先週米国株を取り巻くブル・ベア材料
12月5日
森 崇
ブル材料
1.オバマ次期米大統領は1日、次期政権の外交・安保担当閣僚を発表。ヒラリー・クリントン上院議員を国務長官に指名、イラクとアフガニスタンでの対テロ戦争を率いる国防長官にはゲーツ現長官を留任させた。また、国土安全保障長官にアリゾナ州のナポリターノ知事を指名。国家安全保障担当補佐官にジョーンズ元海兵隊大将を起用。司法長官にはホルダー元司法副長官を指名した。
2.ニューヨーク連銀は1日、次期財務長官に指名されたガイトナー総裁が後任選出の間、数週間は現職にとどまると発表。
3.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックは2日、10−12月(第4四半期)の1株当たり利益が従来予想の下限になるとの見通しを示した。同社のイメルトCEOは16日に09年の見通しを発表する。
(ポイント)
★GEキャピタルのコスト削減拡大に伴う費用を除くベースで、10−12月期の1株当たり利益が50−52セントになると予想。予想は51セント。
★費用が10億−14億ドルに上る可能性がある。
★GEキャピタルの2008年利益見通しは費用を含むベースで80億ドル。09年は50億ドルに落ち込む見通し。
★09年の配当を1株当たり1.24ドルで維持し、「AAA」の最高格付けを保持する目標を堅持する。
★資金調達モデルで劇的な進展を遂げた。
★金融部門の事業を縮小(GE全体の利益に占める金融部門の割合を40%にまで縮小する目標。昨年は50%程度だった)、レバレッジ低減、コマーシャルペーパー(CP)の発行削減方針。
4.フォード(F)
フォード・モーターは2日、議会に事業再建計画を提出。最大90億ドルの
融資を求めた。
(事業再建計画の骨子)
★2011年には税引き前で収支均衡あるいは黒字に転換する見込みだ。
★競合他社が破たんする、あるいはリセッションが深刻化する、いずれかの状況にならない限りは、09年中に流動性危機に陥るとは予想していない。
★つなぎ融資獲得で必要ならば、自身の年俸を1ドルにする。
★政府融資を得られれば、状況悪化に対する重大な安全装置になる。
★燃料効率の高い自動車の開発に向けた約140億ドルの投資に加え、ボルボ部門の売却方針なども含まれている。
5.11月29日までの1週間の米小売売上高は前年同期比で増加。国際ショッピングセンター評議会(ICSC)とゴールドマン・ザックスが2日、共同で発表した資料によると、先週の既存店売上高は前年比で1.3%増加した。ICSCは11月の月間の売上高については1%減との見通しを据え置いた。
11月15日までの1週間の売上高は0.1%減、11月22日までの1週間は
0.8%減少していた。
6.GMは2日、議会に事業再建計画を提出。政府支援なければ、今後短期間でデフォルトするだろうとし、議会に120億ドルの融資を要請するとともに、60億ドルの信用枠も求めた。
(事業再建計画の骨子)
★4つの中核ブランドに集中する。
★CEOの給与は年間1ドル、首脳の賃金、手当てを一段とカットする。
★現行の労働協約の更なる変更を求める。
★貸し手との協議を通じてバランスシートの再建を求める。
これに対し、ペロシ下院議長は以下の通りコメントした。
(発言要旨)
★自動車産業の破綻は選択肢ではない。
★ブッシュ政権は金融安定化策で業界への融資は可能である。
★再建計画を検討してから議会審議に関する決定を下す。
7.セントルイス連銀のブラード総裁は2日、以下の通り発言。
★米国のリセッションは現在最悪期にあるが、来年景気は上向くだろう。
★我々は現在、最悪の四半期のただなかにある。今のところ、2008年10−12月(第4四半期)にはかなりの景気悪化、09年1−3月(第1四半期)は
それよりはやや緩やかな悪化と見込まれるが、その後は上向くものと期待される。
8.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が3日発表した11月28日までの1週間の住宅ローン申請指数は857.7(前週404.4)から112%上昇し、過去最大の上昇率となった。
FRBは前週、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)が保証する住宅ローン担保証券(MBS)を総額5000億ドルを上限に買い入れると発表した。これを受け、住宅ローン金利が大幅に低下した。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.47%と、前週の5.99%から低下し、2005年6月以来の低水準となった。
