2008年10月27日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 10/26

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

10月26日

森  崇


ブル材料
1.9月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.3%上昇(8月は0.9%低下)と、予想(0.1%低下)を上回った。これで6ヶ月平均は年率2.5%低下した。約4−4.5%低下するとリセッションが迫っている兆候だと言う。

   (LEIを構成する10項目のうち6項目がプラス寄与)
★マネーサプライ、長短金利スプレッド、消費者期待度指数、入荷遅延、非国防資本財受注、消費財受注がプラスとなった。

   (マイナス寄与項目)
★住宅着工許可件数、失業保険申請件数、週平均労働時間がマイナス寄与だった。

2.ポールソン米財務長官は20日、以下の通り発言。株式購入計画への申請期日は11月14日。銀行はリスク加重ベースで資産の1−3%、額にして最大250億ドルを売却することができる。

   (発言要旨)
★政府による金融機関の株式購入計画について、すべての適格な企業が支援を受けられるよう、十分な資金を確保している。

3.バーナンキFRB議長は20日、下院予算委員会で証言した。

   (証言要旨)
★消費者や住宅購入者、企業など借り手への信用供与を促す対策を検討すべきだ。経済成長と雇用創出を促進するのに効果的だろう。景気刺激策の検討は適切である。

4.金融危機のアイスランドが、国際通貨基金(IMF)を中心にした緊急融資60億ドルの受け入れを発表する見通しと、フィナンシャル・タイムズ紙が20日に報じた。IMFによる金融危機への対応としては、97年のアジア通貨危機以来初めて。60億ドルの緊急融資のうち、IMFは10億ドル程度を出し、残りは北欧の中央銀行や日本側が拠出する見通しだという。

5.JPモルガン・チェースは20日、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーとの合併が成立すれば、GMは労働コスト削減に向けた新たな合意と銀行からの追加融資を獲得できる可能性があるとの見方を示した。全米自動車労組(UAW)や銀行を相手とした交渉でGMの力が強まるという利点があると指摘した。

6.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
英プルデンシャルはアメリカン・インターナショナル・グループのアジア事業買収(150億ドル)に必要な資金を調達するために、中国や中東の投資ファンドと協議しており、話し合いは進展していると、英サンデイ・タイムズ紙が報じた。

7.AT&T(T)
通信大手のAT&Tは、テネシー州政府から、6億ドルのネットワーク整備契約を取り付けた。

8.サンディスク(SNDK)
東芝は提携先のサンディスクとの合弁事業で、製造設備の30%を買い取る計画で基本合意したと発表。

9.ホワイトハウスのペリーノ報道官は21日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★ブッシュ政権は景気刺激策について独自の計画を提案する方針はないものの、議会から名案が出されればこれまで通り予断なく耳を傾ける姿勢だ。
★今月上旬に可決された7000億ドル規模の金融安定化策は、米景気を刺激する最善の方法だ。プロセスが機能するようにしなくてはならない。
★民主党の提案する景気刺激策への計画のほとんどは景気押し上げにつながらない。ブッシュ政権は増税につながる案には反対する。

10.シェリング・プラウ(DGP)
製薬大手シェリング・プラウが21日寄り前決算発表。7―9月(第3四半期)の売上高は46億ドル、買収や資産売却などに絡んだ一時費用を除くベースの1株当たり利益は39セントとなった。予想は、44億9700万ドル、同1株当たり利益は32セントだった。決算は、前年同期比で54%の増益となった。海外の売り上げが好調で、コレステロール降下剤の「ゼチア」と「バイトリン」の販売減少を補う格好となった。また、主要製品である免疫介在性炎症治療薬「レミケード」の売上高は32%増加した。5000人の人員削減と2012年までに年15億ドルの支出を抑える計画も奏功した。

11.米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、投資家による償還要求に直面しているマネーマーケットファンド(MMF)から資産の買い取りを支援するため、最大5400億ドルを貸し出すことを明らかにした。

12.ファイザー(PFE)
ファイザーが本日寄り前決算発表。EPSが予想を上回るとともに、2008年度通期も強い数字を提示した。純利益が前年同期比で3倍に増加しているが、神経痛の治療薬“リリカ”の販売好調と、コスト削減策が奏功した。

第3四半期(7‐9 月期)実績
 ○売上高…119億7,300万ドル(コンセンサス予想は120億7890万ドル)
 ○1株当たり利益…0.62ドル(コンセンサス予想は0.60ドル)
2008年通期見通し
 ○売上高…480億ドル〜490億ドル(これまでの会社側見通し470億ドル〜
 490億ドルの下限を10億ドル引き上げた。コンセンサス予想は487億1,323万ドル)
 ○1株当たり利益…2.36ドル〜2.41ドル(これまでの会社側見通し2.35ドル〜2.45ドル。
 コンセンサス予想は2.37ドル)

13.3M(MMM)
3Mが本日寄り前決算発表。好調な業績だった。同社の主要3部門である安全関連製品、ヘルスケアー、工業の売上高の伸びが揃って10%を超えた。アジアならびに中南米からの受注で、人工呼吸器をはじめとする安全関連製品の売上の伸びが突出し、27%増となった。

第3四半期(7 – 9 月期)実績
 ○売上高…65億5,800万ドル(コンセンサス予想は66億1,900万ドル)
 ○1株当たり利益…1.42ドル(コンセンサス予想は1.38ドル)
 ○粗利率…48.1% (前年同期47.8%)
2008年度通期ベース予想
 ○1株当たり利益…5.40ドル〜5.48ドル(コンセンサス予想は5.45ドル)

14.コーチ(COH)
2000年の株式上場以来初の前年同期比減益だった。やはり景気悪化のあおりを受けた。コーチは今年度通期の1株当たり利益見通しを約2.25ドルに据え置いたが、売上高見通しは10%増と、従来予想の13%から下方修正した。ただし、コーチの戦略(値引き販売の限定、パテント皮革ハンドバック、値のはらない財布の販促)は旨く行った。特にハンドバックは9%増収となり、会社側の計画5%程度を上回る内容となった。総じて難しい環境の中を旨く切り盛りしていると言った内容だった。

第1四半期( 7−9月期)実績
 ○売上高…7億5,250万ドル(コンセンサス予想は7億6,645万ドル)
 ○1株当たり利益…0.44ドル(コンセンサス予想は0.43ドル)
2009年通期予想
 ○売上高…10%増、約35億ドル(これまでの会社側の見通し13%増から下方修正した。
 コンセンサス予想は35億5,962万ドル)
 ○2008年1株当たり利益…2.25ドル(コンセンサス予想は2.20ドル)

15.ノースウエスト(NWA)
米航空大手ノースウエスト航空が22日寄り前業績発表。7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比12%増の38億ドル、一部項目を除くEPSは35セントとなった。予想は、売上高が37億9200万ドル、同EPSが31セントだった。

16.コノコフィリップス(COP)
石油大手コノコフィリップスが22日寄り前業績発表。7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比52%増の700億ドル、一部項目を除く1株当たり利益は約3.32ドルとなった。予想は、売上高が662億9060万ドル、同EPSは3.19ドルだった。前年同期比41%の増益だった。生産が減少したものの、石油価格の値上がりが利益を押し上げた。ニューヨークの原油先物相場は7月にバレル当たり147ドルを超える最高値を記録。7―9月期の平均価格は前年同期比で57%高だった。

17.マクドナルド(MCD)
本日寄り前に決算発表。好調な決算だった。安価な1ドル・ダブルチーズバーガー、特製コーヒーが売れた。相変わらず、北米以外の売行きが相対的に高い。

第3四半期(7-9月期)実績
 ○売上高…62億7,000万ドル(コンセンサス予想は61億9,354万ドル)
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)…1.05ドル(コンセンサス予想は0.98ドル)
 ○世界既存店売上高…7.1%増(予想は7%増)

18.EMCコープ(EMC)
本日寄り前に決算発表。売上高がやや予想を下回ったが、EPSが強い。また、続く第4四半期のガイダンスで、EPSがやはり強い。第3四半期実績でも、同社の基幹部門であるストアレッジの増収率が前年同期比11%増と堅調な伸びを示している。

第3四半期(7-9月期)実績
 ○売上高…37億ドル(コンセンサス予想は37億3,490万ドル)
 ○1株当たり利益(ストック・オプション費を除く)…0.25ドル(コンセンサス予想は0.20ドル)
第4四半期(10-12月期)予想
 ○売上高…40億ドル(コンセンサス予想は41億6,000万ドル)
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.30ドル〜0.31ドル(コンセンサス予想は0.25ドル)

19.AT&T(T)
本日寄り前決算発表。1株当たり利益が予想を下回った。ただし、決算は、前年同期比5.5%の増益だった。独占契約を結ぶアップルのiPhone利用者数増加が寄与した。端末販売では赤字になるが、2年間契約となっていることから、この期間で十分に取り戻せるとの算段だ。

第3四半期(7‐9月期)
 ○売上高…313億4200万ドル(コンセンサス予想は313億2940万ドル)
 ○1株当たり利益…0.67ドル(コンセンサス予想は0.71ドル)

20.アップル(AAPL)
アップルが21日引け後決算発表。まずまずの内容だったことに加え、iPhoneの販売台数が1000万台に達し、同社計画より3ヶ月早い目標達成となったことが好感された。

21.ブロードコム(BRCM)
半導体メーカーのブロードコムが21日引け後決算発表した7−9月期決算は純利益が前年同期と比べてほぼ6倍となり、予想を上回った。

22.ヤフー(YHOO)
ヤフーは21日引け後決算発表。まずまずの内容だった。さらに、従業員の10%以上を削減する計画を発表した。

23.イーライリリー(LLY)
医薬品大手イーライリリーが23日寄り前業績発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は52億1000万ドル、ジプレクサの和解金などを除いた調整後利益は1株当たり1.04ドルとなった。予想は、売上高が50億8400万ドル、同ベースEPSが1.02ドルだった。また、2008年通期ベースEPSガイダンスを3.97ドル〜4.02ドルへと引き上げた。当初は3.85ドル〜4.00ドルだった。

24.ダウ・ケミカル(DOW)
米化学最大手のダウ・ケミカルが23日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比13%増の154億ドル、一部項目を除く1株当たり利益は60セントとなった。予想は、156億4100万ドル、同EPSは58セントだった。プラスチックやその他製品の値上げが奏功した。基礎プラスチック事業の一部を売却する一方で同業のローム・アンド・ハースを買収。収益性の高い特殊化学品分野に注力している。

   (アンドルー・リベリスCEOが以下の通りコメントした)
★米国の需要減退の影響が欧州などに波及し、世界経済が2009年の大部分においてリセッションに陥るだろう。
★化学業界の循環サイクルの谷で1株当たり3ドル以上の利益を確保するとの目標は達成できなくなるだろう(アナリストのコンセンサス予想は2.99ドルである)。

25.ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
小荷物発送最大手のユナイテッド・パーセル・サービスが23日寄り前決算発表。7―9月(第3四半期)の売上高は前年同期比7.4%増の131億ドル、1株当たり利益は96セントとなった。予想は、売上高が130億4054万ドル、1株当たり利益は89セントだった。国際発送と物流管理サービスが寄与した。UPSは08年通期の1株当たり利益が同社の予想レンジ3.50−3.70ドルの下限にとどまるとの見通しを示した。予想は3.57ドルだった。景気の著しい減速が背景であると言う。

26.アルトリア・グループ(MO)
米最大のたばこメーカー、アルトリア・グループが23日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高が43億4000万ドル、継続事業ベースでの1株当たり利益は46セントとなった。予想は、売上高が42億2300万ドル、1株当たり利益が同44セントだった。主力のタバコ製品“マルボロ”などの値上げが奏功した。また、同社は08年通期の1株当たり利益見通しを1.63−1.67ドルで据え置いた。予想は1.66ドルだった。

27.連邦預金保険公社(FDIC)のベアー総裁は23日、上院銀行委員会で証言し、米政府には住宅ローンを保証する権限が与えられていると述べ、抵当物件の差し押さえを回避する取り組みの一環として、住宅ローン会社にローンの条件変更を促すことが可能であるとの見方を示した。

28.米投資ファンドのWLロスのウィルバー・ロス会長が、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★景気後退と連邦政府からの圧力により、金融機関による合併・買収(M&A)が増えるだろう。これから米地銀を買収する意向である。
★ポールソン財務長官が比較的健全な銀行に過剰な資本注入を続ければ、小さい規模で数多くの統合が起こるだろう。

