2008年11月29日

小売売上げ動向と予想

小売売上げ動向と予想

11月28日

森   崇


感謝祭翌日から週末までの3日間の売上げ予想
感謝祭(11月の第4木曜)翌日の「ブラック・フライデー」(黒字の金曜日)から週末までの3日間の販売動向は、小売業者にとって、年間売上高の最高40%を占める年末商戦の行方を占ううえで重要な時期となっている。

全米小売業協会(NRF)の委託でBIGリサーチが実施した調査によると、感謝祭の週末となる今週末に買い物に出かける予定、または可能性がある人の数は最大1億2800万人になる見通し。前年同期の1億3500万人から5%以上の落ち込みとなる。


11月最初の23日間のオンライン小売動向
市場調査会社ComScoreが11月25日に発表したところによると、11月最初の数週間のEコマース売り上げは史上初の前年同期比減を記録した。

(要旨)
★11月最初の23日間のオンライン小売の売り上げは、2007年の同時期との比較で4%減少したという。
★Eコマースの売り上げの伸びは、2007年12月から徐々に鈍化し、2008年11月にはついに減少に転じたという。
★今年のホリデーシーズンは、活気がなく不安定な株式市場、住宅価格の下落、低調な労働市場が暗雲となって消費者の頭上に立ちこめている。
★家計を気にする一部の消費者が、小売業者がより積極的な値引きを行うシーズン後半を待って買い控えている可能性も高い。
★11〜12月の年末商戦シーズンの総売上が、最終的に前年同時期とほぼ同じ水準になると見ている。


11月から12月にかけてのホリデーシーズンのオンライン小売予想
@デジタルマーケティングならびにメディア調査会社のeMarketerは11月25日、11月から12月にかけての重要なホリデーシーズンのオンライン売り上げについて、伸び率の予測値を従来の半分以下に下方修正した。

(要旨)
★11〜12月のオンライン売り上げを前年同期比でわずか4%増の303億ドルと予想している。eMarketerが5月に発表した前回の予測は、前年同期比10.1%増の321億ドルだった。
★経済の低迷が今シーズンのEコマース売り上げに下向きの圧力を及ぼしている。もともとオンライン売り上げは伸び悩んでおり、オンラインショッピングのチャンネルが成熟したことを示していたが、景気の圧力によってそれがさらに悪化している。

A調査会社ギャラップによると、今年の11月から12月にかけてのホリデー・シーズンにおける既存店売上げは、前年同期比で1%の伸びが予想されると言う。また、ホリデー・ギフトへの一人当たり支出は、平均616ドルとなり、前年比で29%減になると見込む。


=以上=
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2008年11月27日

景気悪化指標にも関らず株価は続伸へ

景気悪化指標にも関らず株価は続伸へ

11月26日

森  崇

今週に入って株式相場は上昇に継続性が出てきた。以下が背景である。


(背景)
1.オバマ次期大統領の経済チームの強力な布陣から、景気浮揚期待が高まった。
オバマ次期米大統領は26日、新しく設立する大統領経済回復諮問委員会の委員長にポール・ボルカー元FRB議長を起用すると発表した。オバマ氏はまた、シカゴ大学のオースタン・グールズビー教授(経済学)を同委員会の実務者のトップに起用することを明らかにした。

オバマ政権の主要メンバーが続々決定。期待される人材が多く、これも相場の支援材料となった。オバマ米次期大統領は24日、来年1月に発足する新政権の財務長官にティモシー・ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を起用すると発表した。ホワイトハウスの国家経済会議(NEC)の委員長にはローレンス・サマーズ元財務長官を指名。経済諮問委員会(CEA)委員長にはカリフォルニア大学バークレー校のクリスティーナ・ローマー教授、内政委員会の委員長にはメロディ・バーンズ氏を起用するとした。

2.シティ・グループ救済が報じられ、金融株に安心買いが幅広く入っている。
FRBと米財務省、米連邦預金保険公社(FDIC)は23日、シティグループが抱える不良資産3060億ドル(約30兆円)を保証する救済策を発表。損失が一定額を超えた分を政府が肩代わりする。同時に200億ドル(約1.9兆円)の公的資金も注入する。保証対象の資産は、値下がりの激しい住宅ローンや商業用不動産ローンを裏付けとする証券化商品など。保証や資本注入の財源には金融安定化法で定めた計7000億ドルの公的資金をあてる。これで大手金融機関破たん懸念が緩和された。

3.追加景気対策が好感された。
オバマ次期米大統領と民主党が、追加的な景気対策の規模を最大7000億ドル(約67兆円)とする方向で検討に入ったと、24日付ワシントン・ポスト紙が報じた。 大恐慌時のニューディール政策以来の大規模な財政出動。 オバマ氏は、大統領選で1750億ドル規模の景気対策を訴えてきたが、景気の一層の悪化を受けて、大幅に積み増すことになる。

4.FRBは25日、信用凍結の緩和に向け、最大8000億ドル(約76兆9000億円)規模に上る2つの措置を発表した。これが信用凍結緩和に貢献すると好感された。
@FRBは政府支援機関(GSE)が発行もしくは裏付けている債券を最大6000億ドル購入する。
A消費者および中小企業融資を支援するため、最大2000億ドル規模の新たな制度を設立する。

5.世界の主要経済ブロックが景気浮揚で足並みが揃ってきた。
@中国が景気浮揚に向け、過去11年で最大幅の利下げを実施したため、需要増加期待から原油、銅などに買い物が入るとともに、素材株が全般しっかりだった。
A欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は26日、総額2000億ユーロ(約25兆円)規模の景気対策を発表した。来月11〜12日のEU首脳会議で承認される見通し。来月11〜12日のEU首脳会議で承認される見通し。財源は加盟国政府が分担する。中小企業への低利融資拡大、失業者の就業支援、製造業の研究開発助成などが柱となる。欧州単一通貨ユーロ圏では、財政赤字をGDPの3%以内に抑えることが各国に義務付けられているが、欧州委員会は、2009年から2年間に限って上限超過を容認する方針を示したまた、域内の個人消費促進策として、付加価値税の減税を検討するよう加盟国に勧告した。今回の景気対策の規模はEU全体のGDPの約1.5%にあたる。

6.自動車業界救済への期待が高まった。
ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ株が大幅高。同社の無担保社債を保有するフランクリン・リソーシズとPIMCOアドバイザーズに、最大で額面の3分の1への債務減額を求める可能性があると言う。米政府からの支援を得るために、債務再編で負債を圧縮する必要があるため。これが成功すれば、再建計画への評価が高まり、政府からの救済を仰げる可能性が高まるとの見方が背景。

ペロシ米下院議長とリード民主党院内総務は250億ドル規模の自動車業界救済の条件として、12月2日までに再建計画を提出するよう各社に求めた。議会は早ければ8日にも救済案について採決する公算だ。


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2008年11月25日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 11/23

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

11月23日

森   崇

ブル材料
1.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカは17日、中国建設銀行(CCB)への出資比率をほぼ2倍に引き上げ、約19.1%とする計画を明らかにした。株式取得手続きは今月末までに完了する見込みだという。

2.10月の米鉱工業生産指数は前月比1.3%上昇(9月は3.7%減少)し、予想(0.2%上昇)を上回った。ハリケーンの影響で閉鎖されていたメキシコ湾岸の製油所で操業が再開されたことが寄与した。10月の鉱工業設備稼働率は76.4%(前月は75.5%)と、予想(76.5%)を若干下回った。

3.ターゲット(TGT)
ディスカウント店大手ターゲットが17日寄り前決算発表。8−10月(第3四半期)の売上高は151.14億ドル、1株当り利益は49セントとなった。予想は、売上高が151.61億ドル、一株当たり利益は48セントだった。同社は自社株買い計画を一時中断し、2009年に予定していた設備投資を10億ドル削減した。

4.テンプルトン・アセット・マネジメントの執行会長、マーク・モビアス氏は中国、インド、南アフリカ、トルコなど新興市場国の株式をなお購入していることを明らかにした。いくらか減速はするだろうが、これらはなお高成長国だ。これらすべての国で消費ブームが起こっているとしている。

5.ヤフー(YHOO)
ヤフーの株価が急伸。ジェリー・ヤンCEOが辞任することになったことから、マイクロソフトへの身売り案に新たな可能性が生じるとの期待から買いが膨らんだ。ゴールドマン・ザックスは、ヤンCEO辞任で、マイクロソフトもしくは他の相手との交渉開始の観測が強まる可能性があると指摘した。

6.ヒューレット・パッカード(HPQ)
ヒューレット・パッカードが18日発表した2008年8−10月(第4四半
期)決算暫定集計は予想を上回った。一部費用を除くベースでは1株当たり利益が1.03ドルと、予想(同1ドル)を上回った。売上高も前年同期比19%増の336億ドルと、予想(328億ドル)を上回った。また08年11月−09年1月(第1四半期)については一部項目を除くベースでの1株当たり利益が93−95セントとの見通しを示した。

アナリストの予想平均は同93セントだった。マーク・ハードCEOは、困難な市場環境でも当社は実行力において他社とは異なると述べた。

7.9月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて662億ドルの買い越しとなった。予想は272億ドルの買い越しだった。前月は210億ドルの買い越し。米国債の保有額では中国が日本を抜いて首位となった。

8.ホーム・デポ(HD)
ホーム・デポが、寄り前第3四半期の業績を発表した。売上高、EPSは予想を上回ったが、通期見通しをこれまでの会社側見通しから、下方修正した。
  ただし、第3四半期の既存店売上高は8.3%減と、一部のアナリスト予想よりも小幅な落ち込みにとどまった。

第3四半期(8‐10月期)実績
○売上高…177億8,400万ドル(コンセンサス予想は176億4,503万ドル)
○1株当たり利益…0.45ドル(コンセンサス予想は0.38ドル)

2009年通期見通し
○売上高…8%減少する可能性がある。(これまでの会社側の予想5%減少から、下方修正した)
〇第2四半期末現在店舗数:2,268店

9.シティ・グループ(C)
サウジアラビアのアルワリード王子は20日、シティグループ株の保有比率を5%に引き上げる方針を示した。シティは19日、簿外の投資ファンド7本を閉鎖する計画を発表した。ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる投資ファンドを立て直すことを断念し、残存資産を買い取って閉鎖することを決めた。

  (王子のコメント)
★シティ株は劇的に過小評価されていると強く確信している。
★パンディットCEOを筆頭としたシティの経営陣に全幅の信頼を置いており、経営陣が銀行業界と世界経済が直面している困難を乗り切れる状態にシティを導くため必要なすべての措置を取っていると信じる。

10.ゼネラル・モーターズが出資する自動車・住宅ローン大手GMACは20日、銀行持ち株会社への移行を当局に申請したことを明らかにした。金融安定化法に基づく7000億ドル相当の救済基金から融資を受けることが狙い。GMACはまた、同社と住宅ローンのレジデンシャル・キャピタル部門が発行する380億ドルの債務借り換えを始めたと発表した。
11.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は21日、12月に追加利下げを実施する可能性を示唆した。この日発表された11月のユーロ圏製造業・サービス業景気指数がリセッションの悪化を示したことについては、驚きではない、われわれは既に、実体経済が減速していると述べているとした。金利先物の動向は12月4日の少なくとも0.75ポイント利下げの予想を示唆している。

12.オバマ米次期大統領の政権移行チームは、米自動車メーカーの「プレパック型」破産を同業界の資金繰り危機の解決策として検討している。プレパック型の破産では、自動車メーカーは破産申請する前につなぎ融資を確保するとともに債権者、従業員、納入業者の譲歩を取り付け、申請後の再建計画も準備する。通常の連邦破産法11条を申請し破産裁判所の下で再建を進める場合
は2−5年かかるが、プレパック型ならば半年−1年で手続きを終えることも可能。

13.デル(DELL)
パソコン(PC)メーカー世界2位のデルが20日引け後に発表した2008年8−10月(第3四半期)決算は、予想を上回る黒字となった。低コストの生産方式に切り替えたことが寄与した。

14.ノベラス・システムズ(NVLS)
半導体製造装置メーカーのノベラスは20日引け後、08年10−12月(第4四半期)受注の減少幅が従来予想を上回るとの見通しを示した。

15.ギャップ(GPS)
米衣料品小売り最大手ギャップが20日引け後決算発表。2008年8−10月(第3四半期)の売上高は前年同期比7.6%減の35億6000万ドル、一株当たり利益は35セントとなった。予想は、売上高が35億6087万ドル、一株当たり利益が34セントだった。セーター、ジーンズ、カーキパンツの値引き販売を減らしたことが寄与した。09年1月通期の1株利益見通しを1.30−1.35ドルに据え置いた。チェーン店「オールドネイビー」の既存店売り上げは18%減、「バナナ・リパブリック」は11%減だった。

16.ヒラリー・クリントン上院議員が、オバマ次期大統領が打診していた国務長官への就任を受け入れた。また、オバマ次期大統領がニューヨーク連邦準備銀行のガイトナー総裁を財務長官に起用する意向を固めたとのニュースが報じられた。

17.ファニーメイとフレディマック
米政府の管理下に置かれた住宅金融大手ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は20日、年末年始にかけて住宅差し押さえと立ち退き請求を停止する方針を明らかにした。差し押さえ停止期間は米感謝祭祝日の前日に当たる11月26日から来年1月9日までの6週間。返済が困難な借り手の住宅ローン条件をスリム化するプログラムを実施するため、サービサー(回収業者)に時間的余裕を与える狙いがある。ファニーメイとフレディマックは、返済が90日以上遅れ、所得に対する借入額の比率が高い借り手を対象に、月々の返済額を減らす住宅ローンの条件変更のチャンスを提供する方針。

ベア材料
1.ゴールドマン・ザックス(GS)、モルガン・スタンレー(MS)
サンフォード・C・バーンスティーンは17日、ゴールドマン・ザックスの2008年9月−11月(第4四半期)決算は赤字との見通しを示すとともに、モルガン・スタンレーについては同期の利益見通しを引き下げた。ゴールドマンは第4四半期に1株当たり54セントの損失を予想。前回見通しは1株当たり利益2.12ドルだった。モルガン・スタンレーの第4四半期は1株当たり利益30セントとの見通しを示した。前回見通しの同1.12ドルから下方修正。

