2009年04月06日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 04/05

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

4月5日

森  崇

ブル材料
1.米議会から厳しい批判を受けた米財務会計基準審議会(FASB)が今月提示した時価会計ルールの見直し案により、シティグループなどの銀行の利益は2割強改善する可能性があると言う。FASBが16日示した時価会計ルールの見直し案では、企業は資産評価でかなりの裁量権が認められるとともに、住宅ローン担保証券などの不良資産で計上を義務付けられた評価損を縮小することができる。見直し案は1−3月(第1四半期)の財務諸表から適用される見通しで、これに関する最終的な採決は4月2日に予定されている。

2.アルコア(AA)
アルミ生産のアルコアが上昇。英豪系BHPビリトンによる買収観測が手掛かりだった。

3.米供給管理協会(ISM)が1日 発表した3月の製造業景況指数は36.3(前月は35.8)と、予想(36.0)を若干上回ったが、50を14カ月連続で下回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数・・・41.2(前月33.1)
★輸出指数・・・39(前月37.5)
★雇用指数・・・28.1(前月26.1)
★在庫指数・・・32.2(前月37)
★仕入れ価格指数・・・31(前月29)

4.全米不動産業者協会(NAR)が1日に発表した2月の中古住宅販売成約指数は前月比2.1%上昇の82.1(前月は7.7%低下の80.4)と、予想(前月比変わらず)を上回った。地域別でみると、成約指数は全米3地域で上昇した。特に中西部では前月比14.5%上昇。北東部は同10.6%、南部は4.4%上昇した。一方で西部は13.5%低下した。

5.自動車メーカーが1日発表した3月の米自動車販売によると、ゼネラル・モーターズ(GM)などが前年同月から大幅減少したものの、市場予想ほどは悪化しなかった。販売奨励策が下支えとなった。底が見え始めており、改善の兆候が幾つかあるとのアナリストコメントも聞かれた。GMの3月販売台数は前年同月比45%減(予想は48%減)、フォードは41%減(予想45%減)、クライスラーは39%減少(同46%減)した。

6.ガイトナー米財務長官は1日、金融市場には改善の心強い兆候がみられるとし、経済危機への国際的な取り組みを評価した。

7.2月の建設支出は前月比0.9%減(1月は3.5%減)と、予想(1.9%減)より落ち込みが小さかった。昨年10月以来で最小の減少率となった。2月の民間の非住居用建設は前月比0.3%増加(前月4.3%減)した。プラスは5カ月ぶり。

  (内訳)
民間と公共部門を合わせた非住居用建設は前月比0.5%増加した。公共部門の建設は前月比で0.8%増加した。特に州や地方自治体の公共施設への支出が伸びた。

8.2月の製造業受注額は前月比1.8%増(1月は3.5%減)と、予想(1.5%増)を上回る伸びだった。前月比で上昇したのは7カ月ぶり。2月の輸送機器を除く受注は1.6%増加した。

  (内訳)
耐久財受注額は3.5%増加(前月7.8%減)、非耐久財の受注額は0.3%増(前月0.5%の増加)。航空機を除く非国防資本財受注は7.1%増加(前月は12.3%の減少)

9.3月28日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比1万2000件増の66万9000件と、1982年以降で最高を記録。予想は65万件だった。新規失業保険申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は65万6750件と、前週の65万250件から増加した。

10.バンカメ(BAC)
バンカメのケネス・ルイスCEOは2日、数四半期が経過し、景気に改善がみられれば、政府から受けた公的資金の一部を返済できる見込みだと語った。
景気は 今年下半期に底を打つ兆候があり、来年の早い段階に回復する可能性があると語った。

11.欧州中央銀行(ECB)は2日、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を0.25ポイント引き下げ1.25%とすることを決定した。ほとんどのエコノミストが0.5ポイントの利下げを予想していた。下限政策金利である中銀預金金利は0.25%(従来は0.5%)に引き下げられた。上限政策金利の限界貸出金利は2.25%(同2.5%)。
ECB当局者の間ではFRBやイングランド銀行にならって資産購入による量的緩和に踏み切るべきかどうかの議論が高まっている。主要な政策金利である最低応札金利の1.25%は1999年のECB誕生以来で最低。ECBは最長6カ月の資金を無制限に供給するとともに、預金金利が事実上、短期金利の調節手段となることを容認している。

