2009年03月30日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 3/29

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

3月29日

森  崇


ブル材料
1.米財務省は23日、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を発表した。

   (政策の骨子)
★買い取りのための官民投資プログラムは、昨年導入された7000億ドル規模の問題資産購入計画(TARP)から750億−1000億ドルの資金を使用。政府に5000億の「買い取り権限」を付与する。
★連邦預金保険公社(FDIC)による債務保証や、連邦準備制度理事会(FRB)の低利融資を加え、買い取り規模は当初は5000億ドルを目標にし、最終的には1兆ドルをめざす計画。
★不良資産買い取り計画は約8%が民間部門から拠出される見通しで、明らかに政府が大きな役割を担うことになる(ローマー大統領経済諮問委員会(CEA)委員長発言)。
★プログラムを開始するための議会承認は不要である。

   (不良資産買取に参加する対象)
保険会社や年金基金、さらには個人投資家にも参加を呼びかけるが、不良資産を買い取る資産運用会社については、不良資産購入の実績が明らかな企業を最大5社選出する。

   (民間参加を促すための甘味剤)
★買い取り資金の大部分を財務省やFDIC、FRBが融資や債務保証などで実質的に負担する。
★計画への参加企業は議会が定める管理職給与規制の対象から外れる。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)で問題になった金融機関の高額ボーナスなどの規制はかけない。

   (買取方法)
財務省と民間投資会社が共同で対等出資する「官民投資基金」を複数発足させる。複数の基金を競争入札で買い取りに参加させ、不良債権処理を加速する。5月までに民間の資産運用会社が選出された後、すぐに資産買い取りが始まる見込み(大統領経済諮問委員会(CEA)のグールスビー委員発言)。

2.全米不動産業者協会(NAR)が23日に発表した2月の中古住宅販売件数は前月比5.1%増の年率472万戸(前月は449万戸)と、予想(445万戸)を大幅に上回った。2月の中古住宅価格(中央値)は前年同月比15.5%下落。調査開始以来で2番目の大幅な下落率。販売に対する在庫比率は9.7カ月分で前月から変わらず。一戸建て住宅の中古販売は前月比4.4%増加し、年率423万戸。集合住宅は同11.4%増の49万戸だった。全米4地域すべてで中古住宅販売が増加、特に北東部は15.6%増加。

3.フォード(F)
フォードのアラン・ムラリー最高経営責任者(CEO)は、景気が一段と悪化しても、同社は政府支援を受けず切り抜けられるとの見解を述べた。

4.中国国家外為管理局の胡暁煉局長は23日、中国が米国債投資を続けると表明するとともに、世界の基軸通貨としての米ドルを擁護した。米国債は、中国の外貨準備の投資戦略において重要な要素だと述べ、米国債買いを続けると言明。また、国際社会は新たな準備通貨について議論するよりもドルを基軸通貨とした金融システムへの監視に力を注ぐべきだと語った。

5.全米抵当貸付銀行協会(MBA)は24日、住宅ローン組成が2009年には2兆7800億ドルに達するとの見通しを示し、従来予想から8000億ドル上方修正した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が先週、住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ額を3倍近く拡大すると発表したことを受け、固定住宅ローン金利が低下している状況を反映したもの。

6.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のポートフォリオマネジャー、ポール・マカリー氏は24日、債務担保証券(CDO)が官民投資プログラム(PPIP)の対象に含まれるとの見方を示した。ただし、CDOに対する値付けが不透明で、深刻な問題となってきたと指摘した。

7.ニューヨーク証券取引所やナスダックなど米証券取引所の運営会社4社が米証券取引委員会(SEC)に対し、緩やかなアップティックルール導入などの空売り規制を求める方針であることが明らかとなった。アップティックルールは1930年代に導入されたが、電子売買が進んだ現代の取引にはそぐわないとして2007年に廃止された。しかし、最近の株式市場の混乱を受け、SECでも同ルールの復活を検討している。証取運営会社4社では、株価が一定以上下落した時に取引を一時停止するサーキットブレーカーが発動されたような場合に同ルールを適用し、株価が上昇基調にならなければ空売りができないようにする方法を提案する見通しだ。

8.ゴールドマン・サックスは、欧州中央銀行(ECB)が4月2日の定例政策委員会で0.5ポイントの利下げを決定するとの見通しを示した。

9.オバマ米大統領が米主要銀行のCEOと会談する計画だとWSJ紙が報じた。米大統領と主要行CEOとの会談は異例で、米政府による金融業界の支援策について協議する。ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェース、シティグループなどのCEOが出席する。

10.セントルイス連銀のブラード総裁は24日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米国の景気は2009年下半期に底打ちする。
★オバマ政権が実施する大型景気対策の効果が実体経済に浸透し、来年はプラス成長が再開する。
★米国がデフレ局面入りするとの観測について、その可能性を懸念している。デフレを阻止するため金融政策当局は明確なインフレ目標を掲げるべきだ。

11.2月の新築一戸建て住宅販売は前月比4.7%増の33万7000戸(1月は32万2000戸)と、予想(30万戸)を大幅に上回った。新築住宅価格の中央値は前年同月比18%下落の20万900ドルと、2003年12月以来で最低。下落率は1964年の統計開始以来で最大となった。新築住宅販売は前年同月比では41%減少した。住宅在庫は33万戸に減少。販売に対する在庫比率は12.2カ月分(前月は12.9カ月分)と、02年6月以来の低水準。

12.2月の米製造業耐久財受注額は前月比3.4%増(1月は7.3%減)と、予想(2.5%減)に反してプラスとなった。これは過去1年余りで最大の増加率。プラスは7カ月ぶり。変動の大きい輸送用機器を除く受注は2月に3.9%増加し、予想(2%減)に反してこれもプラスとなった。2005年8月以来で最大の伸びを示した。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注は2月に6.6%増。前月は11.3%の減少だった。

   (内訳)
国防を除く受注は1.7%増。輸送機器の受注は2%増。国防関連航空機・同部品が32%増加し、自動車・同部品(0.6%減)、民間航空機(29%減)を相殺した。

13.20日までの1週間の住宅ローン申請指数は1159.4は前週の876.9から32%上昇した。金利低下に伴い借り換えと購入の両指数が上昇したことを受け、3週連続のプラスとなった。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.63%と、前週の4.89%から低下し、1990年の統計開始以来の最低水準を記録した。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…6363.2(前週は4497.6)
★購入指数…267.8(同257.1)

14.オバマ大統領はポール・ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長に、税制見直しのための特別委員会を率いるよう要請。税制見直し委員会は12月4日までに、制度簡素化の提言を行う。

15.ガイトナー米財務長官は25日、強いドルは米国の国益にかなうと述べ、ドル相場の上昇が米国の長期的な経済成長にプラスの効果をもたらすとの見方を示した。更に、現在の世界的な金融危機局面において、中国は重要な安定化の役割を担っていると述べた。

16.バンカメ(BAC)
バンカメのケネス・ルイスCEOが、米政府から注入を受けた公的資金450億ドルの返済を4月から開始したいと述べたとロサンゼルス・タイムズ紙が報じた。同行が政府の資本査定に合格し、金融システムが安定し次第、返済を完了するだろうと言う。

17.2008年第4四半期(10−12月)の実質国内総生産確定値は前期比年率6.3%減少(改定値は6.2%減少)と、予想(6.6%減)ほど落ち込まなかった。因みに第3四半期は0.5%の減少。企業利益は16.5%減と、1953年以来で最大の落ち込みを記録した。

   (特徴)
★実質GDPは08年通年で1.1%増加(改定値から変わらず)。輸出増加と税還付が個人消費の落ち込みを相殺した。
★第4四半期の個人消費は4.3%減(第3四半期は3.8%減)。
★在庫投資は年率換算で258億ドル減少(改定値は199億ドル減少)に下方修正された。

18.米住宅金融大手のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は26日、住宅ローンの30年物固定金利が今週、平均で4.85%に低下し、同社統計上の最低を記録したと発表した。前週は4.98%だった。

19.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)は、全米自動車労組(UAW)組合員7500人が早期退職制度に応募したことを明らかにした。早期退職はGMが米政府からの134億ドルの支援を維持する上で必要なコスト削減策の一環。早期退職などにより、GMには現在の組合員のコストの半分で労働者を雇用する余地が出てくる。

20.ベスト・バイ(BBY)
米家電量販店ベスト・バイが26日寄り前に業績発表。2008年12月−09年2月(第4四半期)の売上高は前年同期比9.7%増の147億ドル、特別項目を除く1株当たり利益は1.61ドルとなった。予想は、売上高が149億2200万ドル、同1株当たり利益は1.40ドルだった。減益となったが、アナリスト予想ほど落ち込まなかった。欧州での携帯電話販売の好調が下支えた。開店14カ月以上の既存店売上高は4.9%減。粗利益率は24.6%と、前年同期の23.7%から拡大した。また、同社が示した10年2月通期の見通しは1株当たり利益が2.50−2.90ドル。売上高は最大485億ドルとなった。予想はそれぞれ2.46ドル、482億ドルだった。裁量消費の力を見る上で、同社の好業績は心強い。

21.アジレント・テクノロジーズ(A)
計測器最大手のアジレント・テクノロジーズは26日、全従業員の10分の1以上に相当する2700人を追加削減する計画を発表。売り上げ落ち込みへの対策として、電子計測事業を再編する。人員削減と事業再編で約3億ドルの経費を節減する。ビル・サリバンCEOは、事業は極めて悪化したままで、予見可能な将来に回復する見通しはないとコメントした。

22.リサーチ・イン・モーション(RIMM)
ゴールドマン・サックスが決算前に同社株を買うべきだと推奨した。株価の割安さと、利益率向上が背景。

23.グーグル(GOOG)
インターネット検索エンジンのグーグルはセールスとマーケティング部門で約200人を削減する。

24.コナグラ・フーズ(CAG)
本日発表の業績が予想を上回った。

25.米国の資産運用大手、ブラックロックとパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)、レッグ・メイソンの3社が、米政府主導の不良資産買い上げの対象となる問題資産に投資するクローズドエンド型ファンドを計画しているとWSJ紙が報じた。運用会社3社はいずれも、比較的裕福な投資家に販売する目的で、不良化した銀行融資債権や住宅ローン担保証券を購入するファンドを計画している。

26.3月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は57.3(速報値は56.6)と、予想(56.8)を上回った。3月の指数を項目別でみると、今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は53.5(速報値53.0)と、前月の50.5を上回った。一方、現在の景況感を示す指数は63.3(速報値62.3)と、前月の65.5から低下した。今後1年間のインフレ期待値は2%、2月時点では1.9%だった。5年先のインフレ期待値は2.6%と前月の3.1%から低下した。

27.米連邦準備制度理事会(FRB)は27日、最大3000億ドルの米国債買い取りプログラムに基づく2度目の買い取りを実施。2011年4月から2012年4月に償還期限を迎える米国債18銘柄のうち、7銘柄75億4100万ドルを買い取った。このうち56億2500万ドルは2012年3月15日償還の米国債(表面利率1.375%)だった。初回の25日には75億ドルが買い取られた。

28.英銀バークレイズは財務の健全性を審査する英金融サービス機構(FSA)の査定を受けたと言う。FSAは同行の自己資本が、想定されるさまざまなケースにおいて当局が求める水準を満たし続けると判断したという。バークレイズは上場投資信託(ETF)部門、iシェアーズの売却を交渉中。また、債務交換によって資本を強化する可能性もある。

29.バンカメ(BAC)
バンカメのケネス・ルイスCEOは27日、政府は銀行の商業銀行部門と投資銀行部門の分離を検討するべきだと述べた。

30.KBホーム(KBH)
米住宅建設大手のKBホームが27日決算発表。2008年12月−09年2月(第1四半期)の売上高は前年同期比61%減の3億740万ドル、純損失は5810万ドル(1株当たり75セント)となった。予想は、売上高が3億8800万ドル、同純損失は98セントだった。決算は、前年同期比で赤字幅が縮小した。また、住宅市場が悪化する中でも受注は増加した。新築住宅の受注は差し引きで前年同期比26%増の1827件。

キャンセル率は28%と、前四半期の46%から低下した。第1四半期に引き渡した住宅は1445戸と、前年同期から51%減少。平均販売価格は15%下落し、21万700ドルとなった。

31.コンピュウェア(CPWR)
カウエンはコンピューターサービスのコンピュウェアの投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げた。

32.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは欧州オペル部門への出資者を模索するため、コメルツ銀行を起用した。そのうち1人はGMが欧州で最高33億ユーロを調達する計画の一環として、オペルの株式を売却する可能性があると指摘。


ベア材料
1.ゼネラル・エレクトリック(GE)
格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・・サービスは23日、ゼネラル・エレクトリックと金融子会社のGEキャピタルの格付けを、「Aaa」から「Aa2」に引き下げた。格付け見通しは「安定的」とした。

2.ティファニー(TIF)
宝飾品小売り大手のティファニーが23日寄り前決算発表。2008年11−09年1月(第4四半期)の売上高は前年同期比20%減の8億4120万ドル、一部項目を除く1株当たり利益は85セントとなった。予想は、売上高が8億3812万ドル、同EPSが79セントだった。米国の既存店売上高は前年同期比でほぼ3分の2となり、アジアや欧州を上回る落ち込みだった。同社はまた、10年1月通期利益は継続事業ベースで1株当たり1.50−1.60ドル、売上高は前年度比11%減との見通しを示した。1株利益1.70ドルが見込まれていた。

3.英バークレイズの株式ストラテジスト、バリー・ナップ氏は、S&P500種株価指数に採用されている企業の利益が2009年に前年比29%減少するとの見通しを示した。減益幅予想を拡大させた。S&P500指数採用企業の今年の1株利益が41ドルになると予想。従来予想の同46ドルから下方修正した。

4.バーナンキFRB議長とガイトナー米財務長官は24日、下院金融委員会で証言。

   (要旨)
★AIG救済で生じた問題を考慮し、経営危機に陥った金融機関を管理下に置いて清算するための新たな権限が必要だ。AIGの例で明らかになったように、規模が大きくて他社との関係が複雑な非預金金融機関が経営危機に陥ると、銀行の経営危機と同様にシステミックリスクを与えかねない。
★AIGが金融商品部門に支給したボーナスを批判。

5.米連邦住宅金融局(FHFA)が24日発表した1月の住宅価格指数は1年前に比べて6.3%低下。住宅差し押さえが価格を押し下げた。

6.セントルイス連銀のブラード総裁は24日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★現在の情勢下では政策金利から量的な手法へ移行することが適切だ。
★FRBは、ディスインフレの進行と実質金利の上昇を阻止するためにマネタリーベースの伸びを維持する手段として、バランスシートの継続的な構成要素の拡大を続ける。
★中期的な物価動向を制御するため、明確なインフレ目標を導入することが重要。
★インフレ期待の維持でディスインフレやデフレを回避し、実質金利の低下を図るべきだと訴えた。
★当局は金融規制改革を進める一方で、市場機能の早期回復に努める必要がある。

7.ボルカー米経済再生諮問会議議長は24日、中国がドルに対して不満を漏らしていることについて、中国はやや不誠実だと述べた。

   (発言要旨)
★中国がドルを買った一因は自国通貨である人民元の上昇を望んでいなかったためだ。
★金融危機の解決策としてインフレを根付かせてはならない。

8.ニューヨーク連銀のダドリー総裁は24日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★AIGが保有する1兆ドルのデリバティブ契約の解消に際しては、世界経済への影響に留意しながら細心の注意を払う必要がある。

9.米連邦準備制度理事会(FRB)のデューク理事は、信用危機の発生を受けてより精度の高いリスク評価を行うため、監督当局が金融機関の資本水準と流動性を厳重に監視していると述べた。

10.ノーベル経済学賞受賞者でプリンストン大学のポール・クルーグマン教授は経済・金融危機の深刻化に伴い、米国はいずれ大手銀行を接収する必要が出てくるとの見方を示した。

   (発言要旨)
★すべての負債を保証しても、大手銀行を接収することになる。
★米経済は今年後半までは安定しないだろう。
★米財務省が今週発表した最大1兆ドル規模の官民共同不良資産買い取り制度に関して、極めて散漫で、明確な定義のない手法だ。銀行を再び存続可能にさせるだけの十分な資産価値上昇をもたらす可能性は極めて低く、納税者にとってはかなり不利な仕組みだ。

11.クリーブランド連銀のピアナルト総裁は25日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米経済は現在、深刻な景気後退の真っただ中にある。国内総生産(GDP)実質成長率は今年上半期に一段と悪化する。景気下振れリスクのうち、金融と経済の情勢が相互に悪影響を及ぼす負の悪循環を特に懸念している。
★ただ政府の景気対策の効果と過剰在庫の解消により、来年には回復が始まる。この見通しには連邦準備制度理事会(FRB)と政府による金融安定化措置が奏功することが前提になっている。

12.バンカメ(BAC)
ムーディーズがバンカメの上位劣後債A2をA3に引き下げた。また、優先債格付けA1をA2に引き下げた。

13.21日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比8000件増加し65万2000件となった。予想は65万件だった。60万件を上回る申請件数はこれで8週連続。4週移動平均は64万9000件と、前週の65万件とほぼ変わらず。