29.9月の中古住宅販売件数は前月比5.5%増の年率518万戸(前月は491万戸)と、予想(495万戸)を上回った。住宅価格下落に伴い一部地域で住宅の値ごろ感が生じたことが背景。9月の中古住宅価格は前年同月比9%下落の19万1600ドルだった。住宅販売在庫は現在の販売ペースで9.9ヶ月分に相当と、2月以来で最低水準となった。前月は10.6ヶ月分だった。

30.世界的な金融危機の影響で国家破綻の危機に陥っているアイスランドの首相府は24日、同国へ約20億ドルの融資を行うことで、国際通貨基金(IMF)と原則合意に達したと発表。IMFの西欧向け融資は1976年以来。


31.24日付のニューヨーク・タイムズ紙は、民主党の大統領候補オバマ上院議員を支持する考えを表明した。ワシントン・ポスト、シカゴ・トリビューン、ロサンゼルス・タイムズなど米有力紙は、オバマ氏への支持で足並みをそろえている。

32.ヴァリ(RIO)
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33.国際通貨基金(IMF)は新興市場国の 経済崩壊を回避するため、加盟各国の出資額に対して最大5倍まで融資する前例のない方針を検討中。期間は3−6ヶ月で、融資を受ける国に政策変更は求めない。韓国の出資額は44億ドルで、このプログラムの下では最大218億ドルの融資を受けることができる。メキシコは最大235億ドル、ブラジルは226億ドル、ポーランドは100億ドルの融資をそれぞれ獲得できる可能性がある。


ベア材料
1.アトランタ連銀のロックハート総裁は20日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★信用市場の回復は緩やかなペースにとどまり、景気のぜい弱さは2009年も当面続くと予想。
★景気拡大が潜在成長率と一致する水準まで回復するには、信用市場の凍結緩和が必要条件だ。
★景気の悪化とそれに関連したこのところのエネルギーをはじめとする多くの商品価格の下落から、インフレ圧力は一段と弱まると予想。

2.OPECが24日にウィーンで開く緊急総会で大幅減産に踏み切り、原油の生産目標を、現行の日量2880万バレル(イラクを除く11ヶ国)から100万バレルか、それ以上の規模で引き下げる公算になった。イラン国営通信は20日、生産目標を日量100万バレル引き下げる見通しだと伝えた。アラブ首長国連邦(UAE)も先に、日量100〜150万バレルの減産を決める公算だと報じた。

3.国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長は20日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★OPECの減産は景気低迷の長期化につながる可能性がある。大幅な減産となれば、相場が急伸し、景気減速が長期化する公算がある。
★インドや中国など、OPEC加盟以外の国々での石油需要減退の兆候は見受けられない。こうした要因が考慮されることを期待している。

4.米連邦司法当局とニューヨーク州のクオモ司法長官はクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場で不適切な取引が行われた可能性があるとして、共同捜査を開始した。

5.メリルリンチのジョン・セインCEOは20日、バンク・オブ・アメリカとの合併の結果、数千人規模の人員が削減されるだろうとの見通しを示した。メリルとの合併は統合後の新会社に70億ドルのコスト低下をもたらすとの見積もりを示すとともに、世界最強の金融機関となるだろうと語った。債券と商品部門の人員削減は予想していないと述べた。

6.ディーア(DE)
モルガン・スタンレーは農機具メーカー、ディーアの株式投資判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。ブラジルでの融資が厳格化しており、南米からの売り上げが伸び悩むリスクがあることが背景。

7.ハスブロ(HAS)
玩具メーカー、ハスブロの7−9月(第3四半期)決算では、利益率が55.9%と、バークレイズの予想(57%)を下回った。

8.ホーメル・フーズ(HRL)
食品加工業者ホーメル・フーズは2008年10月通期の利益予想を1株当たり2.03−2.09ドルと、従来予想の同2.22−2.28ドルから引き下げた。コスト高と世界的な金融市場の混乱が背景。

9.国際ショッピングセンター評議会(ICSC)は21日、11月と12月の米小売売上高は前年同期比で1.7%増と、2002年以降で最も低い伸びにとどまるとの見通しを示した。ICSCがこの日発表した別の統計によると、今月18日までの週の米既存店小売売上高は5月以降で最も伸びが鈍化した。

10.デュポン(DD)
米化学3位のデュポンが21日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は73億ドル、ハリケーン被害に伴う修復関連費用(1株あたり16セント)を除くベースでの1株当たり利益は56セントとなった。予想は、売上高が71億4000万ドル、同EPSは52セントだった。欧米で需要が減少したほか、ハリケーン襲来による被害で売り上げに影響が出た。続く10−12月期利益見通しについて同社は1株当たり20−25セントと、予想(同50セント)を大きく下回った。デュポンはハリケーン被害で10−12月期も1株当たり10セントの利益が押し下げられるとみているほか、北米や西欧で需要が弱まると予想している。

11.バイオジェン・アイデック(BIIB)
バイオテクノロジー大手のバイオジェン・アイデックが21日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比38%増の10億9000万ドル、一部コストを除く1株当たり利益は98セントとなった。予想は、売上高が10億480万ドル、同EPSは89セントだった。決算は、前年同期比73%の大幅増益だった。多発性硬化症治療薬「タイサブリ」に対する需要増が貢献した。タイサブリに関連する脳感染ケースからの売上高への影響も当初予想されたほど大きくなかった。ただし、同社は通期の1株当たり利益については一部項目を除くベースで3.50ドルを上回るとの見通しを示した。予想は
3.56ドルとかなり高かった。

12.ロッキード・マーチン(LMT)
防衛最大手のロッキード・マーチンが21日寄り前決算発表。2008年7−9月期(第3四半期)の売上高は前年同期比4.7%減の106億ドル、1株当たり利益は1.92ドルとなった。予想は、売上高が108億ドル、EPSが1.89ドルだった。決算は、前年同期比2.1%の増益となった。ジェット戦闘機や衛星の売り上げが減少したが、ロシア合弁のロケット発射事業の売却益が貢献した。ただし、見通しが予想を下回った。同社は09年通期の1株当たり利益が7.65−7.90ドルに増加するとの見通しを示した。また、通期の売上高見通しについては443億−453億ドルに達すると見込んでいる。通期利益見通しは1株当たり8.42ドル、売上高見通しは456億ドルだった。

13.メリル・リンチ(MER)
レイデンバーグ・ソールマンのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は、メリルリンチがバンカメによって買収された後、メリルで少なくとも1万人が削減される可能性があるとの見方を示した。バンカメの厳しい雇用方針はメリルに関して特に顕著となる可能性があるとし、メリルはまだ、評価額引き下げが必要となり得る証券を約300億ドル相当抱えていると指摘した。メリルのジョン・セインCEOは20日、バンカメによる買収の結果、数千人規模が削減されるだろうとの見通しを示していた。

14.シティ・グループ(C)
ゴールドマン・サックスは信用市場の環境悪化を理由に、シティグループが2009年下期まで黒字を回復できない可能性があるとの見方を示した。ゴールドマンはシティの株式投資判断を再び「売り」とした。評価損の拡大や資本市場業務の不振が背景。

15.USバンコープ(USB)
ミネソタ州最大の銀行、USバンコープが21日寄り前決算発表。2008年7−9月(第3四半期)の総収入は33億7900万ドル、1株当たり利益は32セントとなった。予想は、総収入が37億9000万ドル、EPSが48セントだった。決算は、前年同期比47%の減益だった。評価損に加えて、建設業者や住宅購入者向けの貸倒引当金の増加が影響した。同行は貸し倒れ予想額を4億9800万ドルと、前年同期の1億9900万ドルの2倍以上に引き上げた。

16.フォード(F)
米資産家カーク・カーコリアン氏率いる投資会社トラシンダは、フォード・モーターの持ち株のうち730万株を売却した。残りのフォード株についても手放す可能性があると言う。トラシンダのフォード株保有比率は6.1%に低下した。トラシンダはまた、今後ギャンブル関連銘柄に集中的に投資する可能性も示した。

17.キャタピラー(CAT)
機械大手が本日寄り前に決算発表。少々弱い。2008年通期は、1株当たり利益がかなり予想を下回った。燃料や鉄鋼など原材料価格の高騰で費用が4億4200万ドル増え、売上高が増加したにもかかわらず、減益となった。アジア・パシフィック、ラテン・アメリカでの売上は好調だが、主力の北米がやはり伸び悩んでいる。09年通期の売上高については08年と同じ程度とし、具体的な数値を示さなかった。金融市場の深刻な混乱状態が背景と言う。

第3四半期(7‐9月期)
 ○売上高…129億8100万ドル(コンセンサス予想は121億2,840万ドル)
 ○1株当たり利益…1.39ドル(コンセンサス予想は1.41ドル)
2008年度通期見通し
 ○売上高…500億ドル(コンセンサス予想は495億ドル)
 ○1株当たり利益…6ドル(コンセンサス予想は6.06ドル)

18.テキサス・インスツルメンツ(TXN)
テキサスが20日引け後決算発表。不振だった。携帯電話用半導体の落ち込みが大きかった。アナログ・チップの方も、広範に売上が鈍っている。携帯電話用半導体では、最大顧客ノキアの売上比率が15%以上あるが、ノキアが他のサプライヤーからの入荷を増やしている。また、ソニー・エリクソンも同様だ。クアルコムにシェアを奪われていたが、状況はさらに悪化している。

第3半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…33億8,700万ドル(コンセンサス予想33億9,729万ドル)
 ○1株当たり利益…0.43ドル(コンセンサス予想0.44ドル)
第4半期(10‐12月期)予想
 部門別売上高ガイダンス
 ○売上高…28億3000万ドル〜30億7000万ドル(コンセンサス予想33億5,811万ドル)
 ○1株当たり利益…0.30ドル〜0.36ドル(コンセンサス予想0.43ドル)

19.17日までの1週間の住宅ローン申請指数は前週比17%低下の408.1(前週は489.3)と、2000年12月以来、ほぼ8年ぶりの低水準となった。住宅ローン30年物固定金利は平均で6.28%と、前週の6.47%から低下。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…1158.8(前週は1514.2)
★購入指数…279.3(前週は313.5)

20.スタンダード・アンド・プアーズとムーディーズ・インベスターズ・サービスをはじめとする格付け会社の現・旧幹部らは22日、米下院の監視・政府改革委員会で証言し、格付け会社は利益の最大化と金融機関からの手数料獲得を目指すなか、時代遅れのモデルに頼っているとの見方を示した。一連の出来事から、格付け機関が使用したこれまでのデータや前提が実際の出来事の深刻さを著しく過小評価していたことが実証されているとした。

21.メルク(MRK)
本日寄り前に決算発表。ほぼ予想通りの決算だった。メルクは7月に、コレステロール降下剤“ゼティア”および“バイトリン”とがんの関連を示唆する研究結果を受けて打撃を受けた。もともと、更に安価な薬と比較しても効果が変わらないとの研究結果が出ていた。後発医薬品(ジェネリクス)メーカーとの競争激化にも直面しているが、とりあえず無難な決算となった。ただし、2010年までの増益率見通しについては、1けた台半ばから後半と、従来の2けた台から下方修正した。がんワクチン“ガーダシル”の安全性も問題視されており、問題は多い。当面、人員削減はじめコストカット継続が見込まれる。本日全従業員の12%に相当する7200人を削減する方針を発表した。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…59億4,390万ドル(コンセンサス予想は59億5,740万ドル)
 ○1株当たり利益…0.80ドル(コンセンサス予想は0.79ドル)
2008年通期予想
 ○1株当たり利益…3.28ドル〜3.32ドル(コンセンサス予想は3.29ドル)
2010年までの増益率予想
 ○1けた台半ば〜後半(これまでの会社側の見通しは2けた台)

22.ボーイング(BA)
本日寄り前業績発表。1株当たり利益が予想を大幅に下回った。前年同期比38%の減益だったが、機械工のストライキ(2万7000人の機械工がストライキを実施、現在7週間目なった)で工場が閉鎖され、航空機納入を中断したことに加え、供給業者の納入遅延で、1株当たり60セントのコストが生じた。7−9月期の航空機納入数は23%減少した。同社は7月23日の時点で、08年通期の1株利益が5.70−5.85ドルと、09年通期は6.80―7ドルとの見通しを据え置いていたが、時間がかなり経過したことから、ガイダンスをキャンセルし、ストライキが終了した後、改めて提示すると言う。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…152億9,300ドル(コンセンサス予想147億1,392万ドル)
 ○1株当たり利益…0.96ドル(コンセンサス予想1.01ドル)