12.ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)は2日、規制の強化と、1兆ドル超の緊急支援策を盛り込んだ宣言を採択して閉幕した。ヘッジファンドや幹部報酬、信用格付け会社、銀行のリスク許容に対する制限を厳しくすることを表明。国際通貨基金(IMF)への拠出を拡大。ただ、各国が一段の景気刺激策を実施するかどうかについては言及を避けた。各国政府は国内の市場と企業を引き続き監督するものの、G20は「金融安定化ボード」を創設し、IMFと協調してリスクに対する早期警戒に努める。

13.中国物流購買連合会が2日発表した3月の製造業購買担当者指数は52.4と、前月の49から上昇した。50を超えたのは6カ月ぶり。政府の4兆元に上る景気刺激策が影響した。

14.フレディマック(FRE)
米住宅金融大手フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は2日、米住宅ローンの30年物固定金利の平均が今週低下し、同社統計上の最低を更新したと発表した。今週の30年物固定金利は平均で4.78%と、前週の4.85%から下げた。これは同統計が始まった1971年以来の最低水準。

15.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★非常に慎重なやり方で現行水準からさらに金利を引き下げる可能性を排除しない。
★非伝統的な別の手段については5月7日の次回政策委員会で決定する公算だ。
★下限政策金利である中銀預金金利はこれ以上引き下げない。0.25%の預金金利は極度に低い。政策委員会がこれを変更するとは考えていない。

16.国際通貨基金(IMF)が再び脚光を浴びている。ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の合意に伴い、合計で1兆ドル(約100兆円)を超える緊急支援枠を確保することになった。金融サミットは2日、IMFの緊急融資枠を3倍に拡大し、7500億ドルにすることで一致。IMFの準備資産である特別引き出し権(SDR)2500億ドルも加盟国に追加配分する。

17.ギリアド・サイエンシーズ(GILD)
  同社の実験新薬に降圧作用があることが臨床試験で確認されたと言う。

18.バーナンキ議長が3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★住宅ローン担保証券(MBS)の買い取りにより、住宅ローン金利が低下している。低下は住宅市場の回復に役立つ。

19.リサーチ・イン・モーション(RIMM)
多機能携帯端末(スマートフォン)「ブラックベリー」を製造・販売するカナダのRIMMが2日引け後に示した2009年3−5月(第1四半期)の一部項目を除いた1株利益の下限は88セントと、予想(82セント)を上回った。


ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
(1)GMのリック・ワゴナーCEOが退任することになった。オバマ米大統領の作業部会は、同氏では、GMを救うことができないと判断した。フリッツ・ヘンダーソン最高業務責任者(COO)が後任CEOとなり、会長職はケント・クレサ取締役が引き継ぐ。

(2)オバマ米大統領は30日、ゼネラル・モーターズとクライスラーに対し、存続への最後のチャンスを与えた。同大統領は両社に対し、国家に依存することなく、根本的な経営再建策を策定するよう指示。

   (発言要旨)
★米自動車産業を単純になくすことはできないし、させるわけにもいかない。しかし、誤った判断を許し続けることもできない。税金を際限なく使用して自動車産業を存続させることもできない。
★債権団や株主、従業員、ディーラー、部品企業には一段の犠牲が予想される。
★GMのリック・ワゴナーCEOに辞任を迫る。クライスラーにはフィアットとの提携を模索するよう求める。
★両社の計画が失敗した場合に備え、政府は事前合意型の破産法適用に向けて用意を進めている。その方が債務を処理し、小規模な事業体系で再出発するのが容易になる。ただし、破産法を会社分割のためには使用しない。破産法は政府の支持の下、債務を処理するためになら使用する。
★自動車業界に依存した労働者や社会、地域の支援に向け、連邦政府の力をフル活用し、官僚的な形式主義を打破する為、エドワード・モンゴメリー元労働次官を起用した。
★7870億ドルの景気対策費用を用いて公用車の購入を加速し、消費者や自動車ディーラーへの信用供与を拡大するため金融会社に協力する。

  (3)ゼネラル・モーターズのフリッツ・ヘンダーソン新CEOは30日、政府と
の事前合意に基づく破産法申請について、可能性は以前より高まったものの好ましい選択肢ではないことに変わりはないと述べた。

