11月16日
森 崇
ブル材料
1.マクドナルド(MCD)
マクドナルドが10日発表した10月の既存店売上高は、前年同月比8.2%増加した。内訳は、欧州の売上高が9.8%増、米国市場は5.3%増だった。1ドルメニュー商品が好調だった。
2.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米政府は、AIGの救済策で資金援助の規模を1500億ドル(約14兆8900億円)超に拡大した。これを好感し、AIG株は上昇した。ただし、AIGの2008年7−9月(第3四半期)決算は4四半期連続の赤字となった。同社の第3四半期純損益は245億ドル(1株当たり9.05ドル)の赤字。政府は9月に設定した850億ドルの融資枠を600億ドルに縮小する一方で、優先株購入によりAIGに400億ドルを出資する。また、AIGが保有または保証している住宅ローン担保証券(MBS)の処理に向け最大525億ドルを提供する。
3.アップル(AAPL)
米調査会社NPDグループが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)の米携帯端末人気ランキングによれば、アップルの携帯電話「iPhone 3G」が首位に立ち、4−6月期まで12期連続でトップだったモトローラの「Razr」に取って代わった。同ランキングは企業による購入分を除いた消費者の購入台数をまとめたもの。米国全体で携帯端末売上高が15%減少しているにもかかわらず、7月に売り出されたアイフォーンの最新モデルは売り上げを伸ばしていると言う。これまでトップだったレーザーは2位に転落し、これにカナダのリサーチ・イン・モーションの「ブラックベリー」と、韓国のLG電子の2モデルが続いた。
4.中国が総額4兆元(約57兆5300億円)規模の景気刺激策を発表。
(骨子)
★刺激策の規模は中国の昨年の国内総生産(GDP)のほぼ5分の1に相当。2010年末までに実施。
★1000億元分は今年10−12月期に割り当てられる。
★投資の対象としては、低価格住宅の供給、農村部のインフラ整備、新たな鉄道・道路・空港の建設、医療、教育、環境保護、科学技術、災害地域の復興など、10の重点分野が設けられている。
★設備投資を後押しするため、機械などの固定資産購入に対して税控除を認める。
★金融機関の融資規制を撤廃し、企業向けに1200億元(約1兆7000億円)の減税も実施。
★農家向け対策として穀物買い入れ価格と補助金を引き上げ、更に都市部の低所得層への手当を増額する。
★小規模企業への融資拡大のために、ローン制限を撤廃。
5.ゴールドマン・サックス(GS)
サンドラー・オニール・アンド・パートナーズはゴールドマンが2009年に収益性を回復するとの見通しを示し、株価が下落し過ぎているとして、株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。08年12月−09年2月(第4四半期)に、1株当たり1.72ドルの損失を計上するとの見通しを示し、1株当たり1.43ドルの利益とする前回見通しを修正した。また、09年通期見通しについては1株当たり9.75ドルと従来見通しの12.12ドルから下方修正した。ただし、ゴールドマンは引き続き投資銀行として首位を維持しており、こうした割安価格でのゴールドマン株の買い機会は極めて魅力的だと指摘した。
6.ペロシ米下院議長は11日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★自動車業界への追加支援に向けた迅速な行動を望んでおり、新議会がスタートする来年1月より早く、年内に法制化させたい。
★1社またはそれ以上の主要米自動車メーカーの破たんがあれば国内経済に甚大な影響をもたらすことになる。
★自動車業界への緊急支援措置は、経営幹部報酬の制限、ゴールデンパラシュート(被買収企業の役員が受け取る割増退職金)の禁止、第三者による厳格な監視、すべての返済義務を負うよう徹底し納税者の保護を図ることが条件になる。
7.米金融安定化策運用の責任者、ニール・カシュカリ財務次官補は11日、米住宅市場の低迷に取り組むために財務省は利用可能なあらゆる手段を使うと述べた。
8.GM(GM)
ペロシ米下院議長は、苦境の米自動車業界への緊急支援策の法制化を議会に呼び掛けた。同議長はGMを破たんさせればよいとの見方を否定。GMや同調者に組みし、数百万人の雇用喪失につながるGM破たんの壊滅的な連鎖反応を回避する道を支持した。フィッチの信用アナリスト、マーク・オライン氏は、GMが破たんした場合、同業のフォード・モーターとクライスラーも最終的に破たんに追い込まれるだろうとみる。
