森 崇
ブル材料
1.ポールソン米財務長官は13日、政府系住宅金融会社、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)について、以下の通り声明を発表。金融危機回避へ全力を挙げる姿勢を鮮明にした。
(骨子)
@必要に応じ、両社に公的資金を注入して資本増強する。上限を設けずに両社株を買い入れる。
A米連邦準備理事会(FRB)は両社の資金繰り支援に向け、公定歩合による融資枠の準備を承認。
B両社の国有化の可能性は否定。
2.アンハイザー・ブッシュ(BUD)
ベルギーのビールメーカー、インベブは、アンハイザー・ブッシュを520億ドルで買収する。ほぼ156年の歴史を持つ「バドワイザー」のメーカー、アンハイザーは、ベルギー企業の傘下に収まることになった。両社が14日発表した。1株当たりの買収金額は70ドル。米消費関連企業の買収案件としては、2005年のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)によるジレット買収(総額570億ドル)に次ぐ史上2番目の規模となる。インベブはアンハイザー買収により、英サブミラーを抜いて容量ベースで世界最大のビールメーカーとなる。
3.リーマン・ブラザーズ(LEH)
@モルガン・スタンレーは14日、リーマン・ブラザーズには生き残りに十分な資本があるとの見方を示した。リーマンには短期的な向かい風を乗り切るのに資本も流動性も十分にあると判断していると指摘。
Aリーマン・ブラザーズは自社株買いなど株安に歯止めをかける方法を検討しているWSJ紙が報じた。リーマンは韓国の金融機関と一部同社株式の売却に関して協議したが、成果が得られなかった。さらに、リーマンは、シティグループが4月にレバレッジドローンをプライベート・エクイティ投資会社連合に売却したのと同じ戦略で一部資産の売却を検討しているという。
4.アップル(AAPL)
アップルは14日、新型携帯電話機「iPhone 3G」が11日の世界一斉発売から3日間で100万台を販売したと発表した。昨年6月に発売した初代アイフォーンは、100万台まで74日かかっており、ジョッブスCEOは「驚くべき滑り出し」とコメント。また、同社が先週後半に開設したアイフォーン用のソフトの販売・配信サイト「App Store」では、ソフトのダウンロード数が1000万本を突破した。
5.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは15日、今後18カ月間で少なくとも150億ドルの手元資金調達を目指し、1922年以来はじめて配当金支払いを停止し、ホワイトカラーの人件費を20%削減するとともに、資産を売却すると発表した。1株当たり25セントの四半期配当の停止と、ホワイトカラー職の削減で、年間に100億ドルを削減できる見通し。GMはまた、資産の売却と銀行融資、退職給付金の削減により、40億−70億ドルを調達する計画。
6.ステート・ストリート(STT)
機関投資家向け資産運用最大手のステート・ストリートが15日寄り前業績発表。2008年4−6月(第2四半期)決算は前年同期比50%の増益となり、アナリスト予想を上回った。昨年のインベスターズ・ファイナンシャル・サービシズ買収に伴う一部コストを除いたベースでは、1株当たり利益は1.40ドル。予想は同1.36ドルだった。低金利で顧客からの預かり資産に支払う金利と運用利回りの差が拡大し、利益が増大した。
7.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
米医療機器・医薬品大手のジョンソン・&ジョンソンが15日寄り前業績発表。4−6月(第2四半期)決算は前年同期比8%の増益となった。海外売り上げ増とそれに伴う為替差益、好調な消費財製品が寄与した。抗アレルギー剤「ジルテック」や幼児向け製品が好調だった。こうしたプラス要因が、貧血治療薬「プロクリット」や精神疾患薬「リスパーダル」、コーディス部門の不振を補った。2008年通期の1株当たり利益については4.45−4.50ドルと、4月時点の予想である4.40−4.45ドルから上方修正した。
第2半期(4‐6月期)実績○売上高…164億5,000万ドル(コンセンサス予想は160億2,884万ドル)
