先週米国株を取り巻くブル・ベア材料
1月18日
森 崇
ブル材料
1.オバマ次期米大統領は12日、問題資産購入計画(TARP)資金の残り3500億ドルを使用する意向を議会に通知するようブッシュ大統領に要請。ブッシュ大統領は次期大統領の要請を了承。政府は引き続き、法令にのっとった最善な形での対処をオバマ氏の政権移行チームや議会と話し合っていくと述べた。次期政権で国家経済会議(NEC)委員長に就任するサマーズ元財務長官は12日、議会の民主・共和党幹部らにオバマ政権下でのTARP使用に関する書簡を送った。透明性や信頼性があまりにも低過ぎると判断しており、資金援助を受けた金融機関からの返済を含めて、資金の用途を完全かつ公に明らかにすることを約束している。また、住宅差し押さえを削減できるような政策に議会と取り組み、住宅市場回復のために破産法を見直すよう指示。
2.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーはシティグループに対し、両社の証券事業を統合する合弁会社の経営権を取得するため、最高30億ドルを支払う可能性がある。
3.シティグループ(C)
@シティグループはモルガン・スタンレーと証券事業の合弁会社を設立することで、最高100億ドルの評価益を計上する可能性があると言う。シティはモルガンとの交渉が成立すれば、スミス・バーニーに関して税引き前で最高100億ドルの評価益を得ることになる。税引き後では50億−60億ドルの利益がもたらされると言う。モルガンが20億−30億ドルをシティに支払い、新会社の株式の51%を取得することが検討されているもよう。新会社の名称は暫定的にモルガン・スタンレー・スミス・バーニーとされている。
Aシティグループとモルガン・スタンレーの取締役会は両社の証券事業の統合を承認した。CNBCが13日報じた。
4.ヤフー(YHOO)
ヤフーは、エンジニアリング設計ソフトウエア大手オートデスクのキャロル・バーツ会長をCEOに起用する見通し。バーツ氏はこれまで、サン・マイクロシステムズや3Mなどでも幹部を務めた。
5.11月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支は404億ドルの赤字と、予想(510億ドル赤字)を大幅に下回った。2003年11月以来の低水準だった。これは過去12年で最大の縮小率。11月は輸出が減少したものの、原油安の影響で輸入が過去最大の落ち込みを記録した。
(輸入動向)
★輸入は前月比12%減の1832億ドル。海外からの原油や自動車、コンピューター、テレビなどへの需要が落ち込んだ。
(輸出動向)
★輸出も海外の軟調な需要を背景に4ヶ月連続の減少。11月は前月比5.8%減の1428億ドルだった。特に自動車輸出は2006年10月以来の低水準だった。
6.AIG(AIG)
米政府の公的管理下にある保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、カナダの生保部門を同国銀行大手モントリオール銀行に約3億7500万カナダ・ドル(約274億円)で売却することで合意した。AIGは米政府による600億米ドルの融資を返済するため、事業売却を加速させている。
7.ゼネラル・モーターズ(GM)
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ゼネラル・モーターズ(GM)のリック・ワゴナーCEOはデトロイトでの北米国際自動車ショーで、米政府からの134億ドル(約1兆1900億円)の融資により、3月末までは支払い不能に陥ることはないとの見通しを示した。ワゴナーCEOはまた、GMが今年中に破産申請に追い込まれることはないと自信を示した。ただし、長期的な生き残りについては100%確実ではないとした。
8.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が14日発表した9日までの1週間の住宅ローン申請指数は1324.8と、前週の1143.8から16%上昇し、2003年7月以来の高水準となった。金利が過去最低となったことを受け、借り換えが大幅に進んだ。
(その他主要指数)
★借り換え指数…前週比で26%上昇の7414.1
★購入指数…前週比で14%低下の295.8