9.オバマ次期米大統領は、米自動車業界について、最大500億ドル(約4兆7800億円)の救済資金確保を年内にも議会に承認させたい考え。これと同時に自動車業界の経営を監視する委員会も設置する考え。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。創設を検討している監視委員会は1979年のクライスラー救済時などを参考にしたもの。
10.CITグループ(CIT)
米金融サービス、CITグループは13日、銀行持ち株会社への業態転換を申請し、問題債権購入計画(TARP)に基づく資金注入を財務省に要請したことを明らかにした。
11.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカの業務問題担当幹部、ファイヌケーン氏は13日、米上院での公聴会で、経営幹部に支給するボーナスの準備金を半減すると述べ、金融安定化策に基づいて注入された公的資金を報酬に充当することはないと言明した。
12.ディーン・フーズ(DF)
スタイフェル・ニコラスは、乳製品メーカー大手ディーン・フーズの株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。来年、牛乳や燃料の価格が低下する可能性があるとの見方が背景。
ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
@今週号バロンズ紙が、GM株の売りを推奨した。直近決算内容は、既に破たん企業の内容であるとし、たとえ政府の救済を仰いだとしても、株主や社債債権者は犠牲になるだろうとしている。同紙が年初に買いを推奨したのは誤りだったとした。
Aバークレイズ・キャピタルとドイツ銀行は10日、ゼネラル・モーターズ 株の投資判断をそれぞれ「アンダーウエート」と「売り」に引き下げた。ドイツ銀行はGMの株価目標をゼロとした。ドイツ銀行は、GMが破たんを回避できたとしても、同社の将来の運命は破たんに近いだろうとしている。
バークレイズは、政府支援によってGMの破たんの可能性は低下するものの、政府支援はGM株を大幅に希薄化させるだろうと指摘、GMの株価予想を1ドルとした。
2.ファニーメイ(FNM)
米住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)が10日発表した7―9月(第3四半期)決算は四半期として過去最高の赤字額を記録。赤字幅は290億ドル(1株当たり13ドル)と、前年同期の14億(同1.56ドル)の赤字から大幅に悪化した。同社が資産価値を少なくとも214億ドル引き下げたことが原因。同社はさらに、2009年に公的資金の注入を受け入れる必要性が生じる可能性があることを明らかにした。公的管理下に置かれた9月に起用されたアリソンCEOは、繰り延べ税控除額を大幅に引き下げ、デフォルト予想を引き上げた上、信用損失が増大するとの見通しを示した。
3.タイソン・フーズ(TSN)
米食肉加工大手のタイソン・フーズが10日寄り前決算発表。7−9月(第4四半期)の売上高は前年同期比9.5%増の72億ドル、1株あたり利益は13セントとなった。予想は、売上高が70億4000万ドル、EPSが19セントだった。コスト削減のために食肉処理施設を縮小し、牛肉を値上げしたが、利益は予想を大幅に下回った。
4.メリルリンチのアナリストらは、ガソリンやディーゼル油などの燃料需要が2009年にさらに落ち込む恐れがあるとの見通しを示した。景気減速に加え、消費者が支出を抑制することが背景。
5.トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は10日、インフレ率の低下が確認されれば、景気悪化に対処するため、利下げが可能になるとの見解を明らかにした。同総裁はサンパウロで9日に開かれた20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で議長を務めた。
6.205年の歴史を持つスウェーデンの投資銀行、D・カーネギーは、銀行免許を失い当局の監督下に置かれることになった。同国の金融監督当局が10日発表した。カーネギーは当局の指導の下で銀行免許を回復できる可能性があるという。
7.ノーテル・ネットワーク(NT)