○1株当たり利益…1.18ドル(コンセンサス予想は1.13ドル)
2008年通期見通し○1株当たり利益…4.45ドル〜4.50ドル(コンセンサス予想は4.45ドル)
8.インテル(INTC)
インテルが15日引け後決算発表。第2四半期の業績が予想を上回った他、第3四半期売上高ガイダンスが強めだった。PC用のMPU需要が旺盛だった。コンファレンスで、スミスCFOが、第2四半期の受注レベル、在庫レベルともに例年通りのパターンであるとコメントしている。粗利レベルもこれから上昇傾向であり、景気悪化の影響はことさら表れていない。
第2 四半期(4‐6月期)実績○売上高…94億7,000万ドル(コンセンサス予想は93億2,000万ドル)
○1株当たり利益…0.28ドル(コンセンサス予想は0.27ドル)
○粗利率…55.4%
第3 四半期(7‐9月期)のガイダンス○売上高…100億ドル〜106億ドル(コンセンサス予想100億8,400万ドル)
○粗利率…58%±数ポイント
2008年通期ベースのガイダンス○粗利率…57%±数ポイント
9.アルテラ(ALTR)
プログラマブル論理回路(PLD)メーカー2位のアルテラが15日引け後発表した08年4−6月(第2四半期)利益はアナリスト予想を上回った。第3世代ネットワーク対応のため電話メーカーからの需要が拡大した。
10.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
ウェルズ・ファーゴが16日寄り前業績発表。第2四半期(4−6月)の総収入は前年同期比16%増の115億ドル。純利益は前年同期比23%減の17億5000万ドル(1株当たり53セント)だった。1株利益50セントが見込まれていた。クレジットカードと保険事業の収入の伸びが住宅ローンの不良債権増の影響を打ち消した。同社は四半期配当を10%引き上げ1株当たり34セントとした。
11.サン・マイクロシステムズ
世界4位のサーバーコンピューター・メーカー、サン・マイクロシステムズが15日引け後2008年4−6月期決算の暫定集計を公表。利益がアナリスト予想を上回った可能性があることを明らかにした。 一部項目を除いた1株利益は最大で35セントとなったもよう。予想は27セントだった。
12.ファースト・ミッドウェスト・バンコープ(FMBI)
シカゴの地銀、ファースト・ミッドウェスト・バンコープが上昇。第2四半期の業績が、市場予想を大幅に上回ったことで、同社株が買われた。
13.インターボイス(INTV)
人材管理、コールセンターの経営などを行い、AT&Tを大手顧客に持つ、コンバージス(CVG)が、インターボイスを買収することで合意した。買収価格は3億3,500万ドルで、現金での買収となるという。これを好感して、インターボイス株が上昇した。
14.ナショナル・ペンバンクシェアズ(NPBC)
ナショナル・ペンバンクの持ち株会社で、消費者ローンや銀行業務を行う、ナショナル・ペン・バンクシェアズが上昇。第2四半期の業績が予想を上回ったことが背景。
15.オールド・ドミニオン・フレイト・ライン(ODFL)
トラック運送業者、オールド・ドミニオン・フレイト・ラインが、好調な第2四半期の業績を発表したことで、株価が上昇。
16.ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が17日寄り前業績発表。4−6月期(第2四半期)の売上高は前年同期比13%増の157億ドル。純利益は12億8000万ドル(1株当たり1.32ドル)。1株当たり利益1.31ドルが見込まれていた。予想売上高は152億2158万ドルだった。ヘリコプターやエレベーターへの需要が堅調だった。海外販売とドル安が業績に寄与した。同社は2008年通期利益が従来予想を上回るとの見通しを示した。
17.MGICインベストメント(MTG)
モーゲージ保険大手、MGICインベストメントが17日寄り前業績発表。2008年4−6月(第2四半期)決算は9790万ドルの純損失となった。四半期ベースでの赤字は4期連続。ただし、売上高は3億7180万ドルで、140億ドルの新規住宅ローンの保証を行ったことが株価の押し上げ要因となった。1株当たり損失は79セント。1株当たり61セントの損失が見込まれていた。格付け各社が保険金支払いコストの増加を理由にMGICを格下げした後、同社は住宅市場低迷の影響を最も深刻に受けているカリフォルニア州など複数の州で事業を縮小している。これを受け、モノライン株が総じてしっかり。