2.クライスラーと親会社のサーベラス・キャピタルは、イタリアのフィアットとの提携に向けた枠組みで合意。提携に向けた枠組み確立は60億ドルの追加支援を政府から受けるための前提条件となっている。当初の合意では、フィアットが小型車の技術を共有する見返りに、クライスラーの株式35%を取得することになっている。

3.スタンダード・アンド・プアーズは30日、ハンガリーの外貨建て長期債務格付けを従来の「BBB」から1段階引き下げ、投資適格級最低の「BBB−」に設定した。ハンガリーが予想されたよりも深刻なリセッションに陥ったことを受け、政局が混乱したことが背景。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」となっている。

4.欧州中央銀行(ECB)のビニ・スマギ理事は30日、各国政府が世界的なリセッションの終息を目指した短期的な救済策だけでなく、経済の構造改革にも力を入れる必要があるとの認識を示した。

5.ゴールドマン・ザックスは米国株の投資家は景気に左右されにくい「ディフェンシブ」銘柄から景気敏感株に乗り換えるのをもうしばらく待った方が良いとの見解を示した。景気循環株がほかより勝るのは景気の谷が過ぎてから4−12カ月後になることが多いため、経験則から判断すると、物色対象を
変更するのは早い時期よりも遅い方が良いと指摘した。ゴールドマンはヘルスケア株や生活必需品株について、ベンチマークよりも多く保有するオーバーウエートを推奨している。一方、公益事業、一般消費財・サービス、金融、資本財・サービスの各セクターについてはアンダーウエートを提言。

6.経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米国と欧州連合(EU)の今年の失業率が10%に達するだろう。世界的な景気の落ち込みによりOECD加盟30カ国のGDPがマイナス成長になるのが背景。
★OECDは3月31日に発表する最新の経済見通しで、今年の加盟国の成長率見通しをマイナス4.2−4.3%と、昨年11月時点の見通し(マイナス0.3%)から下方修正する方針。

★世界的なリセッションが深刻化していることは、OECD加盟国が景気不振から脱却するために追加的な措置が必要なことを意味している。
★米国など一部の国はとても懸命に努力をしている。中国もそうだ。他国にも同様の措置が必要だ。

7.UBS(UBS)
UBSの株価が急落した。スイス紙ゾンタークが29日、同行が巨額評価損と8000人の削減を発表する可能性があると報じたことに反応した。UBSが人員を削減するとともにクレジット契約の履行・買い戻しに絡み約「20億」、クレジット関連の義務で「数十億の額」の評価損を計上する可能性があると報じた。これらは4月1日に発表される可能性があるという。

8.モルガン・スタンレーのストラテジスト、ジェイソン・トッド氏が、米国株の売りも推奨。引き続き業績見通しは悪いと言う。

9.シカゴ購買部協会が31日に発表した3月のシカゴ地区の製造業景況指数は31.4(前月は34.2)と、予想(34.3)を下回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…30.9(前月30.6)
★生産指数…32.7(前月34.7)
★雇用指数…28.1(前月25.2)
★仕入れ価格指数…34.1(前月37.8)

10.3月の米消費者信頼感指数は26(前月は25.3)と、予想(28)を下回った。雇用が十分にあるとする回答は4.6%で前月から変わらず。今後6カ月の期待指数は28.9と、2月の27.3から上昇した。所得が今後6カ月に増加するとの回答は7.5%と7.9%から減少した。現況指数は21.5(前月22.3)に悪化した。

11.全米20都市を対象にした1月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で19%低下(前月は18.6%低下)と、予想(18.6%低下)より落ち込みが大きかった。これは01年の集計開始以来で最大の落ち込み。同指数は2007年1月から連続で低下している。
調査対象となった20都市すべてで住宅価格指数が前年同月比で低下。特にフェニックスとラスベガスはそれぞれ35%と32.5%の大幅な低下を記録した。また前月比でも20都市すべてで低下した。

12.JPモルガン・チェースは31日、投資銀行が今年、保有する仕組み金融商品について合計でさらに170億ドルの評価損を計上するとの予想を示した。
ドイツ銀行が年末までにさらに49億ドル、英銀バークレイズが30億ドルの評価損を計上する可能性あると試算した。また、仏銀BNPパリバとスイスのクレディ・スイス・グループの評価損は、それぞれ11億ドルと12億ドルと予想。特に、ドイツ銀はレバレッジが高いことや評価損が見込まれることから増資が必要な可能性があると指摘した。また、ゴールドマン・ザックスなど米国の投資銀行は欧州勢に比べ資本水準が高く負債が少ないため有望だとしている。