14.オバマ米大統領は26日、景気回復が本格化する前に企業がさらに人員を削減する可能性が高く、海外に移転した雇用の一部は米国には戻りそうにないとの見方を示した。ただし、失業は景気遅行指標であるとし、国民に忍耐を求めた。

15.リッチモンド連銀のラッカー総裁26日、サウスカロライナ州で講演した。

   (発言要旨)
★FRBが打ち出した長期国債の買い取りを含む量的金融緩和の拡充措置について、異例の政策対応としながらも適切だと考える。
★我々は過去6カ月足らずでマネタリーベースの驚異的な拡大を導いた。さらに先週発表されたFOMCの声明は、この先さらに急速な拡張があると表明している。
★これほど大幅なマネタリーベースの拡大は、非常に強いインフレ圧力の発生を伴わずに、いつまでも放置することはできない。

16.ドイツ銀行のアナリスト、マイク・マヨ氏は、CLSAアジアパシフィック・マーケッツ傘下のカリヨン証券部門に移籍する。ドイツ銀での同氏の後任はスイスの銀行大手UBSをこのほど退社したグレン・ショアー氏のもよう。マヨ氏は2007年3月にプルデンシャル・エクイティ・グループからドイツ銀入りした。ドイツ銀の前にはクレディ・スイス・ファースト・ボストンやリーマン・ブラザーズ・ホールディングス、UBS、米連邦準備制度理事会(FRB)などに勤務した経歴を持つ。一方のショアー氏は、投資専門誌インスティチューショナル・インベスターが選ぶブローカー・資産運用会社担当のアナリスト番付で2位にランクされた。

17.ガイトナー米財務長官は26日、下院金融委員会で証言し、金融危機が原因の信頼感の欠如は悪影響が大きいと述べ、その回復に向けて米金融システムには広範で抜本的な規制改革が必要であるとの認識を示した。大手金融機関を監督し、システミックリスクを監視する単一規制機関の設立のほか、問題が発生した企業を接収する権限を連邦政府に付与するよう訴えた。オバマ政権の規制改革案は、ヘッジファンドやプライベート・エクイティ投資会社、ベンチャーキャピタル・ファンドのSECへの登録。さらにデリバティブについて、決済機構を通じた取引を義務付けると言うもの。

18.米下院金融委員会は26日、米政府の支援を受けた企業のボーナス支払いを制限する法案を可決した。法案は公的資金が返済されるまで、業務の成果に基づかず、米財務省が、根拠がない、または過剰と判断する賞与の支払いを禁止する内容。

19.ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授は26日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米経済は年末までマイナス成長が続き、株価が下落するとともに銀行の国有化が必要になるだろう。
★3月の米株上昇は弱気相場のなかの一時的な反発にすぎず、米国債利回りは引き続き比較的低水準を維持するだろう。
★今週発表された銀行の不良資産処理に向けた米財務省の計画については、既に支払い不能に陥っている銀行を救うには不十分だ。
★米国での融資債権と証券類からの損失が総額で3兆6000億ドルに上ると予想。米政府が進めている銀行の資本査定の結果、一部の銀行については、国有化し健全資産と不良資産を分離した後に再民営化する以外に方法がない。
★デフレ圧力が最大3年は消えず、米国債利回りが比較的低水準にとどまるとともに、米住宅価格は向こう1年半でさらに最大20%下落する公算がある。ドルは安全資産への逃避で一時的に上昇するものの、最終的には下落するだろう。

20.ミネアポリス連銀のスターン総裁は26日、ミネアポリスで講演した。

   (発言要旨)
★米経済は最低でも今年半ばまで続く公算が大きい深刻な景気後退の真っただ中にある。
★現在の信用収縮が重大かつ波及力を持つ。こうした情勢が当面は経済の重しとなる可能性が高い。
★一方で大幅な金融緩和により異例の低金利が続き、金融情勢は一律ではないにせよ改善しつつある。大型の財政出動を伴う刺激策が進行中であり、適切な時期に総需要を押し上げるはずだ。このため景気回復はそれほど遠くないと考える理由がある。
★健全な成長の回復は2010年の半ば以降になる。

21.2月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増加(前月は1%増)と、予想に一致した。2月の個人所得は前月比0.2%減少(前月は0.2%増)と、予想(0.1%減)より落ち込みが大きかった。PCE価格指数は前年同月比で1%上昇(前月は0.8%上昇)。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前年同期比で1.8%上昇と、市場予想(1.6%上昇)を上回った。可処分所得は0.1%減少(前月は1.6%増加)。

22.ゴールドマン・サックスのストラテジスト、アビー・ジョゼフ・コーエン氏は27日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★今までに銀行について大量の悪いニュースが出たが、まだ出てくると考えている。
★米経済については、悪いなりに改善しているもよう。政府の景気対策の効果が浸透するにつれて年末までにはプラス成長に転じる可能性がある。
★S&P500指数の期間1年の適正水準は26日引け値(832.86)に比べ23%高い1025である。構成企業の今年の1株当たり利益は平均で40ドル近くになるだろう。
★ヨーロッパ経済は懸念すべき状況だ。極めて脆弱状態でとどまろう。

23.インテル(INTC)
半導体最大手インテルは、買収準備のため、最大10億ドルの増資計画を26日発表した。

24.アクセンチュア(ACN)
世界2位の技術コンサルティング会社、アクセンチュアが26日引け後示した2009年3−5月(第3四半期)売上高見通しはアナリスト予想を下回った。同社はまた、09年8月期売上高見通しを下方修正した。

25.米調査会社フリーマンの調査報告によれば、今年1−3月期に完了した企業の合併・買収(M&A)に関して銀行が得た助言手数料収入は31億ドルと、約10年ぶりの低水準に落ち込んだ。リセッションの影響で、M&A案件の成立が難しくなっていることが背景にある。前年同期の手数料収入は98億ドルだった。信用危機で買収資金の調達が困難となるなか、企業は買収を先送りしている。1−3月期に完了した企業買収の額は33%減の3910億ドルとなった。1−3月期のアドバイザー順位ではゴールドマン・サックスがトップで、これにシティグループとバンカメが続いた。

26.中国の工業企業の利益は、世界的リセッションで外需が縮小するなか、統計開始以来で初めて減少に転じた。中国国家統計局が27日発表した1−2月期の工業企業の利益は2191億元(3兆1600億円)で、前年同期比37.3%減少した。2008年1−2月期には同16.5%増加していた。統計開始は07年2月。

27.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、米国と欧州のレバレッジド・バイアウト向けローンを担保とする約460億ドルの証券の格付けを引き下げたと発表した。ムーディーズは融資からのキャッシュフローを裏付けとしたCLO2071件の格付けを引き下げた。

28.AIG(AIG)
AIG傘下でスイスに本拠を置くAIGプライベート・エクイティは、運用ミスに伴いポートフォリオの評価を46%引き下げた。

29.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
ゴールドマン・サックスはアマゾン・ドット・コムを「コンビクションバイ(強い買い推奨)」リストから外した。株価に割安感がなくなったことが理由。



=以上=
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2009年03月23日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 3/22

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

3月22日

森  崇


ブル材料
1.ガイトナー米財務長官は、銀行の不良債権処理と融資の促進に向けた政策の詳細を近く公表すると述べた。

   (金融安定化策の3本柱)
@大手米銀への追加資本注入→現在大手銀の資本査定を進めている。

A最大1兆ドル(約98兆円)規模の銀行不良資産を処理する官民共同のプログラム→向こう1週間以内により多くの情報が公表される見込み。財務省は投資家が新プログラムについて判断するのに十分な情報を与え、運用上の時間枠を明らかにするという。

B融資促進に向け米連邦準備制度理事会(FRB)とともに最大1兆ドルを融資するプログラム→ターム物資産担保証券(ABS)ローン制度(TALF)は、ABS市場の活性化を図るためFRBがABSを担保に融資する制度。FRBは先週、初回の利用申し込みの期限を2日延期し、19日とした。契約の詳細をめぐる投資家とブローカーの合意が遅れているため。

2.クライスラーは16日、提案されているイタリアの同業フィアットとの提携で得られる技術は最大で100億ドルに相当するとの見方を示した。

3.ニューヨーク連邦準備銀行は16日、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)などの政府系住宅金融会社が保証した住宅ローン担保証券(MBS)計44億6800万ドルを買い取ったと発表。MBSの買い取りを開始した1月以降の累計買い取り額は、約460億ドルに達した。

4.英銀3位のバークレイズは16日、2009年は力強い滑り出しとなり、事業は引き続き好調を維持していると明らかにした。資産運用部門バークレイズ・グローバル・インベスターズの上場投資信託(ETF)部門、iシェアーズの売却をめぐり買い手候補と協議したことを明らかにした。英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とロイズ・バンキング・グループは政府支援を受け入れ、政府持ち分は最大で75%に上る。バークレイズは1月、公的資金は必要ないと表明。バークレイズ・グローバルの記録的な収入と米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの北米事業買収が業績を支えていると説明した。

5.ゼネラル・エレクトリック(GE)
UBSが強気コメント。減配を発表し、S&PによるAAへの格下げがあった今、悪材料はかなり株価に織り込まれたと言う。S&PがGEの見通しを“安定的”に引き上げたこともポジティブだった。

6.素材株
アルミや銅価格が上昇した。中国による輸入が2004年以来最高水準となったことが材料。

7.エイボン・プロダクツ(AVP)
化粧品訪問販売大手に好材料。今週号バロンズ紙が、同社株は来年には倍になるかもしれないとした。販売力拡充、ドル高などが追い風になると言う。

8.2月の住宅着工件数は58万3000戸(前月は47万7000戸)と、前月比で22%急増し、予想(45万戸)を大幅に上回った。増加率は1990年以来で最大だった。特に集合住宅の着工件数が拡大した。先行指標となる2月の住宅着工許可件数は3%増の54万7000件と、予想(50万件)を上回った。一戸建て住宅の着工件数は前月比1.1%増加し、35万7000戸。集合住宅は22万6000戸と、前月の12万4000戸から82%急増した。地域別で見ると、特に北東部が著しく伸び、89%急増した。

9.FRBは17日、銀行持ち株会社の中核的自己資本(Tier1)に信託優先証券などを算入することに新たな制限を設ける規制の適用を2年間先送りすると発表した。新規制の適用は当初3月末に予定されていたが、2011年に先送りされる。 金融市場の圧迫継続に加え、銀行持ち株会社の自己資本水準の引き上げ努力を考慮した。

10.2月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比0.1%上昇(1月は0.8%上昇)し、予想(0.4%の上昇)を下回った。食品とエネルギー価格を除いたコア指数は0.2%上昇(前月0.4%上昇)と、市場予想の0.1%上昇を上回った。

   (PPIの項目別動向)
エネルギーコストが前月比1.3%上昇、たばこは2.7%上昇と2年ぶりの大幅上昇。ライトトラックは1.3%上昇。中間財価格は0.9%低下(前月0.7%低下)。原材料価格は4.5%低下(前月2.9%低下)だった。

11.シスコ・システムズ(CSCO)
ネットワーク機器シスコシステムズ株がゴールドマン・サックスの“強い買い推奨リスト”に掲載されたことから、ハイテク株全般に安心買いが広がった。同社のブレイド・サーバーにより、より少ない人力で広範なアプリケーションを付加出来ると言う。

12.ホーム・デポ(HD)
リフォーム用品小売大手の同社の投資判断が引き上げになった。ジェフリーズが、“保有”から“買い”に。市場シェアを拡大している可能性があると言う。これを受け、ウェルマートなども高い。

13.コールズ・コープ(KSS)
ジェフリーズが、“保有”から“買い”に投資判断を引き上げた。売上高が予想を上回る可能性が高いと言う。

14.ファクトセット・リサーチ・システムズ(FDS)
金融データ・プロバイダーが強気コメント。第3四半期の一部項目を除くEPSが最低72セントになると言う。予想は71セントだった。

15.アップル(AAPL)
アップルが、iPhoneが80カ国でうられ、これまでに1700万個売り上げたと強気データを公表したことから上昇を牽引した。

16.メレディス・ホイットニー・アドバイザリー・グループの創業者メレディス・ホイットニー氏は17日、シティグループとクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレスの組み合わせは、大手金融機関が今回の銀行危機を乗り切るために理にかなった合併の一例だとの見解を示した。アメックスはシティの資金調達力から恩恵を受けるとし、加えて、両社のクレジットカード部門の統合は双方にとって利益になると指摘した。

17.ゼネラル・モーターズ(GM)
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のリック・ワゴナーCEOが、破産法適用を申請せずに会社を立て直すことに自信を示したと17日付のWSJ紙が報じた。ワゴナーCEOはGMの問題の99%は破産申請せずに解決できるとし、破産申請は収入急減につながる恐れがあるとの見解を示した。

18.欧州最大の銀行、英HSBCホールディングスは17日、2月の業績は自社予想の範囲内だったと発表。1月の業績は堅調で、当社の予想以上だった。2月は予想の範囲内だったと述べた。

19.FOMCはFF金利の誘導目標を0−0.25%の範囲に据え置くとともに、当面は異例の超低金利が妥当となる公算が大きいとコメント。

   (FOMC声明の主なポイント)
★長期国債を今後6カ月間にわたり最大3000億ドル購入する。
★住宅ローン担保証券(MBS)の購入枠を7500億ドル引き上げ、年内の購入規模を最大1兆2500億ドルとする。
★政府機関債の購入枠を1000億ドル引き上げ、年内の購入規模を最大2000億ドルとする。
★消費者、中小企業向け債権の証券化市場の支援措置(TALF)で担保条件を緩和し金融資産も担保として認める見通し。

20.オバマ政権はターム物資産担保証券ローン制度(TALF)の購入対象に、銀行が保有する問題資産を加えることを検討しているもよう。また、米当局は消費者ローン促進を目的としたFRBのTALFと、財務省が計画している官民合同投資ファンドの統合や、米連邦預金保険公社(FDIC)の役割拡大も検討していると言う。

21.IBM(IBM)
IBMはサーバー大手のサン・マイクロシステムズの買収で交渉を進めている。サーバー市場でのシェア拡大を狙う。WSJ紙は、IBMはサン買収に65億ドル以上を支払う可能性があると報じた。これはサンの前日株価終値(4.97ドル)を基に算出した同社時価総額のほぼ2倍に相当する。

   (IBMにとってのメリット)
★サンの顧客にはゼネラル・エレクトリックやゼネラル・モーターズが含まれている。
★サンのソフトウエア事業を獲得できる。サンはOS「ソラリス」を手掛けており、これは無償配布のOS「Linux(リナックス)」やマイクロソフトの「ウィンドウズ」と競合する。

22.ロッチデール・セキュリティーズの銀行アナリスト、リチャード・ボーブ氏は18日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーが証券トレーディングと販売で、価格上昇と出来高増加の恩恵を受けている。
★両社にとって今期は非常に良い四半期になるはずだ。
★プライベート・エクイティ投資や信用デリバティブ、プライムブローカーなど業績が悪化した一部の業務はまだ立て直しが必要だが、トレーディングや証券販売という中核事業は両方とも年度を通じて好調になるだろう。
★ゴールドマンとモルガン・スタンレーは、通期の収益が非常に好ましい内容になるはずだ。

23.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックは19日、金融部門GEキャピタルの今年1−3月(第1四半期)と2009年通期がともに黒字となり、通期純利益は50億ドルになるとの見通しを示した。シェリンCFOは、一連の状況がかなり悪化しても乗り切れるだけの十分な資本を有していると強調した。

24.自動車部品株に好材料。
米財務省は19日、自動車部品業者が信用危機で受ける打撃を緩和できるよう、最大50億ドルを支援するプラグラムを明らかにした。これを受け、GM、F、TRW、LEA、AXL、MODなどが上伸。

   (具体的内容)
★政府は部品メーカーが自動車メーカーに納入した商品の売掛金を保護、自動車メーカー側の支払いが滞った場合に支払いを肩代わりする。
★部品メーカーが保有する売掛債権の買い取りも実施、資金調達難に直面する部品メーカー各社の資金繰りを支援する。

25.米住宅ローン金利が今週低下。FRBが借り入れコスト低下と住宅市場への支援強化の一環として、住宅ローン担保債(MBS)の購入を2倍に拡大する計画を発表したことが影響した。30年物固定金利は平均4.98%と、1週間前の5.03%から低下し、1月15日終了週に付けた過去最低の4.96%に迫った。

26.2月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.4%低下(1月は0.1%上昇)し、予想(0.6%低下)ほど落ち込まなかった。LEIを構成する10項目のうち4項目がマイナス寄与だった。

   (マイナス寄与項目)
★失業保険申請件数、S&P500指数、消費者期待度指数、週平均労働時間の短縮

   (プラス寄与項目)
★入荷遅延、消費財受注、非国防資本財受注

27.アドバンスト・マイクロデバイシーズ(AMD)
@レイモンド・ジェームスが同社株の投資判断を“アンダー・パフォーム”から“マーケット・パフォーム”に引き上げた。

Aアムテックが同社第1四半期と2009年通期の利益予想を引き上げた。PCの流通網在庫が減少していること、GPUと、3、4コアCPUが好調であることを背景にしている。

28.商品関連株
原油価格が50ドル/バレル、銅価格が4000ドル/メトリック・トンを超えたことから、CLF、CLR、FCX、TCK、PXDなどが軒並み上伸した。