2.ローズ(LOW)
米住宅関連用品小売り2位のローズは17日寄り前決算発表。8−10月期は、利益、売上高ともにアナリスト予想を上回った。ただし、2009年1月通期の収益見通しを下方修正。通期の1株当たり利益予想を1.46−1.54ドルと、9月に発表した予想1.48−1.56ドルから引き下げた。失業率の上昇や住宅価格の下落、消費者信頼感の悪化が背景。
 
3.シティ・グループ(C)
シティグループのウィン・ビショフ会長は17日、以下の通り発言。

(発言要旨)
★米英と欧州の経済活動は現在、縮小しており、新興市場でも減速が目立っている。従って、2009年は広範にわたり著しい景気鈍化が見られると思われる。
★シティ・グループの業況について、底打ちの時期については明言できない。
★大手金融機関が2期連続で黒字を計上し、資産時価評価による評価損が発  
 生しなくなれば、危機は終了したと言えるだろう。2010年までにそうなることもあり得る。

4.カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は17日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★金融当局の役割として、仲介・決済機能の保護に注力すべきだ。少なくとも銀行と商業の間に明確な線を引き、連銀窓口による貸し出しは厳密に金融の役割を担っている機関や市場関係者に限定すべきだ。

★問題を抱えるノンバンクを救済する枠組みがないため、FRBと財務省による融資などの支援策がいくつかの意図しない結果を生み出している。モ
ラルハザード、市場規律の崩壊等だ。

5.ファニーメイ(FNM)
米政府の管理下に置かれている住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)は17日、約2カ月ぶりの長期債発行を通じ20億ドルを調達する計画を明らかにした。条件は17日中に決定する。

6.シティ・グループ(C)
シティ・グループは17日、5万人余りを削減する計画を明らかにした。また、経費をピーク時に比べ20%減らす方針も打ち出した。

7.ニューヨーク連銀が17日に発表した11月の同地区の製造業景況指数はマイナス25.4(前月はマイナス24.6)と、2001年の集計開始以来の最低となった。前月はマイナス24.6だった。予想はマイナス26だった。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…マイナス22.2(前月マイナス20.5)
★出荷もマイナス13.9(前月マイナス8)
★雇用はマイナス28.9(前月マイナス3.7)
★仕入れ価格…20.5(前月31.7)
★販売価格…6(前月20.7)

8.ブッシュ米政権は、金融安定化資金の残る3500億ドルについて拠出を先送りし、オバマ次期政権の判断に委ねる方針だと言う。

9.アルコア(AA)
UBSがアルコア株の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。アルミ価格の先行き不透明が背景。
 
10.フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド(FCX)
JPモルガン・チェースは、銅生産で世界最大の上場企業、フリーポート・マクモランの収益が金属価格の急落で減少するとの見通しを示した。金属価格が好転する兆候はほとんど見られないとし、投資判断を「オーバーウエート」から「中立」へ引き下げた。

11.ゼネラル・モーターズ(GM)
@GMは破たんを回避するため、保有するスズキ株を売却し、224億円を調達する計画だ。またGMの子会社である独オペルは17日、ドイツ政府からの財政支援獲得に向け、メルケル首相と会談する。
AGMは、手元資金を確保するため、国内販売会社6468社への販売奨励金の支払いを約2週間延期する。

12.ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループ(HIG)
バークレイズは投資家に対し、大手保険会社ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループの持ち高を限定するよう提言。短期的に悪材料がまだ出てくる可能性があると指摘した。ハートフォードは17日、米財務省からの支援を獲得するため、買収を進めているフェデラル・トラスト・バンクに1億ドルの資本を注入する計画を明らかにした。

13.ウォルト・ディズニー(DIS)
ソレイユ・セキュリティーズはメディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーの投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。

14.全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが18日発表した11月の米住宅市場指数は9(前月は14)と、予想(14)を下回った。1985年の集計開始以来で最低を記録。一戸建て販売の現況指数は8(前月14)に低下。購買見込み客足指数も7と、前月の11から低下した。向こう6カ月間の一戸建て住宅販売見通し指数は19と前月と同水準にとどまった。新築住宅の購入が依然敬遠されていることが示された。

15.全米不動産業者協会(NAR)が18日に発表した7―9月(第3四半期)の一戸建て住宅価格の中央値は前年同期比9%下落した。調査対象となった約150の大都市圏の8割で価格が下落した。差し押さえの影響。

16.アメックス(AXP)
FBRキャピタル・マーケッツは、アメリカン・エキスプレスが、クレジットカード利用者による返済遅延やデフォルト増加に直面しているとコメント。
FBRが17日発表したリポートによると、10月の返済遅延率は0.35%上昇して4.4%。またデフォルト率は0.33%上げて6.96%と、2005年11月以来の最高だった。

17.バーナンキFRB議長は18日の議会証言で、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★信用市場の緊張は依然高いものの、幾分の改善の兆候が見られる。しかしながら、全体的な与信環境は依然、正常化には程遠い。信用格付けの低い企業による社債発行や消費者向け融資債権の証券化商品の組成がほぼ途絶えている。
★金融機関への資本注入は銀行システムに引き続き安定をもたらし、銀行にレバレッジ解消を迫る圧力を幾分和らげた。この2つは新規の与信の流れを再開させるために必要な第一歩だ。

18.ポールソン米財務長官は18日の議会証言で、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★救済策は景気刺激や景気回復を目指して導入されたものではない。7000億ドルの問題資産購入計画(TARP)は金融市場と融資の安定化を図るものであり、すべての経済問題を解決する万能薬ではない。

19.シティ・グループはリポートで、ヘッジファンドの資産が2009年半ばまでに約1兆ドルに縮小する可能性があるとの見方を示した。市場における損失と顧客の償還により、資産はピークだった6月時点からほぼ50%減少すると予想している。ファンド・オブ・ファンズなどの投資家は資金の20%を引き揚げる可能性が高いとしている。

20.資産運用大手ブラックロックは、創業以来初の人員削減に踏み切る方針を明らかにした。現在は過去に例を見ない異常事態だと指摘。

21.コーニング(GLW)
コーニングは18日、2008年10−12月(第4四半期)の売上高が自社予想を
下回るとの見通しを明らかにした。10−12月期の売上高は10月29日時点に示した予想の11億−12億ドルを下回る見通し。一部項目を除いたベースの1株利益は予想レンジ(20−28セント)の下限またはこれを下回る見込みだとしている。景気減速に伴い消費者が大型テレビや電子機器への支出を抑えるなか、コーニングの顧客企業は発注を縮小していると言う。

22.シティ・グループ(C)
ドイツ銀行のアナリスト、マヨ氏は、シティグループの2009年通期業績が、収入減や信用コスト上昇で赤字となる可能性があるとの見方を示した。シティの09年1株損益予想を30セントの赤字と、従来の1.50ドルの黒字から下方修正した。予想はさらに引き下げの可能性があり、発生し得る社債関連の追加損失や貸倒引当金積み増し、資産評価損は織り込んでいないとしている。
また、シティの株価目標を44%引き下げ9ドルとした。投資判断は引き続き「ホールド」。株価のレンジは5−20ドルと予想した。

23.10月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比2.8%低下(前月は0.4%低下)と、予想(1.9%低下)を上回る低下となった。またこれは、1947年の調査開始以来で最大の低下率。世界的な景気減速で商品需要が冷え込んだのが背景。10月の食品とエネルギー価格を除いたコア指数は0.4%上昇と、前月と同じ伸び率だった。

24.メドトロニック(MDT)
メドトロニックが、寄り前第2四半期の業績を発表した。競争、訴訟費用計上などが背景となり、14%の減益となった。主力の心臓細動除去機で競争が激化したことも業績の重しとなった他、訴訟費用も響いた。

第3四半期(8‐10月期)実績
○売上高…35億7000万ドル(コンセンサス予想は36億9050万ドル)
○1株当たり利益…0.51ドル(コンセンサス予想は0.71ドル)
2009年通期見通し
○1株当たり利益…2.90ドル〜2.98ドル(コンセンサス予想は2.99ドル)

25.ゼネラル・モーターズ(GM)のリック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)は米上院の公聴会で、同国自動車業界への政府支援をあらためて求めるとともに、国内自動車メーカーが破たんすれば米経済は壊滅的崩壊に至るだろうと証言した。国内自動車メーカーが破たんした場合、1年以内に300万人が失業し、個人所得は1500億ドル減少するほか、破たん後の3年間で政府は1560億ドルの税収を失うと予測した。

26.ボーイング(BA)
カウエンは、ボーイングの2010年の1株当たり利益見通しを4.6%下方修正し、6.20ドルに設定した。金融危機が「737」型ジェット機や「777」型貨物機の納入に影響する恐れのあることが理由。

27.サックス(SKS)
高級百貨店チェーン、サックスが発表した8―10月(第3四半期)決算は赤字となった。特別項目を除く1株当たりの損失はアナリスト予想よりも10セント多かった。

28.FRBが19日、10月28‐29日に開かれた連邦公開市場委員会の議事録を公表。

  (骨子)
★会合メンバーが経済は2009年半ばまで縮小するとの見通しを示し、一部メンバーはこれに対応して追加利下げを実施する用意があるとの考えを明らかにしていた。
★一部メンバーは今後の会合で追加の金融緩和が適切になる可能性が十分にあると指摘。どういう状況でも、委員会は景気回復にとって必要ならあらゆる措置をとることで合意。
★会合メンバーの09年実質国内総生産(GDP)見通しの中心レンジは0.2%減−1.1%増。6月時点の予想は2−2.8%増だった。失業率予想については7.1−7.6%と、6月の5.3−5.8%から大幅に引き上げられた。

29.カシュカリ米財務次官補は19日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★財務省は、金融安定策の資金7000億ドルの一部を消費者ローンに関連した証券の購入に充てる計画を検討している。自動車ローンやクレジットカード、学生ローンの金利低下につながるとともに、問題資産購入計画(TARP)からの配分も比較的抑えることができるからだ。

30.アムバック(ABK)
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19日、米金融保証会社(モノライン)大手アムバック・ファイナンシャル・グループの保険財務格付けを「AA」から3段階引き下げて「A」に設定した。アムバックが住宅ローン関連証券でさらなる損失を被る可能性があるとの見方が背景。アムバックのアウトルックを「ネガティブ」とした。アムバックの保証する住宅ローン関連証券のほか、資産担保証券に絡む債務担保証券(CDO)がフランチャイズに
打撃を与えたとの見方を背景にしている。

31.10月の米消費者物価指数は前月比1%低下(前月は変わらずだった)と、予想(0.8%低下)を上回る落ち込みを記録し、調査を開始した1947年以来で最大の低下率だった。燃料コストの低下影響した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%低下と、1982年以来で初めてマイナスを記録した。

32.シティ・グループ(C)
シティグループは19日、同社が助言したストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)が現時点で保有している資産を買い取ると発表した。これでSIV資産の買い取りは完了。今回の買い取り価格は174億ドル。

33.10月の住宅着工件数は前月比4.5%減の79万1000戸(前月は82万8000戸)と、予想(78万戸)は上回ったが、統計が開始された1959年以降で最低となった。先行指標となる10月の住宅着工許可件数は12%減の70万8000件と、59年以降で最低。予想の77万4000件を下回った。

34.14日までの1週間の住宅ローン申請指数は前週比6.2%低下し398.6となった。購入指数が約8年ぶり水準に落ち込んだことが響いた。前週は425だった。住宅ローン30年物固定金利は平均で6.16%と、前週の6.24%から低下し、ここ1カ月余りで最低。

  (その他主要指数動向)
★購入指数…248.5(前週284.4)
★借り換え指数…1281.2(前週は1248.4)

35.15日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、2万7000件増の54万2000件と、予想(50万5000件)を大幅に上回り、1992年7月25日に終わった週以来の高水準に達した。4週移動平均は50万6500件(前週49万750件)と、1983年1月以来の最高を記録した。人員削減のペースが一段と加速。

36.フィラデルフィア連銀が20日に発表した11月の同地区の製造業景況指数はマイナス39.3(前月はマイナス37.5)と、予想(マイナス35)を上回る落ち込みとなり、1990年10月以来の低水準となった。今後6カ月の予想指数はマイナス10.4と前月のマイナス4.2から悪化した。

(主要コンポーネント内訳)
★雇用…マイナス25.2(前月マイナス18)
★新規受注…マイナス31.4(前月5.6)
★出荷…前月と変わらず
★仕入れ価格…30.7(前月7.2)
★販売価格…マイナス15.5(前月5.3)

37.10月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.8%低下(前月は0.1%上昇)し、予想(0.6%低下)を上回る落ち込みだった。

  (マイナス寄与の項目)
LEIを構成する10項目のうち6項目がマイナス寄与となった。株安(寄与度はマイナス0.89ポイント)、失業保険申請件数(同マイナス0.02ポイント)、住宅着工許可件数(同マイナス0.35ポイント)、消費者期待度指数(同マイナス0.29ポイント)、入荷遅延と非国防資本財受注もマイナス寄与となった。

  (プラス寄与の項目)
マネーサプライ、消費財受注、長短金利スプレッドがプラス寄与した。

38.金融機関のCDS市場は危機モードに突入
20日のクレジット・デフォルト・スワッ プ(CDS)市場では、社債の保証コストが過去最高水準となった。米自動車メーカーが破たんした場合、金融機関の損失が拡大しリセッションが深刻化するとの懸念が背景にある。

39. JPモルガン・チェースが、向こう2ヶ月間にFFレートの誘導金利目標をゼロ%まで下げるだろうとのコメントを昨日出した。10月CPIでデフレ傾向が明らかになっており、デフレ対策の為としている。

40.フォード(F)  
S&Pは20日、フォード・モーターの長期信用格付けを1段階引き下げたと発表した。手元資金不足を理由に挙げた。フォードの格付けは従来の「B−」から「CCC+」に引き下げられた。