(その他主要指数動向)
★借り換え指数…3802.8(前週1254)
★購入指数…361.1(前週261.6)
9.7−9月期(第3四半期)の非農業部門労働生産性指数(速報値)は前期比年率1.3%上昇と、速報値の1.1%上昇から上方修正された。予想は0.9%上昇だった。第3四半期の単位労働コスト指数は前期比年率2.8%上昇と、予想(3.6%上昇)を上回った。速報値は3.6%上昇だった。
生産は1.9%低下(速報1.7%低下)、労働総投入量指数は3.1%低下(速報2.7%低下)と、下方修正幅が生産を上回った結果、生産性の上方修正につながった。
10.全米自動車労組(UAW)は3日、労組運営の退職者医療基金への拠出先送りを会社側に認め、レイオフされた組合員に支払うプログラムを一時停止すると発表した。深刻な資金不足の危機にある自動車メーカーへの譲歩。ゼネラル・モーターズとフォード・モーター、クライスラーの大手3社は2日、総額340億ドルの資金援助を政府に求め、その見返りとして業務を縮小し経費を削減すると確約した。これを受けて労組は3日、緊急会議を開いた。
11.ロッキード・マーチン(LMT)
防衛最大手のロッキードは、米航空宇宙局(NASA)の次期気象衛星の製造で最大10億9000万ドル相当の契約を受注した。2日引け後に発表した。
12.バーナンキFRB議長が4日、住宅差し押さえを回避に関し、以下の通り発言。
(要旨)
★返済遅延あるいは危機的状況にある住宅ローンを政府が大量に買い上げ、連邦政府の住宅保有者救済プログラムを通じて、借り換えを促すことは可能だ。
★別の選択肢として、ローン回収業者が月々の返済額軽減に応じた場合、そのコストの一部を政府が負担する案も有効。
★議会は住宅ローン金利や住宅ローン保険料の引き下げ支援が可能だ。
★差し押さえの回避が可能な物件を実際の差し押さえから守る政策を優先すべきだ。
★連邦住宅局(FHA)が運営する住宅保有者救済プログラムは10月に始まったが、銀行がローンの大部分に対して評価損を計上し、高い手数料を支
払う必要があるため、参加している金融機関はほとんどない。金融機関が前払いで支払う保険料(元本の3%)と、借り手が支払う保険料(年間1.5%)を議会が引き下げれば、このプログラムはもっと魅力的なものになる。
13.11月29日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比2万1000
件減の50万9000件だった。前週は53万件。54万件が見込まれていた。
14.欧州が追加利下げに動く。
@欧州中央銀行(ECB)は4日、政策金利を引き下げることを決めた。下げ幅は0.75%。最重要の市場調節金利は年3.25%から年2.5%になる。インフレ懸念が大幅に後退したと判断した。
Aスウェーデン中央銀行は4日、大幅な利下げを発表。利下げ幅は1.75%。異例の大きさで政策金利は2%になる。
B英中銀イングランド銀行は4日、政策金利を1.0%引き下げ、2.0%にすることを決め、即日実施。3ヶ月連続利下げ。住宅市場の低迷や消費停滞など実体経済悪化が背景。
15.ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は4日、政策金利を1.5%引き下げ年5.0%とすることを決め、即日実施。下げ幅は1999年3月以来最大。
16.ノベル(NOVL)
基本ソフト(OS)リナックスの販売2位の米ノベルが4日引け後発表した2008年8−10月(第4四半期)の一部項目を除いた利益はアナリスト予想と一致した。人員削減などが寄与した。
17.ハートフォード・フィナンシャル(HIG)
保険大手株が100%以上の上昇を遂げた。通期ベースの投資等を除く、営業利益予想を引き上げた。また、支店での業績見通しも強いとコメントした。
1株当り営業利益が4.70ドル〜4.90ドルになると言う。10月には、同4.30ドル〜4.50ドルになるとしていた。ラマニ・アイアーCEOがコメントした。
18.サンディスク(SNDK)