18.ノキア(NOK)
携帯電話端末メーカー最大手、フィンランドのノキアが17日寄り前業績発表。2008年4−6月(第2四半期)の売上高は132億ユーロ、利益は一部項目を除いたベースで1株当たり0.37ユーロだった。予想は、売上高が128ユーロ、同1株当たり利益0.36ユーロだった。ノキアの市場シェアは第2四半期に40%に増えた。カラスブオCEOは、業界全体の販売が今年、少なくとも10%伸びるとの予想も示した。従来予想は約10%増だった。
19.バクスター・インターナショナル(BAX)
血液病治療最大手のバクスター・インターナショナルが17日寄り前業績発表。4−6月期(第2四半期)の売上高は前年同期比13%増の31億9000万ドル、一部項目を除いた1株当たり利益は85セントとなった。予想は、売上高が30億4600万ドル、同1株当たり利益が82セントだった。同社は08年通期の一部項目を除く1株当たり利益を3.28−3.32ドルと予想し、4月17日に示した3.18−3.24ドルから上方修正した。1月24日時点では3.10−3.18ドルだった。旺盛な海外需要などを背景とした売り上げ増加が寄与した。バクスターの主力製品の供給ひっ迫に伴う価格上昇が、利益を押し上げている。
20.J.P.モルガン・チェース(JPM)
総収入、1株当たり利益ともに市場予想を上回ったし、サブプライム問題に絡む、評価損などは前の期に比べて半減、評価損、引当金ともに1―3月期から減少しいる。問題処理が着実に進んでいる内容だった。住宅ローンを裏付けとする有価証券の値下がり損失額のアナリスト予想が8億ドル程度にまで達していたが(シティ・グループのキース・ホロウィッツ氏)、実際は半分の4億ドル強だった。
第2四半期(4−6月期)実績○総収入…184億ドル(コンセンサス予想は165億5,000万ドル)
○1株当り利益…54セント(コンセンサス予想は44セント)
○ベアー・スターンズの吸収合併に伴う損失が約5億4000万ドル発生。
○信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に関連し有価証券の評価損など32
億ドルを計上(損失は1―3月期に比べ半減)。
21.IBM(IBM)
IBMが17日引け後業績発表。4−6月期決算は、世界的に売り上げが伸び、22%増益となった。1株利益は1.98ドル、売上高は前年同期比13%増の268億2000万ドルだった。予想は、1株利益が1.82ドル、売上高が259億2000万ドルだった。粗利益率は前年同期の41.8%から43.2%に上昇した。08年12月期通期については、1株利益見通しを25セント上方修正し、少なくとも8.75ドルとした。新興市場の売り上げやメーンフレームなどがけん引するとしている。IBMはまた、2010年までに1株利益を10−11ドルまで引き上げるという目標に向け、順調に進んでいることも再確認した。
22.ハネウエル・インターナショナル(HON)
航空機制御装置メーカー最大手のハネウエル・インターナショナルが18日寄り前業績発表。2008年4−6月(第2四半期)の決算は、純利益が前年同期比18%増となった。純利益は7億2300万ドル(1株当たり96セント)、売上高は前年同期比13%増の96億7000万ドルとなった。1株当たり利益が94セント、売上高は92億1000万ドルと見込まれていた。航空機部品や自動システムが好調だった。更に同社は08年の年間利益見通しを1株当たり5セント引き上げ3.75−3.85ドルとした。売上高については376億―382億ドルと、4月時点の最大374億ドルから上方修正した。1株当たり利益は3.79ドル、売上高は372億ドルが見込まれていた。
23.バー・ファーマシューティカルズ(BRL)
世界最大のジェネリック(後発医薬品)メーカー、テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズは、同業のバー・ファーマシューティカルズを74億6000万ドルで買収することで合意した。テバはジェネリック市場でのシェア拡大を目指す。買収額はバーの株式1株を約66.50ドルと評価するもの。