9.景気対策法案の概要がはっきりしてきた。総額8250億ドルの米下院景気対策法案のうち、新たな政府支出が5500億ドル、個人・法人向け減税は2750億ドルになる見通し。
(法案の概要)
インフラ整備に約900億ドル、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)費用の高騰に苦しむ州政府への助成金として870億ドル、失業および職業訓練プログラムに430億ドルを充てる。個人向け減税総額は少なくとも1400億ドルに上り、税額控除は世帯当たり1000ドルあるいは1人500ドルとなる。
10.ハマスが停戦受け入れに前向きに。
パレスチナ自治区ガザ紛争をめぐるエジプトの停戦調停で、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは14日、停戦受け入れに前向きな姿勢を示した。ハマス交渉団のサラハ・バルダウィール幹部は14日夜、エジプトのスレイマン情報庁長官との交渉後、エジプトが我々の目標実現に向けて交渉してくれるのを見守ると発言。停戦受け入れを示唆。
11.欧州中央銀行(ECB)は15日、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を0.5ポイント引き下げ2%とすることを決めた。過去最低水準への利下げとなった。
欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は15日、以下のように発言した。
(発言要旨)
★世界およびユーロ圏の景気減速によってインフレリスクが大幅に後退したことに配慮した。従来の景気予測に比べて一段と大幅な減速を予想している。
★この日の決定後、中期的な物価安定に対するリスクはほぼ均衡していると考えている。
★政策委員会は引き続き、インフレ率2%弱との目標に沿う水準にインフレ期待を抑えていく。
★ユーロ圏経済は目に見えて減速している。主として金融混乱の悪化が要因だ。マネー拡大のペースはさらに鈍化している。インフレ圧力と物価安定へのリスクは低下しつつある。不透明感は依然、常になく高い。
★経済活動が年末から年始にかけて悪化したことを明瞭に示した。以前に認識されていた下振れリスクが現実化したことが示された。
12.JPモルガン・チェース(JPM)
JPモルガン・チェースが15日発表した2008年10−12月(第4四半期)の純利益は7億200万ドル(1株当たり7セント)と、予想(1株当たり1セントの利益)を上回った。黒字を確保したが、前年同期と比べ76%の大幅減益となった。住宅ローンなど個人向け融資の焦げ付きが増加。10―12月期に計上した不良資産の処理損は約110億ドルに達した。最も大きいのは貸倒引当金の積み増し額で、73億ドルと前年同期の2.9倍に拡大。住宅価格の下落や個人の返済能力の低下で住宅ローンやカード・ローン債権の返済延滞が増加した。
13.アンフェノール(APH)
コネクター・メーカー大手の同社株の第4四半期のEPSがアナリスト予想を11%上回る56セントとなった。
14.エコラブ(ECL)
クリーニング製品メーカーが、リストラ計画を発表。一部事業からの撤退、並びに、1000人の人員削減を発表。
15.監督当局は不良資産を銀行のバランスシートから切り離す新たな計画の策定を検討している。FRBの当局者は、金融機関が保有している巨額不良資産を買い取る機関、いわゆるバッドバンクを設立する選択肢に注目していると言う。バッドバンク設立によって、銀行が計上する評価損を減らして資本に余裕を持たせ、融資を増やすとの目論見。この他、不良資産を銀行のバランスシートに残したまま保証を付ける措置や、特定の投資資産のみ買い取る策が含まれる。これらの対策は、20日のオバマ次期大統領の就任早々に実施される可能性がある。
金融株の急落で、待ったなしの状況となっていることに加え、米上院本会議は15日、金融安定化策の残り3500億ドルの拠出を承認しており、オバマ次期政権には新たな銀行支援を実施する資金が与えられているからである。
16.1月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は61.9(前月は60.1)と、予想(59)を上回った。ガソリン価格の下落とオバマ次期米大統領の景気対策への期待が指数上昇につながった。今後5年間のインフレ期待値は3%と、前月の2.6%から上昇した。今後6ヶ月間の先行き景況感を示す指数も57.2と、前月の54から上昇。現在の景況感を示す指数は69.2(前月69.5)に低下した。