23.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
本日寄り前業績発表。第3四半期は健闘したが、続く第4四半期、2008年通期ガイダンスが予想を大幅に下回った。やはり景気悪化にともなう消費抑制の影響からは免れないと言ったところ。

第3半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…42億6,400万ドル(コンセンサス予想は42億8,055万ドル)
 ○1株当たり利益…0.27ドル (コンセンサス予想は0.25ドル)
第4四半期(4‐6月期)予想
 ○売上高…60億ドル〜70億ドル(コンセンサス予想は70億6,640万ドル)
2008年通期予想
 ○売上高…184億6,000万ドル〜194億6,000万ドル(7月ガイダンスは
 193億5,000万ドル〜201億ドルだった、コンセンサス予想は195億4,652万ドル)
 ○営業収入…7億1,600万ドル〜8億7,600万ドル(7月ガイダンスは7億4,500万ドル〜
 9億2,000万ドルだった)

24.サンディスク(SNDK)
デジタルカメラ向けメモリーカード最大手サンディスクは22日、株価がほぼ8年ぶりの大幅安。サムスン電子が同社に提示していた総額58億5000万ドルの買収案を取り下げたことが嫌気された。サムスンは、半年間にわたる交渉で有意義な進展がなかったことを理由に、1株当たり26ドルの買収案を取り下げたことを明らかにした。

25.ベーカー・ヒューズ(BHI)
エネルギー価格の下落を背景に見通しは、やや不確かになったとの見解を示した。これにより、他の石油関連株も売られた。

26.キンバリー・クラーク(KMB)
消費者向け紙製品大手のキンバリー・クラークは2008年通年の利益予想を1株当たり4.15−4.20ドルに下方修正した。同社の四半期利益は4四半期連続で減少している。

27.18日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比1万5000件増の47万8000件(前週は48万4750件)と、予想(46万8000件)を上回った。4週間移動平均は48万250件。前週は48万4750件だった。

28.リアルティトラックが23日に発表したところによると、7−9月(第3四半期)の差し押さえ手続き件数は前年同期比で71%急増し、集計開始以来の最大に達した。また、デフォルト通告、競売通知、所有権移転を合わせた差し押さえ手続き物件は第3四半期に76万5558戸となり、2005年1月の集計開始以来で最大だった。差し押さえの60%余りが6つの州に集中していた。カリフォルニア、フロリダ、アリゾナ、オハイオ、ミシガン、ネバダ各州であった。

29.ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大学教授(経済学)は23日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★金融危機が投資家の一斉売りを引き起こし数百本のヘッジファンドが破たん、当局は1週間以上にわたり金融市場を閉鎖しなければならなくなる恐れもある。
★米国がくしゃみをすると世界がかぜを引くという言い回しがあるが、米国は今やしつこい慢性の肺炎にかかったようなものだ。新興市場はひどい状態になるだろう。

30.ヘッジファンド会社GLGパートナーズの共同CEO、エマニュエル・ロマン氏もルービニ教授と同じ会議で、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★ヘッジファンドの最大30%が閉鎖に追い込まれるだろう。
★適者生存という法則に従った形で、多くのヘッジファンドが姿を消すだろう。ヘッジファンド業界の年初来の成績は20年で最悪となっている。9月は10年で最悪だった。

31.スタンダード・アンド・プアーズは23日、ロシアの長期ソブリン格付けのアウトルック(見通し)を「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。ロシア政府による銀行救済のコストが膨らむ恐れが理由で、格下げの可能性が高まったと言う。ロシアが金融システムの流動性確保のために用意を表明した資金額は国内総生産(GDP)の15%に上る。ロシア政府は金融危機緩和に向け2000億ドルを超える資金を用意している。

32.ゼロックス(XRX)
プリンター大手のゼロックスが23日寄り前決算発表。7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比1.6%増の43億7000万ドル、1株当たり利益は29セントだった。予想は、売上高が44億7000万ドル、EPSは28セントだった。紙やトナー、サプライ品の売り上げが好調だった。

33.ジャナス・キャピタル(JNS)
投資信託会社ジャナス・キャピタル・グループが23日寄り前決算発表。7−9月(第3四半期)の継続事業ベース1株当たり利益は16セントと、予想(24セント)を下回った。株式市場の下落と投資家による資金引き揚げ(51億ドル分)でミューチュアルファンド(投資信託)資産縮小が響いた。

34.グリーンスパン前FRB議長は23日、議会証言(下院の監視・政府改革委員会)で以下の通り発言。

   (発言要旨)
★デリバティブの規制に対しここ数年間反対の姿勢をとってきたことが特に誤りだった。
★自由市場理論が極めてうまく機能する相当多くの証拠を40年以上にわたって経験してきたことから、非常に衝撃を受けている。

また、サブプライム住宅ローン危機につながった無責任な融資を回避する権限を有していたが、これが実行されなかった。その結果、現在米経済全体がその代償を払っているとの批判を議員より受けていた。

35.クレディ・スイス(CS)
クレディ・スイス・グループが23日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算は、今年2期目の赤字となった。レバレッジド融資債権や不動産ローン担保証券の評価額引き下げが響いた。ブレイディ・ドゥーガンCEOは、10−12月(第4四半期)業績については慎重とし、市場環境は引き続き非常に厳しいとの認識を示した。

36.ゴールドマン・サックス(GS)
ゴールドマン・サックスは、従業員の10%前後を削減する可能性があると言う。

37.英国の2008年7−9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.5%減(4−6月期は前期比横ばい)と、1992年以来のマイナス成長となった。英経済が91年以来のリセッションに陥る可能性が強まった。これで、11月の政策金利決定会議にて政策金利を0.5ポイント引き下げるとの見方が強まった。

38.マイクロソフト(MSFT)
7−9月期の業績は良好だった。統合ソフト、“オフィス”のビジネス部門とサーバー、ツール部門が堅調だった。ただし、続く第2四半期をはじめ2009年通期ガイダンスは予想を下回った。

第1半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…150億6,100万ドル(コンセンサス予想は147億7,257万ドル)
 ○1株当たり利益…0.48ドル(コンセンサス予想は0.47ドル)
第2四半期(10-12月期)予想
 ○売上高…173億ドル〜178億ドル(コンセンサス予想は180億9,125万ドル)
 ○1株当たり利益…0.51ドル〜0.53ドル(コンセンサス予想は0.56ドル)
2009年通期ベースの会社側が提示したガインダンス
 ○売上高…649億ドル〜664億ドル(コンセンサス予想は666億6,855万ドル)
 ○1株当たり利益…2.00ドル〜2.10ドル(コンセンサス予想は2.11ドル)

39.ジュニパー・ネットワークス(JNPR)
ネットワーク機器大手ジュニパー・ネットワークス(JNPR)が23 日引け後決算発表。良好な決算内容だった。ただし、続く第4 四半期が弱い。また、2008 年通期ガイダンスで、売上高が予想を下回った。また、決算発表後のコンファレンスで、慎重ながらも楽観的だが、市場における不透明要因の数については現実的となっているとコメントしている。

7-9 月期(第3 四半期)実績
 ○売上高…9 億4700 万ドル(コンセンサス予想は9 億2800 万ドル)
 ○1株あたり利益…32 セント(コンセンサス予想は29 セント)
 ○粗利益率…21.3%(前年同期は15.3%)
 ○製品売上高…26%増
 ○サービス収入…40%増
10-12 月期(第4 四半期)ガイダンス
 ○売上高…9 億2100 万-9 億7100 万ドル(コンセンサス予想は9 億7180 万ドル)
 ○1株あたり利益…30−33 セント(コンセンサス予想は32 セント)
2008 年通期ガイダンス
 ○売上高…35億7000万ドル−36億2000万ドル(当初最低35億9000万ドルだった)
 ○1株あたり利益…1.17-1.20 ドル(当初1.14−1.17 ドルだった、コンセンサス予想は
 1.16 ドル)

40.ニューヨーク・タイムズ(NYT)
スタンダード・アンド・プアーズは23日、ニューヨーク・タイムズ紙の格付けを3段階引き下げ、ジャンク(投資不適格)級とした。米経済はリセッション入りが濃厚で、収入に一段とブレーキがかかると見込まれると説明している。



=以上=
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2008年10月20日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 10/19

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

10月19日

森  崇


ブル材料
1.米連邦準備制度理事会(FRB)は13日、欧州中央銀行(ECB)など世界の中銀とともに、金融システムに無制限のドル資金を供給すると発表。ECBとイングランド銀、SNBは年末越えの資金を含め金融機関の需要に応じたドル資金を供給できる。ドル建て3ヶ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は13日、4.75%と前週末の4.82%から低下した。

   (FRBの声明骨子)
★世界の中銀は引き続き協力し、短期金融市場に十分な流動性を供給するため必要なあらゆる措置を取る準備がある。

2.英政府は同国の銀行大手、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とHBOS、ロイズTSBグループに合計で370億ポンド(約6兆4600億円)を出資する。

   (要旨)
★RBSは200億ポンドの出資を受ける。これにより同行への政府の持ち分は60%となる。
★HBOSとロイズTSBには合わせて170億ポンドが注入される。ロイズとHBOSは政府が仲介した合意により合併することになっている。政府は出資により、RBSとHBOSの議決権の過半数を握り、ブラウン英首相を取締役会に送り込む。同首相は配当停止や幹部賞与制限の権限を持つ。各行は中小企業への融資と住宅ローン提供を向こう3年にわたり07年並みの水準に維持すること、住宅ローンの支払いが滞った住宅保有者が自宅を保持できる策を検討することを約束。また、政府保有の優先株を買い戻すまでは、株主への配当は行なわない。
★一方、バークレイズは政府からの出資は受けず、自力で65億ポンド以上の増資を実施する計画を発表した。

3.ドイツ財務省は13日、5000億ユーロ(約68兆4400億円)を拠出すると発表した。銀行システムてこ入れのため債務保証と資本注入が内容。政府はまた、同計画の一環としてカバードボンドを保証する短期的措置を講じる。一方、ドイツ連銀は短期金融市場の流動性を確実にする行動を取るという。

4.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーは13日、三菱UFJフィナンシャル・グループによる90億ドル模の出資条件を変更することで合意、資本提携合意はこの日実行された。三菱UFJは普通株を含めず優先株(配当利回り10%)のみを取得した。変更後の三菱UFJによる出資形態は、約78億ドル相当の転換型優先株式(転換価格1株当たり25.25ドル)、および約12億ドル相当の償還型優先株式。配当利回りはともに10%だという。

5.米住宅金融大手ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)
連邦当局は、上記2機関に対し、不採算となった住宅ローン関連証券の月当たり400億ドル規模の買い入れを開始するよう指示。購入の対象はサブプライムローン証券、オルトA証券、不履行に陥ったプライムローン証券。この買い入れは、米財務省の7000億ドルの不良資産買い入れ策とは別になるという。

6.カシュカリ米財務次官補は13日、以下の通りコメント。

★金融機関の株式購入計画は選択肢の1つであり、健全な金融機関が対象である。
★幅広い金融機関の株式を購入するため標準化されたプログラムを構築している。株式購入計画は自主的なものであり、健全な金融機関からの参加を促すよう魅力的な条件で設計される。
★最終的に3社が財務省のマスター・カストディアン(証券管理機関)に選定され、今後24時間以内に発表される。同3社は問題債権購入計画(TARP)の主要契約者となる。

7.ブッシュ米大統領は14日、金融危機対策を発表。金融安定化法に基づく最大7000億ドルの公的資金のうち2500億ドルを資本注入に使う方針で、大手9行に先行注入する。銀行間取引への政府保証や預金保護の拡大など、欧州並みの幅広い安全網も設ける。

資本注入は当初9行から始まる。銀行名は公表されていないが、総額の半分に相当する1250億ドルが数日以内に注入される模様。内訳はシティグループ、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースのほか、統合されたバンク・オブ・アメリカ(BOA)/メリルリンチの各行が250億ドルを受け取り、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グループはそれぞれ100億ドルを取得する。バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは約30億ドル、ステート・ストリートは20億ドル受け取ることを明らかにした。

