2009年04月27日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 4/26

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

4月26日

森  崇


ブル材料
1.サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は19日、米国民に過剰な利払いを強いているクレジットカード・ローンの乱用の取り締まりにオバマ米大統領が注意を向けるだろうと述べた。

2.米連邦準備制度理事会(FRB)高官が以下の通り発言。

★コーンFRB副議長は18日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
FRBが融資を行っているのは健全な借り手だ。今後融資についてより詳しい内容を公表する計画だと述べた。

★ダッドリーNY連銀総裁も、FRBの総資産が2兆1900億ドルに拡大したことがインフレを招くとは全く懸念していないと言明。
★セントルイス連銀のプール前総裁は、中銀当局者がバランスシート上のリスクを著しく軽視していると指摘。インフレの急上昇に非常にさらされやすい状況にあると指摘。

3.ガイトナー財務長官は21日、議会の問題資産購入計画(TARP)監視委員会で証言し、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米金融機関の大部分は必要以上の資金を保有している。
★信用市場には沈静化の兆しや投資家の信頼感が回復しつつある兆候もいくつかみられる。
★銀行間融資、社債発行さらにクレジットスプレッドの動向から、金融システム安定化に対する信頼感の改善と信用市場におけるある程度の沈静化が示唆された。
★これより先、慎重な見積もりとしても、TARPには金融機関の救済に必要な資金が十分ある。7000億ドル規模のTARPには、金融機関の救済資金がまだ推定約1350億ドル残っている。

4.シティグループ(C) 
シティグループのビクラム・パンディットCEOは21日、同社年次株主総会で、米政府から受けた救済資金は最後の1ドルまで利息を付けて返済すると表明。

5.コーチ(COH)
ハンドバッグブランドのコーチが21日寄り前決算発表。1-3月期の売上高は7億3990万ドル、一株当たり利益(一部項目除く)は38セントだった。予想は、売上高が7億730万ドル、一株当たり利益は同36セントだった。減収減益となった。主力の直営店舗の売上高はドル安によるかさ上げ効果もあり堅調を維持。北米の既存店売上げは4.2%減少(アナリスト予想は15%減少だった)。日本は円ベースで1%増、円高のためドルベースで14%増、中国も順調だった。米国の事務系社員の削減、店舗閉鎖などのリストラを実施した。

6.ゼネラル・モーターズ(GM)
★財務省が同社に50億ドルの追加支援を提供すると明らかにした。財務省は同社とクライスラーへの運転資金提供を表明していた。クライスラーは5億ドル受け取るという。GMのフリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は17日、4−6月(第2四半期)に46億ドルの支援が必要になるとの考えを示していた。

★オバマ米大統領直属の自動車業界作業部会は、ゼネラル・モーターズの社債保有者団体に接触、債務再編に向け約6週間ぶりの協議の設定に乗り出した。

7.AIG(AIG)
米政府の支援を受けている保険大手、アメリカン・インターナショナル・グループは21日、損害保険部門のAIUホールディングスの分離、権益売却を加速させるため、同部門を特別目的機関に移管する計画を明らかにした。

8.ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
ジェットエンジンや船舶向け空調機を製造するユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が21日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比12%減の122億ドル、リストラ費用などの一時項目を除いたベースでは1株利益は87セントとなった。予想は、売上高が124億ドル、同EPSが78セントだった。決算は、26%減益となった。景気悪化の影響で航空機器事業のほか、エレベーター、空調システム事業などで売り上げが低迷したことに加え、リストラ関連の費用がかさんだことが収益を圧迫した。

UTXは通期業績について、売上高が約550億ドル、1株当たり利益が4−4.50ドルとの見通しをあらためて示した。予想は、売上高が543億ドル、EPSが4.16ドルだった。

9.UAL(UAUA)
航空大手ユナイテッド航空の持ち株会社UALが21日寄り前決算発表。
1−3月期の売上高は36億9100万ドル、1株当たりは2.64ドルの赤字となった。予想は、売上高が38億500万ドル、1株当たりは4.37ドルの赤字だった。四半期ベースで6期連続の赤字となった。世界的な景気後退による乗客の減少が響いた。

10.ロッキード・マーチン(LMT)
ロッキード・マーチンが第1四半期の業績を発表した。航空部門以外の全ての部門での売上が増加し、前年同期比8.8%増となった。売上高は市場予想を下回ったが、EPSは上回った。8.8%の減益となった。コンピューターサービスや防衛用電子機器の売り上げが増加したものの、年金コストの増大が響いた。同社はただ、自社株買い戻しを理由に、09年通期の利益見通しを1月予想から上方修正した。

第1 四半期(1‐3 月期)実績
  ○売上高…103億3,730万ドル(コンセンサス予想は105億2,956万ドル)
  ○1株当たり利益…1.68ドル(コンセンサス予想は1.65ドル)
2009年通期見通し
  ○売上高…454億ドル(コンセンサス予想は454億3,750万ドル)
  ○1株当たり利益…7.15ドル〜7.35ドル(これまでの、会社側見通し7.05ド
   ル〜7.15ドルから引き上げた。コンセンサス予想は7.35ドル)

11.デュポン(DD)
米化学品メーカー3位のデュポンは21日、2009年通期の利益見通しを下方修正した。1−3月(第1四半期)の総売上高が前年同期比で17%減少したことを反映させた。一部項目を除いたベースでの通期利益見通しを1株当たり1.70−2.10ドルと、1月27日時点での予想(同2−2.50ドル)から修正。09年の1株当たり利益は1.89ドルと見込まれていた。この日は決算も発表。1−3月(第1四半期)の売上高は69億ドル、一株当たり利益は54セントとなった。予想は、売上高が75億4977万ドル、EPSが53セントだった。ただし、需要は第1四半期に底打ちし、改善するだろうとコメントした。顧客が在庫を使い果たしながらも消費を続けていることを指摘した。

12.ブラックロック(BLK)
資産運用会社ブラックロックが21日発表した1−3月(第1四半期)の一部項目を除くと、1株当たり利益は81セントと、予想に一致した。決算は、前年同期比65%の減益だった。金融市場の低迷で、手数料収入が減少したほか、投資資産の価値が下落した。

13.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックに好材料。金融部門GEキャピタルが、今年黒字化すると発表。

14.17日まで1週間の住宅ローン申請指数は1172.2と、前週の1113.2から5.3%上昇した。金利低下に伴い、借り換えが進んだ。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.73%と、前週の4.70%から上昇。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…前週比7.7%上昇の6540.7
★購入指数…同4.2%低下の253.0

15.2月の住宅価格指数は1年前に比べて6.5%低下。これは過去6カ月で2番目に小さい低下率。また、対前月比では0.7%上昇した。2ヶ月連続で上昇したのはここ2年ぶり。低い住宅ローン金利が需要を下支えている可能性を示唆している。

16.AT&T(T)
米通信大手AT&Tが22日寄り前決算発表。1−3月期の一株当たり利益は、53セントと、予想(48セント)を上回った。携帯電話やブロードバンド(高速大容量)サービスなどの事業が堅調で、有線電話事業の落ち込みをカバーした。

17.キャタピラ(CAT)
★JPモルガン・チェースが“中立”から“オーバー・ウェイト”に投資判断を引き上げた。
★フィッチ・レーティングスは22日、キャタピラーの長期信用格付けを「Aプラス」から「A」へ1段階引き下げた。長期信用格付けの見通しは「安定的」とした。世界的な景気悪化により今年から来年まで経営が圧迫される可能性があると指摘した。

18.ボーイング(BA)
航空機メーカー大手のボーイングが22日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比3%増の165億ドル、1株当たり利益は86セントとなった。予想は、売上高が167億5600万ドル、一株当たり利益は92セントだった。ただし、ボーイングは09年通期利益について、1株当たり4.70−5ドルとの見通しを示した。低い価格上昇ペースを理由に、1月に示した予想の5.05−5.35ドルから引き下げた。ただし、予想(4.59ドル)を大幅に上回った。航空会社の契約先送りやキャンセルに伴う経費計上が響いた。

19.フォード(F)
ゴールドマン・サックスが投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。
政府支援の必要が無く、GM、クライスラーが破綻可能性を秘めた中、メリットを享受できる地位にあると言う。

20.ギリアド・サイエンシーズ(GILD)
21日引け後に決算発表。一株当たり利益は66セントと、予想(62セント)を上回った。

21.インガソル・ランド(IR)
第1四半期の1株当り損失が予想より少なかった。

22.マイクロン・テクノロジー(MU)
日本のエルピダ・メモリーが来月50%製品価格値上げを計画中であると言う。

23.ラスベガス・サンズ(LVS)
カジノ大手に好材料。50億ドル分のシニア・セキュアード・クレジットラインの条件改定に成功した。8億ドルの融資返済すると言う。

24.ウィン・リゾーツ(WYNN)
カジノ大手に好材料。融資条件改定に成功。契約の一部拘束条項の撤廃と、2年間の融資延長に成功した。

25.USエアライン(LCC)
バンカメが投資判断を“アンダー・パフォーム”から“買い”に引き上げた。株価の46%下落は行き過ぎと言う。

26.マクドナルド(MCD)
マクドナルドが、第1四半期の業績を発表した。朝食メニューやチキンサンド、飲料などの売上が好調だったことが背景となり、前年同期比3.5%増益となった。既存店売上高は、全ての地域で増加となった。売上高は、市場予想を若干下回ったが、EPSは上回った。

第1四半期(1‐3月期)実績
  ○売上高…50億7,740万ドル(コンセンサス予想は51億8,800万ドル)
  ○1株当たり利益…0.83ドル(コンセンサス予想は0.82ドル)

27.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
ウェルズ・ファーゴが、第1四半期の業績を発表した。金利の低下で、住宅ローンの借り換えの需要が拡大したこと、また、ワコビアの買収で貯金残高が増えたことなどが背景となり、前年同期比53%の増益となった。総収入は210億ドルとなり、約2倍になった。また、総収入、EPS共に市場予想を上回った。更に、住宅ローンの需要が増加したことに伴い、モーゲージ担当要員として、第1四半期中に約5000人を採用したという。

第1四半期(1−3月期)実績
  ○総収入…210億170万ドル(コンセンサスは192億ドル)
  ○1株当たり損益…0.59ドル(コンセンサス予想は0.39ドル)
  ○貸倒による損失…33億ドル

28.マリオット・インターナショナル(MAR)
ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルが23日寄り前決算発表。1−3月期決算の売上高は前年同期比横ばいの24億9500万ドル、1株当たりでは0.06ドルの赤字。ただし、リストラ関連費用の影響を除けば1株当たり24セントの黒字となった。予想は売上高が25億6890万ドル、同EPSが13セント黒字だった。多額のリストラ関連費用を計上したことで赤字決算となったが、一株当たり利益は予想を上回った。

29.ユニオン・パシフィック(UNP)
米鉄道2位のユニオン・パシフィックは23日寄り前決算発表。1−3月期の売上高は20%減の34億ドル、一株当たり利益は72セントだった。予想は、売上高が34億7900万ドル、EPSは66セントだった。リセッションの影響で石炭や自動車、消費財の輸送量が減少していると言う。同社は過去1年間で従業員の8%を削減。

30.コノコフィリップス(COP)
米石油3位のコノコフィリップスが23日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は307億ドル、一株当たり利益は56セントとなった。予想は、売上高が244億5400万ドル、EPSが42セントだった。決算は、前年同期比80%の減益となった。世界的なリセッションに伴うエネルギー価格の下落が響いた。米石油先物相場は1−3月期に平均で1バレル=43.31ドルと、前年同期から56%下落した。ガスの平均価格は49%落ち込んだ。

31.先物取引所最大手のCMEグループが23日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高は6億4700万ドル、一株当たり利益(一部項目を除く)は3.20となった。予想は、売上高が6億6046万ドル、同EPSが3.21ドルだった。前年同期比30%の減益だった。同社が取り扱う取引の中で規模が最大の金利先物取引に対する需要減が影響した。

32.オバマ大統領は22日、アイオワ州で演説し、2030年までに風力発電で電力の20%を賄い、25万人の雇用を創出すると、風力発電事業の大幅な増強に乗り出す方針を示した。

33.米連邦準備制度理事会(FRB)は24日、大手米銀の財務体力を査定するストレステスト(健全性審査)について、その手法や判断基準などの詳細を発表。米大手19行の一部はリセッションと市場混乱で資本が大幅に縮小したとする一方、大部分の銀行は規制当局が設定した基準を十分に上回る余剰資本を確保しているとの見方を示した。FRBは増資が必要な銀行名は特定せず、資本の具体的な不足額にも言及していない。ストレステストの最終結果は5月4日の週に発表される。

34.3月の米製造業耐久財受注額は前月比0.8%減(2月は2.1%増)と、予想(1.5%減)より落ち込みが小さかった。変動の大きい輸送用機器を除く受注は3月に0.6%減少した。航空機を除く非国防資本財受注は3月に1.5%増。前月は4.3%の増加だった。

   (内訳)
国防を除く受注は0.6%減。国防関連航空機・同部品が14%減少、輸送機器は1.4%減、特に自動車・同部品が1.7%減少した。民間航空機は4.4%の増加、前月は31.6%の減少だった。

35.3月の新築一戸建て住宅販売は前月比0.6%減の35万6000戸(2月は35万8000戸)と、予想(33万7000戸)を上回った。3月の新築住宅販売は前年同月比で31%減少した。住宅在庫は前月比5.2%減少し、販売に対する在庫比率は10.7カ月分に低下。8カ月ぶりの低水準となった。

   (地域別新築住宅販売動向)
西部が前月比15%増加した一方、北東部が32%減少した。中西部も減少し、南部はほぼ変わらず。

36.米財務省は24日、緊急経済安定化法に基づき資本注入を実施した銀行のうち、4行が受け入れた公的資金、計5億6,923万ドルを全額一括返済したと発表。返済したのは、TCFフィナンシャルなどで、うち1社は政府が取得していた新株引受権(ワラント)も買い戻した。これにより、財務省が資本注入に伴い取得した優先株の残高は約1978億5171万ドルとなった。

37.エマニュエル米大統領首席補佐官は24日、オバマ大統領がバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長に全幅の信頼を寄せていると述べた。

38.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは政府主導で進めている再建計画の一環として、トラックブランド「GMC」を維持する一方、83年の歴史を誇るブランド「ポンティアック」を廃止する見込み。GMは、GMCのほか、「シボレー」「キャデラック」「ビュイック」の各ブランドを存続させる方針だ。

39.3M(MMM)
米化学大手3Mが24日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比21%減の50億9000万ドル、一時項目を除く1株当たり利益は81セントとなった。予想は、売上高が52億6000万ドル、同1株当たり利益は86セントだった。また、09年通期の1株当たり利益について、一部項目を除いたベースで3.90−4.30ドルと予想。従来予測の4.30−4.70ドルから下方修正した。予想は4.04ドルだった。