17.メキシコ中央銀行は16日、政策金利を0.5ポイント引き下げて7.75%にした。悪化する景気の立て直しを目指し、ほぼ3年ぶりの利下げに踏み切った。
18.インテル(INTC)
15日引け後の決算発表で、第1四半期後に収益性が回復に向かう可能性があるとの会社側コメントがあった。
ベア材料
1.米連邦預金保険機構(FDIC)は、7000億ドル規模の問題資産購入計画(TARP)プログラムに基づく公的資金の注入を受けた金融機関に対し、注入された資金を個人向け融資の促進と住宅差し押さえ軽減に向けてどう利用しているか報告を求めた。
2.オバマ次期大統領が以下の通り発言。
(発言要旨)
★金融システムは依然弱々しい。
★我々の多くはTARPに失望した。
★住宅問題は、思い切った行動を取れていなかった。
★TARPの次の段階、住宅市場回復を支援する。
3.フォード(F)
フォードは景気悪化で米国内の自動車販売台数が自社予想を10%下回る恐れがあるため、米政府に融資を要請せざるを得なくなる可能性がある。同社は今年の米自動車販売台数を1220万台と予想。米販売台数が同水準に落ち込めば、フォードは最大130億ドルの融資が必要になると、昨年12月に米議会で証言していた。ただし、これは過去3ヶ月の販売実績の年率換算をほぼ200万台上回っている。クライスラーは同1100万台と予想。ゼネラル・モーターズは、同1000万−1100万台との見通しを示した。
また、IHS・グローバル・インサイトは先週、2009年の販売予想を1000万−1050万台に下方修正した。シティグループ・グローバル・マーケッツは09年の販売台数を1080万台、ゴールドマン・サックスは1100万台と予想している。 ムラリーCEOは12日、デトロイト自動車ショーで、「7−12月に緩やかに回復し始めるだろう。最悪のケースにはならないと確信している」と述べた。
4.ゼネラル・モーターズとクライスラー
自動車大手2社は11日、政府による合わせて174億ドルの公的資金による緊急融資では、足りない可能性があることを明らかにした。北米国際自動車ショーで両社首脳がコメントした。
5.オッペンハイマーのメレディス・ホイットニー氏は、シティグループがモルガン・スタンレーと証券事業の合弁会社を設立した場合、同行は設立後もなお一段の資本が必要になる可能性が高いとの見方を示した。
6.太陽光発電関連
カウエンのアナリスト、ロバート・ストーン氏が、同業界銘柄の業績予想を引き下げていると言う。今年上半期の利益は予想を下回るだろうとしている。
7.アルコア(AA)
ドイチェ・バンクが同社の投資判断を“保有”から“売り”に引き下げた。金属価格の下落と、アルミ減産が利益減少要因になるだろうとしている。
8.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は13日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで講演。
(講演要旨、金融危機への対処について)
★信用市場の安定と正常化を確実にするには一段の資本注入と資本保証が必要になるかもしれない。
★不良債権処理では3つの手法が考えられる。
@公的資金による不良資産の買い取り案。
Aバーナンキ議長は不良資産で生じる損失の一部をワラント(株式取得権)や手数料と引き換えに政府が吸収する案。これはシティで実施した。
B不良債権買い取り機構を設立し、現金や株式と引き換えに金融機関から資産を買い取る手法。
★回避可能な住宅差し押さえを抑制する努力が住宅市場を強化し、ローン損失を抑え、金融の安定度を増す。
★金融機関の救済には監視と規制の強化を伴うべきだ。
★破たんに向かっている大手ノンバンクの清算手続きについて、規制による枠組みを設定する必要がある。
★FRBは2月に消費者クレジットを裏づけとする証券市場の支援プログラムを始める。このプログラムが成功すれば、その基本的な枠組みの対象をほかの証券にも広げ、もっと大規模なものに拡大できる。(流動性拡大を目指す緊急プログラムであるターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)は、中小企業向けローンや学資ローン、クレジットカードや自動車の各ローンを裏付けとする資産担保証券(ABS)の保有者に対し、最大2000億ドルを貸し出す。財務省はこのうち200億ドルを提供している)