8.米連邦預金保険公社(FDIC)は14日、新たに発行される優先無担保債を一時的に保証し、銀行の無利子預金を完全に保護すると発表。米国地域銀行協会(ICBA)の代表、カムデン・ファイン氏は、全米にある資産100億ドル未満の7000行のうち約100行あるいはそれ以下が資本注入計画に応じる可能性があるとの見方を示した。

9.米住宅金融ファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)の住宅ローン担保証券(MBS)利回りの米国債に対する上乗せ幅が縮小中。米政府が発表した銀行支援策を手掛かりにサブプライム向け住宅ローンおよび商業不動産ロー ンを担保とした債券の価格が上昇したのが背景。

10.ニューヨーク連銀は14日、今月上旬に発表されたコマーシャルペーパー(CP)市場混乱防止策としての金融当局によるCP購入について、価格設定の詳細を発表した。金利は3ヶ月物オーバーナイト・インデックス・スワップ(翌日物無担保レートと固定金利を交換する取引、OIS)金利に1ポイント上乗せした水準となる。資産担保CPについては、金利は3ヶ月物オーバーナイト・インデックス・スワップ金利に3ポイント上乗せされる。無担保のCPについては無担保信用補完料としてさらに1ポイント加算される。

11.銀行株
シティグループは14日、米政府がこの日、金融市場の回復に向けた政策を発表したことを受け、米銀12行の株式投資判断を「買い」に引き上げた。米政府が銀行に資金を注入する計画は事態の様相を一変させるものだと指摘した。

12.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
米医療機器・医薬品大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が14日寄り前業績発表。7−9月(第3四半期)決算は前年同期比30%の増益。抗アレルギー剤「ジルテック」やうがい薬を製造する消費財製品部門が好調で、6月から低価格のジェネリックとの競争が本格化した抗精神病薬「リスパーダル」などの主力製品の不振を補った。同社は2008年の通期利益見通しを1株当たり4.50−4.53ドルと、従来の同4.45−4.50ドルから上方修正した。

第3半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…159億2,100万ドル(コンセンサス予想は156億9,969万ドル)
 ○1株当たり利益…1.17ドル(コンセンサス予想は1.11ドル)

2008年通期見通し
 ○1株当たり利益…4.50ドル〜4.53ドル(コンセンサス予想は4.50ドル)

13.XLキャピタル(XL)
バミューダ登録の保険会社、XLキャピタルは14日、資本は十分だとして、増資の必要はないと表明した。

14.ポールソン米財務長官は15日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★国内の金融システムに2500億ドルの資本を注入するブッシュ政権の政策により、銀行融資は確実に増え米経済のてこ入れにつながる。
★金融システムを安定させれば、銀行は貸し出しを再開し、消費者ならびに企業への融資も復活、企業は採用を再開し、事態は前進するだろう。
★経営不振に陥っている銀行ではなく健全な銀行に十分な資金が行き届くことを確実にするための政策だ。これらの銀行は自信を持ってこの資本を活用するだろう。
★7000億ドルの金融安定化法の一環として、財務省が金融機関から問題資産を購入する計画も推進する。

15.ウェルス・ファーゴ(WFC)
寄り前に業績発表。総収入は予想を下回ったが、他の銀行に比べ、しっかりした決算内容だった。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○総収入…103億8,000万ドル(コンセンサス予想109億5,041万ドル)
 ○1株当たり利益…0.49ドル(コンセンサス予想0.40ドル)
 ○純金利マージン…4.79%(前期は4.92%、前年同期は4.55%だった)
 ○融資総額に対する貸倒償却の比率…2%(前期末は1.6%、前年同期は1%だった)

16.アボット・ラボラトリーズ(ABT)
医薬品、医療機器大手が寄り前決算発表。好調だった。2008年度通期ベースの1株あたり利益ガイダンスも上方修正された。とりわけ主力薬品である抗リウマチ剤「ヒューミラ」や新ステント「ザイエンス」の売上が好調だった。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…75億ドル(コンセンサス予想73億5,600万ドル)
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.79ドル(コンセンサス予想0.78ドル)

2008年度通期見通し
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)…3.31ドル〜3.33ドル(当初のガイダンスは3.24ドル〜
  3.28ドルだった)

17.9月の消費者物価指数は前月比変わらず(前月は0.1%低下)と、予想(0.1%上昇)を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%上昇(前月は0.2%上昇)と、市場予想(0.2%上昇)を下回った。前年同月比でCPIは4.9%上昇。前月は5.4%上昇だった。コアCPIは2.5%上昇で前月と同じ。

   (内訳)
エネルギー価格は前月比で1.9%低下した。天然ガス価格急落が主因。ガソリン価格は0.6%下落した。食品価格は2ヶ月連続で0.6%上昇。新車価格は0.7%低下と、2005年8月以来で最大のマイナス率となった。航空運賃は1.7%低下と、06年11月以来の大幅なマイナス。

18.8月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて140億ドルの買い越しだった。前月は同86億ドルの買い越し。

   (内訳)
ファニーメイやフレディマックなど、政府系機関の発行する債券に対する外国人からの需要が細り、売越額は295億ドルだった。海外投資家による米国株の売越額は約10億ドルと、前月の58億ドルの売り越しからマイナス幅が縮小した。外国人投資家による米社債の売越額は131億ドル。米国債の買越額は348億ドルに拡大した。7月は343億ドルの買い越しだった。外国政府機関による中長期米国債の買越額は48億ドルと、前月の101億ドルから減少した。

   (米国債保有動向)
★8月の日本の投資家による米国債の保有額は75億ドル純減の5859億ドル。
★中国の投資家の保有額は223億ドル純増の5410億ドル。
★英国は159億ドル純増して3704億ドルだった。

19.11日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比1万6000件減の46万1000件だった。予想は47万件だった。4週間移動平均は48万3250件と、前回リセッション時の2001年以来で最高。前週は48万2500件だった。ハリケーンの影響が無くなった。

20.バクスター・インターナショナル(BAX)
血液病治療最大手のバクスター・インターナショナルが16日寄り前業績発表2008年7―9月(第3四半期)の売上高は前年同期比15%増の31億5000万ドル、一部項目を除いたベースの1株当たり利益は88セントとなった。

予想は、売上高が30億7100万ドル、同1株当たり利益は82セントだった。純利益が前年同期比で19%増加した。血友病や免疫疾患関連の製品がけん引した。同社は08年通期の一部項目を除く1株当たり利益を3.35−3.37ドルと予想し、7月に示した3.28−3.32ドルから上方修正した。

21.ニューコア(NUE)
米鉄鋼メーカー大手のニューコアが16日寄り前業績発表。2008年7―9月(第3四半期)の売上高は前年同期比75%増の74億5000万ドル、純利益は7億3460万ドル(1株当たり2.31ドル)となった。予想は、売上高が75億1160万ドル、1株当たり利益は2.19ドルだった。企業買収による売り上げ増加が寄与した。1株当たり利益が良好だった。同社の9月15日時点の見通しでは1株当たり利益は2.15−2.20ドルだった。

22.ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
ジェットエンジンやエレベーターを製造するユナイテッド・テクノロジーズが16日寄り前業績発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比6.9%増の148億ドル、純利益は12億7000万ドル(1株当たり1.33ドル)となった。予想は、売上高が150億3900万ドル、1株当たり利益は1.31ドルだった。前年同期比6%の増益となった。エレベーターやサービス契約への海外からの需要が堅調だった。同社は、08年通期利益は1株当たり4.90−4.95ドルとの見通しを示した。従来予想に比べレンジ下限を10セント引き上げた。

23.コンチネンタル航空(CAL)
コンチネンタル航空が16日寄り前業績発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比8.8%増の41億6000万ドル、1株当たり純損失は2.14ドルとなった。予想は、売上高が41億2800万ドル、1株当たり純損失は1.48ドルだった。燃料価格の上昇とハリケーン「アイク」の影響で運航に支障が出たことが影響した。

24.ノキア(NOK)
携帯電話端末メーカー最大手、フィンランドのノキアが16日業績発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比5.1%減の122億ユーロ、純利益は10億9000万ユーロ(1株当たり0.29ユーロ)となった。利益が11億2000万ユーロ、売上高は127億ユーロと見込まれていた。同社は10−12月期の市場シェアが前期(38%)から横ばいまたは若干上昇するとの見通しを示した。これを受け、株価が上昇した。価格低下と上位機種(上位機種ではリサーチ・イン・モーションとアップルに後れを取っている)での市場シェア縮小が響いた。

25.バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
金融資産のカストディ(保管)業務で世界最大の銀行、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが16日寄り前業績発表。2008年7−9月(第3四半期)の純利益は3億300万ドル(1株当たり26セント)と、前年同期の6億4000万ドル(同56セント)から減少。一部項目を除いた1株利益は72セントと、予想(同69セント)を上回った。追加資本金は必要ないとコメントした。

26.UBS(UBS)
スイス政府は16日、スイス金融最大手のUBSに対し、最大5兆9000億円の公的資金を投入すると発表した。60億スイス・フラン(約5300億円)を資本注入するほか、中央銀行のスイス国民銀行が最大540億ドルの資金支援を行い、UBSの不良資産を事実上買い取る。UBSが資本増強のために、株式に転換できる有価証券を発行し、スイス政府が全額引き受ける。さらに、サブプライムローン関連商品を、新設する基金に移し、損失拡大を防ぐ。スイス中銀が基金の経営権を最終的に取得する内容だ。UBSの総資産は6月末で2兆766億スイス・フラン(180兆円)で、スイスの国内総生産(GDP)の約4倍にのぼる。

27.ブッシュ米大統領は17日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★信用システムは凍結するのにある程度、時間がかかるが、政府の大規模な対応策が最終的には米経済の回復につながるだろう。

28.債券ファンド最大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)共同投資責任者ビル・グロス氏は17日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米国が金融支援策としてコマーシャルペーパー(CP)や金融機関保有の不良資産を買い取り始めたら、ドル建てLIBORは約2%低下するとの予想を示した。1ヶ月物ドル建てLIBORは2.25%付近まで低下し、3ヶ月物では2.65%へ低下するだろう。いずれの数値も17日の金融市場ではそれぞれ4%台をつけている。FRBは今月27日の週から、企業が発行するCPを購入する。

29.バフェット氏がNYタイムズ紙のコラムに「私は米国株を買っている。私の買いは単純なルールによるものだ。すなわち、他の人々が貪欲な時は怯え、逆に他の人々が怯えている時は貪欲になれである。そして、現在明らかに恐怖が幅広く支配している」と米国株に強気コメントを掲載。

30.J.P.モルガン・チェースが世界規模のリセッションにあって、アウトパフォームが予想される16銘柄をピック・アップした。以下の通り。
3M Co.、Baxter International Inc.、Colgate-Palmolive Co.、CA Inc.、Devon Energy Corp.、General Mills Inc.、Gilead Sciences Inc.、Google Inc.、Hewlett-Packard Co.、McDonald's Corp.、Merck & Co.、Monsanto Co.、Nucor Corp.、Philip Morris International Inc.、Union Pacific Corp.、Visa Inc.、T

31.グーグル(GOOG)
グーグルが16日引け後決算発表。売上高はやや弱いが、1株当たり利益が堅調だった。景気悪化で、悲観的見方が強かっただけにこの決算内容は良好との評価が多かった。

第3四半期(7−9月期)決算
 ○売上高(TAC費用を除く)…40億4,000ドル(コンセンサス予想は40億4,903万ドル)
 ○1株当たり利益(非GAAPベース)…4.92ドル(コンセンサス予想は4.75ドル)

32.ギリアド・サイエンシーズ(GILD)
薬品大手が16日引け後に決算発表。売上高も1株当たり利益も予想を上回った。とりわけ主力薬の増収率が2桁増になっているのが力強い。困難な環境下、今回の決算は良好であった。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○売上高…13億7,100万ドル(コンセンサス予想は13億1,339万ドル)
 ○1株当たり利益…0.55ドル(コンセンサス予想は0.52ドル)

   (主力薬売上)
★トルバダ(Truvada)…5億4,910万ドル(前年同期比34%増加)
★ヴィレアド(Viread)…1億5,595万ドル(同5%増加)
★アトリプラ(Atripla)…4億2,763万ドル(同77%増加)
★ヘプセラ(Hepsera)…9,120万ドル(同15%増加)

33.アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)
半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)が16日引け後決算発表。2008年7−9月(第3四半期)決算はグラフィックス用半導体需要を受けて、赤字幅が縮小した。