13.ゼネラル・モーターズ(GM)
★ゼネラル・モーターズのヘンダーソンCEOが31日、法廷外での再建が好ましいと述べて、あらためて破産法の適用回避を目指す方針を強調した。
★ドイツ銀行のアナリスト、ロッ ド・レーチェ氏は、米政府が自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーを破たんさせた後、直ちに両社の優良資産を売却して新会社を設立する案を検討している可能性がある
と述べた。米連邦破産法の363条に基づく「363条式資産売却」を採用すれば、両社の破産手続きが長引く中で自動車販売がさらに悪化する心配もないと指摘。新会社はあらゆる想定に備えて、ブランド数や市場シェア、債務などを抑えて、適切な規模にまとめることができると指摘した。
★同社は米国内のディーラーに対して、3月の販売実績は目標値の3分の2も達成していないことを明らかにした。
★GMの社債保有者は、債務の交換が破たん回避につながるか懐疑的だと見ていると言う。政府が提示した猶予期間は十分ではないもよう。

14.経済協力開発機構(OECD)は31日、最新の経済見通しを発表。

  (要旨)
★2009年の加盟国全体の成長率予想をマイナス4.3%に下方修正。
★10年の加盟国成長率をマイナス0.1%と予想。09年の予想は昨年11月時点のマイナス0.3%から下方修正。
★下方修正の背景は、信用逼迫、住宅価格・株式相場下落による資産目減り、全体的な信頼感の低下が、全世界で民間部門の需要に大きな悪影響を与えていることだ。総需要減退の影響を和らげるには、金融市場を修復することに加えて、マクロ的な景気刺激策が必須だ。
★加盟30カ国すべてが年末までにリセッション入りしていると予想。これは前例のないことだ。
★回復は最初は弱々しいが2010年の終わりにかけて勢いを増すだろう。
★米国とユーロ圏の失業率は10%を超えるだろう。主要7カ国の失業者数は来年遅くに、07年半ばに比べほぼ2倍の3600万人に達する見込みだ。
★加盟国中では日本経済が最悪の6.6%マイナス成長となる見込み。10年はマイナス0.5%と予想される。ユーロ圏は09年がマイナス4.1%、10年がマイナス0.3%、米国は09年がマイナス4%、10年は横ばいと予想。
★必要ならば銀行を国有化して不良資産処理と資本再強化を進めることが必要だ。保護主義的政策を避け、余力のある国は金融緩和と財政出動を続けるべきだ。中銀は金利をゼロ付近に維持し与信の流れを回復させる必要がある。ドイツやカナダなどにはまだ支出拡大の余地がある。
★米国の政策金利は10年末まで0.25%にとどまり、ユーロ圏は今年6月末までに現在の1.5%からゼロに近づくだろう。日本の短期金利は0.1%にとどまる見込み。
★信用市場の機能回復には低金利だけでは十分でない。米連邦準備制度理事会(FRB)の例に倣い金利以外の方法で融資促進を図ることが推奨される。金融当局は信用創造と流動性拡大、デフレ圧力緩和に向けた直接的な措置を導入または拡大するべきだ。
★債券買い上げなどの措置をまだ導入していない欧州中央銀行(ECB)については、需要喚起に向けて量的緩和の措置を導入するべきだ。
★既に米国債購入を開始したFRBについては、回復が始まり金融環境が正常化し次第、利上げを開始する必要があるだろう。デフレについては多くの加盟国において、10年には大きなリスクがありそうだ。
★ロンドンで4月2日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で指導者らが協調的な景気刺激策で合意できる可能性は低いとし、既存の各国の対策が最終的に不十分に終わることが、10年の景気回復に対する最大のリスクだ。

15.グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は31日、ワシントンでスピーチした。

  (発言要旨)
★金融当局は大手米銀に対し、支払準備の最低基準を引き上げるべきだ。金融機関に対して何かしらの負担を与えるべきだ。規模が大きく金融システム安定化のために重要だと認識されている大手金融機関が暗黙的に優位にある状況を是正する必要がある。
★最低支払準備率を金融機関の規模に応じて引き上げるのも一案だ。