★信用市場と景気が回復し始めれば、FRBは緊急融資プログラムを終了させ、フェデラルファンド(FF)の目標水準で操作する伝統的な金融政策に戻ることが可能だ。
(米国の雇用と経済の見通し)
★雇用に関する限りでは、現在非常に深刻な後退局面にある。1−3月(第1四半期)も弱い状態が続くとみている。先行きは常に不透明だが、特に金融・信用市場などの状況にもよるが、今年の後半には経済はある程度安定するだろう。急成長とまではいかないにしても、少なくとも安定し、出血は止まると考えている。
★労働市場の回復までにはしばらく時間がかかる。1990−91年と2001年に経験した2回のリセッションでは、経済が再び成長し始めた後も雇用が持ち直すまでにはいくらか時間がかかった。
9.バンカメ(BAC)
資産額で米最大の銀行、バンク・オブ・アメリカは、米財務省に優先株を売却し、ワラントを付与することで合意した。総額は100億ドルに相当する。優先株40万株を売却し、さらに4870万株のワラントを付与する。ワラントの行使価格は1株当たり30.79ドル。
10.アルコア(AA)
アルミ生産最大手のアルコアが12日引け後発表した2008年10−12月(第4四半期)の純損益は11億9000万ドル(1株当たり1.49ドル)の赤字となった。これは予想を上回る赤字額。
11.KLAテンコア(KLAC)
半導体検査装置大手の同社は12日引け後に08年10−12月(第2四半期)売上高見通しを下方修正し、上限を4億ドルとした。従来予想の上限は4億3000万ドルだった。
12.ゼネラル・エレクトリック(GE)
バークレイズ・キャピタルは、ゼネラル・エレクトリックの10−12月(第4四半期)利益が同社予想の下限レンジにとどまる可能性があるとの見方を示した。1株当たり利益の相当部分は金融部門GEキャピタルへの税還付によるものだとの予想を示した。
13.レックスマーク・インターナショナル(LXK)
全米2位のプリター・メーカー株が下落。第4四半期の売上高が予想を下回った。また、末端需要の弱いのに対応し、375人の人員削減も発表。
14.ボーイング(BA)
CSFBが投資判断を“アウトパフォーム”から“中立”に引き下げた。信用危機の影響で、ジェット機需要が減少する可能性を指摘。
15.2008年12月の小売売上高は前月比2.7%減少(11月は2.1%減)し、予想(1.2%減)を上回る落ち込みだった。6ヶ月連続のマイナスは1992年の現行の統計開始以来で最長。変動の大きい自動車を除いたベースで12月は3.1%減と、予想(1.4%減)より悪化、統計開始以来で最大の落ち込み。
(内訳)
13の主要項目のうち11項目で減少。特にガソリンスタンドの売上高が16%減と落ち込みが目立った。自動車の売上高は前年同月比で36%減少し、08年全体では92年以来の最悪となった。銀行が信用供与を絞っており、大型商品の購入がさえなかった。
16.2008年11月の企業在庫は前月比0.7%減少(前月は0.6%減)し、予想(0.5%減)を上回る落ち込みだった。3ヶ月連続のマイナス。
(内訳)
小売在庫は1.3%減少。自動車ディーラーの在庫は1.7%減少。製造業在庫は0.3%減。卸売在庫は0.6%減少した。
17.12月の輸入物価指数は前月比で4.2%低下(11月は7%の低下)し、予想(5.3%減)より落ち込みは少なかった。しかし、5ヶ月連続マイナス。12月の石油を除く輸入物価指数は前月比1.1%の低下だった。12月の輸入物価指数は前年同月比では9.3%低下、1982年の統計開始以来で最大の落ち込みだった。石油を除くと同0.9%上昇となる。
(内訳)
石油・石油製品の輸入価格は前月比21.4%の低下。食品は前月比2.3%上昇(前月4.7%低下)した。資本財は0.3%低下した。
18.ノーテル・ネットワークス(NT)
カナダのノーテル・ネットワークスは14日、米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した。同社の資産と負債は10億ドル(約890億円)を超える。ノーテルの無担保債務の最大の債権者は社債保有者の被信託人である米銀バンク・オブ・ニューヨーク・メロン。