北米最大の通信機器メーカー、カナダのノーテル・ネットワークが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算では、直近7年で最大の純損失となった。同社は従業員1300人を削減する計画を明らかにした。
8.世界第3位の規模を誇るロシアの外貨準備をもってしても、原油相場の急落と資本逃避には対抗しきれず、ロシア中央銀行はルーブルの切り下げを受け入れざるを得ないかもしれないとの観測が高まってきた。
9.ゴールドマン・サックス(GS)
バークレイズは、ゴールドマン・サックスのプライベートエクイティ(未公開株)投資部門が株式相場の急落で打撃を受けたとして、同社が株式上場後で初の四半期赤字を計上する可能性があると指摘した。バークレイズの予想によると、ゴールドマンの9−11月(第4四半期)決算の1株当たり損失は2.50ドル。メリルリンチ、UBS、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーもゴールドマンの赤字決算を予想している。バークレイズは従来、1株当たり2.71ドルの利益を見込んでいた。
10.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMとフォード・モーター、クライスラーの米自動車大手3社は、17年で最悪の自動車市場低迷を乗り切るため500億ドルの融資を政府に求めている。もし政府支援が間に合わず、GMが事業清算に追い込まれ生産が停止した場合、米国では1年目に250万人の職が失われる(センター・フォー・オートモーティブ・リサーチ試算)との見方が出ている。また、信用市場の環境悪化で、破産法の下での再生手続き中の事業資金を提供するつなぎ融資を得ることが難しくなっている結果、GMが破産申請した場合に再生ではなく清算となる恐れを指摘する向きもいる。GMは7日、早ければ今年中にも事業の運転資金が底をつく恐れがあることを明らかにした。同社の手元資金は9月末に162億ドルと、6月末の210億ドルから減少。同社は事業継続のためには月110億ドルが必要だ。
11.ゴールドマン・サックス(GS)
フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーはゴールドマンの9−11月(第4四半期)収益見通しを損失に下方修正した。自己資金投資で27億ドルの損失が発生するとの見通しも示した。1株当たりの損益見通しを従来の2.59ドルの黒字から1.55ドルの赤字に引き下げた。2009年11月期通期については12.15ドルの黒字から9.08ドルの黒字に下方修正した。
12.クレディ・スイス・グループのストラテジスト、アンドルー・ガースウェイト氏は11日、2009年半ばのS&P500指数見通しを1050と、従来予想から13%下方修正した。先進諸国が深刻なリセッション(景気後退)に向かっているとの見方が背景。
(骨子)
★政府債の利回り上昇が住宅ローン金利を押し上げ、民間投資を締め出す可能性があることも株にはネガティブだ。
★主要7ヶ国(G7)の経済が1945年以来初めて縮小する可能性があり、世界的にも国内総生産(GDP)の伸びは1982年以来の最低に落ち込むだろう。
★株式に対しては「スモールオーバーウエート」で据え置く。インサイダーによる自社株買いが過去最大規模に拡大していること、中銀による金融システムへの資金注入、更に株価が割安なことが背景。
13.プルデンシャル・ファイナンシャルとハートフォード・ファイナンシャル
ゴールドマン・サックスがプルデンシャルとハートフォードの投資判断をそれぞれ「売り」に引き下げた。また、米生保業界のアウトルックを「中立」から「コーシャス」に引き下げた。また、今後資本を増強する必要が出てくる。1年から1年半は資産が引き続き劣化するだろうと指摘。
14.ドイツ銀行のアッカーマンCEOは14−15日にワシントンで開催される金融サミット(首脳会合)を前に、国際金融協会(IIF)会長としてブッシュ大統領に公開書簡を送付。金融機関への政府出資が恒久化するのは望ましくないとして、明確な出口戦略を描き、実施する必要があるとの考えを明らかにした。
15.ラスベガス・サンズ(LVS)
カジノ経営大手ラスベガス・サンズは11日、シェルドン・アデルソンCEOの一族から5億2500万ドルの出資を受けることを明らかにした。同社はこのほか、株式発行で16億2000万ドルの資金調達を計画している。新たに売り出されるのは普通株約1億8180万株で、価格は1株当たり5.50ドル。投資家はさらに100ドルで優先株1株と普通株16.67株を購入するワラントを組み合わせたユニットも購入することができる。アデルソン一族も同じ条件で購入したという。