40.フォード(F)
フォード・モーターが24日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は248億ドル、一部項目を除いたベースの1株当たり損失は75セントだった。予想は、売上高が232億ドル、同EPSが1.24ドル損失だった。

フォードは経費を19億ドル圧縮。生産効率化、価格設定の改善、販促金減らしが奏功した。第1四半期の自動車事業関連のキャッシュフローはマイナス37億ドルと、昨年10−12月(第4四半期)のマイナス72億ドルに比べ取り崩し額が少なかったルイス・ブース最高財務責任者(CFO)は、ゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーが破産しても、当社は被害者にはならないと発言した。


ベア材料
1.バンカメ(BAC)
地銀最大手が寄り前決算発表。第1四半期業績にはメリル部門のトレーディング収入とカントリーワイド買収後の住宅ローン借り換え需要増が貢献した。米財務省はバンカメ優先株450億ドル相当を保有。同行はまた、連邦預金保険公社(FDIC)保証付き債で417億ドルを調達しており、ルイスCEOは、追加資本は全く必要ないと表明した。ただ、貸倒引当金は133億ドルと2.2倍に拡大。住宅、商業不動産、ローンなどの幅広い融資債権の延滞比率が上昇した。不良債権が融資全体に占める割合は2.65%と1.75ポイント上昇した。先週発表になったシティ・グループと同様、不良債権増加を懸念した売りが出た。

第1四半期(1−3月期)実績
  ★純利益…42億4700万ドルと、前年同期の3.5倍に拡大
   (コンセンサス予想は15億6600万ドル)
  ★1株当り利益…44セント(コンセンサス予想は4セント)

  ○1株8セントがリストラ費用。

  ★第1四半期、貸倒引当金を64億ドル積み増し、その結果貸倒引当金は昨年12月末に
   比べ57%増え134億ドルとなった。

  ★回収不能債権の償却は前年同期に比べ2倍強の69億4000万ドルに増えた。

2.ストレステスト(健全性審査)関連で以下の材料が出た。
★米財務省のウィリアムズ報道官 は20日、金融当局は米銀大手19行に対するストレステスト(健全性審査)を完了しておりこのうち大半が不合格となったとする報道には根拠がないと述べた。米連邦準備制度理事会(FRB)はストレステストの結果を来月4日に公表することを明らかにしている。

★米財務省と金融当局は、19の米金融機関に対するストレステスト(健全性審査)の結果公表の仕方について意見が対立していると言う。一部の当局者は、比較的財務基盤の弱い金融機関が悪影響を受けることを懸念している。情報の公表方法や結果分類の方法、誰が発表するかについて計画は未定。米通貨監督局(OCC)や他の当局者が評価の詳細な公表を望んでいない一方で、財務省はより広範な情報開示を追求する構えだ。

★オバマ米大統領は19日、米金融機関のストレステストの結果を受けて公的資金を追加注入する米銀には説明責任を求める考えを示した。公的資金を単純に結果や出口戦略が見えてこないブラックホールに注入する考えはなく、納税者の負担が最終的には取り除かれるようにすると言明。

★ノーベル賞受賞者のエコノミスト、マイケル・スペンス氏は、米政府が実施している健全性審査をすべての銀行が通過するわけではないとの見方を示した。すべての銀行が健全性審査を通過すれば非常に意外だと指摘。また、米経済が今後数年で変化を遂げると予想。貯蓄率は投資収益率に近い水準に上昇するだろう。レバレッジが低下しているため、資本コストが高い時期に入り、成長は幾分、抑制されると語った。

3.シティ・グループ(C)
ゴールドマン・サックスは19日、シティ株の投資判断を「売り」に据え置くことを明らかにした。シティグループの信用損失が急速に拡大していることが背景。シティが先週発表した2009年1−3月(第1四半期)決算は16億ドル(約1580億円)の黒字となったものの、潜在的には1株当たり38セントの赤字だったとした。シティは、住宅ローンやクレジットカード・ローンの焦げ付きが膨らんでいる。また、複数の一時項目が全体を不明瞭にしている。今回の金融危機終息後に、シティにどれだけの収益力があるかという重要な問題は残ったままだと指摘。ただし、シティの09年通期の純損益予想を1株当たり25セントの赤字と、従来の半分の損失に修正。10年の予想(同20セントの黒字)は据え置いた。また11年については、同40セントの黒
字との見通しを示した。

4.富裕層個人投資家がヘッジファンドの運用資産に占める割合は3分の2にとどまった一方で、富裕層による2008年のファンド解約は5000億ドル超と、全体の8割を占めたと19日FT紙が報じた。こうした富裕層の動きにより米国の年金基金がヘッジファンドの主要投資家として残ることになり、今後4年間は米年金基金がヘッジファンドの最も有力な新資金源になりそうだという。

5.欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁は20日、ECBの政策金利は下限に近いとの認識を示した。個人的には政策金利は1%を下回るべきではないと思うが、これについては5月の会合で協議すると述べた。ECBの次回政策委員会は5月7日に予定されている。

6.タタ・コンサルタンシー・サービシズ
インド最大のソフトウエア開発会社、タタ・コンサルタンシー・サービシズが20日発表した2009年1−3月(第4四半期)決算は前年同期比4.7%の増益だった。利益の伸びは9四半期連続で鈍化した。米会計基準に基づく売上高は前年同期比19%増の717億ルピー。予想は741億ルピーだった。

7.3月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.3%低下(2月は0.2%低下)し、予想(0.2%低下)より大きな落ち込みだった。LEIを構成する10項目のうち6項目がマイナス寄与だった。

  (マイナス寄与項目)
★住宅着工許可件数の減少、株価下落、入荷遅延、週平均労働時間の減少、失業保険申請件数の増加、非国防資本財受注の減少

  (プラス寄与項目)
★マネーサプライの増加、消費者期待度指数の上昇、長短金利スプレッドの拡大

8.オラクル(ORCL)
オラクルは20日、サーバー・メーカー大手のサン・マイクロシステムズを約74億ドルの現金で買収することで合意。買収額は1株当たり9.50ドルで、サン・マイクロ株の17日終値を42%上回る水準。

  (オラクルのメリット)
★オラクルの一部項目を除いた営業利益は、買収完了からの1年で15億ドル増える見通し。
★オラクルはサン・マイクロが保有するプログラミング言語「ジャバ」や基本ソフト(OS)「ソラリス」を獲得する。
★サーバー市場に参入しIBMと競合。
★法人向けデータ処理関連製品を強化できる。

9.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
AIGは、298億ドルの資金へのアクセスを取得する代償として、米財務省に優先株と、普通株に転換可能なワラントを売却することで合意した。資金へのアクセス期間は最大5年間。米政府は先月、約300億ドルの追加資金をAIGに提供することで合意していた。政府はこれまでAIGに対し、600億ドルの融資やAIGが保有もしくは保証する525億ドル相当の住宅ローン担保証券(MBS)買い取りなどを含め、計1825億ドルの救済策を発表している。

10.ゼネラル・モーターズ(GM)
自動車メーカーのゼネラル・モーターズは今週、1600人のホワイトカラー職員削減を実施する。今回の人員削減は、GMが取り組んでいる再建計画の一環で、先に発表された3400人の人員整理の一部となる。

11.バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
カストディ(証券管理)業務で世界最大の銀行、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが21日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の米政府に優先株の配当を支払った後の1株利益は28セントだった。一時項目を除いたベースで63セントの1株利益が見込まれていた。51%減益だった。世界的な証券市場の悪化に伴う手数料収入の減少が響いた。同行は昨年10月、金融安定化プログラムの一環として、米政府が優先株とワラントに投資する形で30億ドルの公的資金を受け入れた。

12.メルク(MRK)
メルクが、第1四半期の業績を発表した。ワクチンや糖尿病薬などの売上が減少したことが背景となり、57%の減益となった。売上高、EPS共に市場予想を下回った。また、2009年通期見通しについては、EPSはこれまでの会社側予想を据え置き、売上高は下方修正した。

第1四半期(1‐3 月期)実績
  ○売上高…53億8,520万ドル(コンセンサス予想は57億6,290万ドル)
  ○1株当たり利益…0.74ドル(コンセンサス予想は0.78ドル)
2009年通期見通し
  ○売上高…232億〜237億ドル(これまでの会社側見通し237億ドル〜242億
   ドルから引き下げた。コンセンサス予想は238億3,415万ドル)
  ○1株当たり利益…3.15〜3.33ドル(これまでの、会社側見通しを据え置いた。  
   コンセンサス予想は3.26ドル)

13.カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は21日、上下両院合同経済委員会の公聴会で証言し、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★問題を抱える銀行に公的資金を追加注入すれば、信用危機を長期化させるだけでなく、資金注入を受けた銀行に不当な優位性を与える恐れがある。

14.ミネアポリス連銀のスターン総裁は、米連邦預金保険公社(FDIC)が金融機関に課している預金保険料について、破たんすれば金融システム全体の安定性を脅かすような大手金融機関に対しては、保険料を引き上げるべきだとの見解を示した。

15.コーラ(KO)
清涼飲料最大手のコカ・コーラが21日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比2.8%減の71億7000万ドル、一時項目を除いた1株当たり利益は65セントとなった。予想は、売上高が71億6000万ドル、同EPSは65セントだった。10%の減益となった。リストラ経費のほか、ドイツの流通網統廃合に伴う資産評価損を計上したことが響いた。コカ・コーラが販売する飲料の世界全体での消費量は2%増と、景気悪化の影響を受け前年同期の6%増から伸び悩んだ。同社最大の市場である北米での炭酸飲料の売り上げは、値上げなども影響し、落ち込んだ。

16.ブロードコム(BRCM)
米半導体メーカーのブロードコムは21日、コンピューター関連製品を製造するエミュレックスに買収案を提示した。買収額は1株当たり9.25ドル、総額およそ7億6400万ドル。

17.キャタピラー(CAT)
キャタピラーが、第1四半期の業績を発表した。売上高、EPS共に市場予想は上回ったが、16年ぶりの赤字となった。また、景気後退で需要が減少していることを理由に、2009年通期見通しを下方修正した。

第1 四半期(1‐3月期)
   ○売上高…92億2,500万ドル(コンセンサス予想は84億ドル)
   ○1株当たり利益(一部コストを除く)…0.39ドル(コンセンサス予想は0.05ドル)

2009年通期予想
   ○1株当たり利益…1.25ドル(これまでの会社側見通し2.50ドルから下方修正した。
    コンセンサス予想は1.68ドル)
   ○売上高…350億ドル(コンセンサス予想は383億1,831万ドル)

18.シェリング・プラウ(SGP)
米製薬大手シェリング・プラウが21日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の一時項目を除いたベースでは1株当たり利益は56セントと、予想(47セント)を上回った。売上高は43億9000万ドルと、前年同期の46億6000万ドルから減少した。予想は、45億7200万ドルだった。シェリングは同業の米メルクに身売りすることで合意している。

19.国際通貨基金(IMF)は21日、世界金融システムに関する年次報告を公表。

   (要旨)
★信用ひっ迫が一段と進むなか、不良化したローンや証券化商品に関連した世界の損失額が来年末までに4兆1000億ドルに達する可能性がある。
★銀行の評価損が約61%を占め、残りは保険会社や年金基金、ノンバンクの損失になるだろう。
★米金融機関の損失額見通しは2兆7000億ドルとなろう(1月時点の予想は2兆2000億ドル。昨年10月には1兆4000億ドルと見込んでいた)
★財政出動など政府の対策が講じられない場合、銀行は恐らく向こう数カ月間、融資を減らすだろう。また、借り入れに依存した投資ポジションの世界的な解消(デレバレッジング)過程は時間がかかるだろう。

20.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズが、6月1日に期限を迎える債務10億ドルの返済を見送る意向だと発表。そうなると破綻法適用の可能性がますます高まったとして、相場の圧迫材料となった。

21.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーが22日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の1株当たり損失額は57セントと、予想(8セント赤字)を大幅に上回る赤字幅だった。トレーディング収入が増加したものの、不動産の評価損などが業績を圧迫した。同社の四半期配当は過去4年間維持していた1株当たり27セントから1株当たり5セントに引き下げられた。
  
   (問題視された項目)
★第1四半期には不動産関連で10億ドルの損失を出した。また、自社債務の価格上昇に伴い会計上の損失15億ドルを計上した。
★レバレッジド(高リスク・高利回り)ローンと住宅および商業用不動産ローン債権の評価額引き下げが高額に及んだ。

   (主要財務指標)
1株当たり純資産額は27.32ドルと、前会計年度末となる昨年11月末の30.24ドルから減少した。中核的自己資本(Tier1)比率は3月末時点で16.4%。公的資金を返済した場合は12.9%となる。

   (部門別状況)
★最大部門であり伝統的な投資銀行業務とトレーディングを手掛けるインスティチューショナル・セキュリティーズ部門の収入は17億ドル。税引き前で4億3400万ドルの赤字となった。債券トレーディングの収入は13億ドル、株式トレーディングは9億ドル、投資銀行業務は8億1200万ドルだった。

★米銀シティグループのスミス・バーニー部門と統合するグローバル・ウェルスマネジメント部門の収入は13億ドル。税引き前利益は1億1900万ドル。

★投資信託の販売とプライベート・エクイティ(未公開株)や不動産などの代替投資を手掛ける資産運用部門は収入が7200万ドル、損益は5億5900万ドルの赤字だった。

22.クライスラー
自動車業界アナリストによると、クライスラーによる今月末の債務削減と伊フィアットとの提携完了の期限まで残された時間が少なくなるなか、同社の連邦破産法適用申請の確率は95%に高まっていると言う。

23.国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(WEO)によると、今年の世界経済の成長率はマイナス1.3%の見通し。1月時点ではプラス0.5%を見込んでいた。来年の見通しもプラス3%から同1.9%に下方修正した。

24.ジェンザイム(GENZ)
薬品大手の決算が不振だった。

25.クライスラー
★NYタイムズ紙が、クライスラーが来週破綻法適用申請する可能性が高まったと報じた。

★イタリア自動車大手フィアットのマルキオンネCEOは、経営危機に陥ったクライスラーとの資本提携に向けた交渉は進展していると述べ、提携実現に前向きな見通しを示した。

26.EMCコープ(EMC)
ストアレッジ大手のEMCが本日寄り前決算発表。売上高、一株当たり利益ともに予想を下回った。会社側は、企業のIT投資は底か、底に近い状態であり、依然景気の不透明感が強いとコメントしている。同社が株式の過半数を有するVMウェアも、今期は売上げが社史上はじめて落ち込むかもしれないとコメントしている。

第1 四半期(1-3月期)実績
   ○売上高…31億5,076ドル(コンセンサス予想は32億5,596万ドル)
   ○1株当たり利益…0.12ドル(コンセンサス予想は0.16ドル)