19.バンカメ(BAC)
バンカメが、ブラジルのバンコ・イタウ・ホールディング・フィナンセイラの持ち株を最大60億レアルで売却を検討するとの見方が出ている。バンカメは先に、中国建設銀行の持ち株一部売却で28億ドルを調達している。
20.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は14日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★FRBのバランスシートを制約なく拡大させるのはインフレ抑制における信頼性を脅かしかねない。
★この新しい政策環境において、量的目標を無視するのは適切ではない。
★米経済は、年後半まで好転は見込めない。景気遅行指標である失業率は 経済が確実に回復軌道に乗るまでは、下がり始めることはない。
21.ミネアポリス連銀のスターン総裁は14日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★信用市場と住宅セクターの状況から判断すると、景気回復が勢い付くには時間が掛かるようだ。時間の経過と共に、2010年の半ば以降に健全な成長に戻るとみている。
★米経済は深刻なリセッションの真っ只中にあり、リセッションは少なくともあと2四半期は続くだろう。いったん、回復し始めても弱い状態がしばらく続く可能性が高い。
★現在、実施あるいは検討されているマクロ経済政策は、持続的な経済成長に向けた力強い回復条件になるだろう。これらの政策は米経済の基本的な柔軟性と耐性とあいまって、成功するだろう。
22.米連邦準備制度理事会(FRB)が14日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表。
(要旨)
★米国経済はすべての地区で過去1ヶ月間に一段と悪化した。金融機関の貸し渋りと個人消費の不振が景気に打撃を与えている。
★大半の地区で広範にわたる産業活動の縮小あるいは鈍化がみられた。全般的な経済活動は引き続き、ほぼすべての地区で悪化している。
23.クライスラー
クライスラーのトム・ラソーダ社長は14日、仏ルノー・日産自動車連合やカナダの自動車部品メーカー、マグナ・インターナショナルに資産を売却する交渉を進めてはいないと述べた。ルノー・日産連合が「ジープ」を買い取るほか、マグナがイリノイ州の組み立て工場を買収する可能性がある見られていた。
24.オバマ次期政権で財務長官に指名されたガイトナー・ニューヨーク連邦準備銀行総裁に、納税漏れなどがあったことが13日分かった。
民主党内には問題ないという意見が多いものの、共和党には疑問視する声もあり、議会上院での指名承認が難航する可能性も出ている。更に、16日に上院で予定されていたガイトナー次期米財務長官の承認公聴会は、ジョン・カイル上院議員(共和党、アリゾナ州)の反対により、21日に延期された。
ただし、米上院財政委員会のボーカス委員長(民主党、モンタナ州)は14日、次期米財務長官に指名されているティモシー・ガイトナー氏の就任が承認されるのは明白だと述べた。
25.ファイザー(PFE)
世界最大の製薬会社、ファイザーは13日、がんや脳疾患、糖尿病の治療薬開発に集中するため、研究開発部門の8%に相当する800人の研究者を解雇することを明らかにした。同社は昨年9月、心不全や高脂血症、肥満の治療薬開発を初期段階で中止し、利益率の高い治療薬開発に経営資源を集中させる方針を表明していた。
26.10日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比5万4000件増の52万4000件(前週は47万件)と、予想(50万3000件)を上回った。4週移動平均は51万8500件と、前週の52万6500件から減少した。
27.2008年12月の生産者物価指数全完成品は前月比1.9%低下(前月は2.2%)し、予想(2%低下)を下回る落ち込みだった。食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前月比0.2%上昇(前月0.1%上昇)した。乗用車と処方薬はそれぞれ1.2%の1.1%の上昇を記録した。
(内訳)
★エネルギーコストが前月比9.3%低下、ガソリンは同26%、ヒーティングオイルも24%低下。食品価格は1.5%のマイナス。中間財価格は4.2%低下、原材料価格は5.3%の低下だった。