メモリー・カード最大手株が14%上昇した。アメリカン・テクノロジー・リサーチが、同社株の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。供給の伸びが鈍化しており、NANDフラッシュ市場の底は近いとコメントした。株価ターゲットは14ドルに設定。同社はDRAM大手マイクロン・テクノロジー株の投資判断も“中立”から“買い”に引き上げた。株価ターゲットは4.50ドルに設定。
ベア材料
1.全米経済研究所(NBER)は1日、米国が2007年12月にリセッション(景気後退)に入ったと発表。前回、米国がリセッションだったのは2001年3月から11月だった。
2.米供給管理協会(ISM)が1日発表した11月の製造業景況指数は36.2(前月は38.9)と、予想(37.0)を下回った。これは1982年5月(35.5)以来の最低。
(主要コンポーネント内訳)
★新規受注…27.9(前月32.2)
★生産…31.5(前月34.1)
★仕入れ価格…25.5(前月37.0)
★雇用…34.2(前月34.6)
★輸出…41(前月41)
★輸入…37.5(前月41.0)
3.ゼネラル・エレクトリック(GE)
シティ・グループがネガティブコメント。明日GEが実施する2009年見通し公表で、事業規模縮小が発表されるかもしれないと言う。GEキャピタルの詳細計画も公表される見通し。
4.米鶏肉加工大手ピルグリムズ・プライドは1日、連邦破産法11条の適用を申請した。
5.ゴールドマン・ザックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)
クレディ・スイス・グループは、ゴールドマン・ザックスとモルガン・スタンレーの9−11月(第4四半期)および2009年の業績見通しを引き下げた。
ゴールドマンの9−11月業績は1株当たり4ドルの赤字と、従来予想の同2.47ドルの黒字から下方修正された。モルガン・スタンレーの予想も1株当たり35セントの赤字と、これまでの同67セントの黒字から下方修正された。
また、2009年のゴールドマンの利益見通しについて1株当たり12ドルと、これまでの14.50ドルから引き下げ、モルガン・スタンレーについても3.35ドルと従来の4.20ドルから下方修正した。投資銀行部門の不振予想が背景。
6.米半導体工業会(SIA)が1日発表した10月の世界半導体売上高は、前年同月比2.4%減の225億ドルとなった。世界的な景気減速とメモリー製品の価格低下が響いた。前年同月は230億ドルだった。
7.アメックス(AXP)
オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏が以下の通りコメント。
(要旨)
★クレジットカード会社が今後1年半で融資額を2兆ドル以上削減するだろう。米個人消費にとって危険かつ前例のない動きだ。
★消費者の資金調達能力が幅広く低下している兆候がある。
8.百貨店やコンビニエンスストア、ガソリンスタンドは顧客のクレジットカード取引で銀行に支払う手数料をめぐり、交渉する権利を米議会に求める新たな機会を得つつある。小売業者は、インターチェンジ・フィーと呼ばれる売り上げ交換手数料に関する銀行側との交渉で団結できるよう、反トラスト法の適用除外を求めている。同手数料は通常、購入金額の1−2%に相当し、小売業者がカードを発行する銀行に支払う。小売業者は、米議会が来年1月に再開し、銀行の規則を見直す際に議題に挙げるべきだと主張している。
9.10月の建設支出は前月比1.2%減少(9月は前月比変わらず)と、予想(1%減少)より大きく落ち込んだ。10月は民間の住居用建設が3.5%減と、7月以来の大幅減となった。民間の非住居用建設は0.7%減少(前月は1.1%増)。
公共部門の建設は0.7%増加(前月は0.9%減)した。特に病院や学校、オフィス建設が好調だった。
10.油井サービス会社株
メリル・リンチが、油井サービス会社株11社の投資判断を引き下げた。原油と天然ガス価格の見通しを引き下げたことが背景。シュランベルジュ(SLB)株の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。2009年原油価格見通しを当初の90ドルから50ドルへ、天然ガスを8.50ドル(千キュービック・フィート当たり)から6ドルへと引き下げた。
ベイカー・ヒューズやノーブル等も“買い”から“中立”に下げられた。この他、BJサービシズ、ネイバーズ・インダストリーズ等も引き下げ対象となった。