16.クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場での取引清算を同当局が規制する計画に取り組んでいる。米金融当局はこれまでにも、CDS市場がマーケットメーカーの破たんに備えて清算機関を創設するよう働き掛けてきたが、相対取引の同市場でカウンターパーティーリスクを引き受けていたリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんし、保険会社アメリカン・インターナショナル・グループが救済されてからは、その動きに拍車が掛かってきた。規制の方法はワシントンで緊急首脳会合(金融サミット)が開催される今週末までに発表される可能性があると言う。
17.ベスト・バイ(BBY)
米家電量販店ベスト・バイは12日、2009年2月通期の利益は同社予想を下回るとの見通しを示した。金融危機、及び景気悪化が背景。通期1株当たり利益見通しは2.30−2.90ドルと、9月に予想していた3.25−3.40ドルから下方修正された。売上高は437億―455億ドルとの予想になったが、従来予想では470億ドルだった。予想は、1株当たり利益が3.04ドル、売上高は464億ドルだった。また、既存店売上高は来年2月までの4ヶ月間に最大15%減少する可能性がある。ブライアン・ダン社長兼CEOは、小売業を営んで42年になるが、消費者にとってこれほど厳しい時期は経験したことがない。消費動向が大きく変化しており、当社はこの流れに抗えないと発言した。
18.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、世界の高リスク・高利回り債のデフォルト率が今後1年間で10.4%に上昇し、現在の3倍超に達するとの見通しを発表した。同デフォルト率は10月に2.8%と、9月の2.7%(改定値)から上昇。同社は年末までに4.3%へ上昇するとの見通しを示した。また、欧州のデフォルト率は2009年10月までに9.7%と、前月の1%からほぼ10倍に跳ね上がるとみられている。米国は今後1年間に11.4%に上昇すると予想されている。
19.米連邦準備制度理事会(FRB)など規制当局は12日、銀行に信用力のある借り手に対し融資を維持するよう指示した。また、融資の抑制や景気低迷の深刻化につながりかねない行き過ぎた配当支払いに対して警告した。
20.グーグル(GOOG)
シティグループは12日、グーグルの利益見通しを下方修正した。グーグルの10−12月(第4四半期)の1株当たり利益見通しを従来予想から2.7%下方修正し5.03ドルとした。2009年通期の1株当たり利益見通しについても4.8%引き下げ21.18ドル、10年については同3.3%下方修正の24.82ドルとした。グーグルの株価目標については6.3%引き下げ450ドルとした。同社の株式投資判断については「買い」で据え置いた。検索市場の業者は10−12月がこれまでで最も軟調になると予想していると言う。
21.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーは機関投資家向け証券部門の人員10%と資産運用部門の同9%を削減する計画を明らかにした。経済悪化に対応した施策。同社の資産総額は10月末までに8000億ドルを相当下回る水準まで減少した。同社は保有資産の50%を株式や長期債、預金で調達する狙いだ。
22.ポールソン米財務長官は12日、7000億ドル(約66兆8640億円)規模の金融支援策について、残りの半分については消費者信用市場での圧力緩和に費やす計画を打ち出し、不良化した住宅ローン資産の買い取りは断念すると表明した。自動車ローンや学生ローン、クレジットカードが利用しにくくなっている。これが米国民の負担を重くし、国内の失業増加につながっていると述べた。金融安定策の資金の一部を民間投資家の市場復帰を促すために使用することが検討されているとした。
23.コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は12日、信用危機で規制当局は資産バブルへのアプローチを見直す必要が生じるとして、金融機関がバランスシートの記載有無を問わず資産を裏付ける上で十分な資本水準を維持するよう確実にしなくてはならなくなると述べた。