41.米連邦準備制度理事会(FRB)のクロズナー理事は20日、米下院中小企業委員会の議会証言で、以下の通り発言。FRBはこれまで、銀行や債券ディーラー融資プログラムを新設し、1兆ドル以上を融資してきた。

  (発言要旨)
★貸し渋りへの懸念も現実的な課題だが、今の状況下では景気悪化が中小企業にとってはより深刻な問題といえよう。
★極めて強い圧力を受けている金融業界の現状や、従来ではない政策を考えると、最近における金融政策の効果の度合いは極めて不透明だ。
★一連の利下げや緊急融資は中小企業に対する貸し渋り傾向の反転につながるはずだが、前例のない支援策の最終的な効果は不透明だ。


42.欧州中央銀行(ECB)のビニ・スマギ理事が、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★今はインフレが鈍化している。1つには輸入物価の下落が要因だが、国内のインフレ動向も関係している。しかし、デフレが起きるとは考えていない。
★現在の予想ではインフレ率は2%付近まで低下すると見込まれる。

43.シティ・グループ(C)
@シティグループのパンディットCEOは21日、全世界の従業員に向けた電話
会議で、証券部門スミス・バーニーの売却や会社分割の計画はないと述べた。
Aウィン・ビショフ会長とリチャード・パーソンズ社外取締役が率いる取締役会はニューヨークのシティ本社で開催される。シティが身売り、もしくは一部の売却を検討する可能性があるとWSJ紙が報じていた。ニューヨーク・タイムズ紙は、シティ幹部は身売りや分割を積極的に検討してはいないと報じた。シティは財務力が引き続き強く、資金調達経路を十分に確保している。また、シティの希望する価格で同行の最優良資産を取得することに前向きな買い手もほとんどいないという。

44.新興市場国の国債相場が下落し、米国債に対する利回り上乗せ幅は1カ月ぶりの大幅な拡大となった。新興市場国による国際社会への支援要請の動きが広がっており、これが各国政府の債務借り換えに悪影響を与えていることが鮮明となった。トルコは国際通貨基金に最大400億ドルの融資を要請している。ハンガリーやウクライナ、アイスランド、パキスタン、セルビアはすでにIMFからの融資で合意している。ラトビアが20日に融資要請することを明らかにしたほか、ベラルーシは少なくとも20億ドルの融資について協議している。

45.シティグループは21日、リセッションの深刻化に伴い、欧州中央銀行(ECB)が2009年に政策金利を1%まで引き下げるとの見通しを示した。また、金利をゼロまで引き下げることを検討する可能性もあると指摘した。従来は現行3.25%の政策金利が2%まで引き下げられると予想していた。ECBが次回12月4日の政策委員会で0.75あるいは1ポイントの利下げを実施するとの予想を示した。

46.リッチモンド連銀のラッカー総裁は21日、以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★多くのアナリストが、米経済は09年のある時点で拡大への勢いを取り戻すと予想している。それは妥当な予想だと思う。
★雇用市場の環境悪化が終わったと家計がいったん認識し、株価や住宅価格の下げ止まりが視野に入れば、個人消費は長期の所得見通しに伴って回復
し、大幅に加速する可能性が高い。
★原油価格の下落に伴い総合インフレ率が低下すると予想するのは妥当だが、食品とエネルギーを除いたコアインフレ率が低下するかどうかは金融当局の行動に対する期待が影響する。

47.ドイツのシュタインブリュック財務相は21日、同国政府の救済策を新たに利用する計画の銀行が10行以上あることを明らかにした。

48.モルガン・スタンレーは、商業用不動産ローン担保証券などへの投資で生命保険会社が抱える含み損が第4四半期に70%増加する可能性があると指摘、一部生保では増資の必要性が生じるとの見方を示した。生保が追加損失を吸収できるかどうかは相当厳しいが、メットライフについては、嵐を乗り切れるだろうとしている。

49.ゴールドマン・ザックスが景気先行き見通しを下方修正。10−12月期のGDP伸び率予想を年率マイナス5%、続く第1四半期を同マイナス3%、第2四半期を同マイナス1%と予想していると言う。2009年末までに失業率は9%まで上昇するだろうと言う。


=以上=
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2008年11月17日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 11/16

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

11月16日

森   崇


ブル材料
1.マクドナルド(MCD)
マクドナルドが10日発表した10月の既存店売上高は、前年同月比8.2%増加した。内訳は、欧州の売上高が9.8%増、米国市場は5.3%増だった。1ドルメニュー商品が好調だった。

2.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米政府は、AIGの救済策で資金援助の規模を1500億ドル(約14兆8900億円)超に拡大した。これを好感し、AIG株は上昇した。ただし、AIGの2008年7−9月(第3四半期)決算は4四半期連続の赤字となった。同社の第3四半期純損益は245億ドル(1株当たり9.05ドル)の赤字。政府は9月に設定した850億ドルの融資枠を600億ドルに縮小する一方で、優先株購入によりAIGに400億ドルを出資する。また、AIGが保有または保証している住宅ローン担保証券(MBS)の処理に向け最大525億ドルを提供する。

3.アップル(AAPL)
米調査会社NPDグループが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)の米携帯端末人気ランキングによれば、アップルの携帯電話「iPhone 3G」が首位に立ち、4−6月期まで12期連続でトップだったモトローラの「Razr」に取って代わった。同ランキングは企業による購入分を除いた消費者の購入台数をまとめたもの。米国全体で携帯端末売上高が15%減少しているにもかかわらず、7月に売り出されたアイフォーンの最新モデルは売り上げを伸ばしていると言う。これまでトップだったレーザーは2位に転落し、これにカナダのリサーチ・イン・モーションの「ブラックベリー」と、韓国のLG電子の2モデルが続いた。

4.中国が総額4兆元(約57兆5300億円)規模の景気刺激策を発表。

  (骨子)
★刺激策の規模は中国の昨年の国内総生産(GDP)のほぼ5分の1に相当。2010年末までに実施。
★1000億元分は今年10−12月期に割り当てられる。
★投資の対象としては、低価格住宅の供給、農村部のインフラ整備、新たな鉄道・道路・空港の建設、医療、教育、環境保護、科学技術、災害地域の復興など、10の重点分野が設けられている。
★設備投資を後押しするため、機械などの固定資産購入に対して税控除を認める。 
★金融機関の融資規制を撤廃し、企業向けに1200億元(約1兆7000億円)の減税も実施。
★農家向け対策として穀物買い入れ価格と補助金を引き上げ、更に都市部の低所得層への手当を増額する。
★小規模企業への融資拡大のために、ローン制限を撤廃。

5.ゴールドマン・サックス(GS)
サンドラー・オニール・アンド・パートナーズはゴールドマンが2009年に収益性を回復するとの見通しを示し、株価が下落し過ぎているとして、株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。08年12月−09年2月(第4四半期)に、1株当たり1.72ドルの損失を計上するとの見通しを示し、1株当たり1.43ドルの利益とする前回見通しを修正した。また、09年通期見通しについては1株当たり9.75ドルと従来見通しの12.12ドルから下方修正した。ただし、ゴールドマンは引き続き投資銀行として首位を維持しており、こうした割安価格でのゴールドマン株の買い機会は極めて魅力的だと指摘した。

6.ペロシ米下院議長は11日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★自動車業界への追加支援に向けた迅速な行動を望んでおり、新議会がスタートする来年1月より早く、年内に法制化させたい。
★1社またはそれ以上の主要米自動車メーカーの破たんがあれば国内経済に甚大な影響をもたらすことになる。
★自動車業界への緊急支援措置は、経営幹部報酬の制限、ゴールデンパラシュート(被買収企業の役員が受け取る割増退職金)の禁止、第三者による厳格な監視、すべての返済義務を負うよう徹底し納税者の保護を図ることが条件になる。

7.米金融安定化策運用の責任者、ニール・カシュカリ財務次官補は11日、米住宅市場の低迷に取り組むために財務省は利用可能なあらゆる手段を使うと述べた。

8.GM(GM)
ペロシ米下院議長は、苦境の米自動車業界への緊急支援策の法制化を議会に呼び掛けた。同議長はGMを破たんさせればよいとの見方を否定。GMや同調者に組みし、数百万人の雇用喪失につながるGM破たんの壊滅的な連鎖反応を回避する道を支持した。フィッチの信用アナリスト、マーク・オライン氏は、GMが破たんした場合、同業のフォード・モーターとクライスラーも最終的に破たんに追い込まれるだろうとみる。

9.オバマ次期米大統領は、米自動車業界について、最大500億ドル(約4兆7800億円)の救済資金確保を年内にも議会に承認させたい考え。これと同時に自動車業界の経営を監視する委員会も設置する考え。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。創設を検討している監視委員会は1979年のクライスラー救済時などを参考にしたもの。

10.CITグループ(CIT)
米金融サービス、CITグループは13日、銀行持ち株会社への業態転換を申請し、問題債権購入計画(TARP)に基づく資金注入を財務省に要請したことを明らかにした。

11.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカの業務問題担当幹部、ファイヌケーン氏は13日、米上院での公聴会で、経営幹部に支給するボーナスの準備金を半減すると述べ、金融安定化策に基づいて注入された公的資金を報酬に充当することはないと言明した。

12.ディーン・フーズ(DF)
スタイフェル・ニコラスは、乳製品メーカー大手ディーン・フーズの株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。来年、牛乳や燃料の価格が低下する可能性があるとの見方が背景。


ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
@今週号バロンズ紙が、GM株の売りを推奨した。直近決算内容は、既に破たん企業の内容であるとし、たとえ政府の救済を仰いだとしても、株主や社債債権者は犠牲になるだろうとしている。同紙が年初に買いを推奨したのは誤りだったとした。

Aバークレイズ・キャピタルとドイツ銀行は10日、ゼネラル・モーターズ 株の投資判断をそれぞれ「アンダーウエート」と「売り」に引き下げた。ドイツ銀行はGMの株価目標をゼロとした。ドイツ銀行は、GMが破たんを回避できたとしても、同社の将来の運命は破たんに近いだろうとしている。

バークレイズは、政府支援によってGMの破たんの可能性は低下するものの、政府支援はGM株を大幅に希薄化させるだろうと指摘、GMの株価予想を1ドルとした。

2.ファニーメイ(FNM)
米住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)が10日発表した7―9月(第3四半期)決算は四半期として過去最高の赤字額を記録。赤字幅は290億ドル(1株当たり13ドル)と、前年同期の14億(同1.56ドル)の赤字から大幅に悪化した。同社が資産価値を少なくとも214億ドル引き下げたことが原因。同社はさらに、2009年に公的資金の注入を受け入れる必要性が生じる可能性があることを明らかにした。公的管理下に置かれた9月に起用されたアリソンCEOは、繰り延べ税控除額を大幅に引き下げ、デフォルト予想を引き上げた上、信用損失が増大するとの見通しを示した。

3.タイソン・フーズ(TSN)
米食肉加工大手のタイソン・フーズが10日寄り前決算発表。7−9月(第4四半期)の売上高は前年同期比9.5%増の72億ドル、1株あたり利益は13セントとなった。予想は、売上高が70億4000万ドル、EPSが19セントだった。コスト削減のために食肉処理施設を縮小し、牛肉を値上げしたが、利益は予想を大幅に下回った。

4.メリルリンチのアナリストらは、ガソリンやディーゼル油などの燃料需要が2009年にさらに落ち込む恐れがあるとの見通しを示した。景気減速に加え、消費者が支出を抑制することが背景。

5.トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は10日、インフレ率の低下が確認されれば、景気悪化に対処するため、利下げが可能になるとの見解を明らかにした。同総裁はサンパウロで9日に開かれた20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で議長を務めた。

6.205年の歴史を持つスウェーデンの投資銀行、D・カーネギーは、銀行免許を失い当局の監督下に置かれることになった。同国の金融監督当局が10日発表した。カーネギーは当局の指導の下で銀行免許を回復できる可能性があるという。

7.ノーテル・ネットワーク(NT)
北米最大の通信機器メーカー、カナダのノーテル・ネットワークが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算では、直近7年で最大の純損失となった。同社は従業員1300人を削減する計画を明らかにした。

8.世界第3位の規模を誇るロシアの外貨準備をもってしても、原油相場の急落と資本逃避には対抗しきれず、ロシア中央銀行はルーブルの切り下げを受け入れざるを得ないかもしれないとの観測が高まってきた。

9.ゴールドマン・サックス(GS)
バークレイズは、ゴールドマン・サックスのプライベートエクイティ(未公開株)投資部門が株式相場の急落で打撃を受けたとして、同社が株式上場後で初の四半期赤字を計上する可能性があると指摘した。バークレイズの予想によると、ゴールドマンの9−11月(第4四半期)決算の1株当たり損失は2.50ドル。メリルリンチ、UBS、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーもゴールドマンの赤字決算を予想している。バークレイズは従来、1株当たり2.71ドルの利益を見込んでいた。

10.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMとフォード・モーター、クライスラーの米自動車大手3社は、17年で最悪の自動車市場低迷を乗り切るため500億ドルの融資を政府に求めている。もし政府支援が間に合わず、GMが事業清算に追い込まれ生産が停止した場合、米国では1年目に250万人の職が失われる(センター・フォー・オートモーティブ・リサーチ試算)との見方が出ている。また、信用市場の環境悪化で、破産法の下での再生手続き中の事業資金を提供するつなぎ融資を得ることが難しくなっている結果、GMが破産申請した場合に再生ではなく清算となる恐れを指摘する向きもいる。GMは7日、早ければ今年中にも事業の運転資金が底をつく恐れがあることを明らかにした。同社の手元資金は9月末に162億ドルと、6月末の210億ドルから減少。同社は事業継続のためには月110億ドルが必要だ。