16.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが1日発表した集計調査によると、3月の米民間部門の雇用者数は前月比74万2000人減少(2月は70万6000人減)し、予想(66万3000人減)を上回る落ち込みだった。

  (業種別内訳)
製造業と建設業を含む財生産部門が32万7000人減少。製造業では20万6000人減少した。サービス部門は41万5000人減少した。

17.ゼネラル・モーターズ(GM)
★オバマ米大統領は、ゼネラル・モーターズ(GM)の事業を再編し、競争力のある自動車メーカーとして立て直すためには、事前調整型の破産法適用が最も有力な手段になるとの判断を固めたもよう。クライスラーについても、イタリアのフィアットとの提携がまとまらない場合、破産法を適用した上で、事業を切り売りする用意があるという。オバマ大統領はGMが債券保有者や全米自動車労組(UAW)との交渉を通じて破産法の適用回避に向けて努力し、クライスラーもフィアットとの協議を継続することを期待しているが、政権当局者らは事態を楽観していないという。

★米政府は6月1日に期限を迎える自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の転換社債10億ドルの償還を肩代わりしない方針をGMに伝えた。
これにより、政府から事業継続への最後のチャンスとしてGMに与えられた60日の猶予期間は、延長されないことがほぼ確実となった。GMの転換社債(表面利率1.5%)10億ドルは6月1日に償還期限を迎える。ニューヨーク時間午後1時56分現在、同転換社債(25ドル単位で発行)は前日比2.05ドル下げて7.20ドルで取引されている。

18.クリーブランド連銀のピアナルト総裁は1日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★新規制は大手金融機関が金融システムに与えたリスクが軽減されるように設定すべきである。こうした規制を導入することで一部金融機関は規模が縮小する可能性がある。

19.JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、破たん企業の処理
方法を統一することによって、破たん時の市場大混乱を回避するよう規制当局に呼び掛けた。

  (呼びかけ要旨)
★第一歩は金融機関が破たんしないように、十分に規制することだ。もしも破たんした場合は、正しい取り決めがあれば素早く適切に、一貫した方法で対応できる。
★連邦預金保険公社(FDIC)が監督下の銀行を接収できることや、連邦政府の規制当局に銀行以外の金融機関を接収し清算する権限を与えることが必要だ。
★システム全体を規制する当局が、資本市場で発生し得る新たなリスクを監視することで問題を早期に発見する必要がある。
★会計規則が頻繁に変更され過ぎる上に、解釈や操作の余地があり過ぎる。時価会計規則については、プライベートエクイティ(未公開株)や不動産など長期にわたって保有される流動性の低い資産には適用されるべきではない。

20.クライスラーの株式のすべてを、親会社の米投資会社サーベラスが手放すことで米政府と合意したと、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。サーベラスは2007年夏にダイムラーからクライスラー株80.1%を取得したが、クライスラーの株式の価値はほとんどなくなっているとみられる。

21.モルガン・スタンレー(MS)
バークレイズ・キャピタルは、モルガン・スタンレーの2008年12月−09年2月(第1四半期)決算が前期に続いて赤字になるとの見通しを示した。12−2月期の1株当たり損益を1.30ドルの赤字と予想。3月9日に示した25セントの黒字から下方修正。仕組み債の損失が9億5000万ドル、不動産の評価損が26億ドルと予想した。コンセンサス予想は、12−2月期には黒字(20セント)となっている。

22.モンサント(MON)
遺伝子組み換え(GM)穀物開発最大手のモンサントが2日発表した2008年12月−09年2月(第2四半期)決算は、継続事業からの1株当たり利益が2.16ドルと、予想の2.07ドルを上回った。

23.3月の雇用統計が発表された。
  
★非農業部門雇用者数は前月比66万3000人減少(2月は65万1000人減)と、予想(66万人)を若干上回った。4カ月連続で65万人以上のマイナス。
★失業率は8.5%(前月は8.1%)と、予想値に一致した。
★週平均労働時間は33.2時間(前月33.3時間)→記録上の最低値。
★製造業部門の週平均労働時間は39.3時間(前月39.5)
★超過勤務は前月と同じ2.7時間。
★週平均賃金は614.20ドル(前月615.05ドル)。
★平均時給は前月比3セント(0.2%)増加し18.50ドルとなった。前年比では3.4%増加した。