11.モルガン・スタンレーは、投資家らがヘッジファンドから引き揚げる資金の推定額を上方修正した。投資家らが現金の調達を進めていることを理由として挙げた。6月のピーク時には1兆9000億ドル(約181兆円)に達したヘッジファンド業界の資産が年末までに最大45%縮小し、1兆1000億ドルになる可能性があるとの見方をした。先月、ヘッジファンドの資産は32%減の1兆3000億ドルになると見込んでいた。運用成績の不振により2009年には資産がさらに縮小する可能性があると言う。
12.ドイチェバンクのマヨ氏が、モルガン・スタンレーとゴールドマン・ザックスのEPS予想を引き下げた。モルガン・スタンレーの9−11月期の予想EPSを従来の40セントから5セントに、モルスタを同33セントから65セント赤字と引き下げた。また、モルスタの評価損予想を従来の25億ドルから、40億ドルにした。
13.バーナンキFRB議長は1日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★現行1%のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を引き下げることはもちろん可能だが、現段階では景気浮揚のために伝統的な金利政策を使用する余地が限定的であるのは明白だ。長期国債の購入など非伝統的な金融政策を取る可能性がある。流通市場での長期の国債あるいは機関債の大量購入等が考えられる。
★FRBのバランスシートについては、最終的には持続可能な水準に戻す必要がある。しかし、それは将来の問題だ。現在の政策目標は金融市場と経済を支援することでなければならない。
★現在の状況と1930年代の大恐慌を比較することはできない。30年代は金融政策が引き締まり過ぎていたため、銀行破たんを回避することができなかった。
14.オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は2日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★金融機関の融資抑制や失業率上昇により、米住宅価格は引き続き下落するだろう。
★上位5つの融資機関の新規住宅ローンは昨年の水準から50%減少しており、これは、買い手の資金が減少していることを意味する。融資獲得の困難な状況が、住宅価格を一段と押し下げるだろう。2000年から07年の住宅ローンの85%は証券化市場で原資が調達されたが、そのような状況が現在は消滅している。
15.デルタ(DAL)
デルタ航空は2日、2009年の乗客定員を最大8%縮小し、人員も削減することを明らかにした。コスト節減を進めている。来年の国内線乗客定員は最大で前年比10%、国際線は同5%縮小される。
16.モザイク(MOS)
リン酸系肥料メーカー世界最大手のモザイクは、市況が下降気味であるため、2008年9−11月(第2四半期)の肥料の販売量が38%減少したと発表した。
17.テセラテクノロジーズ(TSRA)
半導体パッケージ設計のテセラテクノロジーズが複数の企業によって特許権が侵害されたとして提訴していた問題で、米国際貿易委員会(ITC)は、テセラテクノロジーズがこれらの企業が特許権を侵害したと証明できなかったとの判断を下した。
18.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが3日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は前月比25万人減少(10月は1万7900人減)し、予想(20万5000人減少)を上回る減少幅だった。マイナス幅は前回景気後退でボトムを形成した2001年11月(39万7000人減)以来最大。
(内訳)
製造業、建設業を含む財生産部門が15万8000人減少。サービス部門も9万2000人減少。建設部門では4万4000人減。雇用者数が500人以上の大企業の雇用者数は4万1000人減少。従業員が50−499人の中堅企業は13万人減少した。従業員49人以下の小企業では7万9000人減だった。
19.米供給管理協会(ISM)が3日発表した11月の非製造業総合景況指数は37.3(前月は44.4)と、予想(42.0)を下回った。これは、1997年に同指数の算出が開始されて以来で最低水準。
(主要コンポーネント内訳)
★新規受注…35.4(前月は44)
★雇用…31.3(前月は41.5)
★仕入れ価格…36.6(前月は53.4)