11.ゴールドマン・サックス(GS)
フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーはゴールドマンの9−11月(第4四半期)収益見通しを損失に下方修正した。自己資金投資で27億ドルの損失が発生するとの見通しも示した。1株当たりの損益見通しを従来の2.59ドルの黒字から1.55ドルの赤字に引き下げた。2009年11月期通期については12.15ドルの黒字から9.08ドルの黒字に下方修正した。

12.クレディ・スイス・グループのストラテジスト、アンドルー・ガースウェイト氏は11日、2009年半ばのS&P500指数見通しを1050と、従来予想から13%下方修正した。先進諸国が深刻なリセッション(景気後退)に向かっているとの見方が背景。

  (骨子)
★政府債の利回り上昇が住宅ローン金利を押し上げ、民間投資を締め出す可能性があることも株にはネガティブだ。
★主要7ヶ国(G7)の経済が1945年以来初めて縮小する可能性があり、世界的にも国内総生産(GDP)の伸びは1982年以来の最低に落ち込むだろう。
★株式に対しては「スモールオーバーウエート」で据え置く。インサイダーによる自社株買いが過去最大規模に拡大していること、中銀による金融システムへの資金注入、更に株価が割安なことが背景。

13.プルデンシャル・ファイナンシャルとハートフォード・ファイナンシャル
ゴールドマン・サックスがプルデンシャルとハートフォードの投資判断をそれぞれ「売り」に引き下げた。また、米生保業界のアウトルックを「中立」から「コーシャス」に引き下げた。また、今後資本を増強する必要が出てくる。1年から1年半は資産が引き続き劣化するだろうと指摘。

14.ドイツ銀行のアッカーマンCEOは14−15日にワシントンで開催される金融サミット(首脳会合)を前に、国際金融協会(IIF)会長としてブッシュ大統領に公開書簡を送付。金融機関への政府出資が恒久化するのは望ましくないとして、明確な出口戦略を描き、実施する必要があるとの考えを明らかにした。

15.ラスベガス・サンズ(LVS)
カジノ経営大手ラスベガス・サンズは11日、シェルドン・アデルソンCEOの一族から5億2500万ドルの出資を受けることを明らかにした。同社はこのほか、株式発行で16億2000万ドルの資金調達を計画している。新たに売り出されるのは普通株約1億8180万株で、価格は1株当たり5.50ドル。投資家はさらに100ドルで優先株1株と普通株16.67株を購入するワラントを組み合わせたユニットも購入することができる。アデルソン一族も同じ条件で購入したという。

16.クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場での取引清算を同当局が規制する計画に取り組んでいる。米金融当局はこれまでにも、CDS市場がマーケットメーカーの破たんに備えて清算機関を創設するよう働き掛けてきたが、相対取引の同市場でカウンターパーティーリスクを引き受けていたリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんし、保険会社アメリカン・インターナショナル・グループが救済されてからは、その動きに拍車が掛かってきた。規制の方法はワシントンで緊急首脳会合(金融サミット)が開催される今週末までに発表される可能性があると言う。

17.ベスト・バイ(BBY)
米家電量販店ベスト・バイは12日、2009年2月通期の利益は同社予想を下回るとの見通しを示した。金融危機、及び景気悪化が背景。通期1株当たり利益見通しは2.30−2.90ドルと、9月に予想していた3.25−3.40ドルから下方修正された。売上高は437億―455億ドルとの予想になったが、従来予想では470億ドルだった。予想は、1株当たり利益が3.04ドル、売上高は464億ドルだった。また、既存店売上高は来年2月までの4ヶ月間に最大15%減少する可能性がある。ブライアン・ダン社長兼CEOは、小売業を営んで42年になるが、消費者にとってこれほど厳しい時期は経験したことがない。消費動向が大きく変化しており、当社はこの流れに抗えないと発言した。

18.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、世界の高リスク・高利回り債のデフォルト率が今後1年間で10.4%に上昇し、現在の3倍超に達するとの見通しを発表した。同デフォルト率は10月に2.8%と、9月の2.7%(改定値)から上昇。同社は年末までに4.3%へ上昇するとの見通しを示した。また、欧州のデフォルト率は2009年10月までに9.7%と、前月の1%からほぼ10倍に跳ね上がるとみられている。米国は今後1年間に11.4%に上昇すると予想されている。

19.米連邦準備制度理事会(FRB)など規制当局は12日、銀行に信用力のある借り手に対し融資を維持するよう指示した。また、融資の抑制や景気低迷の深刻化につながりかねない行き過ぎた配当支払いに対して警告した。

20.グーグル(GOOG)
シティグループは12日、グーグルの利益見通しを下方修正した。グーグルの10−12月(第4四半期)の1株当たり利益見通しを従来予想から2.7%下方修正し5.03ドルとした。2009年通期の1株当たり利益見通しについても4.8%引き下げ21.18ドル、10年については同3.3%下方修正の24.82ドルとした。グーグルの株価目標については6.3%引き下げ450ドルとした。同社の株式投資判断については「買い」で据え置いた。検索市場の業者は10−12月がこれまでで最も軟調になると予想していると言う。

21.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーは機関投資家向け証券部門の人員10%と資産運用部門の同9%を削減する計画を明らかにした。経済悪化に対応した施策。同社の資産総額は10月末までに8000億ドルを相当下回る水準まで減少した。同社は保有資産の50%を株式や長期債、預金で調達する狙いだ。

22.ポールソン米財務長官は12日、7000億ドル(約66兆8640億円)規模の金融支援策について、残りの半分については消費者信用市場での圧力緩和に費やす計画を打ち出し、不良化した住宅ローン資産の買い取りは断念すると表明した。自動車ローンや学生ローン、クレジットカードが利用しにくくなっている。これが米国民の負担を重くし、国内の失業増加につながっていると述べた。金融安定策の資金の一部を民間投資家の市場復帰を促すために使用することが検討されているとした。

23.コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は12日、信用危機で規制当局は資産バブルへのアプローチを見直す必要が生じるとして、金融機関がバランスシートの記載有無を問わず資産を裏付ける上で十分な資本水準を維持するよう確実にしなくてはならなくなると述べた。

24.クアルコム(QCOM)
携帯電話メーカーからの猛烈な受注下落を受け、新規雇用をストップするとともに、R&Dの一部を削減すると言う。ポール・ヤコブスCEOが発言した。

25.スプリント・ネクステル(S)
株価が1980年以来の安値をつけた。メリル・リンチが同社株目標価格をほぼ半分の3.10ドルに引き下げた。景気悪化の影響を指摘。

26.調査会社IDCが、IT投資が世界全体で当初の予想以下の伸びになろうとしている。2009年の伸びは、2.6%増(当初5.9%予想)になると予想している。金融危機の影響を指摘。

27.アメックス(AXP)
WSJ紙は、アメリカン・エキスプレス(アメックス)が米政府に約35億ドルの支援を求めていると報じた。デフォルト急増や個人消費の低迷による影響を受けたという。

28.シンガポールの調査会社ユーレカヘッジによると、ヘッジファンドの運用資産規模は、10月の1ヶ月間で1000億ドル(約9兆6000億円)減少したもよう。このうちの6割は、投資家による解約が要因となっている。同社がデータ収集している2000以上のファンドのうち42%が12日までに報告した速報値ベースでの集計結果。

29.3日に発表した8日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は3万2000件増加し51万6000件(前週は48万4000件)に達し、予想(48万件)を大きく上回った。これは対米同時多発テロ直後の2001年9月29日までの週(51万7000件)とほぼ一致する。

30.ウォルマート(WMT)
小売り最大手のウォルマート・ストアーズは13日、寄り前決算発表。第3四半期の業績は良好だったが、2009年1月通期の利益見通しを下方修正した。ドル高が理由。

第3四半期(8‐10月期)実績
 ○売上高…986億4200万ドル(コンセンサス予想は984億4260万ドル)
 ○1株当たり利益…0.77ドル(コンセンサス予想は0.76ドル)

第4四半期(11‐1月期)実績
 ○1株当たり利益…1.03ドル〜1.07ドル(コンセンサス予想は1.11ドル)

2009年通期見通し
 ○1株当たり利益…3.42ドル〜3.46ドル(コンセンサス予想は3.48ドル)

31.経済協力開発機構(OECD)は13日発表した最新の世界経済見通しで、2009年の世界成長率予想を下方修正した。

  (骨子)
★OECD加盟30ヶ国の今年の成長率は1.4%、09年は0.3%のマイナス成長となる見込み。6月時点では今年を1.8%成長、09年を1.7%成長と予想していた。
★来年の成長率は米国がマイナス0.9%、日本がマイナス0.1%と予想される。今年はそれぞれ1.4%と0.5%の景気拡大が見込まれている。
★ユーロ圏は今年が1.1%のプラス成長、来年が0.5%のマイナス成長と予想される。プラス成長への回復は10年の見込み。ユーロ圏では景気減速期には税金が減り失業手当支給によって公的部門の支出が増える。これが景気悪化の衝撃を幾分和らげることに加え、欧州中央銀行(ECB)には米国や日本よりも大きな利下げ余地がある。
★加盟国全体の今年のインフレ率予想を3.3%と従来の3%から下方修正。原油や商品価格の下落に伴い、09年についても1.7%と従来の2.1%から予想を引き下げた。

32.ゼネラル・モーターズ(GM)
@ゴールドマン・サックスはゼネラル・モーターズ(GM)株の投資判断を停止した。GMは220億ドル(約2兆1120億円)の新規資金が必要と試算し、米議会が年内に救済法案を通過させるかどうかは不透明だと指摘。

AJPモルガン・チェースは、GM株の投資判断を「ニュートラル(中立)」に指定し、従来の「オーバーウエート」から引き下げた。政府による支援の枠組みがまだあいまいで、特に株式希薄化への影響が見極めにくいと指摘。また、GMが2009年いっぱい営業を続けるためには政府支援150億ドルが必要になるとし、債務と人件費を削減しない限り、2010年にさらに同額の支援が必要になるとした。

33.9月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支は565億ドルの赤字(前月の貿易赤字は591億ドル)と、赤字額は前月比で4.4%縮小した。輸入原油コストが過去最大の低下となったことから、燃料輸入額が大幅減少した。予想は570億ドルの赤字だった。輸出は6%減の1554億ドル。減少率は2001年9月以来で最大だった。民間航空機売り上げの33億ドル減少が影響した。

34.インテル(INTC)
世界最大の半導体メーカーであるインテルは12日引け後、2008年10−12月(第4四半期)の売上高見通しを下方修正し、90億ドルからプラス・マイナス3億ドルとした。従来予想は101億−109億ドル。

35.ナショナル・セミコンダクター(NSM)
米半導体大手ナショナル・セミコンダクターは12日引け後、08年9−11月(第2四半期)の売上高見通しを下方修正するとともに、従業員の約5%を削減する方針を発表。

36.アプライド・マテリアルズ(AMAT)
半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズは12日引け後、08年8−10月(第4四半期)決算が前年同期比45%の減益となったと発表。また、1800人の削減計画も明らかにした。金融危機に伴い半導体業界全体の受注の落ち込みが深刻化していることが背景。

37.ドイツ連邦統計庁が13日発表した2008年7−9月(第3四半期)の実質GDP(国内総生産)速報値は前期比0.5%減となった。4−6月(第2四半期)に続くマイナス成長で、リセッション(景気後退)入りが確認された。4−6月は同0.4%減(改定値)だった。ドイツ経済が前回、2四半期連続で同等のマイナス成長を記録したのは1996年だった。

38.クライスラー
クライスラーのロバート・ナーデリ最高経営責任者(CEO)は13日、政府支援を受けなければ、このかつてない厳しい状況を乗り切るのは非常に困難だと述べた。

39.バークシャー・ハザウェイ
ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハザウェイの株価が2006年以来初めて、1株当たり10万ドルを割り込んだ。同社が7日に発表した7−9月(第3四半期)の決算では、純利益が前年同期比で77%減少した。

40.ミネアポリス連銀のスターン総裁は13日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★一部の金融市場では改善が見られるものの、多くは引き続きひっ迫している。
★規制当局が問題を事前に認識する措置を取らない限り、経営難に陥っている金融機関を救済する努力が将来的な不安定助長につながる可能性がある。

41.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は13日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★景気低迷が10−12月(第4四半期)に深刻化し、2009年まで弱い成長が続くだろう。信用危機と世界的な景気悪化で成長と輸出が抑制されることが背景。
★金融は依然として著しい緊張下にあり、見通しはなお非常に不透明だ。多くの国の中央銀行と政府が取った政策は金融圧力を多少緩和するのに役立ったが、金融市場が正常化するにはまだ時間が掛かるだろう。
★米経済は過去2年、強い輸出から多大な恩恵を受けてきたが、世界経済の減速見通しにより、米経済の見通しも一段と暗くなっている。
★2009年の経済成長率については、2%を下回る可能性が高い。数四半期は比較的弱い成長になるだろう。失業率は09年上半期に7%を超え、下半期に緩やかに低下するだろう。

42.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日、フランクフルトで主催したパネルディスカッションで以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★一時的な改善が見られるものの、金融市場の緊張状態が続いている。
★当局は緊密に連絡を取り合い、動向を注視し、状況次第で追加措置を取る用意があるる。

43.フレディマック(FRE)
米住宅公社のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は14日、138億ドル(約1兆3410億円)の資本注入を米財務省に求めた。

  (背景)
★同社の2008年7−9月(第3四半期)が過去最悪の赤字となり、純資産価値がマイナスとなったため、資本注入が必要となった。第3四半期の純損益は253億ドル(1株当たり19.44ドル)の赤字。
★11月29日までに政府から資金を受け取る見込みだと言う。
★9月に指名されたデービッド・モフェットCEOは、不良資産化した住宅ローン債権と証券の評価額を引き下げるとともに、繰り延べ税資産の大半について特別費用を計上した。
★純資産額は第3四半期末時点でマイナス137億ドルとなった。同四半期中に繰り延べ税資産額を143億ドル償却し119億ドルとした。
★貸倒引当金を57億ドルと、第2四半期末の25億ドルから積み増した。将来の損失に備えた引き当てを含めた信用関連費用は60億ドル(前四半期は28億ドル)に増えた。