29.アルコア(AA)
JPモルガン・チェースがアルコア株の投資判断を“オーバー・ウェイト”に引き上げた。2009年と10年の利益見通しも引き上げた。

30.ブロケード・コミュニケーションズ(BRCD)
ストアレッジ用スイッチメーカー株の投資判断が“アウトパフォーム”に引き上げられた。RBCキャピタル・マーケッツが引き上げた。

十分なキャッシュ・フローを有し、債務条項を違反する可能性が低いことを背景にしている。

31.ドライシップス(DRYS)
深海用掘削リグ契約(3年間、6億3000万ドル規模)をペトロブラスと締結したと言う。

32.フォード(F)
UBSが同社株のカバレッジを“買い”で開始した。「我々の売上げ見通しによれば、フォードは十分な流動性を有している」と言う。

33.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
UBSが同社株の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。長期的に見て割安であるとしている。

34.メルク(MRK)
カウエンが同社の投資判断を“中立”から“アウトパフォーム”に引き上げた。

35.商品
ゴールドマン・サックスが“商品”の推奨アロケーションを“アンダー・ウェイト”から“中立”に引き上げた。供給サイドが不安定ながら、商品の回復は、今回のリセッションより急速なものになろうとしている。

36.株式上場規制
ナスダック取引所は、現在行われている上場規制の凍結を7月19日まで延長すると言う。株式相場の実態を反映した措置。

37.スリーコム(COMS)
ネットワーク機器メーカー、スリーコムの2008年12月−09年2月期
(第3四半期)決算が19日引け後に発表された。純益が一部項目除き1株当たり12セントとなり、市場予想を20%上回った。

38.インテル(INTC)
ゴールドマン・サックスは19日引け後、インテルの2009年の利益予想を1株当たり30セントと、これまでより50%引き上げた。同社は上方修正の理由として、出荷量の増加を挙げた。

39.パーム(PALM)
携帯情報端末(PDA)メーカーのパームが19日引け後発表した2008年12月−09年2月(第3四半期)決算は赤字額が事前の予想を上回った。また、同社はタッチスクリーン式携帯電話を6月までに発売する予定だと言う。コリガンCEOは「Palm Pre」の投入で、リサーチ・イン・モーションの「ブラックベリー」やアップルの“iPhon”からシェアを奪い、売上高を回復させようとしている。

40.FRBの新しい融資制度、ターム物資産担保証券(ABS)ローン制度(TALF)の初回の募集への申込額は47億ドルとなった。当局は同プログラムによる融資を最大1兆ドルと想定している。申し込みは19日が締め切りだった。47億ドルのうち、19億ドルは自動車ローン担保証券を担保とし、28億ドルはクレジットカード・ローン担保証券を担保としたものだった。ニューヨーク連銀が19日発表。今回の募集で対象に含まれていた学資ローン担保証券と中小企業向け商工ローン担保証券での申し込みはなかった。

41.エクスペディア(EXPE)
シティグループはオンライン旅行会社エクスペディアの株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。市場シェアを拡大する可能性と魅力的な企業価値が背景。


ベア材料
1.AIG(AIG)
@ニューヨーク州のクオモ司法長官は16日、AIGに対し、慰留金支払いの対象となっている職員リストを要求。16日のニューヨーク時間午後4時までに提出がなければ、同社に召喚状を発行すると述べた。

Aオバマ大統領は16日、AIGによる幹部への高額ボーナス支払い計画について、これを阻止するようガイトナー財務長官に指示したことを明らかにした。AIGは2008年分のボーナスの一部として幹部約400人に計約1億6500万ドルを支払う計画。大統領は暴挙と非難し高額ボーナス支払いを阻止する法的手段を追求すると明言した。

2.ガイトナー米財務長官は16日、銀行が融資に消極的になると、ぜい弱な景気がさらに悪化すると述べ、企業融資で一層の努力と信用供与の継続を銀行に求めた。また、オバマ大統領と財務長官は、中小企業の資金繰り支援のため、公的資金を受け取った米金融大手21社に毎月、中小企業への融資状況を報告するよう求めた。

3.ニューヨーク連銀が16日に発表した3月の同地区の製造業景況指数はマイナス38.23(前月はマイナス34.65だった)と、予想(マイナス30.80)を大幅に下回った。2001年の統計開始以来で最低。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…マイナス44.8→指数集計開始以来の最低。
★出荷…マイナス26.7→指数集計開始以来の最低。
★在庫…マイナス27
★仕入れ価格…マイナス14.6
★販売価格…マイナス23.6
★雇用…マイナス38.2

4.米財務省が16日に発表した1月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて430億ドルの売り越し(前月は347億ドルの買い越し)となり、予想(450億ドルの買い越し)に反して売り越しとなった。財務省短期証券(TB)や株式スワップなど短期金融資産を含む金融資産の合計は1489億ドルの売り越し。前月は862億ドルの買い越しだった。

5.全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが16日発表した3月の米住宅市場指数は前月比変わらずの9と、予想に一致した。一戸建て販売の現況指数は7で前月と変わらず。購買見込み客足指数は9と、前月の11から低下した。一方、6カ月先の一戸建て住宅販売見通し指数は前月に引き続き過去最低水準の15だった。

6.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エルエリアン共同CEOは以下の通り発言。

   (発言要旨)
★テクニカル面では、株式相場はいつ反発してもおかしくない時期に来ていた。底入れと呼ぶのは時期尚早だ。
★市場が底入れしたと見る向きは、相場を左右する要因が非常に多いことを認識すべきだ。現在の株価反発の大部分はテクニカルな動きだ。

7.サンディスク(SNDK)
フラッシュ・メモリー・カードメーカーに悪材料。バンカメが、アンダー・パフォームでカバレッジを開始。同社は供給能力過剰が懸念されている。

8.スプリント・ネクステル(S)
全米3位の携帯電話サービス会社株が、ワコビア・キャピタル・マーケッツによって“アウトパフォーム”から“マーケット・パフォーム”に引き下げられた。

9.アルコア(AA)
米最大のアルミメーカー、アルコアは、2009年1−3月(第1四半期)決算で2四半期連続の赤字が見込まれるなか、手元資金を確保するため、普通株と転換社債を発行し、減配とコスト削減を実施する計画を16日引け後発表した。

10.ヌーコア(NUE)
鉄鋼大手に悪材料。第1四半期1株当り損失が65セントに達すると言う。需要低迷が背景。同社は1月、第4四半期レベル(34セント黒字)を超す好業績となる可能性があるとしていた。これを受け、AKスチール(AKS)、USスチール(X)などが軒並み下落。

11.モルガン・スタンレー(MS)
バンカメが同社株の投資判断をアンダー・パフォームに引き下げた。評価損がもっとかさむと言う。商業不動産の評価損を懸念している。一方で、オッペンハイマーがアウト・パフォームでカバレッジ開始した。

12.銀行株
メレディス・ホイットニー氏がCNBCで以下の通り発言。最近発表の銀行の利益については、不良資産に対する評価損や貸倒れなどの項目が除外されており、再度市場を不安に陥れる可能性があると言う。

13.太陽光発電関連
太陽光発電関連のエナジー・コンバージョン(ENER)が第3四半期の売上見通しを引き下げたことから、同業のサンパワー、ファースト・ソラー株の投資判断が引き下げられ、同セクターは全面安。中国のカナディアン・ソーラー(CSIQ)も業績不振だった。バークレイズがサンパワーと、ファースト・ソーラーの投資判断を“オーバー・ウェイト”から“イコール・ウェイト”に引き下げた。また、ドイチェバンクがサンパワーの目標価格を39ドルから29ドルに引き下げた。投資判断は“保有”のまま。

14.シナ・コープ(SINA)
中国のポータル(玄関)サイト運営最大手シナ・コープが16日引け後に示した2009年1−3月(第1四半期)売上高見通しは最大7700万ドルと、予想(8790万ドル)を下回った。

15.プリンストン大学のポール・クルーグマン教授は17日、欧米の景気対策は国内総生産(GDP)の約4%に相当する規模であるべきだとの見解を示した。米国の危機への対応策は十分ではなく、欧州の対策は米国の半分をさらに若干下回ると指摘。これは十分ではない。われわれは本物の脅威に直面しているとした。

16.ファイザー(PFE)
製薬最大手のファイザーは、早ければ17日中にも総額135億ドル(約1兆3344億円)を起債する。発行する社債の年限は2、3、6、10、30年の5種類。ファイザーの2年物変動利付債(発行規模12億5000万ドル)の利回りは3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に約195ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せとなる見込み。3年債(同35億ドル)は利回りが同年限の米国債を約305bp上回る水準で発行されるもよう。6年物(同30億ドル)は340bp、10年物(同32億5000万ドル)は325bp、30年物(同25億ドル)は345bp上乗せされる見通し。起債の幹事はゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BOA)傘下のメリルリンチ、シティグループ、バークレイズが務めている。

17.2月の米消費者物価指数は前月比0.4%上昇(前月は0.3%上昇)と、予想(0.3%上昇)を上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇と予想値(0.1%上昇)を上回る伸びだった。前年同月比では全体のCPIは0.2%上昇した。

   (今回統計の特徴)
エネルギーの中でもガソリン価格が8.3%と上昇が目立った。ただ、前年同月比では36%の大幅低下だった。食品価格は前月比0.1%低下。食品とエネルギーを除く商品価格は1999年9月以降で最大の0.4%上昇。幅広い分野での物価圧力を示した。新車価格は0.8%上昇と、04年11月以来で最大の伸び。衣料品は1.3%上昇と、ほぼ19年ぶりの急上昇となった。一方、航空運賃とホテル代が低下し、帰属家賃の伸びが鈍化した。

18.調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、2008年に清算に追い込まれたヘッジファンドの数は過去最多に上った。同年には全世界で業界全体の約15%に相当する1471本のファンドが閉鎖された。閉鎖ファンド数は今までの最大だった05年の848本を70%上回った。08年10−12月(第4四半期)に閉鎖されたファンドは778本だった。ヘッジファンドの昨年の運用成績は平均でマイナス19%。モルガン・スタンレーによると、顧客資産は6月のピークから37%減少し1兆2000億ドルとなった。

19.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者ビル・グロス氏は、独経済誌マネジャー・マガジンとのインタビューで、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★デフレが経済にとっての本当の敵だ。欧州中央銀行はその危険性に注目すべきだ。
★インフレが危機から脱出するための唯一の方法だ。
★世界経済には最も早い場合で2010年に、弱い回復が見られる。
★米政府の景気対策については不十分だ。景気には数十億ドルではなく、数兆ドルの刺激策が必要だ。

20.中国商務省は18日、清涼飲料最大手のコカ・コーラによる中国ジュースメーカー大手、中国匯源果汁集団の買収を承認しないと発表した。同買収が実現した場合、国内飲料市場の競争に悪影響を及ぼす恐れがあると説明。コカ・コーラの提示額は23億ドルだった。コカ・コーラは炭酸飲料市場での主導的な地位を利用して価格を押し上げたり消費者の選択の幅を狭めたりする恐れがあったと指摘。

21.14日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比1万2000件減の64万6000件となった。予想は65万5000件だった。新規失業保険申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は65万4750件と、前週の65万1000件から増加した。

22.国際通貨基金(IMF)は19日、世界経済成長率予想を下方修正。

   (要旨)
★今年の世界経済の成長率が過去60年間で初めてマイナスに転じ、1.0%から0.5%減に悪化するだろう。1月時点予想は0.5%増だった。以下が内訳。
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★来年は世界全体が1.5%〜2.5%増に回復するとみているが、日本は0.2%減と3年連続のマイナス成長となる見込み。
★今後の対策としては、各国が協調して金融政策や財政出動を強化する必要性がある。

23.シティ・グループ(C)
@シティグループは、クレジットカード・ローン債権からの支払いを裏付けとした証券30億ドル相当の発行を計画。同証券は、FRBのターム物資産担保証券ローン制度(TALF)の対象となる。同証券の格付けは「AAA」で年限は2.97年。利回りは1カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に1.75%上乗せする公算。TALF向けのクレジットカード・ローン担保証券の発行はこれが初めて。

Aシティグループは19日、普通株発行を米証券取引委員会(SEC)に申請した。優先証券を普通株に転換するため。同行は2月27日、米政府が保有する優先株の最大250億ドル相当を、他の投資家が持つ約275億ドル相当の優先証券とともに普通株に転換する計画を発表。普通株発行の届け出はこの計画の一部。転換価格は1株3.25ドルに設定された。転換後、米財務省のシティ株保有比率は36%となる。

24.国際通貨基金(IMF)は19日に公表したリポートで、金融システム修復に向けたガイトナー米財務長官の政策について、一番肝心の詳細に欠けていると批判。同リポートは13、14日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に向けて準備された。不良資産の価値判断に関する最重要の詳細が依然として不透明だと指摘。米国の政策は深刻な資本不足に陥っている銀行や支払い不能に陥った銀行をどの程度厳格に整理するのかという問題に取り組んでおらず、政府保有の優先株を保持する機関の役割も明確にしていないと批判した。

25.インテル(INTC)
レイモンド・ジェームスがインテル株の投資判断を“強い買い”から“アウト・パフォーム”に引き下げた。

26.ナイト・キャピタル・グループ(NITE)
証券ブローカー株がゴールドマン・サックスによって“中立”に引き下げられた。法定取引料の引き上げによって利益が減少するだろうと言う。

27.エクスペディア(EXPE)
世界最大のオンライン旅行代理店株の投資判断が“中立”に引き下げられた。JPモルガン・チェースが引き下げた。

28.フィラデルフィア連銀が19日に発表した3月の同地区製造業景況指数はマイナス35(前月はマイナス41.3)と、予想(マイナス39)より落ち込みは少なかった。ただし、6カ月連続でマイナスを記録。今後6カ月の予想指数は14.5と、前月の15.9から低下した。

   (主要コンポーネント内訳)
★雇用…マイナス52
★新規受注…マイナス40.7
★仕入れ価格…マイナス31.3
★販売価格…マイナス32.6

29.プルデンシャル・フィナンシャル(PRU)
保険大手に悪材料。ムーディーズが同社のシニア債を格下げした。投資損失と株式相場の継続的下落が背景。

30.国際航空運送協会(IATA)は19日、世界的なリセッションの影響で旅行需要が減少するなか、2009年の世界の航空業界全体の損失が従来予想の25億ドルを上回る可能性があるとの見通しを示した。世界の航空各社は、景気低迷を乗り切るため、人員削減や路線縮小、航空機の地上待機を進めているIATAによると、2008年の航空業界の損失は世界全体で最大80億ドルに上った。

31.ゼネラル・エレクトリック(GE)
モルガン・スタンレーがGEの2009年度通期ベース予想EPSを85セントに下方修正。今年GEキャピタルに100億ドルの資金注入する必要があると言う。また、シティグループも利益予想を引き下げた。

32.GMとクライスラー
オバマ大統領直属の自動車業界作業部会を率いる財務省のスティーブン・ラトナー氏は20日、ゼネラル・モーターズとクライスラーに必要な政府支援の総額について、両社が求めている216億ドルを大幅に上回る可能性があると述べた。

   (発言要旨)
★3月31日までに方向性を示す(支援承認を勧告するのか、両社に破たんを勧めるのか)。
★両社が示した計画はやや野心的だ。すべての経営者と同じように、両社は事業に対して妥当な範囲でやや楽観的な見解を恐らく持っている。そのため、より多くの支援が必要になる可能性を否定できない。
★全米自動車労組(UAW)やGMの債権者が両社との妥協を図る上で、期限を設定する可能性がある。

33.国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が19日発表した2月の北米半導体製造装置の受注額(3カ月平均、速報値)は、前月比5%減、前年同月比78%減の2億6350万ドルとなり、1991年の統計開始以来過去最低を記録した。BBレシオは0.48と、前月の0.47から0.01ポイント上昇。

34.アメリカン・インターナショナル(AIG)
@米上院はアメリカン・インターナショナル・グループなど公的資金注入を受けた企業の従業員のボーナスに70%の税金を課す法案を来週採決する。企業と従業員が半分ずつ負担する。下院は19日、ボーナスに90%課税する法案を圧倒的多数で可決した。下院は、米金融安定化策に基づき50億ドル超を受け取った企業で報酬が25万ドルを超える従業員のボーナスに課税する案を可決した。

AAIGの高額ボーナスについて、ニューヨーク州のクオモ司法長官は19日、だれがいくら受け取ったのかを記載したリストをAIGから入手したと発表。クオモ氏は「だれがボーナスを返金するか、この数日間で見極める」と声明を出した。

35.ゼロックス(XRX)
プリンター大手のゼロックスは20日、2009年1−3月(第1四半期)の1株利益見通しを3−5セントに下方修正した。従来は16−20セントと見込んでいた。

36.経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は20日、2009年の中国の成長予想を最低で6%に下方修正する可能性があることを明らかにした。OECDは昨年11月時点で、09年の中国の経済成長を8%と予想していた。OECDは3月31日に予想の修正値を公表し、成長予想は6−7%となる見通し。世界銀行は今週、中国の経済成長予想を6.5%に下方修正した。