ベア材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
クライスラー買収をめぐるゼネラル・モーターズと米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント間の交渉は、金融市場の混乱を理由に不調に終わったとWSJ紙が報じた。

2.カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は13日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★信用危機を背景に銀行が合併を繰り返すなか、金融政策当局者は新たな 金融寡占の台頭とリスクの集中を警戒するべきだ。金融監督当局は将来的に巨大な力を発揮する金融寡占の進行に対して、どの程度の是正措置を取るのか検討する必要がある。

3.マイクロソフト(MSFT)
クレディ・スイスがコンピューター販売の伸び悩みを理由にマイクロソフトの向こう2年間の利益見通しを下方修正した。マイクロソフトの2009年通期の1株利益を2.10ドルと、従来見通しの同2.13ドルから下方修正した。また、10年通期については1株当たり利益が2.44ドルとの見通しを示した。従来予想は同2.53ドルだった。

4.ペプシコ(PEP)
ペプシコが14日寄り前業績発表。2008年7−9月(第3四半期)の売上高は112億ドル、ヘッジを含む一部コストを除いたベースの1株当たり利益は1.06ドルとなった。予想は、売上高が112億560万ドル、同ベース1株当たり利益は1.08ドルだった。北米市場での飲料販売が減少したことが利益に響いた。ガソリンや食品の値上がりの影響で、消費者が清涼飲料の消費を控えたことが背景にある。同社は一部コストを除く通期利益が1株当たり3.67−3.68ドルになるとの見通しを示し、7月時点の3.72ドルから引き下げた。3.74ドルが見込まれていた。

5.インテル(INTC)
フリードマン・ビリングズ・ラムジー・グループはコンピューター需要が弱まりつつあるとして、インテルの10−12月(第4四半期)売上高はアナリスト予想を達成できないとの見方を示した。

6.ボーイング(BA)
航空機製造大手のボーイングは13日、週末に行われた国際機械工労組との労使交渉が物別れに終わったことを公表。同社工場の操業停止は6週目に突入することになる。

7.米連邦準備制度理事会(FRB)が15日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。9月に経済活動は全米で悪化した。

   (要旨)
★経済活動は9月に全12連銀地区で弱まった。
★個人消費は大部分の地区で減少し、小売りや自動車販売、観光で減少が報告された。
★製造業活動については大部分の地区で低下。
★サービス業はほぼ全地区で活動が低下した。
★住宅および建設活動については全米で低下あるいは低迷した。
★信用状況は12地区全域でひっ迫している。企業向けの信用供与が縮小したとの報告が幾つかあった。
★インフレ圧力については大部分の地域で低下した。

8.9月の小売売上高は前月比1.2%減(8月は0.4%減)と、予想(0.7%減)を上回る落ち込みだった。2005年8月以来で最大の落ち込み。3ヶ月連続の減少は1992年8月以降初めて。変動の大きい自動車を除いたベースは0.6%減。0.2%減が見込まれていた。

   (内訳)
主要13項目のうち11で減少。特に自動車ディーラーが3.8%減と落ち込んだ。家具店は2.3%減。衣料品アウトレットでの購入も2.3%減少、飲食店の売り上げも0.5%減となった。一方、ガソリンスタンドの売り上げは0.1%増加。ヘルスケア関連も0.4%増となった。

9.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が15日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★金融市場の安定化は重要な第一歩だが、期待通りに市場が安定を取り戻したとしても、広範な景気の回復はすぐには起こらない。経済活動は当面、潜在成長率を下回る見通しだ。
★住宅市場は引き続き実体経済の軟調の根源となっている。個人消費と設備投資、労働市場の著しい鈍化もみられている。
★必然的な後退に適応するにつれ、われわれの戦略が引き続き発展し、改善される。金融システムの補修と改革という目標を達成するまでわれわれは退かない。

10.ホワイトハウスのフラット報道官は15日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米国経済は弱い成長期にある。最近の小売売上高だけでなく雇用統計やそのほかの統計、さらに信用問題に伴う深刻な打撃を考えてみても、景気が弱い状況にあり、回復にはしばらく時間がかかる。

11.コーラ(KO)
寄り前に業績発表。売上高が予想を下回った。北米での不振を、インド、中国を中心とする新興国の好調で相殺した。前年同期比6%増収になっているが、ドル安にともなう為替差益がかなり貢献している。従って、文字面より、実態はもっと軟調だったと言うのが実相。

第3四半期(7−9月期)実績
 ○売上高・・・ 83億9,300万ドル(コンセンサス86億1,590万ドル)
 ○1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.83ドル(コンセンサス0.77ドル)

12.J.P.モルガン(JPM)
寄り前に業績発表。総収入は予想を下回ったが、一部項目を除くEPSが予想ほど悪化しなかった。厳しい事業環境だが、他行ほどの業績悪化に見舞われていないとの実態を示すものであった。ただし、ダイモンCEOが以下の通り発言している。

   (ダイモンCEOコメント)
★今後、数四半期に渡り、収益が減少することがあり得る。
★すべての業務部門が景気減速の影響を受けている。
★米政府の銀行救済案は強力だ。滞った与信の流れを回復させるだろう。当行は、公的資金を融資の原資に充てるつもりだ。

第3四半期(7‐9月期)実績
 ○総収入…147億3,700万ドル(コンセンサス予想は155億7,228万ドル)
 ○1株当たり損失(ワシントン・ミューチュアル関連の一時利益5億8100万ドルを除いた
  ベースの損益)…0.06ドル(コンセンサス予想は0.18ドルの損失)

13.9月の鉱工業生産指数は前月比2.8%低下(8月は1%低下)と、予想(0.8%低下)を上回る下落幅だった。1974年以来で最大の落ち込み。信用収縮に加え、ハリケーンの襲来、航空機メーカーのストライキが打撃要因だった。9月の鉱工業設備稼働率は76.4%(前月は78.7%)と、予想(77.9%)を上回る落ち込みだった。

14.フィラデルフィア連銀が16日に発表した10月の同地区の製造業景況指数はマイナス37.5(前月3.8)と、予想(マイナス10)を上回る落ち込みだった。1990年10月以来の低水準。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…マイナス30.5(前月5.6)
★出荷…マイナス18.8(前月2.6)
★仕入れ価格…7.2(前月31.5)→インフレ鈍化
★販売価格…5.3(前月15.5)
★雇用…マイナス18.0(前月マイナス0.9)

15.ミネアポリス連銀のスターン総裁が16日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★雇用は更に減少。大部分の財・サービスに対する需要が一段と減退する見通しだ。インフレは低下に向かうだろう。
★財務省の銀行支援策については、実質的でかなり大規模だ。資本構造の改善や現在、凍結している資産の価値を確立する一助となる。

16.セントルイス連銀のブラード総裁は16日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★インフレ率が低い水準で安定することは景気拡大を促す上で必要不可欠だ。

17.ポールソン米財務長官は16日、資本注入計画の対象を銀行と貯蓄機関に集中する考えを示し、ヘッジファンドなど監督機関の規制を受けない企業は当初、支援対象にならないとの見解を明らかにした。

18.OPECは16日、来月予定されていた臨時総会を今月24日に繰り上げて開催すると発表。原油先物相場急落が背景。

19.米投資会社ハイランド・キャピタル・マネジメントは2本のヘッジファンド(資産額は合計15億ドル)を閉鎖する。損失が拡大したためという。ハイランドはヘッジファンドの「ハイランド・クレジット・ストラテジーズ・ファンド」と「ハイランド・クルセーダー・ファンド」を段階的に清算する。ハイランドは6月30日時点で370億ドルを運用していた。

20.シティ・グループ(C)
本日寄り前に決算発表。4四半期連続の赤字となった。信用損失や貸倒引当金、評価損が引き続き圧迫要因となっている。部門別では、リテール部門が前年同期比で収入が微増した以外、全ての部門で減収。特にトレーディングと投資銀行部門の落ち込みが大きい。パンディット最高経営責任者(CEO)は、第4四半期には同行のドイツのリテール銀行部門の売却と財務省からの資金注入で一段と強化されるとの見通しを示しを示した。

第3半期(7‐9月期)実績
 ○総収入…167億ドル(コンセンサス予想は203億3,985万ドル)
 ○純損失…28億ドル(コンセンサス予想は37億8,600万ドル)
 ○1株当たり損失(継続事業ベース)…0.71ドル(コンセンサス予想は0.71ドル)
 ○ティア1比率…8.2%(6月地点では8.7%だった。)

21.メリル・リンチ(MER)
本日寄り前業績発表。5四半期連続の赤字となった。135億ドルの評価損が圧迫要因となっている。部門別の内訳を見ると、ブローカー部門の収入は8%減の30億ドル。債券トレーディングの収益はマイナス99億4000ドル。債券引き受けと株式引き受けの手数料収入はそれぞれ34%、38%減少した。一方、株式トレーディングは前年同期の2倍強となる60億3000万ドルの収益を上げた。前CEOセイン氏によれば、CPやFDICファシリティーにもアクセス可能になると言う。

第3四半期(7−9月期)実績
 ○総収入…1,600万ドル(コンセンサス予想は8億3,470万ドル)
 ○純損失…51億5,200ドル(コンセンサス予想は56億9,800万ドル)
 ○1株当たり損失…5.58ドル(コンセンサス予想は5.18ドル)

  (計上評価損の内訳)
 ○135億ドルの評価損を計上。
 ○債務担保証券(CDO)関連・・・57億ドル。
 ○不動産関連資産や政府支援機関関連の損失、米証券会社1社のデフォルト
  (債務不履行)関連・・・38億ドル。

22.10月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は57.5(9月は70.3)と、予想(65.0)を大幅に下回った。1年先のインフレ期待は4.5%と、前月の4.3%から上昇した。今後6ヶ月間の先行き景況感を示す指数は56.7と、前月の67.2から低下。

23.9月の住宅着工件数は前月比6.3%減の81万7000戸(前月は87万2000戸)と、予想(87万2000戸)を大きく下回った。9月の住宅着工許可件数は8.3%減の78万6000件と、1981年11月以来の低水準。一戸建ての住宅着工件数は全米4地域のうち3地域で減少。特に中西部の悪化が目立った。

24.モルガン・スタンレーのジョン・マックCEOは16日、以下の通り発言。
   (発言要旨)
★年内にヘッジファンドの数が減少する見通しで、減少率は最大で30%にもなるもようだ。当社のプライムブローカー部門の規模を変更する必要がある。

25.ハネウエル・インターナショナル(HON)
航空機制御装置メーカー最大手、ハネウエル・インターナショナルが17日寄り前業績発表。7−9月(第3四半期)の売上高は前年同期比6.2%増の92億8000万ドル、純利益は7億1900万ドル(1株当たり97セント)となった。予想は、売上高が95億8000万ドル、1株当たり利益が95セントだった。

さらに今年通期の1株当たり利益見通しを3.76−3.80ドルと、レンジを7月時の予想10セント幅から縮小した。売上高は372億ドルと、従来予想の376億―382億ドルから下方修正した。予想は1株当たり利益が3.81ドル、売上高が379億ドルだった。航空宇宙部門が不振だった他、新製品の開発コストがかさんだのが背景。

26.ファイザー(PFE)
製薬最大手のファイザーは17日、同社の鎮痛剤「セレブレックス」と「ベクストラ」の服用で心臓発作などの疾患リスクが高まったとして起こされた訴訟で、8億9400万ドルを支払い、係争のほとんどにおいて和解すると発表。同社は今回の和解費用の全額を、今月21日に発表する2008年7−9月(第3四半期)決算に計上する。

27.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は政府のコマーシャルペーパー(CP)買い取り計画の利用を検討。AIGは政府のCP買い取り計画を利用して100億ドル未満を調達する見通し。FRBは当初850億ドルに設定されていたAIGへの融資枠に、378億ドルを追加することで合意している。

28.キャタピラー(CAT)
CSFBが同社株の目標株価を66ドルから46ドルに引き下げた。

29.INGグループ(ING)
オランダの大手銀行・保険会社INGグループの08年7−9月(第3四半期)決算は金融市場の混乱に伴う評価損が原因で、5億ユーロ(約680億円)の純損失となったもようだと明らかにした。




=以上=
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2008年10月13日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 10/12