20.WSJ紙は2日、ヘッジファンド運用会社のラミウス・キャピタル・グループがファンド4本を閉鎖すると報じた。4本の運用資産合計額は5億5000万ドルという。
21.FBRキャピタル・マーケッツは3日、信用市場再生を目指す米政府による金融システムへの8000億ドルの資金投入は銀行融資拡大には十分でないとの見方を示した。FRBは11月25日、政府支援機関(GSE)が発行もしくは裏付けている債券を最大6000億ドル購入し、消費者および中小企業融資を支援するため最大2000億ドル規模の新たな資金枠を設けると発表した。
22.FRBのクロズナー理事は3日、全米の多くの中間所得層地域が住宅差し押さえに苦しんでおり、今後、低所得者層地域に分類される可能性があると指摘した。
23.フリーポート・マクモラン(FCX)
銅生産大手のフリーポート・マクモランの株価が過去13年で最大の下げとなっている。同社が銅価格急落を理由に、配当支払いの停止と生産見通しの下方修正を発表したことが背景。同社は2009年の生産見通しを従来予想から約2億ポンド(5%)下方修正した。2010年については5億ポンド(11%)引き下げた。1株当たり2ドルの年間配当の支払いを停止することも明らかにした。
24.ゴールドマン・ザックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)
JPモルガン・チェースとメリルリンチは3日、上記2社の2008年9−11月(第4四半期)の業績予想を下方修正した。新たな予想では両社とも赤字が見込まれる。JPモルガンはモルガン・スタンレーの第4四半期を1株当たり46セントの赤字と予想。ゴールドマンについては赤字予想を1株当たり5.14ドルに拡大させた。メリルもモルガン・スタンレーについて同35セントの赤字を予想し、ゴールドマンの赤字幅予想は同2.97ドルに拡大させた。
25.FRBが3日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表された。
(要旨)
★大部分の地区で小売りや観光業、製造業の活動が低下。住宅市場は弱く、商用不動産も広範にわたり下降した。
★10月半ばの前回の報告以降、すべての連銀地区で経済活動が弱まった。
★商品相場の下落を背景にインフレ圧力は緩和、賃金圧力も総じて抑制さ
れている。農業は総じて豊作だったものの、収益見通しが不透明になってきた。
26.モトローラ(MOT)
格付け会社ムーディーズは携帯電話端末メーカー大手の米モトローラの信用格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。世界的な金融危機に伴い業績低迷が長引いていることをその理由に挙げた。
27.デュポン(DD)
化学大手デュポンが4日発表した2009年の利益見通しでは、1株当たり利益がアナリスト予想を下回った。更に、2500人の人員削減計画を明らかにした。
09年通期利益は1株当たり2.25−2.75ドルの見通し。同2.88ドルが見込まれていた。
28.バイアコム(VIA)
メディア大手バイアコムは4日、従業員の7%に相当する850人を削減する計画を明らかにした。同社は10−12月期に経費として税引き前で4億―4
億5000万ドル(1株当たり42−48セント)を計上する。
29.AT&T(T)
通信サービス大手のAT&Tは4日、全従業員のおよそ4%に相当する約1万2000人を削減する方針を発表。10−12月(第4四半期)に解雇手当として約6億ドルの費用を計上する。ただし、ワイヤレスと映像の各部門については増員の方針を維持した。
30.クレディ・スイス(CS)
スイス2位の銀行、クレディ・スイス・グループは4日、全従業員の11%に相当する5300人を削減する計画を発表した。2008年10、11月に約30億スイス・フラン(約2300億円)の損失が出たことも明らかにした。人員削減のうち3800人前後は投資銀行部門で実施すると言う。
31.10月の製造業受注額は前月比5.1%減(9月は3.1%減)と、予想(4.5%減)を上回る落ち込みだった。2000年7月以来で最大の減少。輸送機器を除く10月の受注額は前月比4.2%減と、3カ月連続のマイナス。
32.ノキア(NOK)
携帯電話メーカー最大手、フィンランドのノキアは4日、2009年の携帯電話市場が縮小するとの見通しを示した。来年の世界の携帯端末市場は5%またはそれ以上縮小する見通し。ノキアは10−12月(第4四半期)について、景気悪化の深まりのため世界の携帯端末販売台数が先月時点の同社予測の3億3000万台に達しないとの見方を示した。下方修正はここ3カ月で3回目。来年の携帯端末・サービス部門の営業利益率が10%台になるとの見通しを示し、従来目標の約20%から引き下げた。