24.クアルコム(QCOM)
携帯電話メーカーからの猛烈な受注下落を受け、新規雇用をストップするとともに、R&Dの一部を削減すると言う。ポール・ヤコブスCEOが発言した。
25.スプリント・ネクステル(S)
株価が1980年以来の安値をつけた。メリル・リンチが同社株目標価格をほぼ半分の3.10ドルに引き下げた。景気悪化の影響を指摘。
26.調査会社IDCが、IT投資が世界全体で当初の予想以下の伸びになろうとしている。2009年の伸びは、2.6%増(当初5.9%予想)になると予想している。金融危機の影響を指摘。
27.アメックス(AXP)
WSJ紙は、アメリカン・エキスプレス(アメックス)が米政府に約35億ドルの支援を求めていると報じた。デフォルト急増や個人消費の低迷による影響を受けたという。
28.シンガポールの調査会社ユーレカヘッジによると、ヘッジファンドの運用資産規模は、10月の1ヶ月間で1000億ドル(約9兆6000億円)減少したもよう。このうちの6割は、投資家による解約が要因となっている。同社がデータ収集している2000以上のファンドのうち42%が12日までに報告した速報値ベースでの集計結果。
29.3日に発表した8日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は3万2000件増加し51万6000件(前週は48万4000件)に達し、予想(48万件)を大きく上回った。これは対米同時多発テロ直後の2001年9月29日までの週(51万7000件)とほぼ一致する。
30.ウォルマート(WMT)
小売り最大手のウォルマート・ストアーズは13日、寄り前決算発表。第3四半期の業績は良好だったが、2009年1月通期の利益見通しを下方修正した。ドル高が理由。
第3四半期(8‐10月期)実績○売上高…986億4200万ドル(コンセンサス予想は984億4260万ドル)
○1株当たり利益…0.77ドル(コンセンサス予想は0.76ドル)
第4四半期(11‐1月期)実績○1株当たり利益…1.03ドル〜1.07ドル(コンセンサス予想は1.11ドル)
2009年通期見通し○1株当たり利益…3.42ドル〜3.46ドル(コンセンサス予想は3.48ドル)
31.経済協力開発機構(OECD)は13日発表した最新の世界経済見通しで、2009年の世界成長率予想を下方修正した。
(骨子)
★OECD加盟30ヶ国の今年の成長率は1.4%、09年は0.3%のマイナス成長となる見込み。6月時点では今年を1.8%成長、09年を1.7%成長と予想していた。
★来年の成長率は米国がマイナス0.9%、日本がマイナス0.1%と予想される。今年はそれぞれ1.4%と0.5%の景気拡大が見込まれている。
★ユーロ圏は今年が1.1%のプラス成長、来年が0.5%のマイナス成長と予想される。プラス成長への回復は10年の見込み。ユーロ圏では景気減速期には税金が減り失業手当支給によって公的部門の支出が増える。これが景気悪化の衝撃を幾分和らげることに加え、欧州中央銀行(ECB)には米国や日本よりも大きな利下げ余地がある。
★加盟国全体の今年のインフレ率予想を3.3%と従来の3%から下方修正。原油や商品価格の下落に伴い、09年についても1.7%と従来の2.1%から予想を引き下げた。
32.ゼネラル・モーターズ(GM)
@ゴールドマン・サックスはゼネラル・モーターズ(GM)株の投資判断を停止した。GMは220億ドル(約2兆1120億円)の新規資金が必要と試算し、米議会が年内に救済法案を通過させるかどうかは不透明だと指摘。
AJPモルガン・チェースは、GM株の投資判断を「ニュートラル(中立)」に指定し、従来の「オーバーウエート」から引き下げた。政府による支援の枠組みがまだあいまいで、特に株式希薄化への影響が見極めにくいと指摘。また、GMが2009年いっぱい営業を続けるためには政府支援150億ドルが必要になるとし、債務と人件費を削減しない限り、2010年にさらに同額の支援が必要になるとした。
33.9月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支は565億ドルの赤字(前月の貿易赤字は591億ドル)と、赤字額は前月比で4.4%縮小した。輸入原油コストが過去最大の低下となったことから、燃料輸入額が大幅減少した。予想は570億ドルの赤字だった。輸出は6%減の1554億ドル。減少率は2001年9月以来で最大だった。民間航空機売り上げの33億ドル減少が影響した。