37.モルガン・スタンレー(MS)
フォックス・ピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーのアナリスト、デービッド・トローン氏は20日、モルガン・スタンレーの12−2月(第1四半期)決算は赤字になるとの予想を示した。トレーディング収入の改善よりも、住宅ローンや商用不動産ロ ーン、レバレッジド・ローンに絡む評価損の影響の方が大きいとの見方が背景。同氏はモルガンの12−2月期の1株当たり業績が12セントの赤字になると予想している。従来予想は同22セントの黒字だった。資産の評価損や損失がさらに20億ドル膨らみ、モルガンのクレジットスプレッド縮小が利益予想の下方修正につながった。

38.MGMミラージュ(MGM)
S&Pは、カジノ運営大手MGMミラージュの信用格付けを2段階引き下げて「CCC」とした。

39.スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイド(HOT)
フリードマン・ビリングズ・ラムジーは、米ホテル3位のスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドの株式投資判断を「マーケットパフォーム」から「アンダーパフォーム」へ引き下げた。

40.英誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)は、世界経済が恐慌に陥るリスクを30%と分析。EIUは恐慌の定義を、2009年から2013年までの世界先進国の平均経済成長率が1%未満にとどまることとしている。また、各国が現在取り組んでいる財政・金融政策が来年までに世界経済を安定化させる確率は60%だとみている。大量の企業破たんや失業でデフレが台頭するだろう。米国経済への信頼感低下によるドルが急落する確率は10%と言う。

41.セントルイス連銀のブラード総裁は20日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★現在の環境においてデフレの可能性は本物だ。世界的なリセッションが現時点の予想よりも長期化した場合、デフレ的な心理が形成される可能性がある。この心理が定着してしまうと、長期的な物価下落に見舞われる恐れがある。



=以上=
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2009年03月16日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 3/15

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

3月15日

森  崇


ブル材料
1.バンカメ(BAC)
@今週号バロンズ紙に以下の通り強気記事が掲載されている。
シティの運命を回避できるチャンスをバンカメは持っている。有形株主資本(株主資本マイナス営業権(のれん))の有形資産に占める割合(有形株主資本レシオ)が、大手投資家から注目されている。保有有価証券や、ローンが不良化した際にその損失を吸収できるクッションとして重視されるに至った。バンカメの有形株主資本レシオは2.68%であり、リスク調整後資産に占める有形株主資本の割合は3.6% である。当局は、3%を目標ラインにおいていると見られ、ルイスCEOは、今年年末までに3%ラインをクリヤーする筈であるとしている。バンカメが3%に到達するために取る手段は、収益力を維持しつつ、資産売却によってバランスシート縮小化を敢行すると言うものである。カントリーワイド・フィナンシャルとメリル・リンチ買収によって今期の収入は1000億ドルを超すだろう。この数字は、値洗い後評価損計上後のものである。また、税、引当て計上前利益ベースで450億ドル〜500億ドルが見込める。ルイスCEOによれば、よほど業況が悪化しない限り、問題とされるクレジット・カード部門やメリル・リンチの影響を控除した後でさえ、今四半期、及び2009年通期ベースでバンカメは黒字になると言う。しかし、トムソン・ロイターによれば、アナリスト予想は、今四半期が1セント赤字、通期ベースが57セント黒字である。

一方、シティ・グループの場合は、今四半期30セント赤字、通期ベース70セント赤字がコンセンサス予想である。

Aバンカメが2010年9月、12年6月満期の社債を発行すると言う。尚この社債は、FDIC(連邦預金保険機構)によって保証される。

2.ゼネラル・モーターズ(GM)
カナダ自動車労組がGMと2012年までの賃金凍結で暫定合意に達した。

3.ゼネラル・エレクトリック(GE)
GEキャピタルが80億ドル分の社債発行を計画している。早ければ本日発表されると言う。4つのトランシェで、固定利付きが2本、フローターが2本である。いずれもFDIC(連邦預金保険機構)によって保証される。

4.キャピタル・ワン・フィナンシャル(COF)
銀行、クレジットカード大手株が急伸。87%の減配(5セントに)により、同行の資本は強化され、短期的株高要因になろうとバークレイズPLCがコメントした。

5.ハリー・バートン(HAL)
世界2位の油井サービス会社株の投資判断がフリードマン・ビリングス・ラムジーによって“マーケット・パフォーム”から“アウトパフォーム”に引き上げられた。

6.トランスオーシャン(RIG)
原油掘削大手株の投資判断がフリードマン・ビリングス・ラムジーによって“マーケット・パフォーム”から“アウトパフォーム”に引き上げられた。

7.投資家マーク・ファーバー氏は9日、以下の通り発言。オバマ大統領は2月、減税や財政出動を柱とした7870億ドルの景気対策法案に署名した。同大統領が議会に提出した2010年度の予算教書によると、政府は金融安定化政策として当初の7000億ドルに加え、追加資金として7500億ドルを求めている。

  (発言要旨)
★株価は今から4月末にかけて上昇する可能性がある。政府の政策は経済活動の押し上げにつながらなくとも、株価を押し上げる可能性はある。株式相場はかなり調整してきている。
★弱気相場が終わる前にS&P500指数はさらに27%下げ、500を割り込む可能性もあるが、投資家は今後10年間にかけて利益を出せるだろう。

8.マクドナルド(MCD)
ファストフード最大手のマクドナルドが9日発表した2月の既存店売上高は、前年同月比で1.4%増加した。米市場の既存店売上高は2.8%増、欧州は0.2%減少、アジア、中東・アフリカ市場は0.7%の増加だった。米国ではバリュー商品、1ドルメニュー商品、スターバックスより安いコーヒーが好調だった。欧州やアジアではスナックサイズのサンドイッチ、チキンラップの売り上げが拡大。

9.インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)
米2位の先物市場運営会社、インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)は、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証を開始するために米証券取引委員気(SEC)から免責を獲得した。6日引け後発表。

10.フォルティス
金融サービス大手フォルティスの株価が9日のブリュッセル市場で18年で最大の上昇を演じた。仏銀BNPパリバがフォルティスのベルギーとルクセンブルクの事業買収で新提案を行ったことが背景。BNPが現金13億8000万ユーロ(約1720億円)を支払いベルギーの保険部門25%を買収する。

また、保険部門の不良資産からの損失可能額は24%低下し7億6000万ユーロとなる。フォルティスは支払い義務を上回る現金を持つ保険会社として再出発する。ベルギー政府が保有するBNP株11.6%が上昇した場合の利益への権利も得ると言う。

11.ジェロン(GERN)
オバマ大統領は9日、再生医療への応用が期待されている胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への政府助成を解禁する大統領令に署名。倫理上問題があるとしてブッシュ前大統領が2001年に禁止して以来の政策転換となる。これを受け、ES細胞研究会社株が急騰。ジェロン・コープ(GERN)、ステム・セルズ(STEM)、アーストローム・バイオサイエンシーズ(ASTM)、サイトーリ・セラピューティクス(CYTX)株が物色された。

12.アップティック・ルール(直近の約定価格より安い値段での空売りを禁じる空売り規制)に関して以下のような材料が出た。

@米下院のフランク金融委員長が10日、アップティック・ルールが近く導入されるとの見通しを示した。同ルールが導入されれば株価の下支え要因になるとして、大半の銘柄で買いが先行した。

ASECも以下の通りコメントした。
★4月の公の会議でアップティック・ルール復活を検討する可能性がある。
★空売りに関連した他の措置も検討する用意がある。

13.ガイトナー財務長官が以下の通り発言した。

  (発言内容)
★米景気は今年下半期に回復過程に入るだろう。
★米政府は銀行システム安定に向け必要な支援を行なう。
★TALFは長期間にわたり継続される。
★金融危機克服に向け継続的な行動が必要だ。
  
14.シティグループ(C)
シティグループのビクラム・パンディットCEOが、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★09年に入ってからの事業の力強さを非常に心強く思っている。今年最初の2カ月は黒字で、今四半期の業績は07年第3四半期以来の好調だ。1、2月は公表済みの評価損を含めないベースで190億ドルの収入があった。
★現在の株価と、当行およびその財務力に対する間違った見方が広く受け入れられていることに不満だ。
★政府が計画に沿って保有する優先株を普通株に転換した後は、有形資産と普通株の比率で見た自己資本比率でシティは米国一になる。
★預金は比較的安定している。また、シティはFRBの銀行資本査定よりも厳格な基準で独自の査定を実施し、資本力に自信がある。2月末までの1年間のコストも81億ドルと目標以上に抑制した。

また、ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は以下の通りコメントした。

   (コメント要旨)
★多くの金融機関にとって今四半期は良い四半期になるだろう。環境は劇的に変わった。競合他社の減少や価格上昇などが背景だ。
★シティの今四半期は1株当たり32セントの赤字と予想されているが、黒字の可能性もある。

15.バーナンキFRB議長は10日、同議長はワシントンで講演した。

   (発言要旨)
★金融システムと経済の過剰な動きを引き起こさないようにするため、規制と会計基準を見直すべきだ。
★トレーディング損失の引当金や預金保険の手数料、マネー・マーケット・ファンド(MMF)の保護など、あらゆる分野での見直しが必要だ。
★深刻な景気悪化に見舞われた場合でもうまく銀行が機能するよう資本充実に向けて、FRBや財務省が必要で適切なあらゆる措置を講じる。
★金融市場機能と信用供与の回復に向け、各国政府は引き続き力強い行動を取る必要があり、適切なら協調行動を取るべきだ。金融システムが安定するまで、持続的な景気回復には至らないだろう。
★悪いシナリオでは、失業率はしばらく平均で10%を超える。10%を超える上昇率は可能性の範囲内に十分あるとわれわれはみている。しかし、それはFOMC参加者の大半の予想ではない。
★大き過ぎて破たんさせることができない企業という問題は深刻だ。巨大な企業には特に厳重な監督が必要になる。
★連邦預金保険公社(FDIC)がすでに預金取扱機関に対して有しているような企業を接収する権限を、他の規制当局にも与える必要がある。
★金融安定化を図る上で重要な支払・決済制度の明確な監督権限をFRBに付与することは好ましいと思われる。
★銀行に負担となっている恐れのある会計規制と資本規制についても見直しが必要だ。価値と損失引当金をめぐる会計基準を一段と見直すことは有用で、景気循環の影響を弱める会計規制に変化できる可能性がある。
★時価評価会計の基本的な原理を強く支持する。それは金融機関のバランスシートの透明性と明確性をできるだけ高めることだ。時価評価会計の停止はまったく支持しない。ただ、金融市場が緊張状態にあり、市場で値がつかない場合や流動性が極度に低いような場合は、時価会計による数値は誤解を生んだり、あまり有益でなくなる恐れがある。そのような場合、規制当局は資産評価において妥当な方法で指針を提供することが可能だ。
★デフレは予想していない。
★今後2、3年にわたり、インフレは非常に低い水準で推移するだろう。ただし、FRBはこの先インフレが生じないことを確認するため、適切な時期に金融政策による刺激策を解消する用意がある。

16.銅価格が急伸。中国の先月の銅輸入が急増していたとの観測が高まった。これを受け、フリーポート・マクモラン(FCX)などが急伸。

17.テキサス・インスツルメンツ(TXN)
9日引け後に、業績中間見通しを発表したが、売上高、EPSともに、予想レンジが縮小したのみで、中間点は維持されたため、安心買いが入った。

18.オフィス・デポ(ODP)
第1四半期の利益(金利支払い・税前ベース)は、直前四半期よりはるかに多いだろうとコメントした。

19.ガイトナー財務長官は10日、PBSテレビの番組“チャーリー・ローズ・ショー”で以下の通り発言。これを受け、シティ・グループ(C)、JPモルガン・チェース(JPM)、バンカメ(BAC)などが買われた。

   (発言要旨)
★米銀に資本注入を行 って不良資産の処分を促す一方、民間投資家にも公的融資を提供し、不良資産の購入を後押しする計画を進めている。住宅ローン担保証券(MBS)の取引を再び活性化する狙いがある。

20.6日までの1週間の住宅ローン申請指数は723.4(前週は649.7)から上昇した。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.96%と、前週の5.14%から低下。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…3470.7(前週は3063.4)
★購入指数…253.3(同236.4)

21.アップル(AAPL)
アップルは11日、携帯音楽プレーヤー「iPodシャッフル」の新モデルを発表。同日出荷を開始した。

   (新製品内訳)
★販売価格は79ドルで、従来モデルの半分のサイズながらも記憶容量が2倍となっている。
★最大1000曲を保存することができる。従来モデルの保存曲数は最大500曲で、価格は69ドル。
★曲名やアーティスト名、プレイリストを音声で案内する機能を新たに備えている。

22.サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は11日、以下の通り発言。この際、新たな政策や不良資産となった住宅ローン担保証券(MBS)買い取りの時期などについては言及しなかった。

   (発言要旨)
★景気低迷期が終われば非常に多くの成長の機会がもたらされる。
★企業は人員削減をやめ、失業している労働者を支援し、住宅差し押さえ増加を防ぐ努力をする必要がある。

23.フォード(F)
フォードは11日、労働協約の条件変更で全米自動車労組(UAW)と合意が成立したことで、今年3億7500万ドルを節減できるとの見方を示した。UAWはフォードが提示した新条件の労働協約を9日に承認。フォードは任意従業員福利厚生基金(VEBA)向けに最大65億ドルを株式で支払うことが可能になる。フォードは、小型車「フォーカス」のミシガン州ウェイン工場での生産を中止、隣接する工場に移管することを明らかにした。労働協約改定案では生計費調整の昇給や年間賞与の廃止が盛り込まれている。

24.モルガン・スタンレー(MS)
ゴールドマン・サックスは11日、モルガン・スタンレーの株式投資判断を従来の「ニュートラル(中立)」から「バイ(買い)」に引き上げるとともに、「コンビクションバイ(強い買い推奨)」銘柄リストに加えた。また、2009年度の1株利益予想を1.80ドルと、従来の1.50ドルから引き上げた。08年12月− 09年2月(第1四半期)は1株利益40セント、評価損23億ドルと予想している。期間1年についての株価目標は27ドルとした。資本水準の高さと保有資産の評価やレバレッジが適正なことから、資本市場が回復した際に同業他社を上回るパフォーマンスが望めると言う。

25.ヒューレット・パッカード(HPQ)
UBSが投資判断を“中売”から“買い”に引き上げた。長期投資の観点からは利益を享受できるとしている。

26.インタナショナル・ペーパー(IP)
ゴールドマン・サックスが同社株の投資判断を“売り”から“中立”に引き上げた。

27.モトローラ(MOT)
オッペンハイマーが同社株の投資判断を“アウト・パフォーム”に引き上げた。同社のコスト削減策、及び今年下半期からのスマートフォン発売を背景にしている。

28.マーシャル・イルズリー(MI)、ジオンズ・バンコーポレーション
モルガン・キーガンが地銀に強気コメント。割安に加え、先行き大幅な株価上昇が見込めると言う。

29.JPモルガン・チェース(JPM)
JPモルガン・チェースのダイモンCEOは11日、同行は2009年1−2月に利益を確保したと述べた。

30.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、全米自動車労組(UAW)との間で暫定合意した労使協約変更による経費節減額について、フォード・モーターが自社の節減額として想定する5億ドルの2倍以上になるとみている。

31.2月の小売売上高(速報)は前月比0.1%減少(1月は1.8%増)し、予想(0.5%減)より落ち込みは少なかった。変動の大きい自動車を除いたベースで2月は0.7%増。0.1%減が見込まれていた。

   (内訳)
自動車・同部品の売上高は前月比で4.3%減、建設資材や食料品、飲食店での売上高もマイナスだった。一方、ガソリンスタンドの売上高は前月比3.4%増加した。ガソリンを除くと、2月の小売売上高は前月比で0.4%減少した。

32.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは12日、オバマ大統領の自動車業界作業部会に対し、会社存続のために今月末までに必要だとしていた20億ドルの追加支援は不要になったとの見解を示した。コスト削減策の強化が奏功したと言う。

   (GMの発表事項)
★今回の結果については、全社的に進めているコスト削減策への一段の努力、1―2月に予定していた支出を積極的に先送りしたことによるものだ。

33.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックは12日、スタンダード・アンド・プアーズによる格下げは自社の経営、もしくは資金調達に著しく影響しないとの見方を示した。S&PはGEの長期格付けを最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げた。格付け見通しは「安定的」。格付けが「AA−」を下回った場合、債務保証や債務契約を実施する際にGEは追加担保を差し出す必要が出てくる恐れがある。格下げの背景はGEキャピッタルの業績不振。S&Pは、今年あるいは来年にGEキャピタルが実質的な利益やキャッシュフローを生み出すとはみていないと述べた。S&Pは1956年以降GEに対し「AAA」格付けを付与してきた。ムーディーズは67年以降、「Aaa」格付けを維持している。

34.バンク・オブ・アメリカ(BAC)
バンカメのケネス・ルイスCEOは12日、今年1月と2月の業績は黒字だったと述べた。また、2009年通期業績は黒字を予想しているとコメントした。

35.ウォーレン・バフェット氏は、デリバティブ(金融派生商品)の販売を拡大する計画だと語った。バフェット氏は、デリバティブ販売を続けるつもりだ。自分で理解できると感じ、利益が上がる確率が高いと考えることは何でもやってみる。もちろん、常に利益が出るということではないと語った。