24.ヤフー(YHOO)
米資産運用会社レッグ・メイソン傘下のレッグ・メイソン・キャピタル・マネジメントは、ヤフーと投資家カール・アイカーン氏が繰り広げているヤフー取締役会の掌握をめぐる争いで、ヤフー側を支持する姿勢を明らかにした。同社のビル・ミラー会長が18日発表した文書によると、同社は8月1日に開かれる年次総会でヤフーの現取締役会を支持する。レッグ・メイソンはヤフーの発行済み株式の4.4%を保有している。アイカーン氏は自ら選んだ9人をヤフー取締役会の候補者として擁立。マイクロソフトとともに、検索部門の売却をヤフーに働きかけているが、ヤフーは拒否。
25.シティグループ(C)
シティグループが18日寄り前業績発表。4―6月期決算は、最終損益が24億9500万ドルの赤字だった。3四半期連続赤字。ただ最終赤字額は1―3月期に比べると半減した。純収入は前年同期比29%減の186億5200万ドル、1株損益は54セントの赤字となった。予想は、1株損益が61セントの赤字、純収入が169億7,516万ドルだった。
ベア材料
1.金融業界のアナリストの間で、今後1年から1年半で全米の銀行7500行中、150行程度が破たんする恐れがあるとの見方が出ているとNYタイムズ紙が報じた。レイデンバーグ・ソールマンのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は週末にかけて、問題のある銀行のリストを公表していると言う。
2.ワシントン・ミューチュアル(WM)
米S&L最大手、ワシントン・ミューチュアル株が急落。リーマン・ブラザーズが、同銀は今年、260億ドルの損失を計上する可能性があるとのリポートを発表した。4−6月期の貸倒引当金は40億ドルと、1−3月期の35億ドルから拡大したもようだと言う。4−6月期決算の1株当たり損失は1.48ドルと予想。
3.ナショナル・シティ(NCC)
オハイオ州最大の銀行であるナショナル・シティー株は14日、一時前週末比31%安となった後、取引が一時停止された。同行は、資本ならびにキャッシュへのアクセスは十分だと表明した。
4.ワコビア(WB)
UBSは14日、ワコビアの投資判断を「ニュートラル」と、従来の「買い」から引き下げた。大規模な増資の可能性が高まったとの見方が理由。ワコビアが普通株を発行して50億ドルを調達し、配当を1株当たり0.01ドルに引き下げ年約30億ドルを節減するとの見方を示した。また、ワコビアの2008年通期損益を1株当たり1.98ドルの赤字と予想した。
5.ゴールドマン・ザックスは14日、インディマック・バンコープの破たんや建設、住宅ローン、自動車ローンの状況悪化は、米銀の損失が少なくとも2009年1−3月(第1四半期)まで悪化することを示唆していると指摘。また、銀行が08年4−6月(第2四半期)に前四半期よりも64%多い350億ドルの証券評価損に直面する可能性を指摘。さらに、ザイオンズ・バンコープとサントラスト・バンクス、コメリカ、バンク・オブ・アメリカは減配する恐れがあるとの見方を示した。09年第1四半期までは損失のピークは来ないと思うが、ピークがさらに先になるリスクは高まっているとし、銀行は少なくとも600億ドルの追加増資が必要となると試算。ゴールドマンはまた、ザイオンとワコビア、リージョンズ・ファイナンシャルの株価目標と利益予想を下方修正した。
6.6月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比1.8%上昇(前月は1.4%上昇)と、予想(1.4%上昇)を上回った。これは昨年11月以来の高い伸び。一方、食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前月と同じ0.2%上昇と、予想(0.3%上昇)を下回った。
7.6月の小売売上高は前月比0.1%増(前月は0.8%増)と、予想(0.4%増)を下回った。2月以来で最小の伸びだった。変動の大きい自動車を除いたベースは0.8%増。予想では1%増が見込まれていた。自動車・同部品の売上高は3.3%減。2006年2月以来で最大の落ち込みだった。家具と電気製品の売り上げはそれぞれ1.4%減と0.6%減、いずれも年初来では最大の減少率。一方、ガソリンスタンドの売上高は4.6%増と、昨年11月以来で最大の伸び。