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

10月12日

森  崇


ブル材料
1.欧州共通の金融システム安定化基金を創設する構想が再浮上。
基金設立は、パリで4日開かれた欧州主要4ヶ国の首脳会議では見送られたが、金融危機が欧州でも拡大しつつある状況を受け、実現への機運が生まれてきた。ベルルスコーニ伊首相は5日、イタリア政府として、欧州の金融システム安定化のために欧州横断型の基金創設を週内に提案すると表明した。ドイツやフランスも同意しているもよう。

2.ハートフォード・ファイナンシャル
大手保険会社のハートフォード・ファイ ナンシャルの株価が急伸。ドイツの保険大手アリアンツから25億ドルの出資を受けると発表。ハートフォードによると、アリアンツからの出資により年末の資本水準は「AA」格付け維持に必要なラインを約35億ドル上回る。アリアンツがすべてのオプションを行使した場合、ハートフォード株の保有比率は20%となるという。

3.イーライ・リリー(LLY)
イーライリリーは、バイオ製薬大手イムクローン・システムズを65億ドルの現金で買収することで合意。両社が6日発表した。イムクローンには同業のブリストル・マイヤーズ・スクイブが1株当たり62ドルで敵対的買収を仕掛けていた。イムクローンの株主は1株当たり70ドルを受け取る。

4.FRBが7日、9月16日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表。

  (骨子)
★商品相場の下落やドル高に加え、経済の余剰が増えており、インフレリスクが弱まっているようだ。
★金融市場の緊張状態により、成長見通しが著しく悪化すれば、政策対応が必要になる可能性がある。

5.バーナンキFRB議長は7日の講演で、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★信用市場の凍結状態が成長見通しを悪化させている。インフレ懸念が弱まっており、現在の政策スタンスが依然、適切かどうかを検討する必要がある。

6.米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、 特別ファシリティを新設し、コマーシャルペーパー(CP)を購入すると発表。企業の主な資金調達手段であるCP市場が凍結する恐れがあることが背景。CP市場は先週1兆6000億ドルと3年ぶりの規模に縮小した。社債発行を見合わせざるを得なくなっている企業が相次いでいる。具体的な購入総額については明らかにしなかった。

3ヶ月物ドル建てCPを3ヶ月物オーバーナイト・インデックス・スワップ(翌日物無担保レートと固定金利を交換する取引、OIS)金利に上乗せした水準で買い取る。OIS金利はFF金利の市場見通しを反映している。買い取りは2009年4月30日までとされるが、FRBが承認すれば延長も可能。

7.テンプルトン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、マーク・モビアス氏は7日、ロシア株式相場の暴落はガスプロムなどの株式を格安で購入できる千載一遇のチャンスだと述べた。

8.アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)
アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は6日、アラブ首長国連邦のアブダビ政府から84億ドルの投資を受け、製造工場をスピンオフ(分離・独立)すると発表した。

9.米連邦準備制度と欧州中央銀行(ECB)を含む欧米の6中銀は8日、緊急利下げを実施した。異例の協調行動に踏み切った。

★米金融当局はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.5ポイント引き下げ1.5%とした。公定歩合も0.5ポイント引き下げ1.75%とした。
★ECBとイングランド銀行、カナダ銀行、スウェーデン中銀もそれぞれ0.5ポイントの利下げを実施。協調利下げにより、ECBの政策金利は3.75%、カナダは2.5%、英国は4.5%、スウェーデンは4.25%となった。
★スイス国立銀行も0.25ポイントの利下げ。
★中国人民銀行も、政策金利の1年物基準貸出金利を0.27ポイント引き下げ、6.93%とした。
★日本銀行は、この行動を支持すると表明した。

  (中銀の共同声明骨子)
★金融危機の最近の悪化により、成長下振れリスクが高まると同時に物価安定に対する上方向リスクは一段と後退した。従って、世界の金融環境の幾分の緩和は適切だ。

10.ゴールドマン・サックス8日、世界の主要中央銀行によるこの日の協調利下げ後に、米連邦公開市場委員会(FOMC)が29日の次回定例会合で政策金利をさらに0.5ポイント引き下げ1%に設定するだろうとの予想を示した。

11.フランスのフィヨン首相は8日、世界的な信用収縮で国内銀行が経営破たんの瀬戸際に陥った場合、政府は株式取得を通じて救済するとの方針を示した。フランスとベルギーは先週、パリとブリュッセルを拠点とする金融サービス大手のデクシアに対し64億ユーロ(約8700億円)の公的資金を注入した。

12.全米不動産業者協会(NAR)が8日に発表した8月の中古住宅販売成約指数は前月比7.4%上昇(前月は2.7%低下)し、予想(1.3%)に反して上昇に転じた。住宅差し押さえの増加が価格下落につながり、消費者にとって住宅購入に手が届くようになった。この前月比での伸び率は2001年10月以来で最大。前年同月比では8.8%増加した。

13.ワコビア(WB)
ワコビア買収をめぐるシティグループとウェルズ・ファーゴの係争収拾を当局が促すなか、ワコビアの大半をウェルズが、残りをシティが買収する可能性が浮上。シティがワコビアの米北東部の支店網ならびにワコビアの預金の約4分の1を獲得、ウェルズ・ファーゴが米南部と中部大西洋地域各州の支店網を取得する見通し。

14. 10月3日までの1週間の住宅ローン申請指数は前週比2.2%上昇の465.5(前週は455.4)となった。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.99%と、前週の6.07%から低下。

  (その他主要指数動向)
★購入指数…314.5(前週は304.8)
★借り換え指数…1345.8(前週は1333.9)

15.ゴールドコープ(GG)
金相場が1オンス=900ドル台を回復したことを受け、ゴールドコープなど産金株が高い。安全資産としての金需要が高まった。

16.リサーチ・イン・モーション(RIMM)
メリルリンチはリサーチ・イン・モーションの株式投資判断を「買い」で再指定した。リサーチ・インとボーダフォン・グループによると、タッチスクリーン方式の「ブラックベリー・ストーム」は来月発売を予定している。
 
17.ブッシュ米大統領は10日、金融危機の打開に向けた緊急声明を発表。

  (声明骨子)
★金融安定化法は、金融機関の株式を取得して公的資金を注入するなど、あらゆる手段が可能だ。
★財務省は出来るだけ早く、最も効果的な手法を実行する。
★金融危機の現状については、不安が不安を呼んでいる。将来の不確実性や恐怖という心理的な面が大きい。
★FRBによる金融市場への潤沢な資金供給や、市場での不正な価格操作の摘発、預金者や住宅ローンの借り手保護の拡充などの取り組んでおり、各国と協調して危機の打開に当たる。

18.ポールソン米財務長官は10日、以下の通り発言。

  (発言骨子)
★信用危機を再発させないための金融機関への調査は、著しい進展を遂げた。

19.ワコビア(WB)
シティグループは、ワコビア買収を争っていたウェルズ・ファーゴとの交渉を打ち切った。

20.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算は、3四半期連続で減益となった。エネルギーとテクノロジー事業、NBCユニバーサル部門は増益だった。一方、金融部門GEキャピタルは33%減益となった。

第3四半期(7‐9月期)
 ○売上高…472億3,400万ドル(コンセンサス予想は475億9,118ドル)
 ○1株当たり利益…0.45ドル(コンセンサス予想は0.45ドル)

主要部門利益
 ○テクノロジー部門…9%増
 ○エネルギー部門…32%増
 ○ファイナンス部門…2%増
 ○NBCユニバーサル部門…35%増
 ○コンスーマー部門…6%減
 ○コーポレート部門…3%減


ベア材料
1.仏銀BNPパリバは、ベルギー・オランダ系金融サービス大手、フォルティスのベルギーとルクセンブルク部門の経営権を145億ユーロ(約2兆400億円)で取得すると発表した。

2.ドイツの政府と金融業界は商業用不動産金融大手のヒポ・レアルエステート・ホールディングの500億ユーロ規模救済策をまとめた。また、国内銀行の預金を全額保護すると発表。

3.英独仏伊の欧州主要4ヶ国の首脳会議は4日夜、金融機関が破たんした際の預金保険制度の見直しなどを盛り込んだ声明を発表し、閉幕した。

  (結論)
ドイツの反対などで、欧州全体で即効性のある協調策は打ち出せなかった。

  (問題点)
1、公的資金の注入
今後も各国が独自の判断で対応する方針を確認したにすぎず、欧州全体の統一的な制度は示せなかった。

2.金融安定化に向けた基金創設構想
フランスが検討していた3000 億ユーロ(約44 兆円)にのぼる金融安定化の基金創設構想は、財政支出の拡大に慎重なドイツなどが反対。基金は、米国型の公的資金による不良資産の買い取りなども視野に入れたものだった。今後、欧州全体に影響を及ぼすような金融機関の大型破たんが生じた場合、域内の迅速な連携が不十分になるおそれがある。

4.Eベイ(EBAY)
インターネット競売最大手、Eベイは売り上げの伸び悩みや競争激化のため、従業員の10%を削減すると発表した。Eベイはまた、オンライン決算事業のビル・ミー・レイターを8億2000万ドルの現金と1億2500万ドル相当のオプションで買収することも明らかにした。

5.シカゴ連銀のエバンス総裁は6日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★景気が向かい風に直面しているため、実質的な経済活動は今年下半期から来年にかけてはかなり低迷するだろう。融資の流れがいくらか改善するにつれ、成長も上向くとみている。
★インフレによるリスクは継続するだろう。

6.国際通貨基金(IMF)は、10日の7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に向けてまとめた調査リポートで、以下の通りコメント。

  (骨子)
★2009年は米国経済が静止状態に近いレベルに失速するため、世界経済成長は重大な下降期へ向かいそうだ。
★来年の米国内総生産(GDP)の伸び率予想は0.1%(今年は1.6%増予想)の見通しだ。
★世界経済は重大な下降期に突入しつつある。先進国の多くがリセッション(景気後退)に迫っており、新興国も急速に景気が減速している。

7.トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は7日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★支払能力の問題には介入できないことから、我々にできることには限りがある。
★資本面での保証や介入の可能性に関し、欧州全体で共通の政策が必要だ。
★欧州ならびに世界の経済関連当局者は一段の透明性が必要だとの見方で大勢の意見が一致しているようだ。
★今回の危機は金融システムの心臓部に達しており、市場の調整は不可避だ。

8.シティ・グループの米国株ストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏が、今年末のS&P500指数予想数値をこれまでより19%引き下げ、1200とした。

9.カジノ株
ドイチェ・バンクが、カジノ業界の利益見通しを引き下げた。景気鈍化、資金長調達コスト上昇、失業率上昇が背景。これを受け、アメリスター・カジノ(ASCA)、ラスベガス・サンズ(LVS)、ペン・ナショナル・ゲーミング(PENN)、ウィン・リゾーツ(WYNN)、MGMミラージュ(MGM)などが下落。

10.太陽光発電関連株
ゴールドマン・サックスがファースト・ソラー(FSLR)、サンパワー(SPWRA)の投資判断を“買い”から“売り”に引き下げた。太陽光発電市場な供給過剰状態だ。各国政府の補助金もカットが予想され、価格引き下げ圧力が高まろう。

11.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカ(BOA)の株価が急落。50%の減配と100億ドル(約1兆150億円)の普通株発行による増資計画を明らかにしたことが嫌気された。2008年7−9月(第3四半期)利益は68%の減益となり、アナリスト予想を下回った。

12.ドイツ銀行(DB)
ドイツ銀行は7日、増資を計画していないとの声明を発表。ドイツ銀は資本力を示す中核自己資本のティア1比率が7―9月(第3四半期)末時点で約10%になると予想(同行は7月、ティア1比率の目標レンジを8−9%に設定していた)し、株式売却による資本強化計画はないと公表。しかし、同行が増資を余儀なくされるとの懸念から、株価が急落。ドイツ銀は9月22日、郵便サービス大手ドイツポスト傘下の銀行ドイツ・ポストバンク株を取得する代金に充てるため、22億ユーロの増資を実施した。

13.国際通貨基金(IMF)は7日、信用危機に緩和の兆候はみられないとし、世界の主要銀行が回復するには今後数年で6750億ドルの新たな資金が必要となるとの見方を示した。米融資と担保資産に関連した損失見通しが1兆4000億ドルと、2週間前の時点での見通し1兆3000億ドルから上方修正された。金融システムひっ迫で世界の景気低迷が深刻化し、回復が抑制されるだろう。金融システムと経済全般の間にみられる悪循環が一段と強まるリスクがあり、深刻な脅威が生じているとしている。