27.ポタッシュ(POT)
肥料メーカー大手の同社が本日寄り前決算発表。第1四半期の利益は予想を上回ったが、次四半期、及び通期ベースともに不振である。トウモロコシ、小麦、大豆価格が下落しており、肥料の需要も減退していると言う。ただし、今年下半期には回復に向かうとコメントした。

第1四半期(1‐3月期)実績
   ○売上高…92億2,500万ドル(コンセンサス予想は102億2,571万ドル)
   ○1株当たり利益…1.02ドル(コンセンサス予想は0.82ドル)

第2 四半期(10‐12月期)予想
   ○1株当たり利益…1.10ドル〜1.15ドル(コンセンサス予想は1.89ドル)

2008年度通期予想
   ○1株当たり利益…7.00ドル〜8.00ドル(1月時点のガイダンスは10ドル〜 
    12ドルだった。コンセンサス予想は9.33ドル)

28.18日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比2万7000件増の64万件で、予想と一致した。4週移動平均は64万6750件と、前週の65万1000件から減少した。11日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は前週比9万3000人増加して614万人と、過去12週間連続で過去最高を更新した。

29.ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
小荷物輸送最大手のユナイテッド・パーセル・サービスが23日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比14%減の109億ドル、輸送機の減価償却費用を除くベースでは、1株当たり利益は52セントとなった。予想は、売上高が115億6800万ドル、同EPSは56セントだった。また、4−6月期については1株当たり利益45−55セントと予想。予想は66セントだった。リセッションで輸送量が抑えられていることが背景。

30.シティ・グループ(C)
FT紙は23日、シティグループがグローバル・プライベート・エクイティ・プレースメント部門を閉鎖する計画であると報じた。

31.ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は23日、景気が来年に持続的な回復局面に入ると、インフレの脅威にさらされるとの見通しを示した。

   (発言要旨)
★来年まで景気の継続的な回復はみられないだろう。
★FRBの金融危機への対応策をみると、この先インフレ阻止に苦労するだろう。
★FRBは売却が容易な米国債を購入してバランスシートを拡大する代わりに、売却が困難な住宅ローン関連証券を購入。この結果、景気が持続的に回復した局面で資金吸収が難航するだろう。

32.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMは23日、在庫圧縮を目指し、北米の組立工場13カ所の操業を複数週にわたり停止すると発表した。生産台数は5月から7月にかけて19万台縮小される。

33.3月の中古住宅販売件数は前月比3%減の年率457万戸(前月は471万戸)と、予想(465万戸)を下回った。3月の中古住宅価格(中央値)は前年同月比12%下落した。

34.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、米金融サービス会社のCITグループを格下げ。無担保上位債格付けを従来の「Baa2」から投資不適格級の「Ba2」に引き下げたと発表した。

35.ハネウエル・インターナショナル(HON)
航空機制御装置メーカー最大手、ハネウエル・インターナショナルが24日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高が76億ドル、1株当たり利益は54セントとなった。予想は、売上高が75億1000万ドル、1株当たり利益が55セントだった。決算は38%の減益となった。自動車部品や航空機制御装置の需要減退が響いた。 また、2009年の1株当たり利益見通しを2.85−3.20ドルに下方修正した。従来予想は3.20−3.55ドルだった。予想は3.03ドルだった。

36.ゼロックス(XRX)
プリンター大手のゼロックスは23日引け後決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比18%減の35億5000万ドル、一株当たり利益は5セントとなった。予想は、売上高が37億7570万ドル、同EPSは13セントだった。企業がテクノロジー関連予算を削減し、販売各社が在庫を圧縮するなか、ゼロックスの売上高全体の約4分の1に相当するプリンターやその他ハードウエアの売り上げが落ち込んだ。第2四半期については、1株当たり利益が10−12セントとの見通しを示した。予想は15セントだった。ゼロックスはまた、通期利益については1株当たり50−55セントとの見通しを示した。同社は1月にも、利益見通しをそれまでの最大1.25ドルから約1ドルに引き下げている。予想は52セントだった。



=以上=
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2009年04月20日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 4/19

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

4月19日

森  崇


ブル材料
1.ヤフー(YHOO)
ブログサイトのオール・シングス・デジタルは、マイクロソフトがヤフーとの間で検索事業の提携について協議中だと伝えた。協議は数週間前から始まり、予備的な段階にあるという。

2.有力投資家のマーク・ファーバー氏は、S&P500種株価指数が今後3カ月間に17%上昇し、1000に達する可能性があるとの見通しを示した。財政出動で銀行の利益が押し上げられるとの見方が理由。

   (発言要旨)
★S&P500指数は3月6日の666.79で恐らく弱気相場の安値を付けた。
★S&P500指数の中の銀行株指数については、4月9日に25%高と少なくとも1989年以来で最大の上昇を記録したものの、上値余地がある。政府が税金を金融機関に無料で支給しているような状態だ。この無料の資金により、金融機関は短期的にある程度の業績を上げる可能性がある。
★株式相場は短期的にはやや買われ過ぎで、調整は不可避だが、中期的には安値を更新するとは思わない。S&P500指数は3月上旬に付けた安値666を維持し、7月には新たな上昇局面に入る。

3.資産運用会社ビリニー・アソシエーツのラズロー・ビリニー社長は13日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米国の株式相場はあまりにも急激に、そしてあまりにも急速に上昇しており、いったん反落してから再び上昇するだろう。株式市場は、いったん5−10%下げてから再び上昇する可能性がある。
★株を買う場合は銀行の1−3月期(第1四半期)決算とストレステスト結果を待ってからにすべきだ。
★S&P500指数は12年ぶり安値を付けた3月9日が、おそらく9ケ月間にわたる弱気市場の底入れだったと分かるだろう。

4.ゴールドマン・サックス(GS)
★ゴールドマンは13日、プライベートエクイティに投資する「GSビンテージ・ファンドV」を資金約55億ドル規模で始めたと発表した。同ファンドは流通市場で1億ドルから10億ドル超のポートフォリオを購入する。

★ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャード・ボーブ氏はゴールドマンが受けた融資について、政府支援分の返済よりもまず、ウォーレン・バフェット氏からの50億ドルを返済すべきだとの見解を示した。問題資産購入計画(TARP)からの支援はバフェット氏の融資よりもコストが低いからだ。バフェット氏率いる保険・投資会社のバークシャー・ハサウェイは昨年9月、ゴールドマンの優先株50億ドルを購入した。固定配当率は10%(年間5億ドル)。バークシャーは5年以内にゴールドマンの
普通株50億ドル相当を1株当たり115ドルで購入できる権利も得た。

★シティ・グループが、ゴールドマン株のカバレッジを“買い”で開始した。

5.米財務省は13日、ガイトナー長官が今月24日に7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を開催すると発表した。G7後には20カ国・地域(G20)閣僚会議が開催される。

6.エクスプレス・スクリプツ(ESRX)
総合医療関連サービスのエクスプレス・スクリプツが高い。ウェルポイントの医薬品保険手当て管理部門を47億ドルで買収する計画が好感された。

7.銀行株が軒並み急伸。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)に好材料が出た。
★9日に好調な暫定決算結果を公表した。

★今週号バロンズ紙が、フォロー・アップ欄にて“ウェルス・ファーゴ:本業に復帰”との強気記事を掲載した。

8.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米経済の急速な下降ペースに鈍化の兆しが表れてきた。住宅販売ならびに建設、消費者支出や自動車販売などを含む経済データがその例だ。これは、リセッションからの回復に向けた第1歩になる可能性がある。
★基本的には米経済について楽観している。現在の経済状況は困難だが、米国経済の基盤は堅固であり、洞察や忍耐、粘り強さをもってすれば克服できない問題に直面していない。
★金融安定化を達成するために取り組んでおり、これは米経済好転に向けた必要条件である。

9.オバマ米大統領は14日、ワシントンのジョージタウン大で演説した。

   (発言要旨)
★世界的な経済危機の克服に向けた一連の取り組みにより、米経済に前進の兆しが生まれつつある。
★総額7870億ドル(約78兆円)に上る大型景気対策や金融安定化策の効果が表れ始め、人員削減の計画を取りやめる動きが出ており、米経済が危機脱却への道を歩み始めた。
★厳しい局面は終わっていない。2009年も米経済は困難な年になる。失業率の上昇は依然続くと見込まれていることなどを踏まえ、景気回復への取り組みは緒に就いたばかりだ。
★大統領は米経済を砂上ではなく、岩の上に築かねばならない。その柱として(1)金融規制改革(2)教育への投資(3)代替エネルギー開発への投資(4)医療への投資(5)予算の効率化−の5つが必要だ。

10.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
医療品メーカー大手が14日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は150億ドルと、前年同期の162億ドルから減少した。純利益は35億ドル(1株当たり1.26ドル)と、前年同期の36億ドル(同1.26ドル)から減少した。予想は、売上高が153億8900万ドル、1株当たり利益は1.22ドルだった。洗口液「リステリン」やスキンケア 用品などの販売が好調だったほか、人員削減によるコスト節減も寄与した。ただし、後発医薬品の拡大で製薬売り上げが圧迫 されたほか、ドル上昇も売上高の減少につながった。2009年の利益見通しについては、企業買収などによる一時項 目の影響を除くベースで、1株当たり利益4.45−4.55ドルと従来予想に据え置いた。
予想は4.49ドルだった。

11.低金利の通貨を借りて高金利通貨に投資するキャリートレードが復活しつつある。先進国の景気対策や事実上のゼロ金利政策を受け、金利差が広がっている高金利の新興国や資源国への投資マインドが高まっていることが背景にある。

12.ニューヨーク連銀が15日に発表した4月の同地区の製造業景況指数はマイナス14.7(前月はマイナス38.2)と、予想(マイナス35)ほど悪化しなかった。昨年9月以降でマイナス幅が最小だった。6カ月後の見通しを示す期待指数は33.1と、前月の3.1から大幅に上昇した。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…マイナス3.9(前月マイナス44.8)
★出荷…マイナス1.8(前月マイナス26.7)
★在庫…マイナス36(前月マイナス27)
★仕入れ価格…マイナス14.6(前月と変わらず)
★販売価格…マイナス18(前月マイナス23.6)
★雇用…マイナス28.1(前月マイナス38.2)

13.AMR(AMR)
アメリカン航空の親会社AMRが15日寄り前決算発表。1―3月(第1四半期)の売上高は前年同月比15%減の48億4000万ドル、1株当たり損失は1.35ドル。一部エアバス機の廃棄処分に関連するコスト(1株当たり5セント)を除くと、1株当たりの損失額は予想(1.62ドル損失)を下回った。予想売上高は48億3300万ドルだった。

14.全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが15日発表した4月の米住宅市場指数は14(前月は9)と、昨年10月以来の高水準に戻した。予想は10だった。一戸建て販売の現況指数は13と、前月の8から上昇。購買見込み客足指数も14と、前月の9から上昇した。6カ月先の一戸建て住宅販売見通し指数は25と、過去最低水準に落ち込んだ前月の15から戻した。

15.2月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて220億ドルの買い越し(前月は368億ドルの売り越し)と、予想(140億ドルの買い越し)を上回った。財務省短期証券(TB)や株式スワップなど短期資産を含む金融資産の合計では970億ドルの売り越し。前月は1468億ドルの売り越しだった。海外投資家による米国債の買越額は216億ドル。前月は107億ドルの買い越しだった。ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)などの連邦機関債の買越額は10億9000万ドル。1月までは4カ月連続の売り越しだった。
米国株は51億4000万ドルの売り越しとなった。前月は14億1000万ドルの買い越しだった。米国債保有額では中国が0.6%増の7442億ドルで首位を維持した。続く日本は4.3%増の6619億ドル。

16.チャールズ・シュワブ(SCH)
独立系証券会社大手チャールズ・シュワブが15日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の人員削減関連費や債務再編、住宅ローン担保証券(MBS)に絡む損失などを除くと、1株当たり利益19セントとなり、予想(同16セント)を上回った。純収入は前年同期比18%減の5億200万ドルだった。純収入は18%減の5億200万ドルだった。

17.米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は15日、金融安定化資金7000億ドルを一部活用する不良資産買い取りプログラムに関連し、シティグループや他の米金融機関の資産を購入する機会を探っていることを明らかにした。

18.米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らは、緊急融資プログラムに関して、情報公開を一段と徹底する措置を検討している。FRBは保有する金融機関向け融資の担保について情報開示を拡大する公算が大きく、定例会見の開催を含む他のあらゆる選択肢の検討も進めている。バーナンキ議長は、FRBが最後の貸し手の役割を銀行以外にも拡大し、バランスシートが2兆ドル余りに膨らむ状況を受けて、FRBの透明性向上を図る手段を検討するよう要請している。

19.プロクター&ギャンブル(PG)
40セントから44セントへの四半期増配を発表。

20.ドクター・ペッパー(DPS)
飲料大手株がゴールドマン・サックスの“コンビクション・バイ・リスト”に掲載された。

21.CSXコーポレーション(CSX)
全米3位の鉄道会社の第1四半期決算が予想を上回った。これを受け、最大手のバーリントン・ノーザン・サンタフェや、第2位のユニオン・パシフィックなどが上伸。

22.インターナショナル・ペーパー(IP)
ドイチェバンクが“保有”から“買い”に投資判断を引き上げた。多くの側面から見て株価は割安、市況底打ちの兆候を背景にしている。

23.パイパー・ジェフリー(PJC)
第1四半期のEPS(一部項目を除く)が17セント赤字と、予想(23セント赤字)を上回った。

24.アメックス(AXP)
焦げ付きローンの増加ペースが鈍化したとコメントした。

25.JPモルガン・チェース(JPM)
○JPモルガン・チェースが16日寄り前決算発表した。2009年1−3月(第1四半期)決算は、前年同期比10%減益となったものの、利益は市場予想を上回った。何よりも前期まで業績の下押し要因となっていたサブプライム住宅ローンなど金融商品関連の評価損が大きく減少したのが良かった。半面、米景気の後退から、貸し倒れなどに備えた引当金を42億ドル積み増すなど信用関連のコストが100億6,000万ドルに達した。更に今後の景気動向如何によっては、積み増し可能性を示唆しているが、これはどの金融機関にも当てはまる状況である。
○ダイモンCEOは、公的資金は明日にでも返済できると発言した。

第1四半期(1 –3月期)予想
○売上高…269億ドル(コンセンサス予想227億7,583万ドル)
○1株当たり利益…0.40ドル(コンセンサス予想0.32ドル) 

   (部門別動向)
★投資銀行部門の収入は83億ドル(前年同期は30億ドル)に増加した。債券トレーディングで49億ドル稼ぐ。同部門の利益は16億1000万ドル。前年同期は8700万ドルの赤字だった。

   <評価損>
○レバレッジド(高リスク・高利回り)融資債権で7億1100万ドル評価損計上。
○住宅ローン関連証券で2億1400万ドル評価損計上。

★リテール(小口)銀行事業の利益は4億7400万ドル。前年同期は3億1100万ドルの損失。JPモルガン・チェースは、第1四半期に、貸倒引当金を42億ドル積み増し、引当金の総額は280億ドルとなった。
★クレジットカード部門は5億4700万ドルの赤字。デフォルト率は7.72%と、前四半期の5.56%や前年同期の4.37%から上昇した。

