9月23日
森 崇
議会指導部の要求@不良債権買取対象金融機関の経営への発言権を保つため、株式を取得する権利(ワラント)か実際の株式などを政府が得るようにするべきだ。
A経営陣の報酬が高すぎると判断された場合は金額を抑える。過去の報酬もさかのぼって削減する。
B財務省に対する監視強化が必要だ。FRB、SEC、連邦預金保険公社(FDIC)のトップと、議会側が指名する2人の民間人による「緊急監督委員会」を発足させ、議会の会計検査院とともに財務省を監督する。
C住宅ローンの借り手保護策も盛り込む必要がある。
政府側の意見@政府に株式を取得すると、株価の下落などを招いて金融危機を悪化させかねない。経営干渉を嫌う金融機関が制度を利用しない可能性がある。救済色が強い場合などに限り、ワラントや優先株の取得を検討する方向が良い。
A経営陣の報酬制限を厳格化し過ぎると、金融機関による買い取りへの参加意欲がしぼみ、制度そのものが機能しなくなる。ただ、退任する幹部の過剰な報酬を制限することなどは検討に値する。
B議会の合意を得る為にも、財務省の監視強化は必要だろう。
C住宅ローンの借り手保護策も盛り込むことには合意。
不良債権買い取り価格についてのバーナンキFRB議長コメント財務省は不良債権を“投げ売り価格”ではなく、現在が償還期限と想定しての“満期保有価格”で買い取るべきだ。このやり方だと、同時に、入札などのメカニズムを通じて市場に十分な情報を与えることができる。
買い取り価格のひとつの目安メリルリンチは7月29日、額面で306億ドル(約3兆3000億円)相当のCDOを67億ドルで売却すると発表した。代金の75%を買い手に融資することも明らかにした。この際、債務担保証券(CDO)を額面(1ドル)当たり0.22ドルで売却することで合意している。これは、ほぼ20%で評価したことになる。これはシティグループが第2四半期にCDOに付けた価格を大きく下回る。
J.P.モルガン・チェースのキアン・アボホセイン氏は30日付の顧客向けリポートで、欧州の銀行は、保有資産の評価で、米銀が資産を処分した際の価格を採用せざるを得ないだろうとし、メリルの資産評価は現実に即したものであって、投げ売りではないとコメントしている。
入札方式についても意見が出ているメリーランド大学の経済学教授、ピーター・クラムトン氏は、リバース・ディセンディング・クロック入札を提唱。政府が買い取りを予定する証券の数量、および当初の入札価格を発表し、売り手が当初価格で売却したい証券の数量を提示する。もし、当初価格で政府が望む買い取り数量を、銀行による売却数量が上回れば、政府の目標と銀行が望む数量が一致するまで、政府は買い取り価格を引き下げると言うもの。
この入札方式の欠点は、複数の銀行が保有する証券で最も有効に機能するが、1-2行の銀行の保有する証券では、売却の競争が少ないため、買い取り価格が資産の正規価値を上回る可能性がある。これは、納税者負担を重くするものだ。
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