36.欧州中央銀行(ECB)は、金融政策の実態がゼロ金利に一段と近づいている。ECBは下限政策金利である翌日物の中銀預金金利を今月、0.5%に引き下げた。表向きの政策金利である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利は1.5%であるものの、中銀預金金利はイングランド銀行の政策金利と同水準となったほか、米フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標(0−0.25%レンジ)にも近い。

37.薬品株に強材料が複数出た。
@ファイザー(PFE)
同社のガン治療薬“Sutent”がすい臓腫瘍患者に著しい効果を発現したと言う。

ACVセラピューティクス(CVTX)
ギリアド・サイエンシーズ(GILD)が心臓疾患治療薬で著名な同社を買収すると言う。買収総額は14億ドルで、1株当り20ドルが買収価格。アステラス製薬も敵対的買収を目指し、CVセラピューティクスの取締役総退陣を求めていたが、買収総額11億ドル(1株当り16ドル)は低過ぎると見られていた。

Bセルジーン(CELG)
トマス・ワイゼルが強気コメント。セルジーンの売れ筋で、白血病治療薬“レヴリミド”の高い成長性を指摘。

38.インテル(INTC)
ブロードポイント・アムテックが、インテルの投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。インテルが新たな収益源追求に注力していることを背景にしている。

39.3月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は56.6(前月は56.3)と、予想(55)を上回った。3月の指数を項目別でみると、今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は53と、前月の50.5から上昇した。現在の景況感を示す指数は62.3(前月65.5)だった。この先1年間のインフレ期待値は2.2%と前月の1.9%から上昇したが、5年先の同数値は2.8%と前月の3.1%から低下

40.FRBは13日、米住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)および連邦住宅貸付銀行(FHLB)の債券を買い増す計画。住宅ローン金利を低く抑えるために導入した機関債購入プログラムの一環。FRBは16日に償還期限2013年3月―2015年7月までの債券を購入する見通し。

41.FRBによる新たな融資制度、ターム物資産担保証券ローン制度(TALF)に、米ヘッジファンドも参加する可能性があるとWSJ紙が報じた。TALFは資産担保証券(ABS)を担保に融資するプログラムで総額は1兆ドル規模になる見込み。ハービンジャー・キャピタル・マネジメントやハイブリッジ・キャピタル・マネジメント、ポールソン、シタデル・インベストメント・グループ、サーベラス・キャピタル・マネジメント、DEショー・グループなどがTALFについてさまざまな協議に参加したとしている。

42.2月の輸入物価指数は前月比で0.2%低下(1月は1.2%の低下)と、予想(0.7%低下)を下回る落ち込みだった。ただし、7カ月連続で低下した。2月の石油を除く輸入物価指数は前月比0.6%の低下だった。2月の輸入物価指数は前年同月比では12.8%低下。石油を除くベースでは1.9%低下した。石油・石油製品の輸入価格は前月比3.9%上昇(1月は4.2%低下)した。上昇は昨年7月以来で初めて。前年同月比では52%低下。食品は前月比3.2%低下(1月は前月比変わらず)。前年同月比では0.2%上昇。

43.中国の温家宝首相は13日、第11期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の閉幕後の記者会見で、8%前後とする今年の経済成長目標の実現に関連し、より厳しい局面に対応するための準備はしてある。いつでも新たな経済刺激策を打ち出せると発言した。

44.米財務省のウォン報道官は13日、温首相が同日、中国の保有する米国債に懸念を抱いていると発言したことに関して、以下の通りコメント。

   (発言要旨)
★米国債市場は依然として世界で最も厚みがあり、流動性が高い。
★オバマ大統領は成長再開に必要な措置を取ることに全力を挙げており、今後4年間での財政赤字半減など、財政を持続可能な軌道に戻すことに尽力している。

45.メルク(MRK)
サンフォード・バーンスティンが同社株の投資判断を“マーケット・パフォーム”から“アウトパフォーム”に引き上げた。シェーリング・プラウの買収は、長期的に見て最上の策であるとしている。

46.サンディスク(SNDK)
フラッシュ・メモリーカードメーカーである同社株が急伸。EEタイムズ紙が、サムスン電子か、東芝から新たな買収提案がなされるとの観測記事を掲載した。

47.ラスベガス・サンズ(LVS)
サンフォード・バーンスティンが強気コメント。同社は、エクイティ・ファイナンスや、借り換え交渉などの必要なしに、豊富な資産売却によって債務返済が可能であり、生き残って行けるだろうと言う。

48.ヒューマナ(HUM)
マネージド・ヘルスケアー会社である同社に買収観測が出ている。

49.ファイザー(PFE)
医薬品最大手のファイザーは、同業の米ワイス買収資金に充てるため、最大225億ドルのつなぎ融資契約(期間364日)を締結したと12日引け後発表した。

50.アメリカン・アパレル(APP)
小売大手株が急伸。PEのライオン・キャピタルと8,000万ドルの融資契約を締結。

51.1月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支は360億ドルの赤字(前月の貿易赤字は399億ドル)と、予想(380億ドル赤字)より小幅な赤字となった。赤字幅は2002年10月以来の低水準。前月比では9.7%縮小した。消費者の買い控えが影響した。石油を除くと、1月の貿易赤字は前月比ほぼ変わらずの213億ドルだった。

   (各国別内訳)
対中貿易赤字は206億ドルと、前月の199億ドルから拡大、対カナダの貿易赤字は99年5月以来の最低に縮小したほか、対メキシコの貿易赤字も02年1月以来の低水準。対欧州連合(EU)の貿易赤字は35億ドルと、前月の同70億ドルから半減した。


ベア材料
1.世界銀行は8日、G20協議用にまとめた見通しを発表。国際通貨基金(IMF)も0.5%だった成長率予想をマイナスに下方修正することを検討中と言う。

   (要旨)
★今年の世界経済の成長率が戦後初めてマイナスに転じる可能性がある。
★世界の工業生産も今年半ばには08年と比べ最大15%落ち込む可能性がある。
★世界貿易量も82年以来初めて年間で落ち込み、減少幅は過去80年間で最大になる見込み。
★世界的な不況で途上国への資金の流れが激減し、今年だけで2700億〜7000億ドルの資金不足に直面する。
★先進国は景気刺激策の0.7%を新たに途上国支援に回す必要性があり、インフラ事業などを支える「脆弱化対策支援基金」の発足を提案する。

2.資産家ウォーレン・バフェット氏は9日、CNBCとのインタビューで以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米経済はがけから転落した。また、回復に向けた景気刺激策の結果、インフレ率が1970年代よりも高くなる可能性がある。ただし、ある程度のインフレは現在適切だ。
★米国民が恐怖心や混乱から購買行動を変えており、リセッションを脱しても景気がすぐに回復することはない。
★米議会はオバマ大統領の取り組みを支持するべきだ。
★銀行やアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のような準銀行の救済は必要だった。株主価値は既にほぼ完全に吹き飛んでいるため、国有化に当たって道義的な障害はない。
★企業はレバレッジを高め過ぎ、ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)を設立するなどゲームに走った。米国株式会社は行動を改める余地が十分にある。

3.メルク(MRK)
製薬大手のメルクは、同業のシェリング・プラウを現金と株式を合わせ411億ドルで買収することで合意した。製薬業界ではファイザーが1月26日にワイス買収で合意している。買収総額は約620億ドルだった。

   (具体的条件)
★シェリング株主は保有株1株につきメルク株0.5767株と現金10.50ドルを受け取る。6日のメルク株引け値に基づいた計算では、シェリング株1株を23.61ドルと評価し、買収額は総額で411億ドルとなる。シェリング株の6日引け値に約34%上乗せした水準。
★メルクは買収代金の現金部分を98億ドルの手元資金とJPモルガン・チェースからの85億ドルのファイナンスで賄う。買収は今年10−12月(第4四半期)に完了する予定。
★買収完了後はメルク株主が合併後の新会社の約68%を保有。シェリング株主の持ち分は約32%となる。メルクは、合併が完了後の最初の1年の一部項目を除いた利益に緩やかに寄与し、その後は大きく寄与するとの見通しと言う。メルクのクラークCEOが合併後の新会社を率いる。
★シェリング・プラウは治験の後段階にある新薬を有し、これらは年間60億ドルの売り上げを生む可能性がある。また、コレステロール降下剤「ゼティア」と「バイトリン」で既にメルクと提携している。

4.英バークレイズのバリー・ナップ氏は、S&P500指数が年末時点で760になるとの見通しを示し、従来予測の874から下方修正した。

5.アフラック(AFL)
保険大手同社株の投資判断がUBSによって引き下げられた。“中立”から“売り”に。

6.米国の犯罪史上最大の詐欺事件で逮捕されたナスダック・ストック・マーケットの元会長バーナード・マドフ容疑者は12日に有罪を認める答弁を行うと言う。

7.ムーディーズは10日、デフォルトに陥る危険性が最も高い米企業として、写真用品大手イーストマン・コダックやカジノ・ホテル大手MGMミラージュなど283社を挙げた。投機的等級(ジャンク級)の発行体で「最下層」リストに入った企業の数は1年前の157社からほぼ倍増した。投機的等級の米企業のうち23%超(信用危機前は9%)がリスト入りした。特に自動車や小
売り、メディアなど個人消費の弱さに左右されやすい企業が目立った。

8.ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
ジェットエンジンやエレベーター製造のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)は10日、1万1600人の削減計画を発表。同社は世界的な市場縮小を理由に2009年の売上高が昨年12月時の予想を27億ドル下回ると予想している。人員削減は軟調な売上高見通しに対応するもの。同社は09年の1株当たり利益予想を4−4.50ドルと、1月時の同予想(4.65−5.15ドル)から下方修正した。下方修正後の利益予想は新リストラ計画に伴う経費の1株当たり30−40セントを含み、2億―3億5000万ドルの一時利益が差し引かれている。

9.ジェネンテック(DNA)
スイスのロシュ・ホールディングは、完全子会社化を目指している傘下のジェネンテックの独立取締役らが求めている1株当たり112ドルの未保有株買い取り額について、現実的な想定に基づいていないとする立場を表明。ロシュはすでにジェネンテックの株式56%を保有しており、残る44%の株式取得を目指している。ロシュは今月6日、買収価格を1株当たり93ドル(総額457億ドル)に引き上げた。ジェネンテックは同案を検討中。

10.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者ビル・グロス氏は2月、運用するトータル・リターン・ファンドの米政府債の組み入れ比率を15%と、2007年7月以来の高水準に引き上げた。1月末時点の同資産の保有比率はマイナス2%だった。グロス氏はまた2月に、住宅ローン担保証券(MBS)の保有比率を86%と、前月の83%から増やした。2月の現金相当資産の比率はマイナス25%となった。

11.ナショナル・セミコンダクター(NSM)
ナショナル・セミコンダクターは11日、全従業員の約4分の1に相当する1700人超を削減する計画を発表。また、中国とテキサス州の工場を閉鎖することも明らかにした。3−5月(第4四半期)の売上高については前四半期から最大10%減少すると言う。同社が示した第4四半期の売上高予想は2億6320万ドルとなる。予想は2億9250万ドルだった。景気悪化に伴い、顧客が支出を抑制していることが不振の背景。

12.ステープルズ(SPLS)
オフィス用品小売り最大手のステープルズが11日発表した2008年11月−09年1月(第4四半期)の売上高は61億7000万ドル、税率変更やオランダのコーポレート・エクスプレスの買収費用などの影響を除くベースで1株当たり利益は36セントとなった。予想は、売上高が67億9290万ドル、同EPSは42セントだった。前年同期比で14%の減益となった。企業の支出削減が響いた。ぜい弱な経済環境が今年も続き、短期的な視界が不透明として、売上高や利益の見通しを発表しなかった。

13.アメックス(AXP)
ゴールドマン・サックスが同社株の投資判断を“中立”から“売り”に引き下げた。また、“コンビクションセル(強い売り推奨)”リストに掲載された。収益環境が悪く、ヴィザ・マスターカードとの和解費用を除くベースで、今期は収支トントンになるかもしれないと言う。

14.ファイザー(PFE)
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11日、医薬品大手、ファイザーの長期格付けを「Aa1」から「Aa2」に引き下げたと発表した。

15.鉄鋼株に悪材料。
JPモルガン・チェースが鉄鋼業界の利益予想を引き下げた。また、AKスチール・ホールディング(AKS)、USスチール(X)、アルセロールミタル(MT)、スチール・ダイナミクス(STLD)に対しネガティブ・コメント。今年鉄鋼価格が上昇し、出荷が回復しなければ、借入契約条項に抵触する恐れがあると言う。

16.マイクロソフト(MSFT)
モルガン・スタンレーが、マイクロソフトの利益予想を引き下げた。今年のPC市場は不安定だとしている。

17.世界銀行のゼーリック総裁は13日、2009年は非常に危険な年になりつつあると発言した。各国の景気対策は平均で国内総生産(GDP)の約1.4%にとどまっており、国際通貨基金(IMF)が推奨する2%に達していないと述べた。

18.国際エネルギー機関(IEA)は13日発表した月報で、2009年の世界石油需要見通しを7カ月連続で下方修正した。

   (月報要旨)
★今年の世界需要について日量8440万バレルと、従来予想から27万バレル引き下げた。これにより、今年の需要は前年比で日量125万バレル(1.5%)減となる。
★世界的なリセッションで需要が後退する一方、新規プロジェクトへの投資資金調達のための与信不足やアゼルバイジャンでの生産上の問題が継続しており、OPEC非加盟国からの供給が減りつつある。
★OPEC非加盟国の10年の供給見通しを日量5060万バレルと、従来予想から36万バレル引き下げた。09年の供給量については前年比横ばいと予想。

19.ゴールドマン・サックスは13日、今年の世界経済成長率見通しを下方修正した。欧州のリセッションが従来予想よりも悪化するとの見方を背景に、8日間で2回目の下方修正となった。欧州の2009年経済成長率見通しをマイナス3.6%に引き下げたことから、今年の世界の成長率はマイナス1%になる可能性が高い。ゴールドマンは今月5日、今年の世界国内総生産(GDP)が0.6%の減少になるとの見通しを示し、従来予想の0.2%減から下方修正していた。

20.格付け会社フィッチ・レーティングスは13日、米航空大手アメリカン航空と親会社のAMRの長期信用格付けをいずれも非常に投機的とされる「シングルBマイナス」から、デフォルトの可能性があるとする「トリプルC」へ引き下げたと発表。長期信用格付けの中期的な見通しは、いずれも「ネガティブ」とした。世界的な航空需要の減退で短期的な現金調達が難しくなるとした。

21.ナショナル・セミコンダクター(NSM)
半導体大手株が急落。スタンダード・アンド・プアーズが12日引け後、同社の信用格付けと優先無担保債格付けを従来の「BBB−」から「BB+」へ引き下げたと発表。

22.クレジット・カード会社株
サントラスト・バンクスがネガティブ・コメント。来週、顧客による支払い遅延、不能などの悪材料を相次いで発表するだろうと言う。これを受け、ディスカバー・フィナンシャル(DFS)、キャピタル・ワン・フィナンシャル(COF)、アメリカン・エクスプレス(AXP)などが急落。

23.サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は13日、金融危機が終えんする時期を予測することは不可能だと発言。


=以上=
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2009年03月09日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 3/8

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

3月8日

森  崇


ブル材料
1.1月の個人消費支出(PCE)は前月比0.6%増加(前月は1%の減少)と、予想(0.4%増)を上回った。1月の個人所得は前月比0.4%増加(前月は0.2%の減少)した。主に政府職員の給与引き上げと生計費上昇に伴う年金給付補てんなどが押し上げた。一方、民間を含む全体の賃金・給与は前月比で0.2%減少した。PCE価格指数は前年同月比で0.7%上昇。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前年同期比で1.6%上昇と、2003年12月以来で最小の伸びにとどまった。1月の貯蓄率は5%と、ほぼ14年ぶりの高水準を記録した。

2.バクスター・インターナショナル(BAX)
医療機器大手に好材料。今週号のバロンズ紙が、今年年末までに株価が20%程度上昇する可能性があると言う。利益伸びと、自社株買戻しが背景にある。

3.米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、家計・企業向け融資の拡大を目的としたターム物資産担保証券ローン制度(TALF)を今月25日に開始すると発表した。1兆ドル規模のTALFの支援対象には、車両リースや装置リースに裏付けされた証券も含まれる。また、1兆ドル規模のターム物資産担保証券ローン制度を通じて消費者や企業に資金を貸し出すスポンサー企業に対して幹部報酬制限を適用しないことを明らかにした。

4.フランス銀行のノワイエ総裁は3日、欧州中央銀行(ECB)が市場の流動性を修復し、融資を回復させるためにさらなる非伝統的金融政策を採用する可能性があると述べた。必要となる可能性のあるすべての手段について調べている。流動性を高めるためにECBがとった対策は、これまでのところすべて機能している。また、ユーロ圏の国が破綻(はたん)することは想像できない。ただ、加盟国が脅威にさらされた場合には欧州は介入すべきだとの考えを示した。