26.ノキア(NOK)
ノキアが16日発表した2009年第1四半期(1−3月)決算は、経済の低迷が需要を弱らせるなか大幅な減収減益となった。

第1四半期(1−3月)実績
★純売上高…92億7400万ユーロと前年同期から27%減少(コンセンサス予想は97億600万ユーロ)
★1株当たり利益(一部項目を除く)…0.03ユーロと、前年同期の0.32ユーロから減少(コンセンサス予想は0.06ユーロ)
★税引き前ベース利益…1200万ユーロ(1579万ドル)の損失を計上し、同ベースの四半期決算として初の赤字となった。
★電話機1台当たりの利益率…10.4%に低下(コンセンサス予想は8.6%)

ただし、オリペッカ・カラスブオCEOが、ノキアは09年の市場が10%程度縮小するとの見通しを維持する、未販売分の携帯電話在庫が第1四半期で大幅に削減されたが第2四半期に入るなか需要状況はより予測可能になりつつある、今年上半期の電話機部門の基調的な営業利益率は10%を超え、下半期についても13−19%になるとの見通しを維持すると発言したことから、半導体株中心にハイテク株高要因となった。

27.ヒューレット・パッカード(HPQ)
★シティ・グループが強気コメント。4月四半期は、PC市場の好調を背景に、同社ガイダンスを上回るペースで推移していると言う。

★2001年以来はじめてデルから米国PC市場シェアNo1の地位を奪った。国内出荷の落ち込みが海外よりゆるやかだったと言う。

28.マイクロン・テクノロジー(MU)
DRAM大手メーカー株の投資判断がバークレイズによって“イコール・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げられた。コスト管理能力向上が背景。

29.11日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比5万3000件減の61万件となり、予想(66万件)を下回った。新規失業保険 申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は65万1000件と、前週の65万9500件から減少した。

30.ホワイトハウスのギブズ報道官は15日、米政府が今月中に米金融機関のストレステスト(健全性審査)をまとめる計画で、来月上旬までに審査結果の一部を体系的かつ協調の取れた方法で公表するだろうと述べた。規制当局はストレステストにより、向こう2年間、景気が縮小し失業が急増、住宅の値下がりが止まらなかった場合、国内大手19金融機関が貸倒損失を補うのに十分な資本を有するかを審査するが、一部の金融機関についてのみ審査結果を公表する計画はないと説明。

31.AIG(AIG)
★AIGが米国内の自動車保険事業をスイスの同業チューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズに売却する見通し。売却額は15億ドル程度の見込み。実現すれば、AIGが昨年9月に米政府の管理下に置かれて以来、最大の
資産売却となる。

★AIG16日、スイスを拠点とする傘下のプライベート・バンキング子会社、AIGプライベートバンクを、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに本拠を置く投資会社、アアバー・インベストメンツ・PJSCに売却したと発表した。売却額は約2億5300万ドル。

32.フィラデルフィア連銀が16日に発表した4月の同地区製造業景況指数はマイナス24.4(前月マイナス35.0)と、予想(マイナス32)ほど落ち込まなかった。今後6カ月の予想指数は36.2と、前月の14.5から上昇。過去18カ月で最高となった。最悪局面は過ぎたようだとのエコノミストのコメントも聞かれた。

   (主要コンポーネント内訳)
★雇用…マイナス44.9(前月マイナス52.0)
★新規受注…マイナス24.3(前月マイナス40.7)
★仕入れ価格…マイナス31.5(前月マイナス31.3)
★販売価格…マイナス41.4(前月マイナス32.4)

33.米財務省のウィリアムズ報道官は16日、不良資産を買い取る官民投資プログラム(PPIP)への銀行や投資家の関心は心強いと述べた。

34.アトランタ連銀のロックハート総裁は16日、以下の通りコメント。

   (発言要旨)
★米経済の動向について依然として非常に弱いが、慎重な楽観論を支持する、若干の勇気づけられる兆候もある。
★2009年の下半期に米景気の回復が始まる。強い回復は見込んでいない。現在われわれが経験している経済の収縮は、早ければ第3四半期にも緩やかで暫定的な成長に取って代わる。
★こうした見通しにもリスクは残る。(1)商用不動産市場の情勢悪化が銀行経営に及ぼす影響(2)改善しつつある消費者の景況感が雇用の減少により再び悪化する恐れ(3)歯止めのかからない住宅価格の下落(4)主要国の景気悪化−を懸念している。

35.スウェーデンの自動車メーカー、サーブ・オートモービルの買収に関心を示す積極的な買い手候補が約6社あるもよう。サーブは破産法に基づく会社更生手続きを6月までに完了することを目指し、新たな親会社を探している。
ゼネラル・モーターズ(GM)が同社傘下のサーブを遅くとも来年初めまでに切り離すことを決めたため、サーブは2月20日に会社更生手続きに踏み切った。同社は2011年までにキャッシュフローをプラスに転換するために欧州投資銀行(EIB)とGMから約10億ドルの融資獲得を目指している。サーブの広報担当者は、自動車メーカーや投資会社などを含めた買い手候補が27社あると述べた。

36.バクスター(BAX)
血液病治療最大手のバクスター・インターナショナルが16日発表した1−3月期(第1四半期)の1株当たり利益は83セントだった。予想は同81セントだった。

37.シティグループ(C)
シティグループが、第1四半期の業績を発表した。会計規則の変更で、16億ドルの黒字となった。また、優先株関連の支払いを含んだ1株当たり損失は0.18ドルとなり、市場予想を上回った。また、総収入も予想を上回った。

第1半期(1‐3月期)実績
○総収入…247億8,900万ドル(コンセンサス予想は204億6,325万ドル)
○1株当たり損益(優先株関連支払い含む)…0.18ドル赤字(コンセンサス予想は0.32ドル赤字)

   (プラス要因)
★超低金利政策で、資金調達コストが低下したこと。
★信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の証券化商品など証券部門の損失が減少した。
★債券トレーディング収入が急増した。

   <トレーディング内訳>
○債券トレーディング収入は46億9000万ドル(前年同期は70億2000万ドルの赤字)
○株式トレーディングの収入は前年同期比94%増え19億ドルとなった。

   (マイナス要因)
★個人向け業務が不振。個人向けローンの焦げ付き急増。今後も増加が予想される。

38.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックが、第1四半期の業績を発表した。景気後退が背景となり、前年同期比で利益が35%減となった。また、不動産や金融部門などがかなり軟調な売上となった。EPSは市場の予想を上回ったが、売上高は予想を下回った。GEキャピタルが打撃を受けたものの、エネルギー、ジェットエンジン部門が好調であり、1株当たり利益は市場予想を上回った。最近は、決算発表のたびに売られる展開が続いていたが、久しぶりに株が買われた。

第1四半期(1‐3月期)
○売上高…384億1,100万ドル(コンセンサス予想は395億1,554ドル)
○1株当たり利益…0.26ドル(コンセンサス予想は0.21ドル)

39.4月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は61.9(前月57.3)と、予想(58.5)を上回った。項目別でみると、今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は58.9と、前月の53.5から上昇した。現在の景況感を示す指数は66.6(前月63.3)だった。この先1年間のインフレ期待値は3%と前月の2%から上昇し、5年先の同数値も2.7%(前月2.6%)に上昇した。

40.クライスラー
クライスラーが退職者向け医療費負担問題で全米自動車労組(UAW)と近く合意に達すると16日付NYタイムズ紙が報じた。クライスラーはUAWが管理する医療保険基金に対し支払い義務106億ドルの半分について20%強の自社株を拠出することに合意したという。ただUAWはこの合意を正式には受け入れておらず、株式の規模については、決まらない可能性もあるという。

41.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、すべての債券保有者に対し、総額275億ドル債務の100%株式化を求める正式提案を27日までに行うことを計画している。米証券取引委員会(SEC)は債券保有者が債務の株式化に応じるかどうかを判断する期間を最低1カ月与えるよう求めているため、GMは27日までに提案を公表することを計画している。債務交換の新たな条件は暫定的なものにすぎないが、債券保有者らには現金による利払いが提案される可能性もあるという。交換の時期や条件については依然不透明。

42.ガイトナー財務長官は金融安定化資金7000億ドルから支援を受けた銀行の配当が現時点で25億ドルに上ったと公表した。財務省は今後、問題資産購入計画の透明性を高めるため、配当データを月間ベースで公表していくと表明した。

43.米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は、基金内でのヘッジファンド業務を拡大するほか、資産運用担当者の発掘、育成も手掛ける可能性があると言う。カルパースは運用担当者が運用成績の目標を設定して自らのファンドを始めることを可能にする多戦略ヘッジファンド立ち上げを検討している。同基金の投資委員会は20日に行うヘッジファンド計画の見直しで、同案について協議する。

44.米財務省は17日、緊急経済安定化法に基づき資本注入を実施した銀行のうち、2行が受け入れた公的資金、計4000万ドルを全額一括返済したと発表した。
公的資金を返済したのは、メリーランド州に本社を置くショア・バンクシェアーズと、ウェストバージニア州のセントラ・フィナンシャル・ホールディングスで、返済額はそれぞれ2500万ドルと1500万ドル。セントラ社はさらに、政府が取得していた同社の新株引受権(ワラント)を75万ドルで買い戻した。財務省に対しワラントを買い戻したのは同社が初めて。これにより、財務省が資本注入に伴い取得した優先株の残高は約1983億7999万ドルとなった。

45.マテル
玩具のマテルは大幅高を記録した。1−3月期の同社「バービー人形」の売り上げが18%増加した。

46.BB&Tコーポレーション(BBT)
ノースカロライナ本拠の銀行持ち株会社のBB&Tが好決算を発表。また、米南東部住宅市場は安定化しつつあると述べた。


ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
ニューヨーク・タイムズ電子版は13日、以下の通り報じた。

   (記事要旨)
★財務省がゼネラル・モーターズ(GM)に対し、連邦破産法11条の活用を前提とする早期再建策の準備を指示している。
★米政府は、GMが6月1日までに実効性のある再建策を取りまとめるよう求めているが、GMがこれに失敗した場合、直ちに破産法の適用申請に踏み切る態勢を整え、いったん破綻させた上で短期間での再建を目指す。
★財務省は現在、破産法申請直後にGMの良い資産を受け継ぐ新会社を発足させる案を検討中。米政府が50億−70億ドルの資金を支援し、早ければ約2週間で破産法適用を終了、復活させる。
★GMの不採算部門のブランドや工場、労務費問題など悪い資産は現会社が引き継ぎ、数年かけて清算する。
★オバマ政権による134億ドルの公的融資の条件に基づく再建計画提出期限の6月1日までに組合ならびに債券保有者と合意に達しない場合、破産法適用の公算が大きいとの明確なシグナルを送った。

2.ボーイング(BA)
世界的リセッションの影響で、777型機の生産削減を余儀なくされ、第1四半期の業績に悪影響をもたらすだろうと警告した。

3.3月の小売売上高(速報)は前月比1.1%減少(2月は0.3%増)と、予想(0.3%増)を下回った。失業増加に伴う消費者の買い控えが影響。変動の大きい自動車を除いたベースで3月は0.9%減(2月は1%増)と、予想(前月比変わらず)を下回った。今年は復活祭が遅かったことから売り上げが3月から4月にずれ込んだことなども背景として指摘されていた。

   (内訳)
食料品と医療関連の売上高のみが、前月比でプラスだった他は、自動車・同部品の売上高は前月比で2.3%減、電気製品、飲食店、家具や建設資材、衣料品、スポーツ用品の売上高はマイナスだった。ガソリンスタンドの売上高は価格上昇にもかかわらず減少した。

4.3月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比1.2%低下(2月は0.1%増加)し、予想(前月比変わらず)を下回った。3月の食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前月比変わらず(前月0.2%上昇)。市場予想は0.1%上昇だった。

5.バンカメ(BAC)
ワコビア・キャピタル・マーケッツのアナリスト、マシュー・バーネル氏は、バンカメの資本水準は他の大半の銀行に比べて低く、新株発行に追い込まれるのを回避する余地がほとんどないとの見方を示した。バンカメは、当社が不安材料と判断するようなリスク資産をかなり保有しているとしている。具体的には住宅建設・開発向け融資債権99億ドルやクレジットカード・ローンなどの回転信用1115億ドルを挙げた。株式投資判断を「アンダーパフォーム」とし、株価の適正水準は7−8ドルとの判断を示した。

6.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズのクレサ会長が、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★連邦破産法11条を活用する場合に、「シボレー」「キャデラック」など傘下の優良資産を引き継ぐ会社と、不採算部門の会社に分割して再建を図る案を検討している。
★米政府がこれまでにGMに緊急融資した134億ドルの一部について、政府はGMの新株と交換する可能性がある。
★破産法を活用せずに法廷外で再建することが好ましい。ヘンダーソンCEOと、会社分割案を含めあらゆる選択肢を毎日話し合っている。

7.ダラス連銀のフィッシャー総裁は14日、香港で講演し以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米経済指標は非常に悪く、1−3月(第1四半期)が大幅なマイナス成長になった。
★政府の景気刺激策も4−6月(第2四半期)から米経済に好影響をもたらし始める。
★米国の消費者は貯蓄を増やし支出を減らすだろう。世界はこの傾向に慣れる必要がある。米小売売上高が急減する恐れは後退しているものの、底を打ったかどうかを判断するには時期尚早だ。

8.米連邦準備制度理事会(FRB)が14日、2月上旬から3月中旬までの公定歩合議事録を公表。

   (要旨)
★12地区連銀の当局者はいずれも景気後退の深刻化を背景に、短期金利は経済に対して可能な限り最大の刺激を与えるべきだとして0.5%の低水準にある公定歩合の据え置きを要求、理事会は承認した。
★地区連銀の当局者は足元の経済情勢が全般に一段と悪化したと判断。大半の連銀は金融、財政の両面から追加の景気刺激策を実施する必要があると主張。
★一部の連銀は、慢性化している引き締められた与信条件が、経済活動に対する下振れ圧力として働いていると指摘。
★成長と雇用の見通しに対する下振れリスクは、依然として重大だとする一方、インフレ圧力は引き続き抑制されているとの見解で一致。公定歩合の据え置きが適切と判断した。

9.2月の企業在庫は前月比1.3%減少(前月は1.3%減)と、予想(1.2%減)より大きな落ち込みとなった。マイナスは6カ月連続。一方、2月の企業売上高は前月比0.2%増加(前月1.2%減)、昨年7月以降で初めてプラスとなった。小売在庫は1.2%減少。同売上高は0.2%増加した。売上高在庫比率は1.43カ月(前月1.45カ月)に低下した。自動車ディーラーの在庫は3%減少。製造業在庫は1.2%減。卸売在庫は1.5%減少した。