  (今後の予想)
米政府は9月に、フレディマックと同業大手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)を管理下に置いた。いずれも1000億ドルを用意した。しかし、ファニーメイも今週、年末に資本不足に陥る可能性を示唆。今後それぞれ1000億ドルを超すことは間違いない。

44.10月の小売売上高は前月比2.8%減(9月は1.3%減)と、予想(2.1%減)より落ち込みが大きくなった。これで減少は4ヶ月連続で、今回は、1992年の統計開始以来で最大の落ち込み。10月の変動の大きい自動車を除いたベースは2.2%減。1.2%減が見込まれていた。主要13項目のうち10項目で減少と、広範にわたる低調が示された。

45.11月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数速報値は57.9(10月確定値は57.6)と、予想(56.7)を若干上回った。ただ、6月に付けた1980年以来、28年ぶりの低水準(56.4)近辺にとどまった。今後6ヶ月間の先行き景況感を示す指数は55.7と、前月の57.0から低下した。一方、現在の景況感を示す指数は61.4と、過去最低となった前月の58.4から上昇した。

46.10月の輸入物価指数は前月比4.7%低下(前月は3.3%低下)と、予想(4.4%低下)を上回り、過去最大の落ち込みを記録した。商品価格の下落が影響した。石油の輸入価格は前月比で16.7%低下と、2003年4月以来で最大の低下率だった。前年同月比では13.1%の上昇となる。燃料を除くと輸入価格は10月に前月比で0.8%低下した。

47.JCペニー(JCP)
米百貨店大手JCペニーが14日寄り前決算発表。8−10月(第2四半期)の売上高は43億2000万ドル、一株当たり利益は56セントとなった。予想は、売上高が42億8400万ドル、1株当たり利益は51セントだった。ただし、2008年11月−09年1月(第4四半期)の1株当たり利益が90セント−1.05ドルになるとの見通しを発表した。予想は1.28ドルだった。

48.サン・マイクロシステムズ(JAVA)
サーバー世界4位のサン・マイクロシステムズは14日、最大6000人の従業員を削減する計画を発表した。これにより年間の経費は7億−8億ドル削減できる見通しだという。

49.ノキア(NOK)
フィンランドのノキアは14日、2008年の業界の販売台数予想を下方修正した。新機種への買い替えが手控えられていることが響いていると指摘した。今年10−12月(第4四半期)の業界販売台数は3億3000万台、通年では12億4000万台の見込み。従来は通年で12億6000万台と予想していた。世界的な景気減速と為替相場の乱高下が、世界の個人消費を大きく減速させたと言う。

50.ボーイング(BA)
航空機大手ボーイングは、機械工によるストライキと設計変更を理由に「747-8」型貨物機の納入を約9ヶ月、同国際旅客機の納入を6ヶ月間それぞれ延期した。

51.サイプレス・セミコンダクター(CY)
半導体のサイプレス・セミコンダクターは10−12月(第4四半期)に1株当たり最大12セントの損失を予想している。予想は、1セントの黒字だった。

52.JPモルガン・チェース(JPM)
シティグループは、JPモルガン・チェースの10−12月(第4四半期)決算で、1株当たり利益が最低10セントになる可能性があると指摘。資産評価損や貸倒引当金の積み増しが背景。

53.オリエント・エクスプレス・ホテルズ(OEH)
ホテル運営のオリエント・エクスプレス・ホテルズは新規株式発行で849万株を売り出す意向を明らかにした。
 
54.エマーソン・エレクトリック(EMR)
JPモルガン・チェースは電気製品大手エマーソン・エレクトリックの株式投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げた。

55.プロロジス(PLD)
米不動産開発大手の同社株に悪材料。RBCキャピタル・マーケッツが目標株価を従来の16ドルから10ドルへと引き下げた。



=以上=
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2008年11月10日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 11/9

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

11月9日

森  崇


ブル材料
1.グッドイヤー・タイヤ(GT)
グッドイヤー・タイヤ・が3日寄り前決算発表。7―9月(第3四半期)の売上高は、前年同期比2.1%増の51億7000万ドル、特別項目を除くベースで1株当たり利益は43セントとなった。予想は、売上高が48億ドル、同EPSが30セントたった。高級タイヤの売れ行きが好調だった。

2.AT&T(T)、ベライゾン(VZ)
ワコビアが上記株について強気コメント。景気悪化でも、割安で、安全な投資先だと言う。

3.ハートフォード・フィナンシャル(HIG)
保険大手に好材料。同社が十分な資本を有するとの財務内容を公表した。
  
4.JPモルガン・チェース(JPM)
今週号のバロンズ紙に、JP株が50ドルをつける可能性があるとの記事が掲載された。

5.ウォルマート(WMT)
世界最大のディスカウンター株の投資判断が“中立”から“オーバー・ウェイト”に引き上げられた。JPモルガン・チェースが引き上げた。景気停滞の中にあって、同社株の収益安定性は強みを発揮すると言う。

6.米財務省は、ノンバンク金融機関の株式取得を検討している。WSJ紙が報じた。救済される可能性のあるノンバンク系金融機関には、複合大手ゼネラル・エレクトリックのGEキャピタル部門やCITグループが含まれているという。対象をノンバンク金融機関に拡大することで、他の産業界からの支援要請の声が拡大する可能性がある。財務省はまた、一部保険会社も支援対象に含めるかどうかを検討しているもよう。

7.アーチャー・ダニエルズ(ADM)
穀物加工最大手のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドが4日寄り前決算発表。2008年7−9月(第1四半期)の売上高は前年同期比65%増の211億6000万ドル、純利益は10億5000万ドル(1株当たり1.63ドル)となった。予想は、売上高が154億1000万ドル、1株当たり利益が72セントだった。決算は、前年同期比から2倍以上の増益となった。大豆加工と穀物取扱業務の利益が伸びた。農業サービス部門(穀物の貯蔵と輸送)の利益は87%増の4億2800万ドル。油糧種子圧搾部門の利益は5億1000万ドルと、前年同期から2倍以上に伸びた。利益率も拡大した。トウモロコシ加工部門の利益は53%減少して、1億1800万ドルとなった。トウモロコシ価格上昇と、エネルギー価格高騰が利益を圧迫した。

8.マスターカード(MA)
米クレジットカード2位、マスターカードが3日引け後決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の総収入は13億ドル、訴訟関連費用を除いたベースの1株当たり利益は2.47ドルとなった。予想は、総収入が12億6700万ドル、同EPSが2.23ドルだった。決算は、純損益が1億9360万ドルの赤字だった。同業のディスカバー・ファイナンシャル・サービシズとの反トラスト法訴訟の和解費用が響いた。

9.4日の米コマーシャルペーパー(CP)市場では、30日物CP金利が4年ぶりの低水準となった。CP購入など短期金融市場の機能回復に向けたFRBの対策が奏功しているもよう。

10.FRBは5日、市中銀行が連銀に預ける準備預金の所要額を上回る超過準備に対する金利を引き上げ、積立期間中に適用されるFF金利誘導目標(1%)の最低水準に設定した。超過準備の金利引き上げは先月に続き2度目。政策金利水準での銀行間取引を促すことになると指摘した。

11.メドコ(MHS)
処方薬給付管理会社の同社の第3四半期は38%増益となった。ゾロ薬、メール・オーダー薬を使ってコスト削減に尽力した。

12.ホスペイラ(HSP)
特殊医薬品メーカーの業績が予想を上回った。

13.ヤフー(YHOO)
ヤフーのヤンCEOは5日、グーグルとのネット広告分野での提携が破談になったことを受け、新たな交渉・合意を目指す用意があるとの考えを示した。ヤフーはあらゆる可能性を排除していないが、マイクロソフトは交渉を望んでいないようだと語った。

14.ヘッジファンド、トラキス・パートナーズのマネジングパートナー、バートン・ビッグス氏は6日、S&P500指数は10月に底値をつけ、今後は反発して1100まで上昇する可能性があると述べた。米株は割安な水準にあり、特に中小企業に投資妙味があるとしている。経済成長の著しい新興国の株式や、原油安の影響で割安になった航空株に買いを入れているという。

15.ウォルマート(WMT)
米小売り各社が6日発表した10月の既存店売上高は、最大手ウォルマート・ストアーズが前年同月比で増加したが、多くは不振だった。ウォルマートの既存店売上高は2.4%増。アナリスト予想は1.6%増だった。会員制卸売り最大手、コストコ・ホールセールは1%の減少だった。また、リミテッド・ブランズは9%の減少と、予想以上に落ち込んだ。

16.7−9月期(第3四半期)の非農業部門労働生産性指数(速報値)は、前期比年率1.1%上昇(前期は3.6%上昇)と、予想(0.7%上昇)を上回った。第3四半期の単位労働コスト指数は前期比年率3.6%上昇と、予想(3%上昇)を上回った。前期は0.1%低下だった。

17.オバマ次期米大統領は7日、大統領選後初の記者会見で、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★我々は生涯で最大の経済的な難題に直面している。金融危機脱却や経済再建に向けて必要なあらゆる手段を取る。

18.フルアー(FLR)
エンジニアリング会社最大手のフルアーが6日引け後に発表した08年7−9月(第3四半期)決算は、前年同期比95%の増益となり、アナリストの予想平均も上回った。

19.エヌビディア(NVDA)
コンピューター・グラフィックス(CG)用半導体メーカー世界2位、エヌビディアが6日引け後発表した08年8−10月(第3四半期)決算は、利益と売上高がアナリスト予想を上回った。人員削減とアップルとの契約が寄与した。

20.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
ウェルズ・ファーゴは6日、普通株の発行を通じて110億ドルを調達したと発表した。ワコビア買収資金に充てる。調達額は当初の見込みを上回った。同行は4億750万株を1株当たり27ドルで発行。同価格は前日の株価終値を6.2%下回る水準だった。


ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
@GMの元金融子会社のGMACは、再保険会社のメイデン・ホールディングスに再保険事業を売却し、保険事業2部門もメイデンに売却することで合意した。メイデンは3日、買収に絡みワラント発行を通じて2億6000万ドルの資金を調達する計画も発表した。GMは、資本を調達するために利益を上げている保険部門の売却に踏み切った。
Aゼネラル・モーターズがクライスラーとの合併に際し求めていた金融安定化法による支援について、財務省が難色を示している模様。財務省が支援を拒否したことで、GMとクライスラーの合併協議の成否は次期大統領の判断に委ねられそうだ。ただし、自動車業界による低燃費車の開発を支援するため、総額250億ドルの低利融資制度の早期実施には政府として取り組む方針を示した。

2.9月の建設支出は前月比0.3%減少(8月は0.3%増)と、予想(0.8%減少)より落ち込みは浅かった。ただし、9月の民間住宅部門は前月比1.3%減少した。

3.ヨーロッパ委員会は3日、ユーロ圏が景気後退に入ると予測する経済見通しを発表。ユーロ圏が景気後退に入るのは1999年のヨーロッパ通貨統合以来、これが初めて。ユーロ圏のGDP(実質域内総生産)成長率は、今年4月から6月期がマイナス0.2%だったのに続き、7月から9月期もマイナス0.1%と2期連続のマイナス成長を見込んでいる。不動産価格が急激に値下がりしているアイルランド、スペインで景気の悪化が特に深刻。ヨーロッパ委員会では金融危機の直撃を受け、企業や個人消費が大きな影響を受けたと指摘している。

4.ドイツ銀行の米国株ストラテジスト、バ ンキム・チャドハ氏は、S&P500種株価指数構成企業の1株利益について2008年が61ドル、09年が69ドルになるとの見通しを示した。これは、ボトムアップ・アプローチによる予想平均を20%余り下回る水準。銀行による評価損が引き続き企業収益の足かせになることが主因。今後、アナリスト予想は大幅に下方修正されるだろうと言う。

5.米投資会社KKR(旧称コールバーグ・クラビス・ロバーツ)は3日、信用危機の悪化を理由に株式上場計画を延期することを明らかにした。今年末までに公開企業に転換する計画だった。

6.フォード(F)
WSJ紙は3日、フォード・モーターの2008年7−9月(第3四半期)が1株当たり93セントの赤字となるとの見通しを示した。フォードは7日に第3四半期決算を発表する。

7.ゴールドマン・サックス(GS)
メリルリンチのアナリスト、ガイ・モスコウスキー氏は、ゴールドマン・サックスの第4四半期(9−11月)決算が赤字になるとの見通しを示した。9−11月期の1株当たり損失予想は49セント。従来予想では2.98ドルの黒字だった。

8.アメリカズ・リサーチ・グループの調査によると、米小売企業の今年の年末商戦の売上高は、最大で8%落ち込む可能性がある。銀行や小売店が消費者の支出をより厳格化していることが響くもよう。年末商戦の売上高は小売企業の年間売上高の最大35%を占める。調査によると、消費者の約25%がクレジットカードの使用限度額を銀行が引き下げたと答えた。新規のカード発行を断られる人も増えている。

9.米連邦預金保険公社(FDIC)とフロリダ州当局は31日、同州の銀行フリーダム・バンク・オブ・ブラデントンを閉鎖した。米銀の破たんは今年17行目となる。同行は資産2億8700万ドル、預金2億5400万ドル。フィフス・サード・バンコープ・オブ・シンシナティが預金を引き継ぐほか、資産3600万ドル相当を買い取る。

10.米供給管理協会(ISM)が3日発表した10月の製造業景況指数は38.9(前月は43.5)と、予想(41.0)を下回った。1982年9月以来の低水準となった。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…32.2(前月38.8)
★生産…34.1(前月40.8)
★仕入れ価格…37(前月53.5)
★雇用…34.6(前月41.8)
★輸出…41(前月52)

11.10月の米自動車販売によると、前年同月比での減少が相次いだ。自動車ローンの供与抑制と景気悪化で販売店への客足が遠のいた。GMは45%減、フォードは30%減。