5.米財務省は4日、連邦政府による住宅ローン借り換え支援計画について詳細を公表。ガイトナー財務長官は、今回の措置で、全米900万世帯の住宅保有負担が軽減されるだろうとコメント。同支援が適用された場合、ローン金利は最低2%まで引き下げられると言う。対策は、300万−400万世帯を対象とした差し押さえ回避策や、400万−500万世帯を対象とした30年固定の低利ローンへの借り換え支援などが柱となる。

   (骨子)
★申請者は給料明細書を添えた収入証明や所得税申告書、家計上の困難を証明する署名入り文書を提出する必要がある。
★支援対象となるのは、ローンの元本残高が最高72万9750ドルまでの住宅所有者。該当する住宅に居住していることが前提。
★2009年1月1日以前に組成された住宅ローンが対象で、2012年末までの借り換えが可能となる。
★借り手に有利な融資条件への変更に応じた業者に1000ドル(約10万円)の奨励金を支払う。

6.米供給管理協会(ISM)が4日発表した2月の非製造業総合景況指数は41.6(1月は42.9)と予想(41)を上回った。

7.アドビ・システムズ(ADBE)
グラフィックデザインソフト最大手のアドビ・システムズが4日引け後に発表した2008年12月−09年2月(第1四半期)の利益は予想を上回った。

8.アルトリア・グループ(MO)
たばこ大手が、マルボロ初め17ブランドの価格を3月9日から引き上げると言う。たばこ消費税が引き上げられる4月より先に値上げを実施する。

9.ウォルマート・ストアーズ(WMT)
小売り大手のウォルマート・ストアーズは5日、2010年度(10年1月終了)の年間配当を1株当たり1.09ドルと、前年度から15%引き上げると発表した。09年度の年間配当は95セントだった。また、2月の既存店売り上げが5.1%増となり、3ヶ月間予想(3%)を上回った。

10.ECBは5日、政策金利を0.5ポイント引き下げ過去最低の1.5%とした。ECBのトリシェ総裁は5日、1.5%は同中銀にとっての最低ではないと発言し、利下げ継続を示唆した。

11.イングランド銀行(英中央銀行)は5日開いた金融政策委員会で、政策金利のレポ金利を0.5ポイント引き下げ0.5%にすることを決めた。政策金利は1694年の同中銀創設以来の最低を更新した。また、利下げに加えたリセッション対策として、最大150億ポンド相当の国債と社債の買い取りを通じ、英経済に資金を注入することも発表した。

12.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
米銀大手のウェルズ・ファーゴは6日、普通株の四半期配当を34セントから5セントに減額すると発表した。この85%の減配により、年間50億ドルの資金を留保する。同社はまた、1−2月の事業が堅調だったことを明らかにした。また、1、2月に590億ドルの住宅ローン融資を実行したことを明らかにした。これは2008年10−12月(第4四半期)の合計を上回っているという。また、預金残高も伸びたと言う。

13.ゼネラル・エレクトリック(GE)
CNBCは、ゼネラル・エレクトリックの金融子会社GEキャピタルが固定利付き債と変動利付債の買い戻しを提示したと報じた。資本増強策が好感された。

14.シエナ・コープ(CIEN)
CSFBがネットワーク機器メーカー同社株の投資判断を“アンダー・パフォーム”から“中立”に引き下げた。営業費用削減が背景。

15.メーシーズ(M)
ゴールドマン・サックスが同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。また、同社の“コンビクション・バイ・リスト”に掲載された。減配とコスト削減が背景。


ベア材料
1.著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、米経済は2009年を通じて大混乱に見舞われるだろうと発言した。

2.HSBCホールディングスは2日、125億ポンド(約1兆7300億円)の増資と6100人の人員削減を実施するとともに、米国の消費者金融部門を閉鎖する計画を明らかにした。同行は既存株主に保有株12株につき新株5株を1株当たり254ペンスで割り当てる。同時に発表した2008年通期決算は、米サブプライム住宅ローン関連損失が響き大幅減益となった。 08年通期決算は、純利益が57億3000万ドルと、予想(136億ドル)を大幅に下回った。また、通期配当を29%引き下げ1株当たり64セントとすることも発表。

3.米供給管理協会(ISM)が2日 発表した2月の製造業景況指数は35.8(前月は35.6)と、予想(33.8)を上回った。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…33.1(前月33.2)
★輸出指数…37.5(前月37.5)
★在庫指数…37(前月37.5)
★雇用指数…26.1(前月29.9)→統計が始まった1948年以来で最低値。

★仕入れ価格指数…29(前月29)
★輸入指数…32(前月32)

4.1月の建設支出は前月比3.3%減(12月は前月比2.4%減)と、予想(1.5%減)を大幅に上回る落ち込みだった。1月の民間の住宅建設は2.9%減少(前月4.4%減)した。民間と公共部門を合わせた非住居用建設は前月比3.5%減、前年比では2.1%増だった。

5.フレディマック(FRE)
住宅金融のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が2日に発表したところによると、デービッド・モフェットCEOは13日をもってCEO、および取締役を辞任する意向を取締役会会長に伝えた。

6.インターナショナル・ペーパー(IP)
製紙大手インターナショナル・ペーパーは2日、四半期配当を2.5セントに減額すると発表。従来は25セントだった。減配により、四半期当たり1億ドルの現金を確保できるという。

7.KKRファイナンシャル・ホールディングス
投資会社KKRファイナンシャル・ホールディングスは2日、2008年10−12月(第4四半期)決算を発表し、当期の配当、09年も現金による配当支払いの計画がないことを明らかにした。

8.PNCファイナンシャル(PNC)
地銀のPNCファイナンシャル・サービシズ・グループは2日、四半期配当を1株当たり66セントから10セントに減額すると発表した。

9.債券ファンド最大手、PIMCOは2日、クローズドエンド型ファンド3本の配当支払いを延期すると発表。同ファンドは先月2日、配当を実施すると述べていた。「ピムコ・コーポレート・インカム・ファンド」と、「コーポレート・オポチュニティー・ファンド」、「ハイ・インカム・ファンド」の3本について、予定されていた3月2日と4月2日の配当支払いをいずれも実施しないと発表した。

10.ゼネラル・モーターズ(GM)
同社副会長のロバート・ルッツ氏が、今回のリセッションを乗り切るのに、世界中で政府援助が必要だと発言した。

11.ステート・ストリート(STT)
ゴールドマン・サックスが同社株の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。これからの収益環境はますます逆風になるいと言う。

12.SLMコープ(SLM)
スチュウデント・ローン大手株が下げ止まらない。オバマ政権が、補助金廃止を盛り込んだ予算教書を提出したことが背景。

13.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックは、最高格付けの「AAA」を失う危険性に直面しているとの懸念が高まった。前週末にGEは1938年以来、71年ぶりに年間配当の減額を発表。しかし、2日の株価は95年以来の安値に下落した。ムーディーズは同社格付けを据え置くとは言明していない。

14.バーナンキFRB議長は3日、上院予算委員会で証言。

   (証言要旨)
★金融システム支援に向けた資金を現在認められている7000億ドルから拡大する必要に迫られる可能性がある。財政赤字の急拡大というコストを支払ってでも、積極的な対策を取るべきだ。この資金が必要になるかどうかについては、景気動向と現在、実施されている銀行の資本査定の結果次第だ。
★官民の支出を支援することにより、財政出動は今後2年にわたって需要と生産を押し上げ、雇用減少と所得縮小を和らげるはずだ。
★財政支出の景気への影響については、消費者が政府から得た資金を支出よりも債務返済や貯蓄に回す可能性があり、かなりの不透明感がある。
★保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループはヘッジファンドのように運営されていた。その救済には他のどの事例よりも強い怒りを覚える。

15.自動車メーカー各社が3日発表した2月の米自動車販売によると、GMが前年同月比53%減、フォード・モーターが前年同月比48%減少、クライスラーは同44%減少した。自動車販売は年率換算で950万台(季節調整済み)が見込まれている。予想通りとなれば、1982年6月以来の低水準になる。

16.全米不動産業者協会(NAR)が3日に発表した1月の中古住宅販売成約指数は前月比7.7%低下(前月は4.8%の上昇)の80.4と、予想(3.5%低下)より落ち込みが大きかった。尚、この数値は、2001年1月のデータ集計開始以来で最低だった。地域別でみると、成約指数は全米3地域で低下した。特に北東部と南部は前月比13%と12%の低下だった。一方で西部は2.4%上昇した。

17.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、欧州部門オペルの運転資金が今年4−6月(第2四半期)に底を突くリスクがあると指摘、このために3工場を閉鎖する可能性があり、そうなれば最大30万人の職が脅かされると警告。

18.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オルファニデス・キプロス中銀総裁は、ゼロ金利に消極的なトリシェECB総裁に反論。同氏は、ECB当局者の中で最初にゼロ金利への支持を表明した。

19.米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は3日、米銀大手バンカメ(BAC)の長期カウンターパーティー格付けを「A+」から「A」に引き下げたと発表した。見通しはネガティブ。

20.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが4日発表した集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は前月比69万7000人減少(1月は61万4000人減)し、予想(63万人減)を上回る落ち込みだった。

   (業種別雇用動向)
★製造業と建設業を含む財生産部門が33万8000人減少。サービス部門は35万9000人減少した。

21.USバンコープ(USB)
USバンコープは4日、四半期配当を1株当たり42.5セントから5セントに引き下げると発表した。

22.米連邦準備制度理事会(FRB)が4日地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。

   (要旨)
★過去2カ月間、全米大半の地区で経済は一段と悪化した。米個人消費は低迷。製造業の生産活動は顕著に落ち込んいる。全米12地区連銀のうち10連銀が経済状況は悪化もしくは後退していると報告。住宅市場は引き続き大半の地区で低迷している。
★全米で融資が冷え込み、信用の利用はなお厳しい状況が続いている。
★個人消費は多くの地区で若干の改善が指摘されたが、全般的にみて依然として低迷している。
★景気が悪化する中で、例外だったのは食品と製薬。
★住宅価格について年内は下落を予想しており、下落の速度が鈍化する兆しはほとんどないか、まったくない。住宅建設企業は年内回復見通しについてはなお悲観的だ。
★失業者は「すべての部門で増加しており、賃金上昇圧力は鈍化もしくは失われた。

23.アトランタ連銀のロックハート総裁は4日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★不動産価格の下落など商用不動産の問題が、米国の銀行の見通しをさらに悪化させる恐れがある。
★商用不動産は小売りやオフィス、ホテル、工業用などに分類されるが、すべてが問題を抱えている。
★2008年下期に商業用不動産担保証券(CMBS)市場が事実上、凍結したことを背景に、商用不動産ローンの借り換えが困難になっている。
★FRBが緊急融資を実施した分野では回復の兆しがうかがえるが、依然として緊張状態にある。

24.米ダラス連銀のフィッシャー総裁は4日、以下の通り発言。
   (発言要旨)
★景気回復の腰折れにつながらないよう、金融緩和政策を解除するタイミングを誤らないことが肝要だ。
★景気を刺激するために実施している金融緩和を、適切な時期に解除することが大事だ。早過ぎる時期に解除するリスクがある。
★バランスシートが拡大し続けることを望む当局者はいない。導入を余儀なくされた非伝統的な手段からできるだけ早く脱却し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き下げるか、引き上げるか、あるいは据え置くかを決めるだけの昔ながらの退屈な協議に戻れるよう望んでいる。

25.カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は3日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★政策当局者は景気回復のかなり前に金融政策を引き締める必要が出てくる。
★景気回復の確実な兆しを待っていると、インフレを将来引き起こすような投機的なバブル回避に間に合わない可能性が高い。
★金融安定を取り戻すことが景気回復の前提条件だ。
★今年後半に景気改善の兆しが出てくる可能性はあるが、失業率は2010年初めまで高水準のまま推移する。

26.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が4日発表した2月27日までの1週間の住宅ローン申請指数は649.7と、前週の743.5から13%低下した。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.14%と、前週の5.07%から上昇。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…3063.4(前週は3618.0)
★購入指数…236.4(同250.5)

27.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)への公的資金による4回目の救済策は金融システムの破たんを阻止するために必要だったと説明したが、市場が安定・改善しない場合、AIGには一段の政府支援が適切となる可能性があると指摘。

28.ゼネラル・エレクトリック(GE)
総合電機・複合企業のゼネラル・エレクトリック株が急落。金融部門GEキャピルの不振が足かせになり、AAA格付けが引き下げになるとの懸念が高まっている。政府系ファンドがGE株を売っているとの観測も出ていた。

29.トール・ブラザーズ(TOL)
米高級住宅建設最大手トール・ブラザーズが4日寄り前決算発表。2008年11月−09年1月(第1四半期)の売上高は前年同期比51%減の4億900万ドル、純損益は8890万ドル(1株当たり55セント)の赤字となった。予想は、売上高が4億2667万ドル、EPSが42セント赤字だった。決算は、連続で6四半期目の赤字となった。リセッション(景気後退)の深まりを背景とした高級住宅の買い控えが響いた。

30.JPモルガン(JPM)
ムーディーズが、JPモルガンの格付け見通しをネガティブに下げた。

31.クライスラー
1200人の従業員を無期限レイオフにすると発表。

32.中国の温首相は5日、09年の8%の経済成長目標は実現可能な範囲だと述べ、景気刺激策の増額は不要との政府の立場を示唆した。

33.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が5日発表した統計によると、昨年10−12月(第4四半期)の米住宅ローン返済延滞率は7.88%と、1972年のデータ集計開始以来で最高を記録。差し押さえの手続きが開始されたローンの比率は3.3%と、これも統計開始以来の最高だった。返済期限を60日経過したローンおよび90日以上過ぎたローンの比率も統計史上での最高に達した。

34.クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、シティグループの社債保証コストが過去最高に上昇。フェニックス・パートナーズ・グループによると、シティグループの期間5年のCDSスプレッドは35ベーシスポイント拡大し525べーシスポイント。

35.1月の製造業受注額は前月比1.9%減少(12月は4.9%減少)と、予想(3.5%減少)より小幅な落ち込みだった。輸送機器を除く1月の受注は0.9%減。前月の5.4%減からマイナス幅が縮小した。

36.2008年第4四半期の非農業部門労働生産性指数(確定値)は前期比年率0.4%低下と、速報値の3.2%上昇から下方修正された。予想は1.0%上昇だった。第4四半期の単位労働コスト指数は前期比年率5.7%上昇。速報値の1.8%上昇から上方修正され、予想(3.8%上昇)も上回った。労働総投入量は8.3%低下と、1975年以来で最大の落ち込み。生産は8.7%低下と82年以来で最大のマイナスだった。第4四半期の労働生産性は前年同期比では年率2.2%上昇。速報値の2.7%から下方修正された。95年以来の平均は2.5%。

37.ゼネラル・エレクトリック(GE)
GEのキース・シェリンCFOは、GEが「AA」に格下げされるか、「AAA」格付けの見通しが「ネガティブ(弱含み)」になる可能性があるとの認識を示した。

38.ゼネラル・モーターズ(GM)
@GMは米当局への届け出書で、一部債務合意に盛り込まれた取り決めの放棄に関する現在継続中の交渉について、その結果を正確に反映するためにさらなる時間を要するとの見解を示した。

A5日、米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書で事業継続性に疑いがあると指摘し、米政府による追加支援が得られなければ経営破綻(はたん)する恐れを示した。政府に最大166億ドルの追加支援を要請中だが、経営破綻の選択肢が現実味を増している状況が鮮明となった。同社は、報告書で経営再建計画が実現しない場合、事業継続ができず、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の申請を通じて救済を求めざるを得ないと強調した。

39.フォード・モーター(F)
フォード・モーターは、最大104億ドルの債務償還に現金と株式を充てる計画。同社が規制当局への届け出で明らかにした。

40.AIG
コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は5日、上院銀行委員会で証言し、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ救済の決断は困難だったと述べながらも、救済しない場合のコストは非常に大きく、受け入れることができないとの見解を示した。

41.欧州株が急落。
英保険大手アビバが赤字決算を発表。アビバは33%の大幅安。同社は2008年通期で赤字となったにもかかわらず配当を維持。また独鉄鋼大手ザルツギッターは、今年1−6月(上期)は赤字になる可能性があると述べたことが売りにつながった。また、ゴールドマン・サックス・グループが世界景気のさらなる悪化見通しを示したことも材料視された。

42.JPモルガン他、大手米銀
JPモルガン、ウェルス・ファーゴ、バンカメの3行が、ムーディーズによって信用格付けを引き下げられる可能性に直面している。既に、JPモルガンは見通しを“安定的”から“ネガティブ”に引き下げられている。

43.(2月雇用統計内訳)
★非農業部門雇用者数…前月比65万1000人減少(1月は65万5000人減)と予想(65万人)を若干上回る減少だった。これで3カ月連続で60万人以上の雇用減。
★失業率…8.1%(前月は7.6%)と、予想(7.9%)より悪化し、1983年12月以来の高水準に上昇した。
★週平均労働時間…33.3時間で前月と変わらず。製造業部門の週平均労働時間は39.6時間と、前月の39.8時間から減少。
★超過勤務…2.6時間(前月2.8時間)に減少。