10.ゴールドマン・サックス(GS)
★ゴールドマンのビニアー最高財務責任者(CFO)は14日、2009年1−3月(第1四半期)利益で、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)からの支払いによるものはほぼゼロだったと述べた。また、短期的な見通しは引き続き慎重とする一方で、現時点での事業規模は適正だと考えていると述べた。

★ゴールドマンは14日、株式を売却し約50億ドルを調達した。米政府から注入を受けた100億ドルの返済に充てる。ゴールドマンは4065万株を1株当たり 123ドルで売却した。価格は13日の終値(130.15ドル)を下回り、昨年9月に株式を発行した際と同じ。ゴールドマンは公的資金返済を目指す一方で、連邦預金保険公社(FDIC)保証付きの社債の発行は続ける考えを示した。

★14日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、ゴールドマンの債務保証コストが前日に続き低下した。ゴールドマンは13日、債券トレーディング収益65億6000万ドルが寄与し、第1四半期の利益が1株当たり3.39ドルとなった(予想は1.64ドル)。

11.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が15日発表した10日まで1週間の住宅ローン申請指数は1113.2と、前週の1250.6から11%低下した。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.70%と、前週の4.73%から低下。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…前週比11%低下の6071.7
★購入指数…同11%の低下の264.1

12.3月の米消費者物価指数は前月比0.1%低下し、予想(0.1%上昇)に反して落ち込んだ。前年同月比では0.4%低下と、1955年以来で初めてマイナスとなった。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は3カ月連続で前月比0.2%上昇。予想(0.1%上昇)を上回る伸びだった。前年同月比では2月と同じ1.8%上昇。

   (項目別動向)
エネルギー価格が前月比3%低下。食品価格も0.1%低下した。航空運賃や衣料品、ホテル代も下落。たばこと喫煙製品は11%上昇し、コア価格上昇の6割を占めた。新車価格は0.6%上昇。

13.3月の米鉱工業生産指数は前月比1.5%低下(2月も1.5%低下)し、予想(0.9%低下)より大きな落ち込みとなった。3月の鉱工業設備稼働率は69.3%(前月70.3%)と、1967年の集計開始以来の最低を記録した。予想は69.6%だった。

   (内訳)
減産は家具や家電製品などの消費財のほか、コンピューターや通信機器など企業設備財が中心だった。自動車・同部品の生産は1.5%上昇した。自動車を除く製造業は1.6%低下した。公益事業は1.8%上昇、鉱業生産は3.2%低下した。

14.米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、地区連銀景況報告(ベージュブック)を公表した。

   (要旨)
★全般的な経済活動は一段と収縮したか、弱いままだと総括。
★全12地区連銀のうち5地区で落ち込みのペースが鈍化した。
★数地区では、一部の業種の活動は低い水準で安定化する兆候がみられるとし、いくつかの業種は底打ちが近づいていると示唆。
★製造業の活動状況は、わずかな例外を除き、大半の地区で幅広い業種にわたり悪化している。サービス業も低迷が続く。
★商用不動産市場は資金調達難が響き、情勢の悪化が続いた。住居用不動産市場も、大半の地域で住宅価格と建設は落ち込んでいる。
★住宅市場は価格の下落により割安感が出た上、住宅ローン金利の低下も追い風となり、買い手が予想より増えた。
★景気後退による需要低迷で物価は下振れ圧力が働いている。雇用情勢の悪化により全地区で賃金と給与の圧力は緩和された。多数の企業が雇用、賃金の削減や採用凍結に踏み切った。

15.アボット・ラボラトリーズ(ABT)
米医薬品開発のアボット・ラボラトリーズが15日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は67億2000万ドル、一部項目を除いた1株利益は73セントとなった。予想は、売上高が70億6600万ドル、同EPSは70セントだった。抗リウマチ剤「ヒューミラ」など主力製品が好調だったが、売上高が予想を下回った。

16.クライスラー
★クライスラーと提携交渉しているイタリアの自動車メーカー、フィアットのマルキオンネCEOが労働組合が大幅な労務費削減に応じなければ、クライスラーとの交渉を打ち切ると語った。クライスラーは、今月末までにフィアットとの提携を完了することが米政府の追加融資の条件となっている。マルキオンネ氏は、米国やカナダの労組が独メーカーや日本メーカー並みの労務費への削減に応じなければ間違いなく交渉を打ち切ると強調した。

★また、マルキオーネCEOは15日、クライスラーへの米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を模索していないと述べ、同社保有資産の清算は進むべき最良の方法ではないと言明。

17.スイスの銀行最大手UBSは15日、発表済みの人員削減計画に加えてさらに7500人を削減する方針を公表。2009年1−3月(第1四半期)が赤字となり、顧客資金の動向が純流出だったことも明らかにした。

18.米財務省が15日、2月の融資動向調査結果を公表。

   (要旨)
★大手銀行21社が実施した新規融資は前月比2.2%減少した。公的資金による資本増強でも大手銀行の融資は低迷が続いている実態が明らかになった。
★融資の内訳をみると、企業向けの新規融資は前月比12.7%減少した。クレジットカード融資は2.7%減少、クレジットカードを除く消費者向け融資は47.0%減った。また商用不動産向けの新規融資は23.4%のマイナスだった。ただし、住宅ローン融資は、ローン金利の低下で借り換えが急増したため35.4%増加した。

19.バーガー・キング(BKC)
世界2位のハンバーガー・チェーンの第3四半期決算暫定値公表で、売上高が予想を下回った。

20.キャピタル・ワン(COF)
クレジットカード貸出大手に悪材料。米国クレジットカードの純貸倒損失が3月9.3%上昇(2月は8.1%上昇)したと言う。

21.インフォシス(INFY)
インドのコンピュータ・サービス大手に悪材料。世界的リセッションの影響で、ドル建て売上高がはじめて減少したと言う。

22.HSBCが米国株の投資判断を“アンダー・ウェイト”とし、アジア、新興国株にシフトするよう推奨。

23.オーバーシーズ・シップホールディング・グループ(OSG)
全米最大のタンカー保有会社に悪材料。JPモルガン・チェースが投資判断を“オーバー・ウェイト”から“中立”に引き下げた。また、09年と10年の利益予想も引き下げた。第3四半期タンカー運賃料金が弱含みだったことを背景にしている。

24.ピーボディー・エナジー(BTU)
決算発表。第1四半期のEPSが予想を48%下回った。電力会社と鉄鋼会社からの需要が弱いと言う。09年の生産削減も発表した。これを受け、第2位のアーチコール(ACI)や、第4位マッフェイ・エナジー(MEE)株も下落した。

25.レイモンド・ジェームス(RJF)
全米最大の地方証券会社が業績への警告。第2四半期EPSが予想(37セント)をかなり下回ると発表。

26.スターバックス(SBUX)
ドイチェバンクが投資判断を“保有”から“売り”に引き下げた。競争激化でマージンが低下していると言う。

27.3月の住宅着工件数は前月比10.8%減の51万戸(前月は57万2000戸)と、予想(54万戸)を下回った。先行指標となる3月の住宅着工許可件数は9%減の51万3000件と統計開始以来の最低を記録した。予想は54万9000件だった。市場には新築住宅よりも中古住宅で安価なものを探す傾向が出ている。
住宅着工件数を地域別で見ると、西部が26%減となり、南部は17%減少した。一方、中西部と北東部では増加した。

28.ゼネラル・モーターズ(GM)
★米政府がゼネラル・モーターズに対し、スポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップトラックなど大型車種を主力とする傘下ブランド「GMC」の分離を迫っている、と16日のWSJ紙が報じた。政府が一段のリストラを促した形だ。GMは2月にまとめた経営再建計画で、傘下の8ブランドのうち「シボレー」「GMC」など4ブランドに経営資源を集中し、「ハマー」などを売却や分離する方針を示していた。

★ハマーを最高1億5000万ドルで売却の公算であるとCNBCが報じた。中国企業が買い手の可能性が高いと言う。

29.中国国家統計局が16日発表した2009年1−3月(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)は前年同期比6.1%増と、輸出の急減が響き約10年ぶりの低い伸びにとどまった。第1四半期GDPの予想中央値は同6.2%増だった。国家統計局によると、3月の工業生産は前年同月比8.3%増と1−2月期の3.8%増を上回る伸びとなり、3月の都市部固定資産投資は同30.3%増加。3月の小売売上高は同14.7%増だった。同月の都市部可処分所得はインフレ調整ベースで11.2%増、農村部可処分所得は同8.6%増だった。同月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.2%低下。2月は同1.6%低下だった。

30.ゼネラル・グロース・プロパティーズ
商業施設を所有する米不動産投資信託(REIT)運営会社のゼネラル・グロース・プロパティーズは、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した。全米で200以上のショッピングセンターを所有する同社は、債務借り換えができず破産申請に踏み切った。負債総額はほぼ273億ドルで、米史上最大規模の破たんの1つとなる。最大の無担保債権者は独コメルツ銀行傘下のユーロヒポで2件の融資で計26億ドルの債権を保有している。社債保有者の債権は総額40億ドルだという。

31.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★今回の金融動乱は住宅価格や家計の富、借り手の信用履歴に対し、長期間にわたって打撃を加えることになるだろう。
★信用の貸し手に負担の多い規制を課すべきではない。新しい商品やサービスの開発を阻害するからだ。当局は消費者の選択が市場にとって好ましい結果をもたらすように、技術革新に十分透明性があり、理解しやすいものとするよう監督すべきだ。


=以上=
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2009年04月13日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 4/12

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

4月12日

森  崇


ブル材料
1.フォード(F)
フォードは6日、同社創業以来で最大規模の債務再編計画を完了、残高を99億ドル削減したと発表。フォードは債務再編を通じて借り入れを38%削減し、バランスシートを著しく強化できると表明。GMとクライスラーが政府から174億ドルの融資を受けている一方、フォードは政府支援を回避している。

2.バンカメ(BAC)
ロッチデール・セキュリティーズの銀行アナリスト、リチャード・ボーブ氏は、バンク・オブ・アメリカ(BAC)にポジティブ・コメント。同社株の投資判断を「買い」で開始。同氏は景気が回復すれば、他行との競争においてバンカメはかつてないほどの優位に立つだろう。株価は景気回復後に上場来最高値に回復すると見ているとした。

3.米財務省は6日、不良資産を買い取る官民投資プログラム(PPIP)への民間資産運用会社の参加申請日を2週間延期すると発表。新たな申請期日は今月24日となる。幅広い投資家の資金を取り込む狙いであり、新たな基準は、資金調達力や投資実績などに関する従来の参加基準を、過去の経緯をふまえて審査するとした上、いずれか1項目を満たさないことが、必ずしも不適格とはならないとした。

  (財務省のコメント内容)
★参加申請した運用会社に暫定的な決定を5月15日までに通知する。
★選出する企業数は3月に発表した5社を超える可能性もある。
★当初の選考課程が終了した後、より小規模な運用会社にもプログラムを開放することを検討する(現在は運用資産として100億ドルの商用不動産および住宅ローン担保証券を保有し、少なくとも5億ドルを民間から調達できる企業に限定されている)。
★PPIPは民間銀行が2009年までに販売し、当初「AAA」の格付けを付与された住宅および商用不動産ローン担保証券に購入対象を限定しているが、財務省はほかの資産にまで対象を広げるかどうか資産運用会社から意見を募る。

4.米連邦準備制度理事会(FRB)は6日、日本銀行、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行、スイス国立銀行との間で、それぞれの通貨の供給を受ける新たなスワップ取り決めを締結したと発表。新たな取り決めにより、FRBは必要に応じて外貨を調達し、米金融機関に対し外貨の融通が可能になる。

5.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ベルギー中銀のクアデン総裁とマルタ中銀のボネロ総裁は、ECBが景気浮揚を図るため、新たな手段を導入する可能性があるとの認識を示した。

6.米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ理事は6日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★戦後最悪のリセッションをもたらした現在の金融危機に終息の兆しが見られる。経済はただ、当面は通常より低い成長を続けるだろう。
★現在のパニックに沈静化の重要な兆しが出てきた。第1四半期は再び大幅な景気縮小となりそうだ。

7.全米産業審議会(CB)の3月雇用トレンド指数は前月比2.3%低下し90.1だった。下落幅は昨年10月以来の低水準となり前月は92.2に上方改定されたことから、雇用の底打ちへの期待感が出た。

8.米インベスターズ・ビジネス・デーリー(IBD)とテクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス社が7日にまとめた4月のIBD/TIPP経済楽観度指数は49.1(前月45.3)と、予想(45.8)を上回った。ただし、5カ月連続で節目の50を下回った。

9.センテックス(CTX)
住宅建設大手パルト・ホームズは 8日、テキサス州を拠点とする同業のセンテックスを総額13億ドルの株式交換により買収すると発表した。買収完了後は時価総額で全米第首位の住宅建設会社になるとしている。パルト・ホームズはセンテックスの債務約18億ドルを引き受ける。

10.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が8日発表した3日まで1週間の住宅ローン申請指数は1250.6と、前週の1194.4から4.7%上昇し、5週連続のプラスとなった。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.73%。前週は1990年の統計開始以来の最低となる4.61%だった。

  (その他主要指数動向)
★借り換え指数…前週比3.2%上昇の6813.5
★購入指数…同11%の上昇で297.7

11.欧州中央銀行(ECB)の政策委員メンバー、フランス銀行のノワイエ総裁は8日、ECBにはなおも利下げ余地があり、同中銀の漸進的な政策が市場金利の低下に効果を表していると発言した。

12.身売り先を探しているインドのソフトウエアサービス大手サティヤムコンピュータサービスの来週行われる入札について、米著名投資家のウィルバー・ロス氏を含む4者が参加する可能性があるとFT紙が報じた。ロス氏以外の買い手候補はインドのエンジニアリング大手ラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)と同国ソフトウエアメーカーのテック・マヒンドラ、コンピューターサービスの米コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ。

13.米財務省は8日、問題債権購入計画(TARP)に基づく公的資金注入先に生命保険会社を加えると発表した。これを受け、生保大手のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループやリンカーン・ナショナルの株価が上昇した。政府の救済策は当初、金融機関からの不良資産買い取りを目的としていたが、今はクレジットカード会社から自動車メーカーまで広範にわたる企業の資金支援に適用されている。北米の保険会社は、米住宅ローン市場の崩壊に絡み2007年初め以降これまでに1900億ドル以上の損失や評価損を計上した。

14.米財務省は、ゼネラル・モーターズとクライスラーを通じた自動車部品メーカー支援プログラムを開始した。GMは、同プログラムから20億ドル調達し、自動車部品メーカーへの支払いを保証することを明らかにした。事情に詳しい関係者によれば、クライスラーの利用可能額は15億ドルとなる。

15.ベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)
バス用品チェーン店が7日引け後に決算発表。予想を上回る内容だった。