12.米連邦準備制度理事会(FRB)が3日発表した銀行の融資担当者を対象にまとめた四半期調査によると、大手法人融資の審査基準はこれまでにない高い比率で厳格化した。今回の調査は10月2日から16日にかけて、米銀55行(合計資産6兆2000億ドル)と外銀21行を対象に実施した。調査に応じた米銀の約85%が大手企業と中規模事業会社に対する商業ローンと工業ローンの審査基準を引き上げており、この割合は1991年に現行の調査が始まって以来で最高となった。

13.ウォルト・ディズニー(DIS)
メリル・リンチがネガティブ・コメント。景気悪化によって、同社のテーマパークや、TV部門に悪影響が出てくるだろうと言う。メリルは、目標株価を27ドルから24ドルに下方修正した他、2009年通期予想EPSを2.40ドルから2.10ドルに引き下げた。

14.ハリーバートン(HAL)
油井サービス大手株の投資判断が引き下げられた。ゴールドマン・サックスが“買い”から“中立”に引き下げた。

15.ダラス連銀のフィッシャー総裁は4日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★信用危機が席巻し、信頼感が失われるなか、物価上昇の勢いは止まった。信用市場の凍結に伴い、インフレの勢いも凍り付いた。
★金融当局には限界があり、財政当局が補完的な行動を取る必要がある。

16.欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、ボネロ・マルタ中央銀行総裁は、4日以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★米国を発端とする信用収縮は他国にも急速に波及し、今や実体経済への信頼感の危機となっている。誰一人としてこのような深刻な影響を想像していなかった。
★10月初めに状況が極めて悪化した。金融危機は金融機関だけでなく実体経済への信頼欠如の危機となった。

17.メリルリンチのストラテジスト、リチャード・バーンスタイン氏は、今後1年間のS&P500指数見通しを1047と、これまでの1248から下方修正した。S&P500指数の1年間のリターンについては8%と、これまでの7%から引き上げた。

18.9月の製造業受注額は前月比2.5%減(8月は4.3%減)と、予想(0.8%減)よりもマイナス幅が拡大した。商品安を背景に非耐久財受注が5.5%減と、過去2年で最大の落ち込みを示したことが影響した。

19.ニューヨーク・ポスト紙は4日、スイスの銀行大手、UBSが先週、北米で約700人を削減したと報じた。世界で2000人を削減する計画の一環だという。

20.JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは3日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★JPモルガン・チェースは来年非常に厳しい環境に直面するだろう。ただし、2010年には強い回復が可能だと見ている。
★ベアー・スターンズと経営破たんしたワシントン・ミューチュアルの買収で、JPモルガンのパフォーマンスは長期的に支えられるだろう。

21.格付け会社フィッチ・レーティングスは4日付のリポートで、以下の通りコメントしている。

  (要旨)
★2009年に世界の経済成長率が過去5年の平均3.5%から1%に低下するだろう。主要先進国が第二次世界大戦以来で最も急速な国内総生産の縮小を経験することが背景。
★日米英とユーロ圏を合わせたGDPは09年に0.8%縮小するだろう。08年は1.1%成長の予想である。
★最近の商品相場の下落基調の恩恵よりも、借り入れ難の方が影響が大きく、貧しい国ほど打撃が大きいだろう。
★信用供与の縮小を原因としたリセッションは世界経済にとって未到の領域であり、その深刻さや期間を推測するための基礎となる前例もほとんどない。先進国のリセッション、商品相場の下落、国際資本移動の減少により、新興市場国では成長が急減速する事態に陥る。ただ、大部分はリセッションは回避できるだろう。
★世界中で利下げが相次ぎ、米英が公的資金を金融機関に注入したことにより、デフレ波及という最悪のシナリオは回避できるだろう。しかし、個人や企業がレバレッジを解消しつつあり、この過程はしばらく消費を抑制する。

22.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、10月の民間部門の雇用者数は前月比15万7000人減少(9月は2万6000人減)し、予想(10万2000人)より落ち込みが大きかった。

   (内訳)
サービス業もマイナスに転じた。業種別では製造業、建設業を含む財生産部門が12万6000人減少。サービス部門も3万1000人減少。建設部門では4万5000人の減少だった。

23.モノライン大手
金融保証会社(モノライン)大手のMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループが5日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算は、いずれもアナリスト予想を上回る額の純損失となった。保証請求への支払い引当金が拡大したことが響いた。MBIAの純損失は8億650万ドル。引当金は9億6100万ドル。アムバックの純損失は24億3000万ドル、引当金は31億ドルだった。MBIAの一部評価損を除くベースでの1株当たり営業損失は2.22ドル。予想は同1.04ドルだった。アムバックの1株当たり損失は7.81ドル、予想は同1.09ドルだった。

  (両社株下げの背景)
@保証請求は拡大しないとの両社の見通しに反して、両社合計での引当金は過去最大となった。
A格付け見直し中のムーディーズによる調査が一段と進む可能性が高くなった。

24.ゼネラル・モーターズ(GM)が出資する元金融子会社GMACが5日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)決算は5四半期連続の赤字だった。同社はまた、傘下の住宅金融レジデンシャル・キャピタル(ResCap)が破たんの危機にあると明らかにした。 GMACの7−9月期純損失は過去最大の25億2000万ドル、総収入は前年同期比43%減の17億2000万ドル。ResCap部門の7−9月期損失は19億ドル。GMACの自動車ローン部門の損失額は2億9400万ドルだった。

25.米供給管理協会(ISM)が5日発表した10月の非製造業総合景況指数は44.4(前月は50.2)と、予想(47.0)を下回った。この水準は、1997年の集計開始以来の最低。

  (主要コンポーネント内訳)
★雇用…41.5(前月44.2)
★事業活動景況…44.2(前月52.1)
★新規受注…44.0(前月50.8)
★受注残…44.0(前月46.5)
★仕入れ価格…53.4(前月70.0)

26.1日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は4000件減少し48万1000件(前週は48万5000件)と、予想(47万7000件)を上回る増加だった。IHSグローバル・インサイトの米国担当チーフエコノミスト、ナイジェル・ゴールト氏は、今回のリセッションは前回2回のリセッションよりも著しく深刻になるとの見方を示した。

27.国際通貨基金(IMF)は6日、2009年世界経済見通しを発表し、米国と日本、ユーロ圏の経済が来年縮小するとの予想を示した。

  (要旨)
★市場は資産のレバレッジ解消の動きと相場下落、投資家による資金引き揚げといった負の循環に陥っている。金融市場てこ入れならびに一段の財政刺激に向けた世界的な行動が必要だ。
★米国のGDPは0.7%縮小、日本は0.2%縮小、ユーロ圏は0.5%縮小。IMFの10月7日時点での予想では米国が0.1%、日本は0.5%、ユーロ圏は0.2%のそれぞれ成長が予想されていた。
★09年の世界の経済成長率は2.2%と、08年の3.7%から鈍化するとの見通しを示した。10月の世界経済見通しでは世界のGDPは3%成長が予想されていた。また、7月時点のIMF予想は3.9%成長だった。

28.ECBは0.5ポイントの利下げで政策金利を3.25%とした。ECBのトリシェ総裁は6日、以下のようにコメントした。

  (発言要旨)
★現時点で発表されている数字を見る限り、信用逼迫の状態になっているとは思われない。
★委員会は幾つかの選択肢を検討した。0.5ポイント利下げのほかに、0.75ポイント利下げの選択肢も検討した。
★金融危機の深刻化と拡大は世界およびユーロ圏の需要をやや長期にわたって減退させると見込まれる。このような環境では物価とコスト、賃金への上昇圧力もまた和らぐと考えられる。再度の利下げの可能性を排除しない。

29.イングランド銀行は6日の金融政策委員会で、政策金利を1.5%引き下げて、年3.0%にすることを決めた。事前の市場予想の0.5%を大幅に上回る異例の下げ幅で、ほぼ半世紀ぶりの低金利となった。

30.英マン・グループが6日発表した2008年4−9月(上期)決算は、継続事業ベースの利益が前年同期比で25%減少し、予想を下回った。1株当たり利益は29.2セントと、予想(32セント)を下回った。9月末時点の運用資産額は676億ドル。それ以後、610億ドルに減らした。ピーター・クラークCEOは、現在の市況は現世代の記憶の中で最悪だ。ヘッジファンド業界は引き続き混乱の最中にあると語った。

31.米投資会社ブラックストーン・グループが6日発表した2008年7−9月(第3四半期)の損失額は1株当たりでは44セントだった。予想は収支トントンだった。プライベートエクイティ投資資産の価値が低下した他、リスク回避姿勢を強める銀行や投資家からの資金調達が難しくなった。

32.ウェルズ・ファーゴは5日引け後、普通株を発行し、100億ドルの増資を行う計画を発表した。先月のワコビア買収合意に伴う措置。大型増資が嫌気された。

33.10月雇用統計結果は以下の通りだった。

★非農業部門雇用者数は前月比24万人減と、予想(20万人減)を上回る落ち込みだった。非農業部門雇用者数は10ヶ月連続で減少した。
★9月の雇用者数改定値は28万4000人減と、速報値の15万9000人減から大幅な修正となった。9−10月では50万人以上の雇用者が減少した。
★失業率は6.5%(前月6.1%)と、予想(6.3%)を上回った。これは、1994年以来の高水準。
★民間部門の週平均労働時間は前月と変わらず33.6時間。
★製造業部門の週平均労働時間は40.6時間で前月と変わらず。
★平均時給は前月比4セント(0.2%)増加し18.21ドルとなった。

  (雇用情勢)
製造業部門は9万人減、建設部門の雇用者数は4万9000人減、金融機関は2万4000人減となった。銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は10万8000人減と、小売りでは3万8100人の減少。政府機関の雇用者数は2万3000人増加(前月4万1000人減)した。

34.9月の卸売在庫は前月比0.1%減少(前月は0.6%増加)と、予想(0.3%)をに反して落ち込んだ。2006年12月以来初のマイナスだった。全体の在庫比率は1.12ヶ月と、この1年間で最高水準。企業は需要の落ち込みに対応できず、在庫が積み上がっている。

35.全米経済研究所(NBER)で景気循環判定委員会の責任者を務めるスタンフォード大学のロバート・ホール教授は7日、雇用統計を受けて、米国が今やリセッションに入っていることに疑いはないとの見解を述べた。

36.ゼネラル・モーターズ(GM)
@ゼネラル・モーターズが7日発表した7−9月(第3四半期)決算は営業損失が42億ドル、1株当たり損失は7.35ドルとなった。予想は、3.94ドルの損失だった。期中に取り崩した手元資金は69億ドルだった。ガソリン価格が7月に最高値を記録、主力のピックアップ・トラックやスポーツ型多目的車(SUV)の需要が落ち込んだ。また、自動車購入者のローン審査が厳しくなったこともブレーキとなった。GMの保有する現金または現金同等物、有価証券は9月30日時点で162億ドルに減少、6月末は210億ドルだった。リック・ワゴナーCEOとフォード・モーター、クライスラー両社のCEOは6日、米上下両院の指導者らと会談し、政府に500億ドルの支援を求めた。
A同社はまた、今年の運転資金が不十分な状態に陥る可能性があると明らかにした。同社によると、業績改善あるいは増資を実施しない限り、来年6月までに必要な運転資金は著しく不足すると言う。
B同社は、戦略的な買収などを検討してきたが、今は資金繰りの改善に集中することが最も重要だとの結論に至ったと表明。クライスラーとの合併交渉を中断する方針を示唆。クライスラーのロバート・ナーデリ会長兼CEOは7日、様々な相手との戦略的な提携の検討を続けるとの声明を発表。GM以外との交渉を本格化させる可能性があることを示唆した。
Cスタンダード・アンド・プアーズは7日、自動車大手のゼネラル・モーターズが今年、営業資金不足に陥る可能性があるとして、格付けを「B−」から一段階下げて「CCC+」とした。

37.フォード(F)
フォード・モーターが7日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算は、29億8000万ドルの営業赤字となった。1株当たりの営業赤字は1.31ドル。予想は同93セントだった。同社は手持ち資金を77億ドル取り崩したほか、給与制職員の削減規模を拡大することを明らかにした。9月30日時点のフォードの手持ち資金は189億ドルと、6月30日時点の266億ドルから減少した。同社を含む自動車メーカーが欧州で400億ユーロ相当の政府融資を申請したことを明らかにした。更に、2010年までに最大170億ドルのキャッシュバランス改善を目指す計画を明らかにした。年間の設備投資を5億ドル減額して10億ドルに抑える方針。また、給与制職員にかかるコストを来年1月末までにさらに10%削減する計画を発表。ブースCFOは、流動性に問題はない。米国ないしは欧米の政府からの低金利融資を前提としていないと付け加えた。

38.9月の中古住宅販売成約指数は前月比4.6%低下し、予想(3.4%低下)を上回る落ち込みだった。地域別では全米4地域のうち、3地域で前月比低下。北東部が17%低下、南部が7.9%低下した。一方、西部では3.7%上昇した。

39.モトローラ(MOT)
米調査会社ストラテジー・アナリティクスの7−9月(第3四半期)調査によれば、モトローラが、米携帯市場の首位から転落、韓国のサムスン電子にトップの座を明け渡したことが明らかになった。インターネット閲覧や動画再生機能を備えたサムスン電子製の携帯端末が人気を集めた。モトローラの7−9月期シェアは21.1%と、前年同期の32.7%から縮小。サムスン電子は22.4%と、同17.9%を上回り、初めてトップに浮上した。

40.ゴールドマン・サックスは7日、10月の米雇用統計を受けて、米リセッションが一段と深刻化するとの見通しを示した。米経済は2008年第4四半期(10−12月)に3.5%縮小、09年第1四半期(1−3月)は2%のマイナス成長になるとの見通しを示した。前回予想のそれぞれ2%縮小と1%縮小から下方修正した。

41.米下院金融委員会のフランク委員長(民主、マサチューセッツ州)は6日、以下の通り発言。米議会が10月に承認した金融安定化策の前半部分3500億ドルのうち、財務省は2500億ドルを資本増強のため金融機関に注入している。
残る1000億ドルは金融機関からの不良資産買い取りなどに充てられている。