(エコノミスト評価)
戻し減税により効果が無くなりつつある内容だ。
8.バーナンキFRB議長は15日、上院銀行委員会で証言。
(証言内容)
★経済成長見通しに明確な下振れリスクがある(6月25日声明時より下振れリスクが増大)。成長のリスク要因として、エネルギー価格の高騰や与信枠の縮小、住宅不況の悪化があげられる。
★同時に、長期のインフレ期待の悪化など、商品価格に起因したインフレ圧力が賃金や物価に根付く兆候に対し、特に警戒しなければならない。
★金融市場が正常な機能を回復するよう支援することが引き続きFRBの最優先課題だ。
★個人消費については、今後数四半期は抑制される可能性が高い。企業が下半期の設備投資に慎重になるだろう。戻り減税について、厳しい家計に時宜を得た支援を提供している。予想よりも個人消費が底堅い一因である。
★住宅価格の下落については、抵当物件の差し押さえ増加に影響している。差し押さえが一部の住宅価格の下落圧力を高めている。
(FOMCの見通し修正)
FOMCは2008年の成長率予想を1−1.6%と、前回4月の予想である0.3−1.2%から引き上げた。個人消費支出(PCE)物価指数についても3.8−4.2%上昇と、従来の3.1−3.4%上昇から上方修正した。09年の成長率見通しについては2−2.8%と、4月の予想を維持した。
9.ファニーメイ(FNM)とフレディマック(FRE)
@ムーディーズ・インベスターズ・サービスは15日、米住宅金融投資会社ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の銀行財務力と優先株の格付けを引き下げた。優先債と劣後債の格付けは据え置いた。両社の財務力格付けは「B−」に引き下げられた。優先株格付けは「A1」と、従来の「Aa3」から引き下げられた。いずれも、一段の引き下げに向けた見直しの対象にとどまる。ムーディーズは両社の財務上の柔軟性低下により優先株の配当支払いが停止される恐れがあるとして、優先株の投資家にも損失が及ぶ可能性を示唆。
Aポールソン米財務長官は15日、政府は必要な場合にのみファニーメイとフレディマックの株式を買い取ると述べるとともに、両社の信認回復に向けた提案を承認するよう議会に要請。財務省は与信枠拡大を数値で表すことも、18カ月の暫定権限の期間中に両社の株式買い取りを公約することも望んでいないと述べた。いずれの権限も使用される場合は、米納税者を保護し、財務省と両社が合意するという条項と条件の下で、財務省の裁量で施行することになるとした。
B債券ファンド最大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者モハメド・エルエリアン氏はファニーメイとフレディマックを含め多くの米金融機関は事実上、米政府の支援なしには資本を調達できなくなっているとの見方を示した。金融システム内で重要な役割を担う金融機関に対する緊急流動性供給をFRBに求める圧力が数カ月以内に強まるだろうとの見通しを示した。また、ファニーメイとフレディマックに資金を提供するためのより直接的な方法を米議会が求められることになるだろうとしている。
10.USバンコープ(USB)
米銀6位のUSバンコープが15日寄り前業績発表。2008年4−6月(第2四半期)の純利益は9億5000万ドル(1株当たり53セント)と、予想(59セント)を下回った。証券投資に絡む損失や貸し倒れにより、利益は1株当たり11セント押し下げられた。
11.5月の企業在庫は前月比0.3%増加(前月は0.5%増)と、予想(0.5%)を下回った。5月の企業売上高は前月比0.8%増と、前月の1.5%増から伸びが鈍化した。対売上高在庫比率は1.24カ月と、昨年11月に記録した最低水準に並んだ。
12.シーゲイト(STX)
コンピューター・ディスク駆動装置メーカー最大手のシーゲイト・テクノロジーが15日引け後発表した08年4−6月(第4四半期)決算は、予想を下回った。グーグルやヤフーなどインターネット関連企業向けの一部駆動装置などに製品改良の遅れが出た。