12-2月期(第4四半期)実績
★売上高・・・19億2000万ドル(コンセンサス予想は19億1000万ドル)
★一株あたり利益(一部項目を除く)・・・55セント(コンセンサス予想は44セント)

3-5月期(第1四半期)予想
★一株あたり利益(一部項目を除く)・・・23セント〜24セント(コンセンサス予想は23セント)

2010年度通期ベース予想
★一株あたり利益(一部項目を除く)・・・1.50ドル(コンセンサス予想は1.51ドル)

16.ジュニパー・ネットワークス(JNPR)
ネットワーク機器大手ジュニパー・ネットワークス(JNPR)は7日引け後、1-3月期の売り上げ見通しを下方修正した。1-3月期の売上高が7億6000万-7億6500万ドルになる見通しだとし、従来予想の8億-8億3000万ドルを下方修正した。サービスプロバイダー向けの売り上げが予想を下回ったことが理由。
ただし、予想以上に営業費用を削減できていることから、1株利益については先に発表した見通しレンジの範囲内に収まるとした。ただし、1-3月期の非GAAPベースの営業費用は3億7500万-3億8000万ドルと、同社の従来見通しである4億0800万ドルを下回る見込みであり、非GAAPベースの営業利益率は約16%を見込んでいる。この結果、非GAAPベースの1株利益は従来予想の15-17セントの範囲内である16-17セントとなる見込み。利益水準が予想の範囲内に収まったことが好感された。

17.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
ウェルズ・ファーゴに好材料。

  (内訳)
★1−3月期の総収入は200億ドルが見込まれている(予想は188億4600万ドルだった)
★1−3月(第1四半期)決算では純利益が約30億ドルになるとの見通しを発表した。同銀が3カ月前に買収したワコビアの業績は予想を上回ったことが寄与した。前年同期は純利益が20億ドル(1株当たり利益60セント)だった。税・引当金前の1−3月期利益は約92億ドル(暫定集計)だった。
★暫定集計では普通株1株当たり利益は約55セント。
★住宅ローンの平均金利が5%を割り込むなか、新規の住宅ローンが増加、借り換えも増えている。
★1−3月期に1000億ドルの住宅ローンを組成した。同銀は2−4月期も好調な住宅ローン組成を見込んでいる。

18.JPモルガン・チェース(JPM)
フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーが9日付のリポートで、JPモルガン・チェースに強気コメント。

(要旨)
★JPの1−3月(第1四半期)1株当たり利益予想を24セントから35セントに引き上げる。
★JPの中核事業の収入は、前四半期から14%増の229億ドルに達した可能性がある。また、投資銀行業務も好調だった。


★JPはまた、負債の評価額を20億ドル切り下げる可能性がある。同銀のクレジットスプレッドは拡大している。
★リスク資産を切り離し、資産の評価額を7億ドル切り下げるだろう。

 シティグループについては、1−3月期は1株当たり27セントの損失を計上するとの見通しを据え置いた。4−6月期は1株当たり損失15セントとみており、従来の損失9セントから赤字幅を引き上げた。

19.2月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支は260億ドルの赤字(前月の貿易赤字は362億ドル)と、予想(360億ドル赤字)より赤字は少なかった。赤字幅は1999年11月以来の低水準。2月の輸入は5.1%減の1527億ドルと、2004年9月以降で最低だった。2月の輸出は1.6%増の1268億ドル。製薬や自動車、通信関連機器が好調だった。

20.3月の輸入物価指数は前月比で0.5%上昇(2月は0.1%の低下)し、予想(0.9%上昇)を下回った。ただし8カ月ぶりに上向いた。

  (内訳)
石油・石油製品の輸入価格は前月比10.5%上昇、食品は前月比1%低下(2月は3.2%低下)。

21.4日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比2万件減の65万4000件(前週は67万4000件)となり、予想(66万件)を下回った。新規失業保険申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は65万7250件と、前週の65万8000件から減少した。3月28日に終わった1週間の継続受給者数は584万人と、過去最多記録を塗り替えた。

22.ミネアポリス連銀のスターン総裁は9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★信用市場にはなお緊張が残っていると見受けられるが、経済成長の再開はそれ程遠い先ではない。
★景気回復の初めの段階は緩やかなものになるだろう。

23.オバマ米大統領は9日、経営危機に陥っている米自動車メーカーを支援するため、政府が公用車の調達を加速し、6月1日までに国内メーカー生産の低燃費車を約1万7600台購入すると発表した。政府は自動車メーカーの資金繰り支援だけでなく、短期間での大規模な公用車調達で国内メーカー車の在庫圧縮を促す手厚い経営支援に乗り出した。


24.カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は9日、大手米銀に対する政府のストレステスト(健全性審査)の結果、そのほとんどが一段の公的資金注入の必要性はないと判断されるとの見解を示した。ただし一部の銀行は一段の公的資金投入が必要になる可能性が高いと述べた。

25.サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★景気の急降下に、数ヶ月内に歯止めがかかる。
★信用市場にはなお著しい緊張が残るものの、状況は緩和された。在庫の大幅圧縮で、いずれ生産が拡大するための下地が整いつつある。

26.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は9日、ECBが非伝統的な景気支援策を検討していると述べた。短期金融市場金利については、欧州の方が米国よりも低いと述べ、ユーロ圏16カ国の景気回復は来年始まる可能性がある。世界的な景気低迷を反転させるため迅速に行動しようとする意思が政策当局者の間に存在すると指摘した。


ベア材料
1.カリヨン・セキュリティーズのマイク・マヨ氏は6日、大手銀行株に対しネガティブ・コメント。

  (要旨)
★今回の景気悪化局面で銀行の貸倒損失が大恐慌時を上回るだろう。大手米銀の投資判断を「アンダーウエート」とする。
★リセッションの影響が他の種類の資産に及ぶに伴い、他分野の問題にはこれから加速する余地がある。
★新たな政府対策は予想ほどの効果を上げない可能性がある。融資債権の評価額が平均で、額面1ドルに対して98セントにしか引き下げられていない。
★貸倒率が2010年末までに3.5%に上昇するだろう。住宅ローン関連の損失はピークまでの中間点に来ているが、クレジットカード・ローンや消費者ローンではまだ3分の1だ。
★時価会計規則の変更は銀行の問題にさほど影響しない。

2.ドイツ銀行の基本信用戦略責任者、ジム・リード氏は6日、以下の通りのレポートを出した。

  (要旨)
★米国のハイイールド債発行体の約53%が向こう5年以内にデフォルトに陥るだろう。
★今回の危機の主因である不動産市場は引き続き、全世界で弱い。米国の不動産価格はこれからさらに16%、英国ではそのほぼ2倍の率で下落すると予想している。米国ではさらに1、2年、英国と欧州ではさらに長い期間にわたって不動産価格が下落するだろう。

3.国際通貨基金(IMF)がトルコを含む欧州新興市場国の今年の経済成長率がマイナス2.5%になると予想しているとフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。

  (その他要旨)
★同地域では今年4130億ドル相当の対外債務が期限を迎え、借り換えの必要が生じる。ロシアを除いた数字である。このうち1230億ドルについて、市場での借り換えができないだろう。
★来年の調達不足は630億ドルと試算される。これらの一部はIMFが融資し、残りは欧州連合(EU)と債権国の政府が提供する公算だ。

4.DRAM業界の再生を目指し台湾当局が進めている技術提携に、米メモリー最大手のマイクロン・テクノロジーが難色を示していると言う。台湾メモリー(TMC)とすでに技術提携で合意しているエルピーダメモリとの関係を理由である。

5.サン・マイクロシステムズ(JAVA)
サン・マイクロシステムズ株が下落。IBMによる買収交渉が決裂したとの報道が売り材料だった。サンの取締役会は4日、IBMに対し、独占的な買収交渉の打ち切りを伝えた。サンはIBMが提示した1株当たり9.40ドルの買収額を安過ぎるとして拒否した。IBMが示した買収額は3日付のサンの株価終値を11%上回っていた。

6.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズのフリッツ・ヘンダーソンCEOは5日、同社と株主には引き続き追加的な措置を講じる必要があるとの考えを示した。また、破産法適用を申請せずに事業を再編する選択肢が引き続き好ましいと表明。破産法適用申請は不可避ではないとした上で、全てのの事態に備えておくことが唯一賢明な措置だとコメントした。

7.ヴィザ(V)
欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、クレジットカード最大手のビザの欧州部門、ビザ・ヨーロッパが競争法に違反したとの判断を下した。同社が先月、クレジットカード使用に伴う手数料引き下げに応じなかったため、違反通告に踏み切った。欧州委は先週、マスターカードとは同様のケースで手数料引き下げで合意した。

8.ゲーツ米国防長官は6日、ロッキード・マーチンが製造する「F−22型」ジェット戦闘機の購入数を187機で終了し、大統領用専用ヘリコプター「VH−71」と空軍用の新通信衛星は開発を中止するよう提案していると言う。

9.米法務省、財務省ならびに関連機関は6日、住宅差し押さえに直面しているローンの借り手につけこみ、詐欺的行為を働く悪徳なローン業者に対してより厳しい措置を取ると発表。

10.アプライド・マテリアルズ(AMAT)
半導体製造装置大手に悪材料。太陽電池パネル向け製造装置の契約が16億5000万ドル縮小し、2億5000万ドルになってしまったことを公表。世界景気悪化の影響と言う。

11.アーチャー・ダニエルズ(ADM)
シティ・グループが同社株の投資判断を“保有”から“売り”に引き下げた。
農産物への需要低下、過剰設備を背景にしている。

12.石油株
バークレイズが、石油業界の2009年度、2010年度業績予想を引き下げた。天然ガス価格低迷、製油マージン縮小が背景。関連企業の第1四半期決算は不振だろうと言う。これを受け、石油関連株が下落。

13.キャタピラー(CAT)
機械大手同社に悪材料。バンカメが、第1四半期の純損失額が予想より大きいと言う。製造業の稼働率が低下していることを背景にしている。

14.ゼネラル・モーターズ(GM)
★チャプター11の中の363条に基づく優良資産による新会社設立の観測が出ている。これは管財人が、GMの通常業務の範囲内でその資産を処分、利用できることを規定したもの。

★ニューヨーク大学スターン・ビジネス・スクールのエドワード・アルトマン教授は7日、GMは資金繰りに行き詰まり、破産申請に追い込まれる可能性があるとの見解を示した。GMが破産申請すれば、手続きが完了するまでに最低1年はかかる可能性があるが、GMが政府融資を返済できる公算は高いとの見通しを示した。

15.米問題資産購入計画(TARP)のバロフスキ特別監察官は、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が政府救済を受けた後に行ったゴールドマン・サックス・グループなど金融機関への支払いについて調査に乗り出した。AIGあるいは政府が支払い金額の減額を試みたかどうかが調査の焦点。

16.欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のクルス委員(競争政策担当)は7日、「大き過ぎてつぶせない銀行など存在しない」と指摘。銀行に対して損失の可能性があるものについてはすべて明らかにするよう強く求めた。

17.米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の最高投資責任者(CIO)、ジョゼフ・ディア氏は7日、今年の役員会で資産配分を見直し、変更するかどうかを検討すると述べた。また、資産運用会社と手数料について協議する計画も明らかにした。

18.債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者モハメド・エルエリアン氏は7日、米国債は保有する価値がないと発言した。米政府による巨額の国債発行が控えていることがその理由。PIMCOは住宅ローン資産や地方債、社債を選好している。

同氏が運用するファンドは資産の30%を株式に配分しているという。運用成績の目安としている指数の株式組み入れ比率は60%。

19.ムーディーズ・インベスターズ・サービスが7日発表したリポートによると、同社が格付けを付与している企業のうち、3月には35社がデフォルト(債務不履行)に陥り、単月としては大恐慌以来で最悪となった。投資不適格(ジャンク)級の格付けを付与されている企業のデフォルト率は3月末に7%となり、昨年末時点の4.1%から上昇した。年初来では79社がデフォルトに陥ったという。ムーディーズは、世界のデフォルト率は10−12月(第4四半期)に14.6%でピークに達すると予想している。先月示した見通しでは15.3%だった。米国のデフォルト率は1−3月末時点は7.4%と、昨年末の4.5%から上昇した。欧州では4.8%と、同2%を上回った。欧州のデフォルト率は10−12月期に21%でピークに達する見通しで、依然最も高い。先月には22.5%と見込まれていた。

20.有力投資家のマーク・ファーバー氏は7日、過去4週間にわたって上昇した世界の株式相場が最大10%調整する可能性があると述べ、反発は7月以降になるとの見方を示した。S&P500指数は750前後に下落する可能性があると指摘。

21.ソロス氏は、3月9日以降の株の戻りについて、まだ景気は好転しておらず、弱気相場の中の一時的な上昇局面にすぎない。現在の金融危機はこれまで経験したものとは異なると述べた。

22.米連邦準備制度理事会(FRB)が8日、連邦公開市場委員会(FOMC、3月17‐18日開催)の議事録を公表。

  (要旨)
★雇用や生産の削減に伴い設備投資や個人消費が落ち込み、実体経済が悪化すると金融機関の収益に不安が広がり、融資が一段と厳格化するという負の循環に米国が陥る可能性がある。

★暗い景気見通しにはさらに下振れリスクがある。信用状況はなお、非常にひっ迫しており、金融市場は依然としてぜい弱であり不安定だ。金融機関への圧力は全般的にみて、更に強まっている。

★経済情勢が悪化する中で、多様な資産の購入が適切として国債の購入に踏み切った。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)調査部門のスタッフは今年下半期と来年の経済見通しを下方修正し、失業率は来年ピークに達するまで急速に上昇すると予想した。

  (要旨)
★労働市場の情勢は、ほぼ全部門にわたる雇用の急速な喪失を伴い、急激に悪化した。また企業は需要低下と在庫の積み上がりに対応し、鉱工業生産は急速な減少が続いた。

★企業支出に関する情報は、機材と構造物に対する設備投資は今後も落ち込みが続くと示唆している。
 
★個人消費については、自動車を除く財に対する実質ベースの支出が1月、2月とプラスとなり、低い水準で安定化の兆候が若干みられる。だが金融情勢は、金融部門の健全性への懸念が続く中、幅広い株価指数は大幅に下落、ドル相場は強含み、長期金利は上昇し、経済活動に対する支援にはなっていない。

★実質国内総生産(GDP)成長率は、今年下半期に徐々に底打ちし、来年は拡大する。理由として(1)金融市場の情勢改善(2)財政出動による景気刺激策の効果(3)在庫調整の進行(4)住宅市場の調整の終了が上げられる。
 
★物価動向については(1)低水準の経済資源利用度(2)輸入物価の下落(3)商品価格の下落に伴うコスト圧力の低下を反映し、個人消費支出(PCE)物価指数の総合、コア指数ともに鈍化する。コアインフレの今後2年間にわたる見通しを小幅下方修正する。