33.11月の雇用統計内訳は以下の通り。
(内訳)
★非農業部門雇用者数は前月比53万3000人減と、予想(33万5000人減)より大幅に悪化、1974年12月以来で最大の落ち込みを記録。
★10月の雇用者数改定値は32万人減と、速報値の24万人減から下方修正された。9−10月で雇用者数の減少幅は合計19万9000人下方修正された。
★失業率は6.7%(前月6.5%)と、予想(6.8%)を下回った。
★週平均労働時間は33.5時間(前月は33.6時間)と、1964年の雇用統計開始以来で最低。製造業部門の週平均労働時間も40.3時間で前月の40.5時間から減少した。超過勤務は3.3時間(前月3.5時間)だった。
★平均時給は前月比7セント増加し18.30ドルとなった。前年比では3.7%増加。
(雇用動向)
★製造業部門は8万5000人減、特に自動車製造・部品部門は1万3100人の雇用者が減少した。建設部門の雇用者数は8万2000人減少、金融機関は3万2000人の減少だった。広義のサービス業は37万人減と、前月の15万3000人減からマイナス幅が拡大した。小売りでは9万1300人減少した。
教育・医療サービス分野では雇用者が5万2000人増加し、政府機関の雇用も7000人拡大した。
34.全米抵当貸付銀行協会(MBA)の発表によると、米国の住宅ローンの10件に1件で、返済が遅れるか、既に差し押さえの手続きが始まっている。2008年7−9月(第3四半期)には30日以上返済が遅れているローンの割合は季節調整済みで6.99%に上昇。既に差し押さえ手続きに入ったローンの割合は2.97%となった。割合はいずれも、1979年の統計開始以来で最大。返済遅延のなかでは90日以上の延滞が特に増えているという。
35.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーのリテール証券部門はファンド7本を閉鎖し、マネージド・フューチャーズ・ファンド8本について新規資金の受け入れを停止した。
今回の変更について、事業戦略に基づく判断であって、パフォーマンスに関連したものではないと言う。
36.バンカメ(BAC)
@メリルリンチとバンク・オブ・アメリカの事業統合で2万人が削減される公算が大きいと、英紙デーリー・テレグラフが報じた。
AUBSは5日、バンカメが再び減配する可能性を指摘し、同行の今年と来年の1株利益予想を下方修正した。2008年1株利益は従来予想より19%低い1.07ドルの見込み。09年の予想も2.20ドルと従来から45%引き下げられ
た。
37.レッグ・メイソン(LM)
資産運用大手レッグ・メイソンは5日、従業員の8%に相当する約200人の人員削減計画を明らかにした。米国内のマーケティングや技術部門、財務や法務といった非投資業務が削減の対象になる見通。
38.カシュカリ米財務次官補は5日、米政府の金融安定化対策は消費者や企業に恩恵をもたらすとの見解を示し、銀行は政府から得た資金を融資に回す義務があるからだと説明した。
39.米上下両院の金融関連委員会の委員長は、ポールソン財務長官に対し、総額7000億ドル(約65兆円)の金融安定化資金のうち、残っている3500億ドルを引き出すことができなくなる公算があると警告した。共和党議員の間でも、公的資金の使途をめぐって異論が出ていた。同長官は第1弾の3500億ドルのうち、200億ドルを残してすべて使い果たしてと発言している。
40.ヤフー(YHOO)
ヤフーの株主である資産家カール・アイカーン氏は、ヤフーのインターネット検索事業買収に関してソフトウエア大手マイクロソフトと新たに協議を行ったが、合意には至らなかった。
41.FRBが5日に発表した10月の消費者信用残高は、前月比35億ドル(1.6%)減少して2兆5780億ドルとなった。過去3カ月間で2度目のマイナス。予想は20億ドルの増加だった。10月の消費者信用残高の内訳をみると、自動車・移動住宅・教育向け非回転信用は34億ドル減少した。クレジットカードを中心とした回転信用は前月比1億8200万ドルの減少。
=以上=
2008年12月08日
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