13.ゼネラル・モーターズ(GM)
ムーディーズは15日、ゼネラル・モーターズの信用格付けを引き下げ方向で見直すと発表。150億ドルの手元資金調達計画では赤字の穴埋めに十分ではない可能性があるとしている。
14.ホームビルダー協会がウェルズファーゴと共同で発表した7月の米住宅市場指数(NAHB住宅指数)は、市場予想18を下回る16となり、過去最低を更新した。また一戸建て販売の16となり、前月の17より低下した。更に、向こう6カ月間の住宅販売見通し指数は、前月の27から低下して23となった。
15.ナイトキャピタル・グループ(NITE)
株式市場のマーケットメーカー、ナイトキャピタルが下落。第2四半期の業績は市場予想を大幅に下回ったことが要因。
16.フィラデルフィア連銀が17日に発表した7月の同地区の製造業景況指数はマイナス16.3(前月マイナス17.1)と、予想(マイナス15)を上回る落ち込みとなった。同指数は昨年12月以降8カ月連続マイナスを記録した。
(主要コンポーネント内訳)
★新規受注…マイナス12.1(前月マイナス12.4)
★出荷…マイナス8(前月マイナス6.7)
★仕入れ価格指数…75.6(前月69.3)
★販売価格…28.8(前月29.7)。
17.ニューコア(NUE)
米鉄鋼メーカー大手のニューコアが17日寄り前業績発表。4―6月(第2四半期)の売上高は前年同期比70%増の70億9000万ドル、純利益は5億8080万ドル(1株当たり1.94ドル)となった。予想は、売上高が65億3500万ドル、1株当たり利益は1.81ドルだった。米国の鉄鋼価格が過去最高値を更新した上、世界的に需要が伸びたことが寄与した。エネルギーや建設産業向けの需要が世界的に強まっており、同社は海外での買収を模索している。しかし、世界景気鈍化懸念から、株価は下落した。
18.グーグル(GOOG)
シティ・グループが、同社第2四半期の決算発表を引け後に控え、売上げが鈍化していると指摘。競争激化を背景にしている。
19.ヤフー(YHOO)
ヤフーは17日、アジアで保有する資産の売却を検討していることを明らかにした。対象には、ヤフー日本法人の株式も含まれる可能性がある。
20.米住宅金融フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が17日実施した2年債入札(30億ドル)結果によると、同年限米国債に対する上乗せ利回りは少なくとも過去5年で最大だった。フレディマックの発表文書によると、2年債(表面利率3.25%、償還期限2010年7月16日)の最高落札利回りは3.358%。米国債との利回り格差は88ベーシスポイントとなった。
21.グーグル(GOOG)
グーグルが17日引け後に業績発表。4−6月期決算は35%増益となったものの、1株利益が市場予想を下回ったため、株価は下落。1株利益が予想を下回ったのは、受取利息が前期比で1億0900万ドル減少したことが原因で、これがなければ予想と一致していたと見られている。ただし、4−6月期の有償クリック数は、前年同期比では19%増加したが、昨年の4−6月期の47%増と比べると、伸び率は鈍化している。
第2四半期(4−6月期)決算○売上高…38億7,198ドル(コンセンサス予想は38億6,411万ドル)
○1株当たり利益…4.63ドル(ンセンサス予想は4.72ドル)
22.マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフトが17日引け後業績発表。4−6月期(第4四半期)決算は、42%の増益となった。パソコンの需要が堅調なことから、売上高は18%増の158億4000万ドルとなった。ただ、企業向け応用ソフトの売上高が予想を下回り、同四半期の純利益と7−9月期(第1四半期)の業績見通しはアナリスト予想平均を下回った。
第4四半期(4‐6月期)実績○売上高…158億4,000万ドル(コンセンサス予想は156億4,478万ドル)
○1株当たり利益…0.46ドル(コンセンサス予想は0.47ドル)
第1四半期(7‐9月期)予想○売上高…147億ドル〜149億ドル(コンセンサス予想は150億8,950万ドル)
○1株当たり利益…0.47ドル〜0.48ドル(コンセンサス予想は0.49ドル)