23.トヨタ自動車の米販売子会社のジム・レンツ社長は8日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★ゼネラル・モーターズが破産法申請などで事実上破綻する事態に備える必要がある。
★トヨタに部品を供給している米メーカーの3分の2がGMと重なっており、GMが破綻するとトヨタの事業に影響が出る。
★トヨタと取引している部品メーカーで深刻な資金不足に陥っているのはごく一部だ。

24.バンカメ(BAC)
オッペンハイマーは8日、米銀バンカメが自己資本比率を他の大手米銀と同水準にするには366億ドルの増資が必要との試算を示した。米財務省は2月25日、米大手金融機関を対象に資本注入の必要性の有無を判定する資本査定を盛り込んだ「資本支援計画(CAP)」を発表。必要と判断された銀行には追加資本を注入する計画だ。

  (要旨)
★バンカメは優先株を普通株に転換するか、米財務省の「資本支援計画(CAP)」を活用して52億株を発行する可能性が高い。
★バンカメの四半期利益予想を1株当たり2セントと従来の10セントから引き下げる。クレジットカード・ローンなどの融資からの損失が拡大するとの見込みが理由。
★他の金融機関ではJPモルガン・チェースの利益予想を1株当たり16セント(従来は29セント)に引き下げ、モルガン・スタンレーの予想は同59セントの赤字とした。従来は同37セントの利益を見込んでいた。ゴールドマン・ザックスについては、1株当たり利益予想を1.29ドルと従来の99セントから引き上げた。
★バンカメはリスク加重資産に対する有形株主資本の割合を大手米銀25行の平均(6.3%)に近づけるには、現在の2倍の約6%にする必要がある。

25.グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は8日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★経済統計の速報値はマイナス幅が縮小している。世界経済がやや改善している兆候が出ている。ただし、景気はしばらく下降を続けそうだ。

★米経済は反転後も過去のように急速には成長しない。団塊世代の引退増加が負担になることが背景だ。労働力が豊富ではなくなるため、市場では常に歪みが生じることになるだろう。

★2009年度の財政赤字が(08年10月―09年9月)が最初の5カ月ですでに08年度全体を超え、過去最大に膨れていることについては、政府が国内貯蓄の大部分を吸収していることを意味する。通常なら、貯蓄は設備投資の財源になるはずだ。

★米銀救済については、これまでにつぎ込んできたよりも、もっと大規模な資金が必要だ。損失が発生するのは確実だが、リスクを抱える公的資金は比較的小規模だ。大部分は消失するわけではなく、多くの場合、公的資金は難なく完済されるだろう。

26.モザイク(MOS)
化学肥料大手のモザイク(MOS)が7日引け後決算発表。不振だった。

12-2月期(第3四半期)実績
★総売上高・・・前年同期比36%減の13億8000万ドル(コンセンサス予想は17億6900万ドル)
★一株あたり利益(在庫評価損を除く)・・・18セント(コンセンサス予想は22セント)
★粗利益率・・・10%(前年同期は34%)

27.モルガン・スタンレー(MS)
ボーブ氏が、モルガン・スタンレーの2009年1株当り利益見通しを、当初1.63ドルから0.78ドルに引き下げた。

28.小売統計が弱かった。
★米国の国際ショッピングセンター協会(ICSC)が9日発表した3月の米主要小売りチェーン各社の既存店売上高は前年同月比2.1%減となり、前月の0.1%減から悪化した。ドラッグストアが売り上げを伸ばしたが、ディスカウント店の売り上げが4カ月ぶりに前年割れとなった。衣料店、百貨店、高級店はいずれも前月から減少率が拡大した。ICSCは、前年の3月に比べて今年の3月は土曜日が1日少なかったことや復活祭休暇が3月から4月にずれ込んだことが売り上げの減少につながったとしている。

★米既存店売上高は4月3日までの5週間で前年同月比1.4%増。コンサルティング会社リテール・メトリクスがまとめた予想では3.2%増が見込まれていた。

★ウォルマート(WMT)
小売業最大手のウォルマートが9日発表した3月の既存店売上高は、増加率が一部アナリスト予想を下回った。ウォルマートは0.7%増で前月(4.5%増)から低下。衣料品のギャップは8.0%減(前月12.0%減)、百貨店のノードストロムは13.5%減(前月15.4%減)といずれも減少率は鈍化した。

29.マイクロン・テクノロジー(MU)
半導体メモリー最大手のマイクロン・テクノロジーは、台湾当局が設立した台湾メモリー(TMC)とは提携しない見通し。マイクロンは、独占契約を結んでいる台湾の従来の提携相手との関係を維持する方針。このマイクロンの決定により、TMCの提携相手はエルピーダメモリのみとなる。


=以上=
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2009年04月06日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 04/05

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

4月5日

森  崇

ブル材料
1.米議会から厳しい批判を受けた米財務会計基準審議会(FASB)が今月提示した時価会計ルールの見直し案により、シティグループなどの銀行の利益は2割強改善する可能性があると言う。FASBが16日示した時価会計ルールの見直し案では、企業は資産評価でかなりの裁量権が認められるとともに、住宅ローン担保証券などの不良資産で計上を義務付けられた評価損を縮小することができる。見直し案は1−3月(第1四半期)の財務諸表から適用される見通しで、これに関する最終的な採決は4月2日に予定されている。

2.アルコア(AA)
アルミ生産のアルコアが上昇。英豪系BHPビリトンによる買収観測が手掛かりだった。

3.米供給管理協会(ISM)が1日 発表した3月の製造業景況指数は36.3(前月は35.8)と、予想(36.0)を若干上回ったが、50を14カ月連続で下回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数・・・41.2(前月33.1)
★輸出指数・・・39(前月37.5)
★雇用指数・・・28.1(前月26.1)
★在庫指数・・・32.2(前月37)
★仕入れ価格指数・・・31(前月29)

4.全米不動産業者協会(NAR)が1日に発表した2月の中古住宅販売成約指数は前月比2.1%上昇の82.1(前月は7.7%低下の80.4)と、予想(前月比変わらず)を上回った。地域別でみると、成約指数は全米3地域で上昇した。特に中西部では前月比14.5%上昇。北東部は同10.6%、南部は4.4%上昇した。一方で西部は13.5%低下した。

5.自動車メーカーが1日発表した3月の米自動車販売によると、ゼネラル・モーターズ(GM)などが前年同月から大幅減少したものの、市場予想ほどは悪化しなかった。販売奨励策が下支えとなった。底が見え始めており、改善の兆候が幾つかあるとのアナリストコメントも聞かれた。GMの3月販売台数は前年同月比45%減(予想は48%減)、フォードは41%減(予想45%減)、クライスラーは39%減少(同46%減)した。

6.ガイトナー米財務長官は1日、金融市場には改善の心強い兆候がみられるとし、経済危機への国際的な取り組みを評価した。

7.2月の建設支出は前月比0.9%減(1月は3.5%減)と、予想(1.9%減)より落ち込みが小さかった。昨年10月以来で最小の減少率となった。2月の民間の非住居用建設は前月比0.3%増加(前月4.3%減)した。プラスは5カ月ぶり。

  (内訳)
民間と公共部門を合わせた非住居用建設は前月比0.5%増加した。公共部門の建設は前月比で0.8%増加した。特に州や地方自治体の公共施設への支出が伸びた。

8.2月の製造業受注額は前月比1.8%増(1月は3.5%減)と、予想(1.5%増)を上回る伸びだった。前月比で上昇したのは7カ月ぶり。2月の輸送機器を除く受注は1.6%増加した。

  (内訳)
耐久財受注額は3.5%増加(前月7.8%減)、非耐久財の受注額は0.3%増(前月0.5%の増加)。航空機を除く非国防資本財受注は7.1%増加(前月は12.3%の減少)

9.3月28日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比1万2000件増の66万9000件と、1982年以降で最高を記録。予想は65万件だった。新規失業保険申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は65万6750件と、前週の65万250件から増加した。

10.バンカメ(BAC)
バンカメのケネス・ルイスCEOは2日、数四半期が経過し、景気に改善がみられれば、政府から受けた公的資金の一部を返済できる見込みだと語った。
景気は 今年下半期に底を打つ兆候があり、来年の早い段階に回復する可能性があると語った。

11.欧州中央銀行(ECB)は2日、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を0.25ポイント引き下げ1.25%とすることを決定した。ほとんどのエコノミストが0.5ポイントの利下げを予想していた。下限政策金利である中銀預金金利は0.25%(従来は0.5%)に引き下げられた。上限政策金利の限界貸出金利は2.25%(同2.5%)。
ECB当局者の間ではFRBやイングランド銀行にならって資産購入による量的緩和に踏み切るべきかどうかの議論が高まっている。主要な政策金利である最低応札金利の1.25%は1999年のECB誕生以来で最低。ECBは最長6カ月の資金を無制限に供給するとともに、預金金利が事実上、短期金利の調節手段となることを容認している。

12.ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)は2日、規制の強化と、1兆ドル超の緊急支援策を盛り込んだ宣言を採択して閉幕した。ヘッジファンドや幹部報酬、信用格付け会社、銀行のリスク許容に対する制限を厳しくすることを表明。国際通貨基金(IMF)への拠出を拡大。ただ、各国が一段の景気刺激策を実施するかどうかについては言及を避けた。各国政府は国内の市場と企業を引き続き監督するものの、G20は「金融安定化ボード」を創設し、IMFと協調してリスクに対する早期警戒に努める。

13.中国物流購買連合会が2日発表した3月の製造業購買担当者指数は52.4と、前月の49から上昇した。50を超えたのは6カ月ぶり。政府の4兆元に上る景気刺激策が影響した。

14.フレディマック(FRE)
米住宅金融大手フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は2日、米住宅ローンの30年物固定金利の平均が今週低下し、同社統計上の最低を更新したと発表した。今週の30年物固定金利は平均で4.78%と、前週の4.85%から下げた。これは同統計が始まった1971年以来の最低水準。

15.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★非常に慎重なやり方で現行水準からさらに金利を引き下げる可能性を排除しない。
★非伝統的な別の手段については5月7日の次回政策委員会で決定する公算だ。
★下限政策金利である中銀預金金利はこれ以上引き下げない。0.25%の預金金利は極度に低い。政策委員会がこれを変更するとは考えていない。

16.国際通貨基金(IMF)が再び脚光を浴びている。ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の合意に伴い、合計で1兆ドル(約100兆円)を超える緊急支援枠を確保することになった。金融サミットは2日、IMFの緊急融資枠を3倍に拡大し、7500億ドルにすることで一致。IMFの準備資産である特別引き出し権(SDR)2500億ドルも加盟国に追加配分する。

17.ギリアド・サイエンシーズ(GILD)
  同社の実験新薬に降圧作用があることが臨床試験で確認されたと言う。

18.バーナンキ議長が3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★住宅ローン担保証券(MBS)の買い取りにより、住宅ローン金利が低下している。低下は住宅市場の回復に役立つ。

19.リサーチ・イン・モーション(RIMM)
多機能携帯端末(スマートフォン)「ブラックベリー」を製造・販売するカナダのRIMMが2日引け後に示した2009年3−5月(第1四半期)の一部項目を除いた1株利益の下限は88セントと、予想(82セント)を上回った。


ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
(1)GMのリック・ワゴナーCEOが退任することになった。オバマ米大統領の作業部会は、同氏では、GMを救うことができないと判断した。フリッツ・ヘンダーソン最高業務責任者(COO)が後任CEOとなり、会長職はケント・クレサ取締役が引き継ぐ。

(2)オバマ米大統領は30日、ゼネラル・モーターズとクライスラーに対し、存続への最後のチャンスを与えた。同大統領は両社に対し、国家に依存することなく、根本的な経営再建策を策定するよう指示。

   (発言要旨)
★米自動車産業を単純になくすことはできないし、させるわけにもいかない。しかし、誤った判断を許し続けることもできない。税金を際限なく使用して自動車産業を存続させることもできない。
★債権団や株主、従業員、ディーラー、部品企業には一段の犠牲が予想される。
★GMのリック・ワゴナーCEOに辞任を迫る。クライスラーにはフィアットとの提携を模索するよう求める。
★両社の計画が失敗した場合に備え、政府は事前合意型の破産法適用に向けて用意を進めている。その方が債務を処理し、小規模な事業体系で再出発するのが容易になる。ただし、破産法を会社分割のためには使用しない。破産法は政府の支持の下、債務を処理するためになら使用する。
★自動車業界に依存した労働者や社会、地域の支援に向け、連邦政府の力をフル活用し、官僚的な形式主義を打破する為、エドワード・モンゴメリー元労働次官を起用した。
★7870億ドルの景気対策費用を用いて公用車の購入を加速し、消費者や自動車ディーラーへの信用供与を拡大するため金融会社に協力する。

  (3)ゼネラル・モーターズのフリッツ・ヘンダーソン新CEOは30日、政府と
の事前合意に基づく破産法申請について、可能性は以前より高まったものの好ましい選択肢ではないことに変わりはないと述べた。

2.クライスラーと親会社のサーベラス・キャピタルは、イタリアのフィアットとの提携に向けた枠組みで合意。提携に向けた枠組み確立は60億ドルの追加支援を政府から受けるための前提条件となっている。当初の合意では、フィアットが小型車の技術を共有する見返りに、クライスラーの株式35%を取得することになっている。

3.スタンダード・アンド・プアーズは30日、ハンガリーの外貨建て長期債務格付けを従来の「BBB」から1段階引き下げ、投資適格級最低の「BBB−」に設定した。ハンガリーが予想されたよりも深刻なリセッションに陥ったことを受け、政局が混乱したことが背景。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」となっている。

4.欧州中央銀行(ECB)のビニ・スマギ理事は30日、各国政府が世界的なリセッションの終息を目指した短期的な救済策だけでなく、経済の構造改革にも力を入れる必要があるとの認識を示した。

5.ゴールドマン・ザックスは米国株の投資家は景気に左右されにくい「ディフェンシブ」銘柄から景気敏感株に乗り換えるのをもうしばらく待った方が良いとの見解を示した。景気循環株がほかより勝るのは景気の谷が過ぎてから4−12カ月後になることが多いため、経験則から判断すると、物色対象を
変更するのは早い時期よりも遅い方が良いと指摘した。ゴールドマンはヘルスケア株や生活必需品株について、ベンチマークよりも多く保有するオーバーウエートを推奨している。一方、公益事業、一般消費財・サービス、金融、資本財・サービスの各セクターについてはアンダーウエートを提言。

6.経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米国と欧州連合(EU)の今年の失業率が10%に達するだろう。世界的な景気の落ち込みによりOECD加盟30カ国のGDPがマイナス成長になるのが背景。
★OECDは3月31日に発表する最新の経済見通しで、今年の加盟国の成長率見通しをマイナス4.2−4.3%と、昨年11月時点の見通し(マイナス0.3%)から下方修正する方針。