14.米連邦預金保険公社(FDIC)は7日、 銀行に請求する預金保険料を2倍にすることを提唱した。公的管理下に置かれる銀行が急増する中、FDICの基金を拡充することが狙い。現在の平均0.063%から0.135%に引き上げることを提案。同公社は米銀が保有する4兆5000億ドルの預金を保証している。保険料引き上げにより、年間で100億ドルの増収を見込んでいる。

15.ゼネラル・モーターズ(GM)
自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州部門は年末までに約4万台の生産を削減する計画を明らかにした。GMは今月、欧州地域の全工場で操業を一時停止する。欧州自動車工業会(ACEA)によると、欧州の自動車販売台数は8月に16%減少と、月間ベースでは1999年以来で最大の落ち込みとなった。GMブランドの欧州での販売台数は18%減少した。

16.民主党候補のバラク・オバマ上院議員が、共和党のジョン・マケイン上院議員に対し、支持率でリードを広げた。NBCとウォール・ストリート・ジャーナル紙の共同世論調査によると、オバマ氏に対する登録有権者の支持率は49%と、マケイン氏を6ポイント上回った。2週間前のNBC・WSJ調査では2ポイントのリードだった。CNNオピニオン・リサーチの有権者調査では、オバマ氏の支持率は53%と、マケイン氏の45%をリード。9月時点では4ポイントのリードだった。

17.IBM(IBM US)
バークレイズはコンピューターサービス最大手のIBMについて、景気の悪化と金融サービスへの依存度の高さがリスクになっていると指摘し、株式投資判断を“オーバーウエート”から“イコールウエート”に引き下げた。

18.JCペニー(JCP)、コールズ(KSS)、ノードストロム(JWN)
上記小売各社は、8−10月期利益がアナリスト予想を下回る可能性があるとの見通しを示した。米国際ショッピングセンター評議会(ICSC)によると9月の米小売り各社既存店売上高は、前年同月比ほぼ変わらずか1%増が見込まれている。

★JCペニー…9月の既存店売上高は前年同月比12.4%減少した。8−10月期利益が1株当たり50−60セントに減少すると予想している。同社の従来予想では同70−75セントだった。予想は72セントだった。
★コールズ…9月の既存店売上高が5.5%減少。8−10月期の利益は同社予想(1株当たり51−56セント)の下限にとどまるとしている。予想では1株当たり54セントの利益が見込まれていた。
★ノードストロム…9月の既存店売上高は9.6%減。アナリスト予想では7.3%減だった。同社の8−10月期利益見通しは1株当たり32−37セントと、従来予想の49−54セントから下方修正された。
★ウォルマート・ストアーズ…9月既存店売上高は2.4%増。同社予想では2−3%増だった。8−10月期の1株当たり利益予想は73−76セントで据え置いた。
★コストコ…9月既存店売上高は同7%増加した。

19.国際通貨基金(IMF)は世界経済見通し(WEO)を8日公表。

  (骨子)
★1930年代以来で最も危険なショックに直面し、世界経済は重大な下降期に突入しつつある。
★2009年の先進国の経済成長率が1982年以来で最も低いペースに鈍化する。
★成長減速はインフレを低下させる一方、大多数の国で失業を増加させる。
★09年の先進国の成長率は0.5%にとどまり、この結果インフレが沈静化し、平均インフレ率は08年の3.6%から2%に低下する見込み。その半面、主要32カ国のうち28ヶ国で失業が増え、米国の失業率は08年の5.6%から6.9%に上昇するだろう。
★09年の世界経済の成長率見通しを、世界的なリセッション入りを意味する3%に下方修正。4月の段階では、世界の成長率が3%以下に落ち込む可能性は25%にすぎないと予測していた。
★09年のロシアの成長率見通しを7月時点の7.3%から5.5%に引き下げたほか、中国は9.8%から9.3%に、インドも8%か6.9%に下方修正した。
★主要国について、すでにリセッション入りしているか、リセッションすれすれの状態にある。
★米経済の成長が急減速した場合、世界的な貿易不均衡の解消につながり、米経常赤字の国内総生産(GDP)比率は今年の4.6%から来年は3.3%に低下する。

20.ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード(F)
シティグループは、ゼネラル・モーターズと同2位のフォード・モーターの株式投資判断を「売り」と、従来の「ホールド」から引き下げた。株価予想もフォードを2.50ドル、GMは6ドルに下方修正。従来予想はそれぞれ5.50ドル、12ドルだった。

  (背景)
@信用収縮はOEM(相手先ブランドの製造会社)の貸借対照表や2010年の回復見込みに対し、一段の重しとなる可能性が高い。
A信用市場が安定したとしても、金融子会社のバランスシート悪化に伴う収益力低下や債務の増加などが、業績の上振れを抑える公算がある。

21.米大統領選で、7日夜に当地で開かれた第2回の候補者討論会は、劣勢にある共和党ジョン・マケイン上院議員がオバマ上院議員を徹底的に攻め立てる戦術をとったものの、思うように効果を上げられず、起死回生をかけた攻勢は、不発気味に終わる結果となった。

22.アルコア(AA)
アルミ生産米最大手のアルコアが7日引け後発表した2008年7−9月(第3四半期)決算は、利益がアナリスト予想を大幅に下回った。同社は信用危機の悪化を理由に、自社株買い計画を停止した。

23.メリルリンチ(MER)
モルガン・スタンレーはメリルリンチの7―9月(第3四半期)決算について、損失が従来予想よりも拡大するとの見通しを示した。

24.メットライフ(MET)
生保最大手のメットライフは7日、7500万株規模の公募増資計画を発表した。

25.サックス(SKS)
高級百貨店チェーン、サックスは下半期(2008年7月−09年1月)の既存店売上高が従来予想を下回るとの見通しを示した。9月の既存店売上高は前年同月比10.9%減少した。

26.ゼネラル・モーターズ(GM)
一日で31%下落した。
@デトロイト市年金に2億5000万ドル借り入れを申請したと言う。GMの資金繰り悪化を背景に、市側では反対の意見が多いもよう。
AS&PがGMとGMACを格付け引き下げ方向で見直すと発表。また、2008年いっぱいは十分な流動性を有しているが、2009年には深刻な流動性問題に直面する恐れがあるとした。
Bグローブ・アンド・メール紙に、シティ・バンクのアナリストの意見を引用し、250億ドルの政府融資が必要期日までに受けられない可能性があるとの記事が掲載された。

27.XLキャピタル(XL)
バミューダ本拠の保険大手株が一日で53%下落した。投資の損失がかさみ、資本不足懸念から、顧客の解約が増加する恐れがあるとUBSが指摘した。同社の投資金は、第3四半期だけで11億ドル減少したと試算している。これを受け、その他の保険会社も下落。プルデンシャル(PRU)、ハートフォード・フィナンシャル・サービシズ(HIG)、リンカーン・ナショナル(LNC)なども20%〜30%下落している。
  
28.8月の卸売在庫は前月比0.8%増加(前月は1.5%増加)し、予想(0.4%増加)を上回った。8月の卸売売上高は前月比1.0%減少と、2007年1月以来最大の減少だった。自動車ならびに機器類の売上減少が響いた。在庫が積み上がっており、生産縮小につながる内容だった。卸売在庫の増加は自動車在庫の1.2%増がけん引。一方、自動車の卸売売上高は2.2%落ち込んだ。自動車卸売業者の在庫比率は1.77ヶ月と、1993年3月以来の最高水準に達した。

29.アイスランド政府は9日、同国銀行最大手のカウプシングを国有化。すでにランズバンキも政府の管理下に入っている。また同国の証券取引所は9日、すべての株式の取引を一時停止した。更に、導入を発表したばかりだった同国通貨の対ユーロ相場固定(ペッグ)制を8日には撤回。混乱が続いている。

30.国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事が9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★世界経済はリセッションの瀬戸際にある。
★景気回復は2009年7−12月(下期)始まる可能性がある。

31.エクソンモービル(XOM)
世界経済がリセッションに陥り、エネルギー需要が減少するとの思惑から、原油価格が11ヶ月ぶりの安値に下落。シェブロンなども売られた。

32.SLM(SLM)
信用危機による影響と空売り解禁が嫌気され、学資ローン最大手のSLMをはじめ、地銀のキーコープやウェルズ・ファーゴ、証券大手モルガン・スタンレーなどの金融株が売られた。

33.TJX(TJX)
ディスカウント衣料チェーンのTJマックスやマーシャルズを展開するTJXは8−10月(第3四半期)の1株当たり利益見通しを55−58セントとし、従来予想の最大62セントから下方修正した。

34.米国で運用されている株式・債券投資信託の9月の資金動向は、純流出額が過去最高の720億ドルに達したと言う。調査会社トリムタブズ・インベストメント・リサーチの集計で9日わかった。安全性の高い銀行預金に資金が流れ込んだ。株式投信の純流出額は435億ドル、債券投信は288億ドル。投信離れの傾向は10月に入っても続き、第1週も計493億ドルの純流出となっている。

35.OPECは臨時総会を11月18日に開催するが、今度は減産に踏み切る可能性が高い。OPEC諸国内では、金融危機で原油需要が後退するとの見方が出ている。

36.ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック市場は急落した銘柄を対象に空売りを一時禁止する措置を検討していると言う。具体的には、株式が20%を超える値下がりで引けた場合、その後3日間にわたって空売りが制限されるなどの案が遡上にのぼっていると言う。

37.国際通貨基金(IMF)のジョン・リプスキー筆頭副専務理事は10日、以下の通り発言。

  (背景)
★金融危機の拡大に歯止めをかけるために、世界各国の政府高官は断固たる一貫した行動を取る必要がある。
★今週末のG7で、世界規模での壮大な計画が発表されると期待するのは非現実的だ。ただし、金融市場の混乱に対処する広範な原則を達成できれば、信認回復を助けるだろう。

38.ベスト・バイ(BBY)
家電量販最大手のベスト・バイは、9月の既存店売上高が約2%減となったと発表した。




=以上=
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2008年10月10日

9 月既存店売上げ(倉庫型大型店舗やディスカウントストアのみ堅調)

9 月既存店売上げ(倉庫型大型店舗やディスカウントストアのみ堅調)

10 月9 日

森 崇


好業績はディスカウントストアのみ。倉庫型の大型店舗やディスカウントチェーンが盛況。その他の業態は不振。


(おおむね不振の背景)
景気悪化で、消費者が選択品目の購入を控えている。ハリケーンの影響でチェーン店の一部が営業中断に追い込まれた。世界的株価下落で、消費者信頼感が一段と悪化している。

(ディスカウントストアしっかり)
★ウォルマート(WMT)が堅調。9 月の既存店売上高は、燃料を除いたベースで前年同月比2.4%増加。同社による見通しは2-3%増だった。部門別では、ウォルマート・ストアーズが2.0%増、会員制倉庫型店舗のサムズクラブは4.6%増となった。8-10 月期の継続事業による1 株利益は73-76 セントとの見通しを再確認し、10 月の既存店売上高については1-2%増との見通しを示した。9 月はハリケーンの影響で、米国店舗のうち341 店で営業を一時停止した。

(倉庫型チェーン店も堅調な伸び)
★ビージェーズ・ホールセール・クラブ(BJ)…9 月の既存店売上高は10.4%の大幅増となった(増収率のうちの4.8%はガソリン売り上げによる)。
★コストコ・ホールセール(COST)…米国内既存店売上高は8%増、燃料を除いたベースでは6%増となった。

(デパート等は不振)
★JC ペニー…9月の既存店売上高は前年同月比12.4%減少した。8−10 月期利益が1株当たり50−60 セントに減少すると予想している。同社の従来予想では同70−75 セントだった。予想は72 セントだった。
★コールズ…9月の既存店売上高が5.5%減少。8−10 月期の利益は同社予想(1株当たり51−56 セント)の下限にとどまるとしている。予想では1株当たり54 セントの利益が見込まれていた。
★ノードストロム…9月の既存店売上高は9.6%減。アナリスト予想では7.3%減だった。同社の8−10 月期利益見通しは1株当たり32−37 セントと、従来予想の49−54 セントから下方修正された。
★サックス(SKS)…高級百貨店チェーン、サックスは下半期(2008 年7月−09 年1月)の既存店売上高が従来予想を下回るとの見通しを示した。9月の既存店売上高は前年同月比10.9%減少した。