2009年通期ベースの会社側が提示したガインダンス○売上高…673億ドル〜681億ドル(コンセンサス予想は673億5,472万ドル)
○1株当たり利益…2.12ドル〜2.18ドル(コンセンサス予想は2.16ドル)
23.メリル・リンチ(MER)
メリルリンチが17日引け後業績発表。4−6月期決算は4四半期連続の赤字となり、赤字額はアナリスト予想平均の2倍を超えた。この赤字は同社史上ほぼ最悪。
第4四半期(10−12月期)実績○総収入…46億ドルの赤字(コンセンサスは36億5,675万ドル)
○1株あたり損失・・・4.95ドル(コンセンサスは1.90ドルの損失)
○評価損・・・97億ドル(予想は60億ドル)
○営業損失・・・46億ドル
○同四半期の従業員削減にかかわるリストラ費用(税引き前)・・・4億4500万ドル計上した
(評価損97億ドルの内訳)
★住宅ローンなどを担保とした債務担保証券(CDO)関連…35億ドル
★経営難に陥っているモノラインと結んだヘッジ契約関連…29億ドル
★銀行ポートフォリオ関連…17億ドル
★住宅ローンへのエクスポージャー…13億ドル
★レバレッジド・バイアウト(LBO)向け融資関連…3億4800万ドル
24.ギリアド・サイエンシーズ(GILD)
ギリアド・サイエンシズが17日引け後業績発表。4−6月期決算は8.6%の増益となった。抗HIV薬の売り上げが引き続き堅調だったことが寄与した。
第2四半期(4‐6月期)実績○売上高…12億8,000万ドル(コンセンサス予想は12億4,829万ドル)
○1株当たり利益(非GAAPベース)…0.49ドル(コンセンサス予想は0.48ドル)
(主力薬売上)
★トルバダ(Truvada)…5億1,610万ドル
★ヴィレアド(Viread)…1億5,070万ドル
★アトリプラ(Atripla)…3億5,510万ドル
25.アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(ADM)
半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)が17日引け後業績発表。4−6月期決算は、2006年のATIテクノロジーズ買収にかかわる減損処理が響き、赤字が拡大した。非継続事業による1株損益は1.52ドルの赤字。売上高は前年同期比3.1%増の13億4900万ドル。AMDは4月に、14億3000万−14億4000万ドルのレンジを予想していた。予想は1株損益が52セントの赤字、売上高が14億5000万ドルだった。マイクロプロセッサーの出荷と価格は前年同期比横ばい。画像処理半導体(GPU)の出荷は増加したものの、平均販売価格(ASP)は低下した。今年下半期の黒字回復を予想していると会社側はコメントした。
26.連邦預金保険公社(FDIC)は、銀行破たん時の預金の取り扱いについての新たな規定として、当局が既存の預金口座を決済することを認めるよう大手銀各行に義務付ける方針を打ち出した。18日付WSJ紙が報じた。米国内の預金残高が20億ドル以上あり、資産200億ドルまたは預金口座25万口座以上のいずれかの条件を満たす銀行約160行が対象となる。発効は8月18日。銀行がFDICに提出する預金口座についての情報を標準化することが義務付けられる。
27.米証券取引委員会(SEC)は、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)ほか米金融機関17社の株価操作防止を目的にした緊急措置の対象から、株式のマーケットメーカー(値付け業者)を外す見込みだ。マーケットメーカーが対象外にならなければ、売買注文のスムーズな執行に支障が出る上、投資家が負担するコストが拡大してしまう恐れがある為。SECは早ければ18日に最終採決を行う。発効は21日。
28.ゴールドマン・ザックスは17日に発表したリポートで、年末時点の原油相場見通しを1バレル当たり149ドルに据え置いた。在庫の低水準を背景にしている。米国と日本の輸入拡大により先進国の原油在庫が増加しているため、相場は短期的には下落する可能性があるとの見方を示した。
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