   (発言要旨)
★総額7000億ドルの金融安定化策の支援を受けた金融機関が融資拡大を証明できなければ、支援策の後半部分に相当する3500億ドルの公的資金提供の阻止に動く。
★資本注入額と大体同じぐらいの融資拡大の表れがあってしかるべきだ。
★議会の狙いは金融機関が注入された公的資金を配当支払いや他行の買収、幹部向けボーナスの原資に充てることではなかった。この問題で今月18日に公聴会を開く計画だ。
★金融安定化策の後半部分の実施はブッシュ大統領が議会に要請する必要があるため、議員には3500億ドルの利用を阻止する選択肢が与えられている。

42.スプリント・ネクステル(S)
米携帯電話事業者大手スプリント・ネクステルが7日発表した7−9月(第3四半期)決算は、利益がアナリスト予想を下回った。顧客の解約増が影響した。一部コストや利益を除くベースでは収支均衡だった。1株当たり3セントの利益が見込まれていた。同社はまた、デフォルトリスクを避けるため、借り入れ条件を再交渉したことを明らかにした。

43.ゴールドマン・サックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)
JPモルガン・チェースは6日、ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーの2008年9−11月(第4四半期)と09年通期の利益見通しを下方修正した。ゴールドマンの9−11月期は1株当たり58セントの損失、09年通期は1株当たり利益12.47ドルとの見通しを示した。当初見通しはそれぞれ1株当たり利益が2.02ドルと12.70ドルだった。モルガン・スタンレーについては9−11月期は1株当たり利益28セントと従来の77セントから引き下げ、09年通期については2.99ドルと従来の3.52ドルから下方修正した。9−11月期はゴールドマンにとっては株式公開以来で最悪となる可能性があると指摘した。

44.ヤフー(YHOO)
ヤフーのジェリー・ヤンCEOが身売りへの積極姿勢を示したものの、ソフトウエア最大手のマイクロソフトはヤフーについて提携する可能性はあるが、再度買収に乗り出す計画はないと明らかにした。



=以上=
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2008年11月04日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 11/2

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

11月2日

森  崇


ブル材料
1.9月の米新築一戸建て住宅販売は前月比2.7%増の46万4000戸(8月は45万2000戸)と、予想(45万戸)を上回った。前月記録した17年ぶり低水準から増加した。住宅価格下落により買いが入ったもの。

2.FRBは27日から金融支援策の一環として企業から低金利でCPを直接引き受ける措置を開始した。最高格付けの期間30日のCP金利は前営業日比25ベーシスポイント上昇して2.88%。期間90日物は3.34%と、FRBの設定した2.88%を上回っている。FRBは無担保CPを引き受ける際の金利として1.88%、上乗分として1ポイントを加えて設定した。資産担保CP金利は3.88%に設定された。

3.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント傘下の自動車大手クライスラーとの合併に必要な資金を賄うため、米財務省に金融支援を要請。ポールソン財務長官は、低燃費車の生産促進を目的とする自動車業界への250億ドルの低金利融資で賄うことを望んでいると言う。

4.センチュリーテル(CTL)
米通信・インターネットサービス事業者のセンチュリーテルは27日、同業のエンバークを買収すると発表。株式交換方式により約58億ドルで買収する。1株当たりの買収額は約40.42ドル。センチュリーテルはエンバークの負債約58億ドルも引き受ける。エンバークの買収額は、同社24日の引け値をベースに計算した買収金額を約36%上回っている。同社株主はエンバーク株1株につき、センチュリーテル株約1.37株を受け取る。

5.米財務省による2500億ドルの資金注入計画に基き、サントラスト・バンクスやキャピタル・ワン・ファイナンシャルなど、これまで米地銀15行は、合計340億ドル以上を調達。サントラストやキャピタル・ワンのほか、キーコープやPNCファイナンシャル・サービシズ・グループなど、各地銀は財務省に優先株を売却し、資金注入を受けた。

6.サントラスト・バンクス(STI)
ジョージア州最大の銀行サントラスト・バンクスは27日、四半期配当を30%減額する方針を示すとともに、米財務省に35億ドル相当の優先株とワラントを売却することで暫定承認を得たと発表した。減配後の配当は普通株1株当たり54セントになる。

7.べライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
べライゾン・コミュニケーションズが、第3四半期の業績を発表した。携帯電話サービスの加入者が増えたことなどが背景となり、増益となった。

第3四半期(7‐9月期)
 ○売上高…247億5,200万ドル(コンセンサス予想は245億2,940万ドル)
 ○1株当たり利益…0.66ドル(コンセンサス予想は0.66ドル)

8.ボーイング(BA)
ボーイングと同社最大の労組、国際機械工・航空宇宙産業労働者組合(IAM)の執行部は、新たな労働協約の「暫定」条件で合意に達した。組合員が承認すれば、停止されていた工場の操業が再開する。労働協約の期間は通常の3年より1年長い4年で、機械工の雇用保障の確保やアウトソーシングの制限が主な柱。

9.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズのワゴナーCEOがクライスラーとの合併を目指して、連邦政府に資金援助を求めるロビー活動を個人的に展開。GMは投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント傘下のクライスラーとの統合を後押しする資金も政府に求めた。自動車メーカー各社は、政府による業界向けの250億ドル規模の低利融資を利用することができる一方、その金融部門も不良資産7000億ドル規模の金融安定化策を通じて支援を得られる可能性がある。

10.USスチール(X)
米鉄鋼最大手のUSスチールが28日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)決算は、利益が前年同期比で3倍以上に拡大し、過去最高となった。鉄鋼の7月平均価格は上昇し、USスチールの増益に寄与した。

7−9月期(第3四半期)実績
 ★売上高…73億1000万ドル(コンセンサス予想は71億5700万ドル)
 ★1株当たり利益(一部項目を除く)…8.46ドル(コンセンサス予想は7.03ドル)

価格はその後下落。同社は現在、自動車メーカーや建設業者、家電メーカーの生産減速による需要鈍化に直面している。

11.米生保業界が米政府による公的資金注入策をめぐって交渉中。金融機関向けに確保された総額2500億ドルの資金注入枠は、900億ドルが残されている。政府支援を受ける可能性がある米生保として、メットライフやプルデンシャルの名が上がっている。米政府は公的資金注入の第一弾として、1250億ドルを米銀大手9行に配分しており、第二段として少なくとも19の地銀が計350億ドルの受け入れを表明した。

12.AT&T(T)とエクソン・モービル(XOM)
モルガン・スタンレーが、ストラテジック・エクイティ・ポートフォリオにおける上記2銘柄の投資比率を引き上げた。エクソン・モービルは、2%から4%に引き上げた。健全なB/S、財務の柔軟性、製品別、地域別売上げの分散度、経営陣の豊富な経験が強みだと言う。一方、AT&Tは、2%から3%に引き上げた。同社の業界における強固な地位、最近アナリストにより“魅力的”に投資判断が引き上げられた経緯が背景。

13.FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.5ポイント引き下げて1%に設定した。決定は全会一致。FF金利1%は2003年6月に設定された水準と並び、過去半世紀で最低。グリーンスパン前議長は生産が急回復する中で、同政策金利を2004年6月まで1%に据え置いていた。

  (声明骨子)
★経済活動のペースは目に見えて減速、個人消費の減少がその重要な原因。設備投資、鉱工業生産はここ数カ月で弱まっているほか、国外の多くで経済活動が減速していることが米国の輸出見通しを暗くしている。
★委員会はエネルギーなど商品価格の低下や、経済活動の見通し悪化に鑑み、インフレはこの先数四半期において物価安定と一致した水準に緩和すると予想している。
★最近の政策決定によって信用をめぐる環境は時間をかけて改善し、緩やかな経済成長に戻るのを助けると認識する。
★成長に対する下振れリスクは残る。委員会は経済と金融の動向を注視し続け、持続的な経済成長と物価安定を促進するために必要とあれば行動をとる意向だ。

14.9月の米製造業耐久財受注額は、変動の大きい輸送用機器を除く受注が前月比1.1%減(前月は4.1%減)と2カ月連続マイナス、予想(1.5%減)を下回る落ち込みだった。耐久財受注全体では、前月比0.8%増(前月は5.5%減)と、予想(1.1%減)にも関らず、一転プラスに転じた。

   (内訳)
輸送機器の受注は6.3%増。前月は9.3%の減少だった。特に民間航空機が30%増と、前月の38%減から大幅なプラスに転じた。自動車・同部品は3%増、前月は8.8%減だった。

15.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズが29日発表した7―9月(第3四半期)の世界自動車販売台数が減少。7―9月期のGMの販売台数は前年同期比11%減の211万4000台。その結果、1−9月は合計665万6000台となった。一方、トヨタは705万1000台。両社の差はほぼ40万台に開き、GMが2007年に3000台差で死守した首位の座を維持する可能性はさらに小さくなった。

16.フォード(F)
フォードの金融子会社フォード・モーター・クレジットは29日、米連邦準備制度理事会(FRB)が実施するコマーシャルペーパー(CP)買い取りプログラムの利用を認められた。ゼネラル・モーターズ(GM)が出資する金融会社GMACも同プログラムの利用を承認されている。

17.ケロッグ(K)
米シリアル最大手のケロッグが29日寄り前決算発表。7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比9.4%増の32億9000万ドル、1株当たり利益は89セントとなった。予想は、売上高が32億8970万ドル、1株当たり利益は81セントだった。決算は前年同期比12%の増益。製品の値上げが小麦やトウモロコシのコスト高をカバーした。同社は08年通期の1株当たり利益見通しについて、従来予想(2.95−3ドル)の上限に近いとの見方を示した。予想は3ドルだった。

18.プロクター&ギャンブル(PG)
日用品大手が本日寄り前決算発表。先行きも含め、堅調な決算だった。ジレット・フュージョン髭剃り、ヘッド&ショルダーズ・シャンプー、カバー・ガール化粧品などの増収率が2桁となった。

第1四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…220億2,600万ドル(コンセンサス予想219億3,830万ドル)
 ○1株当たり利益…1.03ドル(コンセンサス予想1.00ドル)

第4四半期(4‐6月期)予想
 ○売上高…1〜2%減が見込まれる。
 ○1株当たり利益…1.45〜1.50ドル(コンセンサス予想1.21ドル)

2008年通期予想
 ○1株当たり利益…4.15〜4.25ドル(コンセンサス4.02予想ドル)

19.レッグ・メイソン(LM)
同社7−9月(第2四半期)決算は、一部項目を除く1株当たり利益が97セントと、予想(同86セント)を上回った。

20.第3四半期(7−9月)の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率0.3%減少(第2四半期は2.8%の増加)と、予想(0.5%減)を下回る落ち込みだった。ただし、これは、2001年第3四半期以来で最大の減少率だった。 一方、第3四半期のGDP価格指数は4.2%上昇と、17年ぶりの大幅な伸び。食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数は2.9%上昇と過去2年で最大だった。純輸出と在庫による寄与を除く国内最終需要は第3四半期に1.8%減となり、1991年以降で最大の落ち込みになった。

   (特徴)
とりわけ個人消費は3.1%減と、予想(2.4%減)よりも大幅な落ち込みだった。前期は1.2%の増加だった。マイナスは1991年以降では初めて。

21.アメックス(AXP)
アメリカン・エキスプレスは30日、全従業員の約10%に相当する7000人を削減する方針を発表した。10−12月(第4四半期)に最大2億9000万ドルの費用を計上することも明らかにした。また、新規雇用見送り、設備投資やマーケティング費用の削減により、2009年に最大18億ドルのコスト削減を見込んでいる。

22.コルゲート(CL)
コルゲート・パルモリブが30日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比13%増の40億ドル、EPSは94セントとなった。予想は、売上高が39億9415万ドル、EPSが94セントだった。中南米市場が好調だったほか、製品値上げが寄与した。為替差益も増収率を押し上げた。

23.エクソン・モービル(XOM)
石油大手が寄り前決算発表。7−9月(第3四半期)は、前年同期比58%の増益だった。7月に過去最高を付けた原油価格が寄与した。その後原油価格は急落しているが、株価は一足先にリバウンドしている。会社側は、掘削装置、製油所拡張、新規のガス関連施設に関する設備投資が今後5年間に年間300億ドルに増加する可能性があると明らかにした。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…148億3,000万ドル(コンセンサス予想は135億386万ドル)
 ○1株当たり利益(特別項目除く)…2.59ドル(コンセンサス予想は2.41ドル)

24.ニューヨーク連銀は31日、現在提案されているクレジット・デフォルトスワップ(CDS)のクリアリングハウス(清算機関)のうち、少なくとも1機関が11月か12月に業務を開始できる見込みが十分にあるとの見解を表明した。9月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たんを受けて、少なくとも4つのクリアリングハウスの創設が提案されている。

25.JPモルガン・チェース(JPM)
@JPモルガン・チェースは31日、総額1100億ドル相当の住宅ローンを対象に条件を変更し、すべての不動産ローンの差し押さえ手続きを取りやめる計画を打ち出した。条件変更は今後90日間に完了する方針。9月に買収したワシントン・ミューチュアルから継承した住宅ローンもこれに含まれる。米連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁は住宅差し押さえ抑制を目指し、住宅ローンの保証計画を提案した。7000億ドルの金融安定策のうち最大500億ドルをこの計画に充てるというもの。JPモルガンによると、今回の条件変更計画の下、今後2年間で40万世帯(ローン総額は700億ドル)が支援される見通し。今回の支援プログラムは返済の意思を表明した住宅所有者だけを対象にすると言う。JPモルガンはさらに、地域の住宅市場安定化に向け、複数の地域団体に寄付する、あるいは住宅500戸に大幅な割引を適用する方針という。

AJPは、250億ドル相当の優先株とワラント(株式取得権)を発行し、米財務省に売却したと発表した。銀行に資本を注入し、信用市場のひっ迫緩和を目指す米政府の計画の一環。