(項目別動向)
製造業部門は16万1000人減(前月は16万9000人減)、自動車・同部品部門は1万7500人減少。銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は35万8000人減少(前月は36万6000人減)。金融機関は4万3000人減少(前月4万4000人減),小売りは4万7800人減(前月5万800人減)。建設部門は12万6000人減(前月10万7000人減)だった。政府機関は5000人減(前月3000人増)となった。

24.米供給管理協会(ISM)が3日発表した3月の非製造業総合景況指数は40.8(2月は41.6)と、予想(42)を下回った。
  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…38.8(前月40.7)
★雇用…32.3(前月37.3)
★仕入れ価格…39.1(前月48.1)

25.米通貨監督局(OCC)と貯蓄機関監督局(OTS)が3日発表したリポートによると、リスクの低い借り手を対象にしたプライム住宅ローンの返済延滞率は昨年、2倍に上昇した。返済が遅延している住宅ローン件数は昨年第4四半期に30%増加し、住宅ローン全体の4.6%を占めた。全米の住宅ローン3500万件のうち、プライムローンは3分の2を占めるが、返済が60日以上遅れているのは第4四半期で55万3736件に上った。

26.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者、ビル・グロス氏は3日、米国の失業率が10%に上昇するとの予想。その後は8%に低下する見通しという。グロス氏はまた、景気が底を打った後、米経済は1−2%の成長率に戻るが、3−4%成長とはならないとの見方を示した。

27.米半導体工業会(SIA)が3日発表した2月の世界半導体売上高は、前年同月比30%減の142億ドルとなった。携帯電話などの機器に使われる半導体需要の減退が響き、5カ月連続の減少となった。

28.コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★我々は、物価安定に加え、高水準の生産と雇用を伴った持続的な景気回復という究極の目的を常に留意する必要がある。FRBは金融政策が景気回復に貢献できるような方策を引き続き模索していく。
★我々は森をまだ抜け出していない。多くの金融市場ではかなりの緊張状態が続いており、流動性不足から資産価格は抑制されており、信用スプレッドと信用の供給量は非常に高いリスク回避傾向をなお反映している。

29.自動車大手クライスラーの債務と権益を交換する債権銀行団との交渉に、米財務省が乗り出した。財務省が交渉に参加することで現状打開への期待が高まった。破たんの際の弁済順位が一番高い有担保の債権銀行団との債務交
換交渉はこれまで進展がなく行き詰っていた。

30.ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授は3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★欧州中央銀行(ECB)は前日の政策委員会で、リセッションの深刻化に歯止めをかけるために少なくとも0.5ポイント利下げすべきだった。
★ECBの控えめな金融政策により、ユーロ圏は米経済よりも深刻な景気縮小に見舞われるというパラドックスに陥るかもしれない。
★状況が悪化すればECBがギリシャやアイルランドの国債買い取りに踏み切る公算もある。ただ、ユーロを採用する16カ国の景気悪化が単一通貨の存続を脅かすことはない。通貨連合は成功し、生き残る。

31.ブリストル・マイヤーズ(BMY)
  サンフォード・バーンスティンが同社投資判断を“アウトパフォーム”から“マーケットパフォーム”に引き下げた。同社は利益に対し、株価が高過ぎる為、買収ターゲットにはならないだろうと言う。

32.ヒューマナ(HUM)  
  マネージド・ヘルスケアー会社に悪材料。ワコービアが、政府によるメディケアー・アドバンテージ・プログラムの変更によって、同社予想利益が20%も減少するかもしれないという。

33.アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)
  シティ・グループが同社株の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。ライバルであるライムライト・ネットワークスとの競争激化により、同社のリスクになると言う。

34.マイクロン・テクノロジー(MU)
2日引け後に発表した2008年12月−09年2月(第2四半期)決算は、9四半期連続の赤字となった。業界全体の供給過剰や需要鈍化のあおりで、半導体価格が製造コストを下回ったことが響いた。第2四半期の純損失は1株当たり97セントと、予想(1株当たり62セントの赤字)より悪化していた。売上高は前年同期比27%減の9億9300万ドル。予想は11億4800万ドルだった。

=以上=
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