28.フィラデルフィア連銀が15日に発表した1月の同地区製造業景況指数はマイナス24.3(前月はマイナス36.1)と、予想(マイナス35)ほど落ち込まなかった。
(主要コンポーネント内訳)
★雇用…マイナス39.0と、1975年4月以来の最低値に落ち込んだ。
★新規受注…マイナス22.3(前月マイナス28.2)
★出荷…マイナス16.7(前月マイナス29.7)
★仕入れ価格…マイナス27(前月マイナス25.5)
★販売価格…マイナス26.2(前月マイナス32.8)
29.ヘッジファンド業界からは昨年12月に、全資産のほぼ10%に相当する1500億ドル(約13兆4000億円)が純流出した。FT紙が15日、トリムタブス・インベストメント・リサーチとバークレイズ・ヘッジのデータを基に伝えた。トリムタブスは、今年1−3月(第1四半期)も資金流出は続くだろうとの予想を示している。
30.オートデスク(ADSK)
エンジニアリング設計ソフトウエア最大手のオートデスクは15日、従業員約750人の削減計画を明らかにするとともに、今四半期(2008年11月−09年1月)の利益見通しを下方修正した。需要減少が背景。人員削減費用を除いたベースでの1株利益は18−24セント、売上高は最大5億ドルの見通し。同社は昨年11月、1株利益が少なくとも28セント、売上高は5億2500万ドル超と予想していた。
31.フォース・プロテクション(FRPT)
装甲車メーカー同社株の投資判断が“買い”から“保有”に引き下げられた。コリンズ・スチュワートが、投資家は同社の受注動向に楽観的過ぎると言う。
32.シティグループ(C)
シティグループは14日、22日に予定していた2008年10―12月決算の発表日を16日に前倒しすると発表した。シティは決算発表と同時に資産圧縮などの追加リストラ策を発表するとの観測が出ている。
33.アップル(AAPL)
14日引け後、アップルCEOが健康問題で、6月末まで休養すると発表。これを受け、アップル株が急落。
34.12月の米鉱工業生産指数は前月比2.0%低下(11月は1.3%低下)し、予想(1.0%低下)を大きく上回る下落だった。製造業は全体で2.3%低下。とりわけ自動車・同部品は7.2%の落ち込みとなった。12月の鉱工業設備稼働率は73.6%(前月75.2%)と、予想(74.5%)を下回った。1983年4月以来の低水準となった。
35.12月の米消費者物価指数は前月比0.7%低下(前月は1.7%低下)と、予想(0.9%の低下)より落ち込みは少なかった。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比変わらず。12月のCPIは前年比で0.1%上昇した。コア指数は前年比1.8%上昇した。
(内訳)
★エネルギーコストは前月比8.3%低下、食品価格は前月比で0.1%低下、医療費は前月比0.3%上昇。
36.2008年11月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて217億ドルの売り越しとなった。予想は150億ドルの買い越しだった。前月は4億ドルの売り越しに改定された。財務省短期証券(TB)や株式スワップなど短期金融資産を含む金融資産の合計は568億ドルの買い越し。前月は2606億ドルの買い越しだった。
37.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカが16日寄り前決算発表。2008年10−12月(第4四半期)の純収入は160億8000万ドル、1株当り48セントの赤字となった。予想は、純収入が202億6300万ドル、1株当り利益は10セント黒字だった。決算は、1991年以来で初の赤字となった。同行はまた、四半期配当を引き下げると発表した。これまでの32セントから、1セントとなる。この決算には今月買収を完了したメリルリンチの153億ドルの損失は含まれていない。
米政府はこの日先に、バンカメに200億ドルを追加資本注入するほか、バンカメの1180億ドルの資産から生じる損失に保証を付けることで合意した。バンカメによるメリルリンチとの経営統合支援と金融危機の深刻化阻止が狙い。