26.英銀バークレイズは31日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国やカタールなどを含む投資家に株式を売却し、73億ポンド(約1兆1500億円)を調達すると発表した。資本増強策の一環。バークレイズは転換証券と優先株合計58億ポンド相当を中東の投資家に売却する。また、最大15億ポンドを、既存株主を含む投資家から調達する計画だ。

27.アカマイ・テクノロジーズ (AKAM)
インターネットを通じたコンテンツ配信・インフラ提供のアカマイ・テクノロジーズが発表した7―9月(第3四半期)決算は増収、37%の増益となった。

28.マカフィー(MFE)
コンピューター、セキュリティー対策ソフトメーカー2位のマカフィーが30日引け後発表した2008年7−9月(第3四半期)決算は、純利益、売上高ともに予想を上回った。

29.モンスター・ワールドワイド(MNST)
求人サイト大手のモンスター・ワールドワイドが発表した7−9月(第3四半期)の一部項目を除く1株当たり利益は予想平均を19%上回った。

30.エーオン(AOC)
保険ブローカー大手のエーオンが31日寄り前発表した7−9月(第3四半期)決算では、退職手当など一部コストを除く継続事業からの利益が1株当たり69セントとなった。予想は64セントだった。

31.ウィン・リゾーツ(WYNN)
カジノ大手のウィン・リゾーツが30日引け後決算発表。マカオのギャンブル収益が好調で利益が予想を上回った。


ベア材料
1.ロウズ(LOW)
ロウズは27日、保険子会社のCNAファイナンシャルに12億5000万ドルの資本を注入すると明らかにした。CNAファイナンシャルは投資損失やハリケーンに関する請求が響き、2008年7−9月(第3四半期)決算で3億3100万ドルの赤字を計上した。ロウズはCNAファイナンシャルの株式の90%を保有する。CNAはこの日、普通株の配当停止を発表。ロウズは、ニューヨークの富豪ティッシュ家が経営している。

2.米住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、ジニーメイ(米連邦政府抵当金庫)の住宅ローン担保証券(MBS)利回りが5営業日連続で上昇、米国債利回りとの格差は2カ月ぶり最大に広がった。銀行やヘッジファンドといったMBSの買い手からの需要が落ち込むとの懸念が強まると、利回り格差は再び拡大に転じた。

3.USスチール(X)
UBSは鉄鋼大手のUSスチールの投資判断を「買い」から「売り」へ引き下げた。米国を中心とした世界景気悪化が背景。

4.ピルグリムズ・プライド(PPC)
鶏肉加工最大手のピルグリムズ・プライドは銀行団が信用供与枠の一部条件の一時的な撤廃を延長し、11月26日まで同社の流動性供給を続けると言う。

5.ゼネラル・モーターズ(GM)
ムーディーズが、GMの格付けをCaa2に引き下げるとともに、見通しをネガティブにした。

6.10月の米消費者信頼感指数は38.0(前月は61.4)と、予想(52.0)を大幅に下回った。1967年の集計開始以来の最低となった。株価の下げや銀行貸し渋りが影響しており、個人消費の大幅鈍化につながるリスクが高まっている。

7.全米20都市部を対象にした8月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は、前年比で16.6%低下(前月は同16.3%低下)と、予想に一致した。この落ち込みは、2001年の集計開始以来で最大。同指数は2007年1月から連続で低下。前月比は1%低下(前月0.9%の低下)だった。都市別では20都市すべてで住宅価格が前年比で下落。前月比でみると、20都市のうちクリーブランドとボストンだけが上昇した。

8.ライアン米財務次官代行は28日、財政赤字拡大や金融安定化策の実行を背景に所要借入額は空前の規模に達すると述べた。財務省は一層多くの長期債の発行と、11月5日の銘柄統合での3年債の発行再開の可能性を検討している
と明らかにした。

9.英中央銀行のイングランド銀行は28日発表した金融安定化報告書で、英国、ユーロ圏、米国の3地域での金融機関が抱える評価損が10月時点で2兆8000億ドルに達するとの見通しを明らかにした。
 
   (評価損の内訳)
★米国が最も多く1兆5773億ドル、通貨ユーロを採用している欧州各国で7846億ユーロ(約93兆円)、英国で1226億ポンド(約18兆円)としている。

10.オールステート(ALL)
格付け会社フィッチ・レーティングスは、米自動車・住宅保険の上場会社としては最大手のオールステートを格下げした。オールステートの2008年7−9月(第3四半期)損益は赤字となっていた。

11.ネイバーズ・インダストリーズ(NBR)
陸上石油・天然ガス掘削世界最大手のネイバーズ・インダストリーズは、CFOの辞任を発表した。

12.国際ショッピングセンター評議会(ICSC)の28日の発表によると、10月の米既存店小売売上高はICSCの先の予想に反し、減少する可能性があると言う。10月の既存店売上高は前年同月比0.5%減−1%増との予想を示した。先週時点には1−2%増、今月7日には同2.5%増と見込んでいた。

13.ボルカー元FRB議長は28日、米経済は、過剰債務が引き起こした金融危機によってリセッション入りしているとの認識を示した。どの程度深刻なのかは不明だが、力強い成長に戻るにはかなりの時間がかかるだろうとした。多くの危機を経験したが、これほど複雑な危機は見たことがないとしつつも、FRBの対応については、米金融システムへの信頼を回復するために必要な措置だと評価した。

14.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)はトヨタ自動車に支援を打診していることが明らかになった。トヨタによる資産の買い受けなど即効性のある方策を求めているもよう。GMはまた、クライスラーとの合併交渉も進めている。両社合併が実現すれば、新会社に対するトヨタの資本参加に発展する可能性もあると言う。

15.コーニング(GLW)
LCD(液晶表示装置)ガラス大手、コーニングが29日寄り前決算発表。
7―9月(第3四半期)の売上高は前年同期比ほぼ変わらずの15億6000万ドル、訴訟費用などを除く1株利益は46セントとなった。予想は、売上高が15億9000万ドル、同一株当たり利益は44セントだった。また、10−12月(第4四半期)の売上高見通しは最大13億ドル、1株当たり利益の見通しは20−28セントになると言う。予想は、1株利益が42セント、売上高は15億5000万ドルだった。テレビ需要が減速していることが背景。

16.ニューモント・マイニング(NEM)
金鉱大手が本日寄り前決算発表。インドネシアで産出の金や銅の売上が減少したことが背景となり、51%減益となった。パイプやワイヤー用金属価格下落が響いた。信用収縮の影響で、住宅建設会社からの需要も減少している。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…13億9,000万ドル(コンセンサス予想15億89万ドル)
 ○1株当たり利益…0.39ドル(コンセンサス予想ドル0.43ドル)

2008年通期見通し
 ○販売量…510万〜540万オンス
 ○1オンス当りコスト…425〜450ドル(当初ガイダンスを据え置いた)

17.シマンテック(SYMC)
アンチ・ウィールス・ソフト大手が引け後に決算発表。第2四半期はなかなか健闘したものの、続く第3四半期が弱い。信用収縮の影響で資金調達も困難化している。

第2四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高(非GAAP)…15億2,300万ドル(コンセンサス予想は15億3,946万ドル)
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.37ドル(コンセンサス予想は0.35ドル)

第3四半期(10‐12月期)予想
 ○売上高(非GAAP)…14億5000万ドル〜15億ドル(コンセンサス予想は16億ドル)
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.30ドル〜0.33ドル(コンセンサス予想は0.36ドル)

18.クエスト・コミュニケーションズ(Q)
米地域通信のクエスト・コミュニケーションズは29日寄り前決算発表。今年7−9月期の売上高は前年同期比1.6%減の33億8000万ドル、解雇手当費用6300万とリース契約変更による利益3300万ドルを除いたベースでの1株利益は約10セントとなった。予想は、売上高が33億3000万ドル、同EPSは10セントだった。同社は、2008年通期の売上高と1株当たり利益が先に示した自社予想レンジの下限にとどまるとの見通しも示した。顧客の解約が増えているためという。また、全従業員の3%余りに相当する1200人を削減する計画を明らかにした。

19.ムーディーズ(MCO)
米格付け・調査情報サービスのムーディーズが29日発表した7―9月(第3四半期)決算は、前年同期比17%の減益となった。同社は2008年通期の見通しを下方修正した。新たな債券格付けの需要が低迷していることが背景。2008年通期の収益見通しについては1株当たり1.71−1.77ドルと、従来の1.90−2ドルから下方修正した。債券発行が予想よりも減少したことが理由。

20.エトナ(AET)
医療保険で米3位のエトナが29日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の総収入は前年同期比9.5%増の76億2000万ドル、一部項目を除いた営業利益は1株当たり1.12ドルとなった。予想は、総収入が78億8844万ドル、同EPSは1.12ドルだった。税引き後利益は、投資損失の影響で2億3200万ドル減少した。投資損失には経営破たんした証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスやS&L大手ワシントン・ミューチュアルの証券が含まれる。同社は08年通期の営業利益見通しを1株当たり3.90−3.95ドルとし、従来予測の4ドルから下方修正した。10−12月(第4四半期)の投資益が減少しつつあることを理由に挙げた。予想は4ドルだった。2009年については、営業利益は前年比3−5%増加する見通しで、1株当たりでは4.02−4.15ドルを予想。4.49ドルが見込まれていた。

21.25日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比変わらずの47万9000件と、予想(47万5000件)を上回った。9月のハリケーンの影響がはく落した後、レイオフが続いている。4週間移動平均は47万5500件。前週は48万500件。

22.米半導体工業会(SIA)が30日発表した9月の世界半導体売上高は、前年同月比1.6%増の230億ドルとなった。メモリー製品の価格低下で、8月の5.5%増から伸びが鈍化した。

23.シグナ(CI)
米保険大手のシグナが30日寄り前に決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の総収入は前年同期比9.9%増の48億5000万ドル、一時項目を除いたベースの利益は1株当たり89セントとなった。予想は、総収入が48億6090万ドル、同EPSが1.06ドルだった。前年同期比53%減益となった。年金事業関連の株式投資で損失を計上したほか、医療保険の加入者減が響いた。今年の通期利益予想(調整後)は1株当たり3.40−3.50ドル。予想は4.16ドル。09年については調整後で1株当たり4―4.30ドルの利益を予想している。これも予想(4.72ドル)を下回った。

24.ユニシス(UIS)
コンピューターサービス大手、ユニシスが30日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比5.8%減の13億1000万ドル、1株当り純損失は10セントとなった。予想は、売上高が13億7166万ドル、1株当り利益は4セントだった。予想外の赤字となった。世界的な信用危機を受けて顧客が設備投資を抑制したことが響いた。

25.イーストマン・コダック(EK)
米写真用品大手イーストマン・コダックが30日、寄り前決算発表。
7―9月(第3四半期)の売上高は前年同期比5.1%減の24億1000万ドル、リストラ費用など特別項目を除くベースの1株当たり利益は22セントとなった。予想は、売上高が25億4740万ドル、同EPSは25セントだった。更に、2008年通期の営業利益見通しを2億―2億5000万ドルと、従来見通しの2分の1に圧縮した。売上高見通しは最大5%減と、従来の2%増から減収へと下方修正した。デジタルカメラやプリンターの需要鈍化が背景。また、追加の人員削減に踏み切る方針を明らかにした。同社は昨年12月まで4年間のリストラ計画で2万8000人を削減した。

26.モトローラ(MOT)
売上高が予想より少なく、先行きガイダンスも弱い。携帯端末販売台数が前年同期比32%減の2540万台と、7期連続で減少している。また、携帯電話端末部門を09年7−9月期までに分離する計画を先送りすると言う。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…74億8,000万ドル(コンセンサス予想は78億2,293万ドル)
 ○1株当たり利益(継続事業ベース、特別項目除く)…0.05ドル(コンセンサス予想は0.02ドル)
 ○端末出荷台数…2,540万台

第4四半期(10‐12月期)実績
 ○1株当たり利益…0.02ドル〜0.04ドル(コンセンサス予想は0.07ドル)

2008年通期予想
 ○1株当たり利益…0.05ドル〜0.07ドル(コンセンサス予想は0.07ドル)

27.10月のシカゴ地区の製造業景況指数は37.8(前月は56.7)と、予想(48.0)を下回った。2001年の前回リセッション以降で最低水準。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…32.5(前月53.9)
★生産…30.9(前月71.4)
★受注残…39.0(前月54.9)
★雇用…41.5(前月49.1)
★在庫…56.5(前月37.7)
★仕入価格…53.7(前月80.7)

28.第3四半期(7−9月期)の雇用コスト指数は前期比0.7%上昇(第2四半期も0.7%増)と、予想に一致した。景気悪化の影響で民間部門は0.6%上昇に抑制された。景気の影響を受けにくい政府部門は0.9%上昇した。

29.10月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は57.6(速報値57.5、前月は70.3)と、予想(57.5)とほぼ一致した。1978年の月間ベースでの同指数集計開始以来で最大の落ち込みを記録した。個人消費は第3四半期に縮小に転じており、第4四半期も低迷が続く見通し。

30.スタンダード・アンド・プアーズは31日、アルゼンチンの債務格付けを引き下げた。S&Pはアルゼンチンの外貨建て債務の格付けを「B」から「B−」に引き下げた。投機的等級の上から6番目で、ボリビアやレバノンと同じ。過去10年で2度目のデフォルトを回避するため、260億ドルの年金基金を使用することが国有化の狙いとみられているが、この非伝統的な手段は歓迎されていない。

31.投資家のジム・ロジャーズ氏は31日、ユーロはこの先15−20年はもたないだろう。統一通貨がこれまで存続した例はないと述べた。

32.サン・マイクロシステムズ(JAVA)
サーバー世界4位のサン・マイクロシステムズが30日発表した2008年7−9月(第1四半期)決算は、過去3四半期で2度目の赤字となった。法人顧客の支出削減が響いた。



=以上=
posted by mori at 10:57 | TrackBack(1) | マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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