4%(前月は19.3%)に減少。今後6カ月間で所得が増加するとの回答も9.8%(前月10.8%)に減った。

8.米通貨監督庁(OCC)と貯蓄機関監督局(OTS)が30日発表した四半期報告によると、リスクの低い米住宅ローンの返済延滞率が1−3月(第1四半期)に前年同期の2倍以上に膨らんだ。プライム住宅ローンの60日以上の延滞率は2.9%に拡大した。前年同期は1.1%だった。同住宅ローンに対する差し押さえの初回届出件数は前期比22%増加した。米住宅ローンの3分の2を占めるプライムローンの深刻な返済延滞件数は1−3月に66万1914件と、前年同期の25万986件から増加。住宅ローン全体でみても、60日以上の延滞率は1年前から88%増えた。

9.セントルイス連銀のブラード総裁は30日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★金融政策当局者はインフレリスク抑制や景気回復の後押しを目指して実施してきた大規模な資産購入の出口戦略を策定する必要がある。
★戦略がなければ、インフレ高進期待が生じる可能性がある。インフレ期待が長期利回りに影響を及ぼせば、今日にでも利回りは上昇するだろう。

10.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、欧州の金融機関に販売したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の価値低下が、同社の業績に重大な悪影響を与える可能性があることを明らかにした。
                           
11.サザン・カンパニー(SO)
電力大手株がシティ・グループによって“買い”から“保有”に投資判断が引き下げられた。

12.ディア(DE)
農機具メーカー大手株に悪材料。800人の人員削減により税前費用が1億ドルに達するとの見通しを発表した。これは会社側の当初見通しの倍に相当する額である。

13.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが1日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、6月の米民間部門の雇用者数は前月比47万3000人減少した。39万4000人の減少が見込まれていた。また、5月は48万5000人減(速報値53万2000人減)に修正された。

   (業種別雇用動向)
製造業では14万6000人減少、サービス部門は22万3000人減少した。

14.全米企業エコノミスト協会(NABE)は1日、6月の雇用統計で非農業部門の就業者数が、季節調整済みで前月比34万4,000人減少するとの見通しを発表した。また就業者数が30万人以上の減少となる確率を56%とした。6月雇用統計は労働省が2日発表する。

15.5月の建設支出は前月比0.9%減少(4月は0.6%増)し、予想(0.6%減)より大きな落ち込みとなった。民間と公共を合わせた住宅建設は3.5%減(前月は横ばい)。非居住建設は0.1%増(前月0.8%増)にとどまった。

16.ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は1日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米経済は数四半期の間プラス成長となった後、再びマイナス成長に転じるだろう。
★景気は一時的にかなりの改善を示すだろう。4−6月(第2四半期)には「ゼロ付近」または「若干のプラス」になると見ている。

17.サンフランシスコ連銀のイエレン総裁が、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米金融当局が政策金利を向こう数年にわたってゼロ付近に維持することは可能性の範囲の外ではない。
★米国は非常に深刻なリセッションにある。インフレ率が今後に恐らく米金融当局が望ましいと考える水準を下回ると予想。リセッションの深刻さを踏まえ、当局がより多くの対策を取ろうと考えるのは妥当だ。
★インフレについては、向こう数年についての主要なリスクは、高過ぎることではなく低過ぎることだ。
★今回の金融危機は百年に1度の洪水であり、継続的な緊急態勢を我々に強いてきている。必要な時期が来れば、米金融当局が今までに景気に対して供給してきた記録的な量の刺激を引き揚げることをためらわない。どちらかといえば、早過ぎる政策引き締めに傾き、回復の芽を摘むことの方を懸念している。
★完全なメルトダウンを回避することには成功した。しかし、商業用不動産の価格下落などが金融市場に次の衝撃を引き起こす可能性はある。
★リセッションは年内に終了するだろう。しかし、通常の状態にすぐに戻るとの楽観的な見方は抱いていない。失業率は今後、数年間にわたって、痛みをもたらす高水準にとどまるだろう。
★住宅ローン金利の上昇が依然として非常に病んでいる住宅市場の足かせになりかねない。原油価格上昇も回復に悪影響を与える恐れがある。