   (項目別内訳)
★製造業部門は16万8000人減と前月の25万7000人減からマイナス幅が縮小。機械製造部門は2万5300人減、金属製品は2万7500人減。
★銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は37万5000人減と、前月の27万6000人減からマイナス幅が拡大した。金融機関は4万4000人減少(前月5万2000人減)した。
★小売りは3万9500人減(前月3万8500人減)
★建築部門は10万4000人減(前月11万8000人減)。
★教育や医療関連部門は2万6000人増加した。
★週平均賃金…1ドル増加し、615.05ドル。平均時給は前月比3セント(0.2%)増加し18.47ドルとなった。前年比では3.6%増加。

44.バンカメに買収されたメリルリンチは6日、トレーディング業務の見直しの中で不整合を発見したと言う。6日付のNYタイムズ紙はメリルが為替取引とクレジットデリバティブで昨年、数億ドルの損失を出した可能性があると報じた。損失が明らかになったのは、BOAの株主が昨年12月にメリル買収を承認しメリルが従業員に36億ドルの賞与を支払った後だという。

45.格付け会社フィッチ・レーティングスは6日、アイルランドの長期外貨建て発行体格付け「AAA」を引き下げ方向で見直す「ネガティブウォッチ」に指定したと発表した。

46.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズの経営陣は、連邦破産法の適用を申請して政府支援を受けながら迅速な経営再建を行う選択肢について、従来よりも容認する方向に傾いているようだと、WSJ紙が報じた。

47.ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は6日、世界的なリセッションは2010年末まで続く可能性があると指摘。政府の対策は、あまりにも小規模で、手遅れだ。政府対策は後手に回っている。今回のリセッションは結局、今よりもさらに深刻化する可能性があると語った。

48.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は6日、以下の通り発言。
   (要旨)
★米金融当局は苦戦している大手金融機関に早急に介入し、各社に増資を求めるとともに、普通株への転換が可能な優先株を購入して持ち株を取得する必要がある。
★転換可能な優先株は資本を増強する上で、迅速かつ透明性の高い方法であり、金融機関の救済策としては重要な役割を担う可能性がある。転換の可能性は、株主および債権者の権利を希薄化させることにもなり、この働きが市場の規律向上につながるだろう。

49.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オランダ中銀のウェリンク総裁は6日、世界的な金融危機は終わりには程遠いとの認識を示した。世界の金融システムは深刻に病んでおり、1930年台以降で最も深刻な金融危機からの回復という難題は計り知れないと発言。

50.ニューヨーク連銀のダドリー総裁は6日、以下の通り発言。

   (要旨)
★FRBは、現時点で長期国債の購入が金融市場の情勢を和らげる上で最も効率的な措置ではないと判断している。
★現状では、米国の債務に対する国内、海外からの強い投資意欲がある。
★世界的景気後退と投資家の不安を踏まえると、米国でなければ、どこに投資するのかという結論に達する。

51.アップル(AAPL)
JPモルガン・チェースがアップルの2009年EPS予想を引き下げた。4.82ドルから4.73ドルに。景気悪化によって、iMacとiPhoneの売上に悪影響が出るだろうと言う。

52.REIT
S&Pがカムデン・プロパティ・トラスト(CPT)、ファースト・インダストリアル・レアルティ・トラスト(FR)の信用格付けを下げるとともに、他の9銘柄を格下げ方向で見直しと言う。これを受け、PLD、KIM、SPG、MAC、CBL、DRE等が急落した。


=以上=
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2009年03月05日

市場が注目する官民ファンドの詳細

市場が注目する官民ファンドの詳細

3月4日

森  崇


市場が注目する官民ファンドの詳細
ここまで不良資産の保証に重点を置いた形となり、この官民ファンドに関する具体的条件が未だ提示されていないことに市場は痺れをきらしている。

不良資産買取価格をどうするかが不透明でバットバンク構想も進まない。バッドバンク反対論者の多くは、主にこの不良資産価格算定の難しさを根拠にしている。価格が低過ぎると、銀行はバッドバンクへの売却を避けるだろうし、価格が高過ぎると、納税者負担が増加するからだ。


バッドバンク設立の目処はつかないのか
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は3日、オバマ政権がバッドバンク構想の具体化に着手したと報じている。

ガイトナー米財務長官は2月10日、不良資産を切り離すため官民投資ファンドを設立すると発表していますが、民間の投資マネージャーを起用し、価格決定から資産買取の権限を与えると言うアイディアが浮上している。民間に大部分を任せ、政府が監視するというもの。


では実際バッドバンク構想で利用できる価格算定法は?
★米国債券運用最大手ピムコは各種証券化商品の価格算定モデルを有し、価格算出は可能であるとしている。また、ゴールドマン・サックスは、バッドバンク設立の際は、積極的に不良債権の買い手になると発表している。
★リバース・ディセンディング・クロック入札方式も検討されている。


リバース・ディセンディング・クロック入札方式とは?
逆オークション方式で、売り手側が入札し、最も安い価格を提示した売り手が落札すると言うもの。政府が買い取りを予定する証券の数量、および当初の入札価格を発表し、売り手がこの価格で売却したい証券の数量を提示する。もし、当初価格で政府が望む買い取り数量を、銀行による売却数量が上回れば、政府の目標と銀行が望む数量が一致するまで、政府は買い取り価格を引き下げると言うもの。値段の折り合ったところで取引成立となる。

★バーナンキFRB議長は、“投げ売り価格”ではなく、現在を償還期限と想定しての“満期保有価格”を算定できるとしている。



=以上=
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2009年03月03日

ダウ指数は97年4月以来の、S&P500指数は96年10月以来の低水準

ダウ指数は97年4月以来の、S&P500指数は96年10月以来の低水準

3月2日

森   崇


(本日急落の背景)
1.史上最悪決算を発表したAIGへの4回目の支援策で、市場の懸念が高まった。
米政府がAIG支援。これで4回目。追加増資はAIGが財務省に優先株を段階的に発行し、最大300億ドルを注入する。昨年9月に始まった米政府によるAIG救済は同年中に1500億ドル規模に膨らんだ。同社は子会社売却が進展せず、追加支援を求めるに至った。米当局は声明で、金融市場が改善しない場合、更なる支援が必要になるとコメント。

またAIGが同時に発表した昨年10―12月期決算は、最終損益が616億6000万ドル(約6兆円)の赤字。同7―9月期の244億ドルの赤字から大きく膨らんだ。同社の赤字は5四半期連続。AIGの2008年10−12月(第4四半期)決算は米企業として過去最悪の赤字だった。通期の赤字は993億ドルとなった。07年は62億ドルの黒字。

2.大手銀行株が下げ止まらず。
先週、米財務省が政府保有のシティ優先株の最大250億ドル(約2兆4380億円)相当を普通株に転換することで合意したと発表したことから、実質政府管理下におかれ、株主価値希薄化進捗を背景に売り物が出た。同じように、政府による普通株転換観測が出ているバンカメ(BAC)や、ウェルス・ファーゴ(WFC)なども下げ止まらず。

3.英銀大手HSBCホールディングスは2日、125億ポンド(約1兆7300億円)の増資と6100人の人員削減を実施するとともに、米国の消費者金融部門を閉鎖する計画を明らかにした。優良行と見られていたHSBCの突如の増資発表から、欧州金融界への不安が高まり、ヨーロッパ株中心に、アジア株も安かった。

4.著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、米経済は2009年を通じて大混乱に見舞われるだろうと発言した。

5.減配発表企業が複数あった。
@インターナショナル・ペーパー(IP)
製紙大手インターナショナル・ペーパーは2日、四半期配当を2.5セントに減額すると発表。従来は25セントだった。減配により、四半期当たり1億ドルの現金を確保できるという。

AKKRファイナンシャル・ホールディングス
投資会社KKRファイナンシャル・ホールディングスは2日、2008年10−12月(第4四半期)決算を発表し、当期の配当、09年も現金による配当支払いの計画がないことを明らかにした。

BPNCファイナンシャル(PNC)
地銀のPNCファイナンシャル・サービシズ・グループは2日、四半期配当を1株当たり66セントから10セントに減額すると発表した。

6.株式指数が、テクニカルに売りの出やすいレベルだった。
ダウ指数、S&P500指数が昨年11月の安値を切り下げた。ダウ指数の例で行くと、大きな支持線は7,200ドル(これは2002年10月11日のザラ場の安値7,197.49)だが、これさえも切り下げており、いよいよ6,000ドルまで一気に下落する可能性が出ていた。

相場がこれまでも持続的にしかも世界同時的に下落していたが、その主な背景が以下である。
@金融安定化策に具体性が欠ける。

A規模750億ドル(約7兆200億円)の住宅支援計画を発表したが、この規模では不十分かつ、仕組みが複雑。

BGM、クライスラーが、再建計画を提出したものの、再建案は力不足との評価がもっぱらだった。GMは来月資金が必要になると表明したし、両社とも要求額が多額であるが、政府の自動車業界作業部会との交渉結果が未だ出ていない。

C米財務省が政府保有のシティ優先株の最大250億ドル(約2兆4380億円)相当を普通株に転換することで合意したと発表したことから、実質政府管理下におかれ、株主価値希薄化進捗を背景に売り物が出た。バンカメも急落。政府は国有化の計画を否定するが、銀行の損失を保証するとの現行の政策に則れば、シティ・グループにようになる銀行が更に増加する可能性がある。

Dヨーロッパ株が急落。ラトビア、ウクライナなどの信用格付けがS&Pによって下げられている。東欧は引き続き格下げの対象になっている。この地域へのエクスポジャーを持つ欧米の銀行へのダメージが懸念される。

この内、特に優先度の高いのが@とAであるが、依然として政府からは具体策が提示されていない。相場は痺れを切らし、急落をもって催促してきた。とりわけ、厳密な意味のバッドバンクを設立しないとの発表があってから、下落モメンタムが始まった。

財務省の構想は官民ファンドであり、純粋のバッドバンク設立ではない。しかし、それでも官民ファンドの具体的構図が必要だ。

1990年代に邦銀の不良債権処理が遅れた。日本の失敗はマクロ経済に重大な結果をもたらした。景気後退の長期化を回避する上で一刻も早い不良資産処理が不可欠である。

ボストン連銀のローゼングレン総裁は2日、ワシントンで講演し、官民ファンドに関し、問題資産は政府が最終的な受け皿となるのではなく、新たな買い手に早期に転売することが経済的に最善の手法であると発言している。


(オバマ政権の景気対策への期待が剥落)
全米企業エコノミスト協会(NABE)は2日、経済政策評価のアンケート調査を発表した。景気対策法の効果について、全体の29.4%が「ほとんどない・なし」と回答。「大きい」との答えは10.3%にとどまった。また、景気対策の効果については「わずか」との回答が60.3%で大半を占めた。

大規模な財政出動の実施よりも先に、金融システムの回復を確実にする必要がある。銀行のバランスシートを圧迫している住宅価格の下落を食い止めることも急務だ。バランスシートの資産側が安定しない限り、銀行は立ち直れないからだ。その意味で、@不動産差し押さえ防止に向けた動きA官民共同不良債権買取ファンド構想の具体化が待たれるところ。



=以上=
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2009年03月02日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 3/1

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

3月1日

森  崇


ブル材料
1.シティ・グループ(C)
シティが米政府の普通株保有比率を最大40%まで高める案について協議しているとWSJ紙が報じた。

2.財務省、連邦預金保険公社(FDIC)などと米連邦準備制度理事会(FRB)は23日、断固として金融システムを支えるとする緊急声明を連名で発表。市場の動揺を抑えることを狙ったと見られる。金融システムの緊張状態が続く間は政府が支援する。経済成長の回復に必要な信用を銀行が供与できるよう、政府は銀行に対して十分な資本と流動性を保証するとしている。

3.フォード(F)
フォードと全米自動車労組(UAW)は、フォードの退職者を対象とした任意従業員福利厚生基金(VEBA)の契約変更で暫定合意。UAWのロン・ゲッティルフィンガー委員長が23日明らかにした。双方は2007年に締結した労使協約の一部条項変更についても15日に暫定合意。

4.リード上院院内総務(民主党)は23日、米銀の財務上の健全性は改善に向かうと述べ、国有化を協議する必要はないと語った。

5.ゴールドマン・サックス(GS)
モルガン・スタンレーのアナリストらによると、ゴールドマンの経営幹部らは23日の会合で、金融市場の傾向について比較的楽観的だったと言う。このところの株価下落は昨年末に比べ秩序立っているとの認識を示したという。また、競合他社が減ったことでゴールドマンの価格決定力が高まったと指摘。

6.ホーム・デポ(HD)
住宅関連用品小売り大手のホーム・デポが24日寄り前決算発表。2008年11月−09年1月(第4四半期)の売上高は前年同期比17%減の146億ドル、エキスポ部門閉鎖や人員削減に関連した費用5億5000万ドルを除いたベースの利益は1株当たり19セントとなった。予想は、売上高が147億ドル、同EPSは15セントだった。また、売上高が減少しても今四半期の利益率は横ばい、または若干改善する見込みだと言う。10年1月通期の利益は前年度比7%減少し1株当たり1.27ドル、売上高は同9%減との見通しを示した。ただしこれらはいずれも予想を下回っている。

ホーム・デポは先月、高価格帯の家具やインテリアを専門とするエキスポ部門の34店舗を閉鎖するとともに、総従業員の2%に相当する約7000人の削減も開始した。

7.ラムバス(RMBS)
米最高裁は半導体技術大手ラムバスによるロイヤルティー徴収の制限を求めた米連邦取引委員会(FTC)の訴えを棄却した。

8.メーシーズ(M)
百貨店大手の同社が本日寄り前決算発表。第4四半期の一部項目を除くEPSが1.06ドルと、予想(1.01ドル)を上回った。また、今期通年ベースEPS予想は40セント‐55セントになると言う。予想は52セントだった。また、増収率は6%−8%マイナスになると言う。

9.ノードストローム(JWN)
米高級百貨店チェーン、ノードストロームが23日引け後決算発表。2008年11月−09年1月(第4四半期)の1株当たり利益は31セントとなった。予想は30セントだった。減益となったものの、予想ほどは落ち込まなかった。歳末商戦期間に値引きを抑制したことなどが寄与した。同社は5日、第4四半期の売上高が前年同期比8.5%減の23億ドルだったと発表していた。更に、10年1月通期の1株当たり利益が1.10−1.40ドルになると言う。1.24ドルが見込まれていた。

10.JPモルガン・チェース(JPM)
米銀2位のJPモルガン・チェースは、23日引け後、年50億ドルのコスト削減に向けて、四半期配当を87%減額すると発表。また、2009年1−3月(第1四半期)の1株利益が、予想(34セント)とほぼ同水準になるとの見通しを示した。

11.ベアー連邦預金保険公社(FDIC)総裁がCBSの番組で、大手銀行はいずれも当面は問題ないとし、十分な資本がある。ここで国有化を余儀なくされるとすれば驚きだと発言した。

12.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は25日、下院金融サービス委員会の公聴会で以下の通り発言。

  (発言要旨)
★銀行国有化は政府が銀行を接収し、株主の権利を消滅させることと同義である。FRBはそのようなことは一切計画していない。
★厳重な監視・監督と一体化した政府の少数株保有が国有化とは異なる。
★シティについては、政府が最終的にかなりの株式を買い取る可能性があるものの、同行を規制と株主権利の行使で監視する意向だ。

13.ガイトナー米財務長官は25日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★政府は金融機関による与信が再び円滑に進むよう積極的に行動している。
★大統領が先週発表した住宅支援計画の実行を急いでいる。

14.オバマ米大統領は金融規制制度の抜本的な改革案をまとめるよう経済チームに指示し、議会と数週間以内に法案作成を図る考え。強い金融市場には明確なルールが必要。それは金融機関を妨げるためではなく、消費者と投資家を保護するため。

15.オバマ米大統領は24日夜の施政方針演説で、米金融システムの強化に向けて全力を尽くす姿勢を示した。

  (発言要旨)
★今までのつけを払うべき時が来た。米経済をリセッションから脱却させるためには、大胆な行動とスケールの大きな構想が必要になる。
★国民の銀行預金は安全であり、金融システムの支払い能力は確実に維持される。連邦政府は、一段と困難な情勢にあっても、国民が頼りにする大手金融機関が融資可能な十分な資金と十分な信頼を確保できるよう一丸となって取り組む。

16.米金融監督当局が今後2ヶ月かけて実施する資産査定の19の対象金融機関には、大手行や地方銀行、銀行持ち株会社に最近移行したものが含まれる。財務省は25日、資産規模が1000億ドル超の金融機関を対象とするストレステスト(健全化審査)を盛り込んだ“資本支援計画(CAP)”を発表。14の銀行持ち株会社が1000億ドル超の資産を保有している。ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレー、アメリカン・エキスプレスなども含まれる。

17.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
@保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループは、傘下の米自動車保険部門の売却を取りやめる可能性がある。スイス最大の保険会社チューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズは、同自動車保険部門の買収案を撤回。AIGとチューリッヒの間で価格面での合意が成立しなかった。同社は昨年10月に損害保険事業に集中する方針を発表して以来、これまでに約24億ドル相当の事業資産売却を発表している。
AAIGは、法人顧客向けの損害保険事業を米政府に譲渡する可能性があると言う。