34.インテル(INTC)
世界最大の半導体メーカーであるインテルは12日引け後、2008年10−12月(第4四半期)の売上高見通しを下方修正し、90億ドルからプラス・マイナス3億ドルとした。従来予想は101億−109億ドル。
35.ナショナル・セミコンダクター(NSM)
米半導体大手ナショナル・セミコンダクターは12日引け後、08年9−11月(第2四半期)の売上高見通しを下方修正するとともに、従業員の約5%を削減する方針を発表。
36.アプライド・マテリアルズ(AMAT)
半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズは12日引け後、08年8−10月(第4四半期)決算が前年同期比45%の減益となったと発表。また、1800人の削減計画も明らかにした。金融危機に伴い半導体業界全体の受注の落ち込みが深刻化していることが背景。
37.ドイツ連邦統計庁が13日発表した2008年7−9月(第3四半期)の実質GDP(国内総生産)速報値は前期比0.5%減となった。4−6月(第2四半期)に続くマイナス成長で、リセッション(景気後退)入りが確認された。4−6月は同0.4%減(改定値)だった。ドイツ経済が前回、2四半期連続で同等のマイナス成長を記録したのは1996年だった。
38.クライスラー
クライスラーのロバート・ナーデリ最高経営責任者(CEO)は13日、政府支援を受けなければ、このかつてない厳しい状況を乗り切るのは非常に困難だと述べた。
39.バークシャー・ハザウェイ
ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハザウェイの株価が2006年以来初めて、1株当たり10万ドルを割り込んだ。同社が7日に発表した7−9月(第3四半期)の決算では、純利益が前年同期比で77%減少した。
40.ミネアポリス連銀のスターン総裁は13日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★一部の金融市場では改善が見られるものの、多くは引き続きひっ迫している。
★規制当局が問題を事前に認識する措置を取らない限り、経営難に陥っている金融機関を救済する努力が将来的な不安定助長につながる可能性がある。
41.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は13日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★景気低迷が10−12月(第4四半期)に深刻化し、2009年まで弱い成長が続くだろう。信用危機と世界的な景気悪化で成長と輸出が抑制されることが背景。
★金融は依然として著しい緊張下にあり、見通しはなお非常に不透明だ。多くの国の中央銀行と政府が取った政策は金融圧力を多少緩和するのに役立ったが、金融市場が正常化するにはまだ時間が掛かるだろう。
★米経済は過去2年、強い輸出から多大な恩恵を受けてきたが、世界経済の減速見通しにより、米経済の見通しも一段と暗くなっている。
★2009年の経済成長率については、2%を下回る可能性が高い。数四半期は比較的弱い成長になるだろう。失業率は09年上半期に7%を超え、下半期に緩やかに低下するだろう。
42.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日、フランクフルトで主催したパネルディスカッションで以下の通り発言した。
(発言要旨)
★一時的な改善が見られるものの、金融市場の緊張状態が続いている。
★当局は緊密に連絡を取り合い、動向を注視し、状況次第で追加措置を取る用意があるる。
43.フレディマック(FRE)
米住宅公社のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は14日、138億ドル(約1兆3410億円)の資本注入を米財務省に求めた。
(背景)
★同社の2008年7−9月(第3四半期)が過去最悪の赤字となり、純資産価値がマイナスとなったため、資本注入が必要となった。第3四半期の純損益は253億ドル(1株当たり19.44ドル)の赤字。
★11月29日までに政府から資金を受け取る見込みだと言う。
★9月に指名されたデービッド・モフェットCEOは、不良資産化した住宅ローン債権と証券の評価額を引き下げるとともに、繰り延べ税資産の大半について特別費用を計上した。