18.自動車メーカー各社が1日発表した6月の米国販売統計によると、フォードの販売台数は前年同月比で11%減、クライスラー・グループは42%の減少となった。

19.AIG(AIG)
1対20の逆株式分割を実施したAIG株が急落。欧州の金融機関に販売したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の価値低下が、同社の業績に重大な悪影響を与える可能性があることを明らかにしたことが引き続き悪材料となっている。

20.マリオット・インターナショナル(MAR)
ホテル大手に悪材料。バークレイズが同社株の投資判断を“イコール・ウェイト”から“アンダー・ウェイト”に引き下げた。ホテル株の回復は、相場の回復に少なくとも6ヶ月遅れると言う。バークレイズは、更に同業スターウッド・ホテル(HOT)も同様に投資判断を引き下げた。

21.6月の雇用統計が発表になった。
★非農業部門雇用者数は前月比46万7000人減少した。予想は36万7000人減少だった。5月は32万2000人減と、速報値の34万5000人減から修正された。就業者数の減少は18か月連続で、第2次オイルショック後の長期停滞に陥った81〜82年を超える戦後最長となった。
★失業率は9.5%と、予想(9.6%)を下回った。しかし、1983年8月以来の高水準に上昇した。
★週平均労働時間は33時間(前月33.1時間)
★製造業での週平均労働時間は39.5時間(前月39.4時間)
★平均週給は611.49ドル(前月613.34ドル)
★平均時給は18.53ドル(前月18.53ドル)

  (部門別雇用動向)
★製造業部門では、13万6000人の雇用が減少。予想では15万人減が見込まれていた。製造部門のうち、自動車・同部品部門では2万6500人が減少した。ゼネラル・モーターズとクライスラーが破産を申請したことで関連する部品メーカーや自動車ディーラーが打撃を受け、さらに人員解雇が増えた。
★建設部門は7万9000人減、前月の4万8000人減から削減幅が拡大した。

銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は24万4000人減少と、前月の10万7000人減から人員削減が加速。小売りは2万1000人減(前月1万7600人減)。金融機関での人員削減は2万7000人減と、前月の3万人減から削減幅が縮小した。

22.ボーイング(BA)
航空機メーカー大手のボーイングは2日、新型機「787ドリームライナー」15機の受注をこの1週間で失ったと発表した。

23.オラクル(ORCL)
ソフトウエアメーカー世界2位のオラクルは欧州で最大1000人を削減する計画。

24.エクセロン(EXC)
原子力発電所運営で米最大手のエクセロンは2日、同業の米NRGエナジーに対する買収提示額を12.4%引き上げた。

25.格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2日、アイルランド国債の格付けを「Aa1」とし、従来の最高格付け「Aaa」から1段階引き下げた。膨らみつつある同国債務を理由に挙げた。格付け見通しは一段の引き下げの可能性を示す「ネガティブ(弱含み)」。アイルランドは1998年に取得した最高格付けを失い、ベルギーと同水準となった。

26.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーの2009年4−6月(第2四半期)は赤字のもようだと、ニューヨーク・タイムスが1日、アナリストらの見方を基に報じた。金融危機を受け、トレーディングリスクを控えるとの昨年の決断が短期的に影響するという。一方で、こうした決断を取らなかった同業のゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースの収益はリスクテークを受けて回復しているという。モルガン・スタンレーが今月発表する第2四半期決算の赤字は4億ドルの見込みとし、一部では10億ドルとの指摘もあると伝えている。

27.ニューヨーク証券取引所(NYSE)の運営会社、NYSEユーロネクストは2日、NYSEの同日の取引終了時間を午後4時15分とし、取引時間を通常より15分間延長した。コンピューターの障害が理由。

=以上=
posted by mori at 09:53| マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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