18.カナダの大手銀行、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)とカナディアン・インぺリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)、ナショナル・バンク・オブ・カナダが26日発表した2008年11月−09年1月(第1四半期)決算は、いずれも市場予想を上回る黒字だった。リテール部門が寄与した。世界全体で金融機関の評価損と信用損失が1兆1000億ドルに膨らむ一方、カナダの銀行は規制強化と慎重な融資慣行で損失を抑えている実態が浮き彫りになった。

19.オバマ大統領は26日、予算教書を議会に提出。医療制度の抜本改革と富裕層260万人を対象とした1兆ドル近い増税を盛り込んだほか、金融支援として新たに最大7500億ドルを拠出する権限を確保することが柱となっている。今会計年度(2009年9月末終了)の歳出額は過去最大の3兆9400億ドルとなり、前年度から32%の増加となる。歳出増により、同年度の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに達し、GDPに対する比率は約12%に上昇する。ただし、大統領は最初の任期(4年間)終了までに財政赤字を半減すると公約している。

20.オバマ米大統領は27日、イラク駐留戦闘部隊を2010年8月末までに撤退させると表明した。我々のイラクにおける戦闘任務は2010年8月末をもって終了すると言明。戦闘部隊の撤退後、3万5000人から5万人の米軍がイラクに残り、イラク軍の訓練や資材調達に従事。2011年12月末に全米軍がイラクから撤退する。

21.サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は27日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★FOMCがインフレ抑制に努めているとの信認が、消費者によるインフレ期待の安定化につながった。
★FOMCは先週、長期的なインフレ予測値を2%と発表したが、インフレ期待を2%程度で抑える一助になるだろう。

22.インターパブリック・グループ(IPG)
全米2位の広告会社同社の第4四半期利益が予想を上回った。

23.デル(DELL)
PC直販大手が26日引け後決算発表。売上高が予想を下回った。年末商戦の不振が背景。ただし利益が、コスト削減を背景に予想を上回った。

第4四半期(11 –1 月期)実績
 ○売上高… 134億3,000万ドル(コンセンサス予想は142億6,000万ドル)
 ○1株当たり利益…0.29ドル(コンセンサス予想は0.27ドル)
 ○粗利率…17.2%(前年同期は18.8%だった)


ベア材料
1.アルセロール・ミタル(MT)
@UBSが同社株の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。世界の鉄鋼生産は急速に増加し過ぎたと言う。これを受け、ヌーコアなど他の鉄鋼株も安い。

AEU規制当局から、鉄筋コンクリート用の鉄鋼に関して、価格談合があったとして、同社の子会社が罰金支払いに直面していると言う。

2.ヒューマナ(HUM)
医療保険全米2位のヒューマナがネガティブ・コメント。2010年のメディケア・アドバンテージ・プログラム用暫定料金は、もし提案に変更がなければ、保険会社の保険料にも、加入者ベネフィットにも明らかにネガティブに作用するとコメントした。その他健康保険会社株も急落。UNH、AET、CVH、WLP、HSなどが急落した。

3.ジャナス・キャピタル(JNS)
投資顧問会社の信用格付けがS&Pによって引き下げられた。BB+へと、ジャンク債レベルまで下げられた。

4.ハイテク株
モルガンスタンレーが、顧客向けに、ハイテク株と素材株をアンダー・ウェイトするように推奨した。世界景気は引き続き悪化していると言う。直近の上昇レベルでは売りを推奨。単なるバリュエーションが適正だけの理由では、株は上がらないとしている。収益モメンタムが依然ネガティブだと言う。

5.ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラー
ゼネラル・モーターズとクライスラーに対し、米政府が破綻処理をしたうえで再建を目指す手法の具体的な検討に入ったとWSJ紙が報じた。両社の破綻処理には少なくとも400億ドルの費用が必要だという。オバマ政権は、米連邦破産法11条で両社を破綻処理することを選択肢として真剣に検討しており、JPモルガンなど大口債権者と協議を進めていると言う。破綻処理後に金融機関に再建資金を出資させ、それを政府が保証する形を取る。

6.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
AIGは、米政府に追加支援を求めて交渉している。CNBCは、AIGが最大600億ドルの損失を発表する可能性があると述べた。また、同社が連邦破産法の適用申請の可能性についても検討していると伝えたが、それが実現する見込みはほとんどないと指摘。

7.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
@米政府の公的管理下にある保険大手のAIGは、政府による救済計画を再び見直す可能性がある。同社は、政府保有の優先株の普通株への転換を求めることを発表する公算が大きい。CNBCは23日、AIGが600億ドルの赤字を発表する可能性があると報道した。

AAIGが世界50カ国以上に事業展開する生命保険部門に対して、米生保最大手メットライフと仏アクサから買収提案を受けたと言う。実現すれば、AIGの事業分割プロセスで最も大型の売却案件となりそうだ。

8.バーナンキ米連邦準備制度理事会議長は24日、上院銀行委員会で証言。

  (証言要旨)
★政府と議会、FRBの行動が金融の安定化につながれば、現在のリセッションが09年中に終わり、10年は回復の年となるだろう。
★現在下振れリスクは上振れリスクを恐らく上回っている。強い不透明感が金融当局の予測に暗影を投じている。
★現在、実施されているほかの広範にわたる財政・金融政策と相まって、これらの行動が低インフレ下で、経済成長と労働市場の緩やかな回復につながるとみている。
★米国債の購入が民間市場の金利を低下させ、機能を回復するための最善策だと判断する場合に備え、米国債購入の選択肢は維持しておきたい。政府支援住宅金融機関が発行する証券のほか、保証する住宅ローン担保証券(MBS)の買い取り、さらにターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)の支援規模拡大の可能性が検討されている。

9.2月の米消費者信頼感指数は25に低下(前月は37.4)し、予想(35)を大きく下回った。1967年の統計開始以来で最低値。雇用が十分にあるとする回答は4.4%と、前月の7.1%から低下。一方、現状で雇用確保が困難との回答は47.8%と、1992年以来の高水準に上昇した。

10.格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は24日、ラトビアのソブリン格付けをジャンク級で最も高い「BB+」に引き下げた。

11.全米20都市を対象にした2008年12月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で18.5%低下(前月は18.2%低下)と、予想(18.3%)より大きな落ち込みとなった。01年の集計開始以来で最大の落ち込みを記録。調査対象となった20都市すべてで住宅価格指数が前年同月比で低下。特にフェニックスとラスベガス、サンフランシスコはそれぞれ34%、33%、31%の大幅な低下を記録した。

12.オフィス・デポ(ODP)
世界2位のオフィス用品販売チェーンが寄り前決算発表。第4四半期の一部項目を除くEPSが73セントの損失となった。予想は6セント損失だった。同社は、内部の資産売却対象を探していると言う。

13.PIMCOの共同投資責任者ビル・グロス氏が以下の通りコメント。

  (コメント要旨)
★米国と世界の金融システムに必要なのは信用創造と差し押さえ阻止であって、銀行国有化ではない。国有化するためには、米国だけでも数兆ドルが必要となる。
★1990年代のスウェーデンの国有化との違いについては、同国には1握りの銀行しかないが、米国には7500行の銀行に加え多数の米貯蓄貸付組合(S&L)や信用組合がある。

14.1月の中古住宅販売件数は年率449万戸(前月は474万戸)と、予想(479万戸)を大幅に下回り、1997年以来の低水準を記録。1月の中古住宅価格は前年同月比15%下落。中古住宅販売の45%は差し押さえ物件だった。全米4地域のうち、3地域で中古住宅販売が減少した。特に北東部では15%減少した。西部では販売数は変わらずだった。

15.アムバック(ABK)
金融保証会社(モノライン)大手アムバックが25日寄り前決算発表。2008年10−12月(第4四半期)の1株当り損失(同社が保有、発行、保証する証券の価格変動の影響を除いたベース)は6.79ドルと、予想(同1.80ドルの赤字)より大幅に悪化した。不良資産化した住宅ローン関連証券に対する引当金を積み増したことなどが響いた。アムバックは昨年、銀行とのデフォルト保証契約解除にこぎ着け、地方債に特化した保証会社を開始する方針を示した。

16.20日までの1週間の住宅ローン申請指数は743.5と、前週の875.3から15.1%低下した。金利上昇に伴い借り換えが落ち込んだ。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.07%と、過去2番目に低い水準となった前週の4.99%から上昇。

  (その他主要指数動向)
★借り換え指数…3618.0(前週は4472.9)
★購入指数…250.5(前週は257.3)

17.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、スペイン中銀のオルドネス総裁は25日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★金利を0%に引き下げるべきではないとの見方を支持している。ゼロ金利は投資ファンドなどの一部金融機関にとって安定性を脅かす問題を生み出す可能性がある。
★ECBは引き続き、金融危機への対応策として金利調整以外の従来型ではない新手の政策手段を模索している。

18.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米政府の公的管理下にある保険大手アメリカン・インターナショナル・グループは事業売却を通じて米政府融資600億ドルを返済する計画を立てていたが、十分に有望な買い手が見つからないとして計画を断念する可能性があると見られている。一部事業の権益を米政府に直接譲渡することなどを含め、米政府への債務圧縮に向けた新たな方法を提案しているもよう。

19.大手保険株
リンカーン・ナショナルが、1株当り配当を21セントから1セントに減配。オールステーツも同41セントから20セントに減配。

20.ドリームワークス・アニメーションSKG(DWA)
米映画制作会社ドリームワークスが24日引け後発表した2008年10−12月(第4四半期)の一部項目を除いた1株利益は46セントと、予想を26%下回った。

21.ウィン・リゾーツ(WYNN)
時価総額で米国最大のカジノ会社ウィン・リゾーツは24日引け後決算発表。08年10−12月(第4四半期)の一部項目を除いた1株利益を7セントと、予想を84%下回った。

22.先のラトビアに次いで、ウクライナの信用格付けがS&Pによって2ノッチ引き下げられた。

23.21日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比3万6000人増の66万7000件(前週は63万1000件)と、予想(62万5000件)を大幅に上回った。82年10月以来の最高値。新規失業保険申請件数の4週移動平均(21日に終わった1週間)は63万9000件と、前週の62万件から増加。82年11月以来の高水準となった。

24.1月の米新築一戸建て住宅販売は前月比10%減の30万9000戸(12月は34万4000戸)と、予想(32万4000戸)を下回った。これは、1963年の統計開始以来の最低水準。新築住宅価格の中央値は前年同月比13.5%低下の20万1100ドルと、2003年12月以来の最低となった。新築住宅販売は前年同月比では48%減少した。住宅在庫は3.1%減少の34万2000戸(前月は35万3000戸)、販売に対する在庫比率は13.3ヶ月分と、過去最高に上昇した。

25.1月の米製造業耐久財受注額は前月比5.2%減少(前月は4.6%減少)と、予想(2.5%減)より大幅に悪化した。前月比マイナスは同統計開始以来で最長の6ヶ月連続。1月の耐久財受注額は1638億ドルと、2002年12月以来の最低。変動の大きい輸送用機器を除く受注は2.5%減。市場予想は2.2%減だった。輸送機器の受注は13.5%減。非国防資本財受注は1月に5.4%減。前月は5.8%の減少だった。

26.ゴールドマン・サックスの投資ストラテジスト、デービッド・コスティン氏が以下の通りコメント。

  (コメント要旨)
★S&P500指数は最大15%下がり、650まで下落する可能性がある。年末までには反発するだろうが、年末時点の同指数予想を940と、従来予想の1100から下方修正する。
★景気対策法案の通過と、金融安定化策をめぐる不透明感が幾分晴れた点は評価できるが、株価の継続的上昇には、住宅価格の安定と、金融機関損失に歯止めがかかることが必要で、これがまだ実現から程遠い。

27.サマーズ国家経済会議(NEC)委員長は26日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米経済は1930年代以来で最も急激な下降局面にある。フランクリン・ルーズベルト以来、このような困難な経済状況を引き継いだ大統領はいない。
★米国は、経済と金融市場の弱さが相互に作用する悪循環に陥る危険性がある。
★連邦政府にとって、凍結していた信用市場の解凍を支援すること以外に選択肢はない。
★我々の経済問題は1週間や1ヶ月、あるいは1年で発生したものではないため、1週間や1ヶ月、あるいは1年では解決しない。

28.シアーズ・ホールディングス(SHLD)
米百貨店運営最大手のシアーズ・ホールディングスが26日寄り前決算発表。2008年11月−09年1月(第4四半期)の売上高は前年同期比12%減の133億ドル、オーチャード部門に関連した税引き後経費などを除いたベースでの利益は1株当たり2.94ドルとなった。予想は、売上高が138億9380万ドル、同EPSが2.69ドルだった。純利益が前年同期比で55%減少した。年末商戦が低迷したほか、傘下のオーチャード・サプライ・ハードウェア部門の評価損が響いた。同社は2005年にKマートがシアーズを買収して以来、既存店売上高が毎四半期減少している。

29.オバマ大統領の予算教書に、医療制度の拡充と富裕層への増税が盛り込まれたことから、医療保険会社株が急落。HUM、UNH、WLPなどが売られた。また、スチューデントローンなど補助金を廃止することも提唱したことから、サリー・メイ(SLM)他、大学運営会社アポログループ(APOL)、CECO、ESI、DV、COCOなども急落した。

30.2008年第4四半期(10−12月)の実質国内総生産改定値は前期比年率6.2%減少(速報値は3.8%減少)と、予想(5.4%減少)より大幅に悪化した。第3四半期は0.5%の減少。2四半期連続のマイナス成長は91年以来初めて。

  (主要項目内訳)
★個人消費…4.3%減
★在庫投資…年率換算で199億ドル減
★企業設備投資…21%減(機器・ソフトウエアは29%減)
★純輸出の寄与度…マイナス0.5ポイント
★住宅投資…22%減

31.2月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は56.3(速報値56.2)と、予想(56.0)を若干上回った。今後6ヶ月間の先行き景況感を示す指数は50.5(速報値49.1)と、前月の57.8を下回った。現在の景況感を示す指数は65.5(速報値67.1)に低下した。今後1年間のインフレ期待値は1.9%、1月時点では2.2%だった。5年先のインフレ期待値は3.1%と前月の2.9%から上昇した。

32.ブラックストーン・グループ(BX)
投資会社ブラックストーン・グループが27日寄り前決算発表。2008年10−12月(第4四半期)のIPOに関連したコストを除いたベースの1株当たり損失は68セントとなった。40セントの損失が見込まれていた。結局8億2710万ドルの赤字だった。プライベートエクイティや不動産投資の評価損を計上したことが響いた。

33.ゴールドマン・サックスは27日、東欧諸国のソブリン債は国際通貨基金(IMF)など国際機関からの支援がなければデフォルトに陥る恐れがあると指摘した。外債コストの上昇や輸出の減少を背景に投資家は東欧諸国への投資を回避している。東欧各国の現地通貨や株式、債券相場は下落している。IMFはこれまで、ラトビアやハンガリー、セルビアやウクライナに対し計520億ドル相当を支援している。このほかブルガリアやルーマニア、リトアニア、エストニアにも救済策を講じる可能性がある。

34.シティ・グループ(C)
米政府はシティグループの普通株持ち分を引き上げる。3回目の救済。これにより既存株主の持ち分は74%低下する。可能な最大の優先株が普通株に転換された場合、既存株主の持ち分は26%に低下する。政府は保有するシティの優先株の最大250億ドル相当を普通株に転換する。民間のシティ優先株保有者が同様の転換に合意することが条件。最大額を転換した場合の政府の持ち分は36%となる。政府による救済に伴いシティは四半期配当を1株当たり1セントに引き下げていたが、この日は配当を見送ると発表。また、2008年通期決算を修正し、同年の赤字は先月発表した数字から48%増え277億ドルとなった。この日の合意の一環として、シティは取締役会を刷新し大半を新規の独立取締役で構成することにも同意。シティは昨年10月に250億ドルの公的資金注入を受け、11月にさらに200億ドルを受領。また、3010億ドルの不良資産保証料として70億ドルを優先株で政府に支払った。

35.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリック(GE)は27日、配当を68%引き下げて1株当たり10セントにすると発表した。従来の配当は同31セントだった。ただし、S&Pは、GEの格付けとアウトルックは変わらずとコメントした。

36.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)は、ドイツなどの欧州各国政府から傘下オペルの運転資金として33億ユーロ(約4100億円)の支援を要請するにあたり、80年にわたり保有してきたオペルの株式を最大50%手放す見通し。オペルが独立した企業になることを明らかにした。GMは、オペルに対する支援と融資を得るために、保有株式比率を20−50%縮小する用意があるという。両社は今後も技術を共有するほか、GMはオペルが独立企業として事業運営するのを手助けするために特許権を提供する。

37.S&Pが米生命保険会社10社の格付けを引き下げた。MET、HIG、CNO、PFG、LNC、TMK、PRUなどが引き下げの対象になった。

38.AESコープ(AES)
バージニア本拠の電力会社が、2009年利益見通しを下方修正した。為替と商品価格を背景にしている。

39.オートデスク(ADSK)
エンジニアリング・デザイン会社の第1四半期決算で、利益が予想を下回った。

40.MGMミラージュ(MGM)
カジノ大手株が急落。2月24日に設定された45億ドルのシニア・リボルビング・クレジット枠から、8億4200万ドル借り入れ請求をしたと言う。同社は富裕投資家カーコリアン氏が大株主である。



=以上=
posted by mori at 10:26 | TrackBack(0) | マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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