米政府は既にバンカメに150億ドル、メリルリンチに100億ドルを注入していた。バンカメは、資産から生じる損失の最初の100億ドルを負担。次の100億ドルの損失は財務省とFDICが分担して背負う。その後の損失についてはFRBが融資を通じて支援することとなった。
(メリル・リンチの内訳)
メリルリンチの2008年10−12月(第4四半期)純収入はマイナス126億ドルだった。ただし、メリルリンチの優先配当金支払い後の損益は155億ドルの赤字となる。
38.シティグループ(C)
シティグループが16日寄り前決算発表。2008 年10−12月(第4四半期)の総収入は56億ドル、ドイツの消費者向け銀行事業売却益39億ドル(約3535億円)や非継続事業項目を除いた損益は1株当たり2.44ドルの赤字となった。
予想は、総収入が142億ドル、同ベース1株当たり損益が1.08ドル赤字だった。資本余力の低下と株価下落で、投資顧問から保険、銀行、証券引き受け、企業向け融資などすべてのサービスを提供する事業モデルを捨てざるを得なくなっている。同社はまた、信用危機で目減りした資本の回復に向けた措置の一環として、2社に分割する計画も示した。シティは世界の銀行事業を展開するシティコープと、「非中核」事業や米政府から保証を受けた資産を傘下に置くシティ・ホールディングスの2つに分かれる。金融のスーパーマーケットというビジネスモデルは死んだとの声も聞かれた。シティ・ホールディングスにはブローカー部門や個人向け資産運用などの「非中核」事業も含まれる。もう一方のシティコープの傘下には、継続する事業を置く。支店を通した銀行業務や法人向け融資、証券引き受け、決済、富裕層向けサービスなどが含まれる。シティは今週、証券部門スミス・バーニーの経営権をモルガン・スタンレーに譲ることで合意した。この日は、消費者金融のシティファイナンシャルや生保部門プライメリカ・ファイナンシャル・サービシズも売却する計画も示した。
39.サーキット・シティ(CC)
米家電量販大手サーキット・シティ・ストアーズは、再建を断念して会社清算を始めることを明らかにした。567店舗に残る商品を売却するため、小売り清算会社4社と契約した。前日に破産回避の最後の望みであった競売が実施されたが、買い手がつかず、清算に追い込まれた。これを受け、ライバル会社ベスト・バイやウォルマート・ストアーズのほか、アマゾン・ドット・コム株が上昇。
40.有力テクニカル・アナリストによると、米株式相場の指標が2008年の安値を割り込めば、1990年代半ば以来の水準に落ち込む恐れがあると見ている。ラルフ・アカンポーラ氏は、ダウ工指数が昨年11月20日に付けた7552ドル29セントを下回れば、6000ドルに下落しかねないと予想。これは、1996年10月以来の水準である。同氏はさらに、08年の安値まで下げない場合でも、米株式相場は1929年の大暴落の後や、1960年代の強気相場の後に見られたようなボックス圏での動きになると予想。ダウ指数は少なくとも4年間は2007年10月のピーク1万4164ドル53セントを超える可能性は低いとの見方を示した。1929年の大暴落後、ダウ平均は1950年まで約100−200ドルの間で推移した。その後持続的な上昇局面が始まったが、1966−82年は約600−1000ドルの間での推移が続いた。
ストックチャーツ・ドット・コムのチーフ・テクニカル・アナリスト、ジョン・マーフィー氏は、ダウ指数とS&P500指数が昨年11月に付けた安値は大ざっぱに言って、03年に前回の弱気相場が終了した水準であるため、極めて重要な支持線と指摘している。
41.エイボン(AVP)
BMOキャピタル・マーケッツが投資判断を“アウト・パフォーム”から“マーケット・パフォーム”に引き下げた。
42.JPモルガン・チェース(JPM)
ドイツ銀行のアナリスト、マイク・マヨ氏はJPモルガン・チェースの2009年と10年の業績見通しを下方修正した。信用コスト上昇、中核事業の収入減少が背景。09年の1株当たり利益を1.55ドルと、従来予想から50セント引き下げた。10年については30セント引き下げて2.90ドルと予想した。目標株価についても34ドルから30ドルに下方修正した。ただ、株式の投資判断は“ホールド”で維持した。
43.アップル(AAPL)
CEOのジョッブス氏が肝臓移植を検討していると言う。
=以上=
2009年01月19日
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