★世界的なリセッションが深刻化していることは、OECD加盟国が景気不振から脱却するために追加的な措置が必要なことを意味している。
★米国など一部の国はとても懸命に努力をしている。中国もそうだ。他国にも同様の措置が必要だ。

7.UBS(UBS)
UBSの株価が急落した。スイス紙ゾンタークが29日、同行が巨額評価損と8000人の削減を発表する可能性があると報じたことに反応した。UBSが人員を削減するとともにクレジット契約の履行・買い戻しに絡み約「20億」、クレジット関連の義務で「数十億の額」の評価損を計上する可能性があると報じた。これらは4月1日に発表される可能性があるという。

8.モルガン・スタンレーのストラテジスト、ジェイソン・トッド氏が、米国株の売りも推奨。引き続き業績見通しは悪いと言う。

9.シカゴ購買部協会が31日に発表した3月のシカゴ地区の製造業景況指数は31.4(前月は34.2)と、予想(34.3)を下回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…30.9(前月30.6)
★生産指数…32.7(前月34.7)
★雇用指数…28.1(前月25.2)
★仕入れ価格指数…34.1(前月37.8)

10.3月の米消費者信頼感指数は26(前月は25.3)と、予想(28)を下回った。雇用が十分にあるとする回答は4.6%で前月から変わらず。今後6カ月の期待指数は28.9と、2月の27.3から上昇した。所得が今後6カ月に増加するとの回答は7.5%と7.9%から減少した。現況指数は21.5(前月22.3)に悪化した。

11.全米20都市を対象にした1月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で19%低下(前月は18.6%低下)と、予想(18.6%低下)より落ち込みが大きかった。これは01年の集計開始以来で最大の落ち込み。同指数は2007年1月から連続で低下している。
調査対象となった20都市すべてで住宅価格指数が前年同月比で低下。特にフェニックスとラスベガスはそれぞれ35%と32.5%の大幅な低下を記録した。また前月比でも20都市すべてで低下した。

12.JPモルガン・チェースは31日、投資銀行が今年、保有する仕組み金融商品について合計でさらに170億ドルの評価損を計上するとの予想を示した。
ドイツ銀行が年末までにさらに49億ドル、英銀バークレイズが30億ドルの評価損を計上する可能性あると試算した。また、仏銀BNPパリバとスイスのクレディ・スイス・グループの評価損は、それぞれ11億ドルと12億ドルと予想。特に、ドイツ銀はレバレッジが高いことや評価損が見込まれることから増資が必要な可能性があると指摘した。また、ゴールドマン・ザックスなど米国の投資銀行は欧州勢に比べ資本水準が高く負債が少ないため有望だとしている。

13.ゼネラル・モーターズ(GM)
★ゼネラル・モーターズのヘンダーソンCEOが31日、法廷外での再建が好ましいと述べて、あらためて破産法の適用回避を目指す方針を強調した。
★ドイツ銀行のアナリスト、ロッ ド・レーチェ氏は、米政府が自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーを破たんさせた後、直ちに両社の優良資産を売却して新会社を設立する案を検討している可能性がある
と述べた。米連邦破産法の363条に基づく「363条式資産売却」を採用すれば、両社の破産手続きが長引く中で自動車販売がさらに悪化する心配もないと指摘。新会社はあらゆる想定に備えて、ブランド数や市場シェア、債務などを抑えて、適切な規模にまとめることができると指摘した。
★同社は米国内のディーラーに対して、3月の販売実績は目標値の3分の2も達成していないことを明らかにした。
★GMの社債保有者は、債務の交換が破たん回避につながるか懐疑的だと見ていると言う。政府が提示した猶予期間は十分ではないもよう。

14.経済協力開発機構(OECD)は31日、最新の経済見通しを発表。

  (要旨)
★2009年の加盟国全体の成長率予想をマイナス4.3%に下方修正。
★10年の加盟国成長率をマイナス0.1%と予想。09年の予想は昨年11月時点のマイナス0.3%から下方修正。
★下方修正の背景は、信用逼迫、住宅価格・株式相場下落による資産目減り、全体的な信頼感の低下が、全世界で民間部門の需要に大きな悪影響を与えていることだ。総需要減退の影響を和らげるには、金融市場を修復することに加えて、マクロ的な景気刺激策が必須だ。
★加盟30カ国すべてが年末までにリセッション入りしていると予想。これは前例のないことだ。
★回復は最初は弱々しいが2010年の終わりにかけて勢いを増すだろう。
★米国とユーロ圏の失業率は10%を超えるだろう。主要7カ国の失業者数は来年遅くに、07年半ばに比べほぼ2倍の3600万人に達する見込みだ。
★加盟国中では日本経済が最悪の6.6%マイナス成長となる見込み。10年はマイナス0.5%と予想される。ユーロ圏は09年がマイナス4.1%、10年がマイナス0.3%、米国は09年がマイナス4%、10年は横ばいと予想。
★必要ならば銀行を国有化して不良資産処理と資本再強化を進めることが必要だ。保護主義的政策を避け、余力のある国は金融緩和と財政出動を続けるべきだ。中銀は金利をゼロ付近に維持し与信の流れを回復させる必要がある。ドイツやカナダなどにはまだ支出拡大の余地がある。
★米国の政策金利は10年末まで0.25%にとどまり、ユーロ圏は今年6月末までに現在の1.5%からゼロに近づくだろう。日本の短期金利は0.1%にとどまる見込み。
★信用市場の機能回復には低金利だけでは十分でない。米連邦準備制度理事会(FRB)の例に倣い金利以外の方法で融資促進を図ることが推奨される。金融当局は信用創造と流動性拡大、デフレ圧力緩和に向けた直接的な措置を導入または拡大するべきだ。
★債券買い上げなどの措置をまだ導入していない欧州中央銀行(ECB)については、需要喚起に向けて量的緩和の措置を導入するべきだ。
★既に米国債購入を開始したFRBについては、回復が始まり金融環境が正常化し次第、利上げを開始する必要があるだろう。デフレについては多くの加盟国において、10年には大きなリスクがありそうだ。
★ロンドンで4月2日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で指導者らが協調的な景気刺激策で合意できる可能性は低いとし、既存の各国の対策が最終的に不十分に終わることが、10年の景気回復に対する最大のリスクだ。

15.グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は31日、ワシントンでスピーチした。

  (発言要旨)
★金融当局は大手米銀に対し、支払準備の最低基準を引き上げるべきだ。金融機関に対して何かしらの負担を与えるべきだ。規模が大きく金融システム安定化のために重要だと認識されている大手金融機関が暗黙的に優位にある状況を是正する必要がある。
★最低支払準備率を金融機関の規模に応じて引き上げるのも一案だ。

16.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが1日発表した集計調査によると、3月の米民間部門の雇用者数は前月比74万2000人減少(2月は70万6000人減)し、予想(66万3000人減)を上回る落ち込みだった。

  (業種別内訳)
製造業と建設業を含む財生産部門が32万7000人減少。製造業では20万6000人減少した。サービス部門は41万5000人減少した。

17.ゼネラル・モーターズ(GM)
★オバマ米大統領は、ゼネラル・モーターズ(GM)の事業を再編し、競争力のある自動車メーカーとして立て直すためには、事前調整型の破産法適用が最も有力な手段になるとの判断を固めたもよう。クライスラーについても、イタリアのフィアットとの提携がまとまらない場合、破産法を適用した上で、事業を切り売りする用意があるという。オバマ大統領はGMが債券保有者や全米自動車労組(UAW)との交渉を通じて破産法の適用回避に向けて努力し、クライスラーもフィアットとの協議を継続することを期待しているが、政権当局者らは事態を楽観していないという。

★米政府は6月1日に期限を迎える自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の転換社債10億ドルの償還を肩代わりしない方針をGMに伝えた。
これにより、政府から事業継続への最後のチャンスとしてGMに与えられた60日の猶予期間は、延長されないことがほぼ確実となった。GMの転換社債(表面利率1.5%)10億ドルは6月1日に償還期限を迎える。ニューヨーク時間午後1時56分現在、同転換社債(25ドル単位で発行)は前日比2.05ドル下げて7.20ドルで取引されている。

18.クリーブランド連銀のピアナルト総裁は1日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★新規制は大手金融機関が金融システムに与えたリスクが軽減されるように設定すべきである。こうした規制を導入することで一部金融機関は規模が縮小する可能性がある。

19.JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、破たん企業の処理
方法を統一することによって、破たん時の市場大混乱を回避するよう規制当局に呼び掛けた。

  (呼びかけ要旨)
★第一歩は金融機関が破たんしないように、十分に規制することだ。もしも破たんした場合は、正しい取り決めがあれば素早く適切に、一貫した方法で対応できる。
★連邦預金保険公社(FDIC)が監督下の銀行を接収できることや、連邦政府の規制当局に銀行以外の金融機関を接収し清算する権限を与えることが必要だ。
★システム全体を規制する当局が、資本市場で発生し得る新たなリスクを監視することで問題を早期に発見する必要がある。
★会計規則が頻繁に変更され過ぎる上に、解釈や操作の余地があり過ぎる。時価会計規則については、プライベートエクイティ(未公開株)や不動産など長期にわたって保有される流動性の低い資産には適用されるべきではない。

20.クライスラーの株式のすべてを、親会社の米投資会社サーベラスが手放すことで米政府と合意したと、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。サーベラスは2007年夏にダイムラーからクライスラー株80.1%を取得したが、クライスラーの株式の価値はほとんどなくなっているとみられる。

21.モルガン・スタンレー(MS)
バークレイズ・キャピタルは、モルガン・スタンレーの2008年12月−09年2月(第1四半期)決算が前期に続いて赤字になるとの見通しを示した。12−2月期の1株当たり損益を1.30ドルの赤字と予想。3月9日に示した25セントの黒字から下方修正。仕組み債の損失が9億5000万ドル、不動産の評価損が26億ドルと予想した。コンセンサス予想は、12−2月期には黒字(20セント)となっている。

22.モンサント(MON)
遺伝子組み換え(GM)穀物開発最大手のモンサントが2日発表した2008年12月−09年2月(第2四半期)決算は、継続事業からの1株当たり利益が2.16ドルと、予想の2.07ドルを上回った。

23.3月の雇用統計が発表された。
  
★非農業部門雇用者数は前月比66万3000人減少(2月は65万1000人減)と、予想(66万人)を若干上回った。4カ月連続で65万人以上のマイナス。
★失業率は8.5%(前月は8.1%)と、予想値に一致した。
★週平均労働時間は33.2時間(前月33.3時間)→記録上の最低値。
★製造業部門の週平均労働時間は39.3時間(前月39.5)
★超過勤務は前月と同じ2.7時間。
★週平均賃金は614.20ドル(前月615.05ドル)。
★平均時給は前月比3セント(0.2%)増加し18.50ドルとなった。前年比では3.4%増加した。

(項目別動向)
製造業部門は16万1000人減(前月は16万9000人減)、自動車・同部品部門は1万7500人減少。銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は35万8000人減少(前月は36万6000人減)。金融機関は4万3000人減少(前月4万4000人減),小売りは4万7800人減(前月5万800人減)。建設部門は12万6000人減(前月10万7000人減)だった。政府機関は5000人減(前月3000人増)となった。

24.米供給管理協会(ISM)が3日発表した3月の非製造業総合景況指数は40.8(2月は41.6)と、予想(42)を下回った。
  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…38.8(前月40.7)
★雇用…32.3(前月37.3)
★仕入れ価格…39.1(前月48.1)

25.米通貨監督局(OCC)と貯蓄機関監督局(OTS)が3日発表したリポートによると、リスクの低い借り手を対象にしたプライム住宅ローンの返済延滞率は昨年、2倍に上昇した。返済が遅延している住宅ローン件数は昨年第4四半期に30%増加し、住宅ローン全体の4.6%を占めた。全米の住宅ローン3500万件のうち、プライムローンは3分の2を占めるが、返済が60日以上遅れているのは第4四半期で55万3736件に上った。

26.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者、ビル・グロス氏は3日、米国の失業率が10%に上昇するとの予想。その後は8%に低下する見通しという。グロス氏はまた、景気が底を打った後、米経済は1−2%の成長率に戻るが、3−4%成長とはならないとの見方を示した。

27.米半導体工業会(SIA)が3日発表した2月の世界半導体売上高は、前年同月比30%減の142億ドルとなった。携帯電話などの機器に使われる半導体需要の減退が響き、5カ月連続の減少となった。

28.コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★我々は、物価安定に加え、高水準の生産と雇用を伴った持続的な景気回復という究極の目的を常に留意する必要がある。FRBは金融政策が景気回復に貢献できるような方策を引き続き模索していく。
★我々は森をまだ抜け出していない。多くの金融市場ではかなりの緊張状態が続いており、流動性不足から資産価格は抑制されており、信用スプレッドと信用の供給量は非常に高いリスク回避傾向をなお反映している。

29.自動車大手クライスラーの債務と権益を交換する債権銀行団との交渉に、米財務省が乗り出した。財務省が交渉に参加することで現状打開への期待が高まった。破たんの際の弁済順位が一番高い有担保の債権銀行団との債務交
換交渉はこれまで進展がなく行き詰っていた。

30.ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授は3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★欧州中央銀行(ECB)は前日の政策委員会で、リセッションの深刻化に歯止めをかけるために少なくとも0.5ポイント利下げすべきだった。
★ECBの控えめな金融政策により、ユーロ圏は米経済よりも深刻な景気縮小に見舞われるというパラドックスに陥るかもしれない。
★状況が悪化すればECBがギリシャやアイルランドの国債買い取りに踏み切る公算もある。ただ、ユーロを採用する16カ国の景気悪化が単一通貨の存続を脅かすことはない。通貨連合は成功し、生き残る。

31.ブリストル・マイヤーズ(BMY)
  サンフォード・バーンスティンが同社投資判断を“アウトパフォーム”から“マーケットパフォーム”に引き下げた。同社は利益に対し、株価が高過ぎる為、買収ターゲットにはならないだろうと言う。

32.ヒューマナ(HUM)  
  マネージド・ヘルスケアー会社に悪材料。ワコービアが、政府によるメディケアー・アドバンテージ・プログラムの変更によって、同社予想利益が20%も減少するかもしれないという。

33.アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)
  シティ・グループが同社株の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。ライバルであるライムライト・ネットワークスとの競争激化により、同社のリスクになると言う。

34.マイクロン・テクノロジー(MU)
2日引け後に発表した2008年12月−09年2月(第2四半期)決算は、9四半期連続の赤字となった。業界全体の供給過剰や需要鈍化のあおりで、半導体価格が製造コストを下回ったことが響いた。第2四半期の純損失は1株当たり97セントと、予想(1株当たり62セントの赤字)より悪化していた。売上高は前年同期比27%減の9億9300万ドル。予想は11億4800万ドルだった。

=以上=
posted by mori at 08:45 | TrackBack(0) | 決算速報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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