★純資産額は第3四半期末時点でマイナス137億ドルとなった。同四半期中に繰り延べ税資産額を143億ドル償却し119億ドルとした。
★貸倒引当金を57億ドルと、第2四半期末の25億ドルから積み増した。将来の損失に備えた引き当てを含めた信用関連費用は60億ドル(前四半期は28億ドル)に増えた。
(今後の予想)
米政府は9月に、フレディマックと同業大手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)を管理下に置いた。いずれも1000億ドルを用意した。しかし、ファニーメイも今週、年末に資本不足に陥る可能性を示唆。今後それぞれ1000億ドルを超すことは間違いない。
44.10月の小売売上高は前月比2.8%減(9月は1.3%減)と、予想(2.1%減)より落ち込みが大きくなった。これで減少は4ヶ月連続で、今回は、1992年の統計開始以来で最大の落ち込み。10月の変動の大きい自動車を除いたベースは2.2%減。1.2%減が見込まれていた。主要13項目のうち10項目で減少と、広範にわたる低調が示された。
45.11月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数速報値は57.9(10月確定値は57.6)と、予想(56.7)を若干上回った。ただ、6月に付けた1980年以来、28年ぶりの低水準(56.4)近辺にとどまった。今後6ヶ月間の先行き景況感を示す指数は55.7と、前月の57.0から低下した。一方、現在の景況感を示す指数は61.4と、過去最低となった前月の58.4から上昇した。
46.10月の輸入物価指数は前月比4.7%低下(前月は3.3%低下)と、予想(4.4%低下)を上回り、過去最大の落ち込みを記録した。商品価格の下落が影響した。石油の輸入価格は前月比で16.7%低下と、2003年4月以来で最大の低下率だった。前年同月比では13.1%の上昇となる。燃料を除くと輸入価格は10月に前月比で0.8%低下した。
47.JCペニー(JCP)
米百貨店大手JCペニーが14日寄り前決算発表。8−10月(第2四半期)の売上高は43億2000万ドル、一株当たり利益は56セントとなった。予想は、売上高が42億8400万ドル、1株当たり利益は51セントだった。ただし、2008年11月−09年1月(第4四半期)の1株当たり利益が90セント−1.05ドルになるとの見通しを発表した。予想は1.28ドルだった。
48.サン・マイクロシステムズ(JAVA)
サーバー世界4位のサン・マイクロシステムズは14日、最大6000人の従業員を削減する計画を発表した。これにより年間の経費は7億−8億ドル削減できる見通しだという。
49.ノキア(NOK)
フィンランドのノキアは14日、2008年の業界の販売台数予想を下方修正した。新機種への買い替えが手控えられていることが響いていると指摘した。今年10−12月(第4四半期)の業界販売台数は3億3000万台、通年では12億4000万台の見込み。従来は通年で12億6000万台と予想していた。世界的な景気減速と為替相場の乱高下が、世界の個人消費を大きく減速させたと言う。
50.ボーイング(BA)
航空機大手ボーイングは、機械工によるストライキと設計変更を理由に「747-8」型貨物機の納入を約9ヶ月、同国際旅客機の納入を6ヶ月間それぞれ延期した。
51.サイプレス・セミコンダクター(CY)
半導体のサイプレス・セミコンダクターは10−12月(第4四半期)に1株当たり最大12セントの損失を予想している。予想は、1セントの黒字だった。
52.JPモルガン・チェース(JPM)
シティグループは、JPモルガン・チェースの10−12月(第4四半期)決算で、1株当たり利益が最低10セントになる可能性があると指摘。資産評価損や貸倒引当金の積み増しが背景。
53.オリエント・エクスプレス・ホテルズ(OEH)
ホテル運営のオリエント・エクスプレス・ホテルズは新規株式発行で849万株を売り出す意向を明らかにした。
54.エマーソン・エレクトリック(EMR)
JPモルガン・チェースは電気製品大手エマーソン・エレクトリックの株式投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げた。
55.プロロジス(PLD)
米不動産開発大手の同社株に悪材料。RBCキャピタル・マーケッツが目標株価を従来の16ドルから10ドルへと引き下げた。
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