=以上=
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2008年10月09日

モンサント(MON)決算速報

モンサント(MON)決算速報

                                     10月8日
                                     森  崇

第4四半期(6‐8月期)実績
○売上高…20億5,100万ドル(コンセンサス予想19億5,512万ドル)
○1株当たり損失…0.03ドル(コンセンサス予想0.10ドル)

種子別対前年同期比売上高比較
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(2009年通期見通し)
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(出所:Monsanto)


2009年通期予想
○1株当たり利益…4.20ドル〜4.40(コンセンサス予想4.61ドル)

(会社側コメント)
●ほとんど全ての部門で売上増となった。
●穀物の需要は今後も拡大すると見ている。


私見
EPSが予想を下回ったこと、及び2009年度通期ベースEPSガイダンスが予想を下回ったことから、寄り着きは安かったが切り返す。同社は2012年粗利益の予想レンジを95億ドル〜97億5000万ドルと、従来の86億ドル〜91億ドルから引き上げたことも評価された。先週ガイダンスを引き上げ、アナリストの予想も上がっていたこともあるが、基調として同社の製品の強さは際立っており、押し目の打診買いも入った。



=以上=
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2008年10月08日

アルコア(AA)決算速報

アルコア(AA)決算速報

10 月7 日

森 崇


第3 四半期(7−9 月期)実績
 ○売上高・・・72億3400万ドル(コンセンサス予想は72億3000万ドル)
 ○1株あたり利益・・・37セント(コンセンサス予想は50セント)


(会社側発表事項)
★需要減退を反映し、テキサス州ロックデールの精錬所でレイオフを実施する。年末までに660 人削減し、同精錬所のアルミ生産部門を実質的に閉鎖する。これにかかわる費用は1 株当たり4 セントを今回計上済み。
★金属価格の急落と、主要市場での需要軟化を背景に、重要でない設備投資計画をすべて中断し、市場実勢に合わせ、生産能力を調整する。
★自社株買いも停止する。
★7-9 月期のアルミ製品出荷量は前年同期比1.1%増の134 万トンだった。1 トン当たりの実勢価格は2945 ドルと7.7%上昇した。
★中国、インドなどの新興市場国で消費が減っていることから、アルミ価格はここ数ヶ月で下落している。
★2008 年の世界アルミ需要の伸び率見通しを約6%と、これまでの8%から引き下げる。
★今年の世界アルミ消費量を約4040 万トンと予想。昨年の3800 万トンから約6%の増加を見込む。


私見
米国景気鈍悪化に伴う自動車業界の逆風をもろに受けた形となった。鉄鋼世界最大手のミタル社のミタルCEO が、世界的需要減少を指摘していたが、同社もこれに符合する内容となった。重要でない設備投資計画をすべて中断し、市場実勢に合わせ、生産能力を調整するとコメントしているが、業況の厳しさを物語るものだ。引け後のOTC 取引で、15 ドル台で取り引きされているが、これは直近10 年間での最安値だ。決算発表で、大手トップ・バッターとして注目度が高いが、業績の悪さを暗示するものだ。

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=以上=
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2008年10月06日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 10/5

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

10月5日

森  崇


ブル材料
1.ブッシュ大統領は30日朝緊急声明を発表。
米下院が緊急経済安定化法案(金融安定化法案)を否決したことを踏まえて緊急声明を発表。

   (声明の要旨)
★米経済は重大な局面にある。 このままでは経済の損害は甚大で長期化する。議会による早期の可決が必要である。
★政権側は議会指導部と法案とりまとめの再調整に入っており、経済回復に向けて政府の断固とした行動が必要だ。
★どのように法案を前に進めるかについて、30日も議会指導部と協議する。
★法案の否決により、ニューヨーク証券取引所の株式相場が急落し、株式の時価総額も1兆ドルを超して消滅した。それに比べて不良資産の買い取り制度の最終的な費用は7000億ドルをはるかに下回り、公的資金はほとんどか全額回収できると思う。
★国民が負担について特に心配していることは理解しているが、金融危機が深刻化すると、年金など庶民生活に打撃がさらに広がる可能性がある。

2.民主党のバラク・オバマ上院議員、共和党のジョン・マケイン上院議員の両大統領候補は30日、米連邦預金保険公社(FDIC)の預金保険の保証上限を現行の10万ドルから25万ドルに引き上げることを提案した。預金者保護の充実化が目的。今後調整される法案修正でも、この案が軸となる可能性がある。

3.9月の消費者信頼感指数は59.8(前月は58.5)と、予想(55.0)を上回った。現状で雇用が困難との回答は32.8%(前月31.7%)に上昇した。雇用が豊富にあるとする回答は12.2%と、前月の13.5%から低下した。現況指数は58.8(前月65)に低下し1993年以来の最低を記録した。今後6カ月の期待指数は60.5と、前月の54.1から上昇した。

4.アップル(AAPL)
昨日の18%もの下落は、行き過ぎであり、中期的に145ドルまで戻るだろうとゴールドマン・サックスがコメントした。

5.ドクター・ペッパー・スナップル・グループ(DPS)
DPSがWm.リグレイに代わりS&P500指数に採用されることになった。

6.シカゴ購買部協会が30日に発表した9月のシカゴ地区の米製造業景況指数は56.7(前月は57.9)と、予想(53.0)を上回った。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…53.9(前月60.2)
★生産指数…71.4(前月63.4)
★受注残指数…54.9(前月63.0)
★雇用指数…49.1(前月39.2)
★在庫指数…37.7(前月52.2)
★仕入価格指数…80.7(前月80.6)

7.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが1日発表した集計調査によると、9月の米民間部門の雇用者数は前月比8000人減少(前月は3万7000人減)と、予想(5万人減)を大幅に下回った。

8.米下院は3日に金融安定化法案を再表決する見通し。ナンシー・ペロシ下院議長の報道官ブレンダン・デイリー氏が発言。上院は1日夜、金融安定化法案を採決する。

9.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が1日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★経済の見通しが悪化した場合には一層の利下げを支持する可能性がある。実質金利が適切な形で低下している場合には、FF金利がその動向に従う必要があるだろう。
★ただし、現段階で追加利下げによる効果はどれほどあるのか、懐疑的になるだけの理由がある。

10.ディーボルド(DBD)
現金自動預払機(ATM)製造のディーボルドは30日引け後、一部項目を除いた2008年の1株利益目標の上限を2.45ドルとし、8月時点の目標から15セント引き上げた。

11.RRドネリー・アンド・サンズ(RRD)
印刷業北米最大手RRドネリー・アンド・サンズは30日引け後、ホートン・ミフリン・ハーコート・パブリッシングから8億7500万ドルの受注契約を獲得したと発表した。

12.自動車大手各社が1日に発表した9月の米自動車販売によると、ゼネラル・モーターズの落ち込みは、予想ほどは悪化しなかった。従業員価格で販売するディスカウントが奏功した。GMの販売台数は前年同月比16%減、フォードの販売台数は同35%減だった。

13.グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★金融市場と米経済は投資家の自信回復に伴って復活するとの見方を示した。
★投資家がちゅうちょしながらも市場に戻るにつれ、最終的には信頼感が回復する。歴史をみても明らかなように、その時点から金融と経済の復活が始まる。むしろ予想より早い時期にそうなるのではないか。

14.ゼネラル・エレクトリック(GE)
GEは2日、5億4780万株を売却し122億ドルを調達した。売却価格は1日のGE株価引け値を9.2%下回る水準。GEは1日、120億ドル相当の普通株の売却計画と、ウォーレン・バフェット氏に30億ドル相当の優先株を売却する合意を発表していた。

15.オラクル(ORCL)
ゴールドマン・サックスが、オラクルを“コンビクションリスト”に追加した。また、株価の投資判断は、“買い”で据え置いた。

16.ソブリン・バンコープ(SOV)
フリードマン・ビリングス・ラムゼーはS&L(貯蓄・貸付組合)大手のソブリン・バンコープの株式投資判断を「アンダーパフォーム」から「マーケットパフォーム」に引き上げた。預金ベースの安定性が引き上げの背景。

17.米議会下院は3日、緊急経済安定化法案(金融救済法案)を賛成263-反対171で可決した。すでに上院は可決しており、ブッシュ大統領の署名を経て成立する見通し。

   (法案の骨子)
最大7000億ドルの公的資金を投じ、金融機関から住宅ローンや関連の金融商品などを政府が買い取る計画。

@救済企業の株式を政府が将来取得する権利を得る。
A救済企業の経営陣の報酬を抑制する。
B住宅ローンの焦げ付きを防ぐため、政府保証の低金利ローンへの借り換えを加速させる。
C総額1100億ドルの減税も追加。住宅課税の軽減や児童控除の拡充による補助増額のほか、これまで実施が見送られていたさまざまな企業向け優遇税制を盛り込んだ。
D政府が銀行預金を保証する上限額も現行10万ドルから25万ドルに引き上げる。財務省が連邦預金保険公社(FDIC)に無制限の融資をできるようにするなど、金融機関が負担する原則を覆し、実質的な公的資金により預金保護を強化する。
ESECが金融資産などの価値急落を帳簿に反映する“時価会計”を一時的に停止でき、損失計上を先送りできるようにした。

18.バーナンキFRB議長は3日、金融安定化法案の修正案が議会を通過した後に声明を発表した。

   (声明要旨)
★法案は金融市場の安定化に向けた重大な一歩で、個人や企業への滞りない信用供給を確実にするものだ。信用市場の混乱解消と、力強くて活気のある経済の育成に向けて、あらゆる権限を引き続き行使していく。

19.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
@ワコビアを総額約151億ドルの株式交換で買収することで合意。両行が3日発表した。シティグループが既に9月29日に、ワコビアの銀行事業を買収すると発表していた。買収額はワコビアを1株当たり7ドルと評価。ワコビアの株主は保有株1株につきウェルズ・ファーゴ株0.1991株を受け取る。FRBは声明で、当局はウェルズ・ファーゴによるワコビア買収案を検討し、預金者や有担保・無担保債の保有者を含め、ワコビアのすべての債権者を保護し、市場の安定を促進するような結果の達成に努めると表明した。以上によりシティは100億ドルの増資を中止するかもしれないと指摘した。ウェルズ・ファーゴは買収に絡み約100億ドルの特別費用を計上。また、普通株を中心に200億ドル相当の証券を発行する計画も明らかにした。ワコビアはウェルズ・ファーゴに、議決権の39.9%に当たる優先株を付与することで合意。ウェルズ・ファーゴはワコビアの預金などを含めすべての事業を取得するという。ウェルズ・ファーゴのアトキンズCFOは、1株当たり利益にみる買収効果は買収完了後3年目から表れるとの見通しを示した。ウェルズ・ファーゴはワコビアが販売した1220億ドル相当のオプションのリスクも引き受けることになる。
Aシティグループの株価が急落。ウェルズ・ファーゴが同業のワコビア買収で合意し、シティによるワコビアの銀行事業買収が実現しなかったことが背景。シティはワコビアの銀行事業を21億6000万ドルで買収することで合意していた。合意は、ワコビアのブローカー事業と投資信託事業は買収対象に含まず、連邦預金保険公社(FDIC)から支援を得る内容だった。


ベア材料
1.米下院は29日、金融安定化法案を賛成205票、反対228票で否決した。政府が金融機関から7000億ドルの不良資産を買い取ることなどが柱だった。同法案は、資産を買い取る権限をポールソン財務長官に付与するものだった。バーナンキFRB議長は、法案が否決されるようなことになれば金融システムに深刻な脅威が及ぶと警告していた。

   (ブッシュ大統領コメント)
★法案否決に失望した。
★戦略構築に向けて経済チームと協議する。
★金融救済問題に真正面から取り組む。

   (フランク米下院金融委員長)
★法案否決に深く失望した。
★共和党が法案を抹殺した。ブッシュ政権は共和党を制御すべきだ。
★今後の対応については協議に委ねられる。次の段階に進むタイミングも協議に含まれる。

   (反対者の意見)
★リスクとコストが高過ぎる。また、金融安定化政策が最終的に機能するかどうか疑問だ。
★血税を使ってなぜウォール街を救済せねばならないか。
★ここまで政府が介入するのは、社会主義国家と同じだ。

2.ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)
英政府は29日、ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)を公的管理下に置いた。資金調達難に見舞われ、不良債権化した住宅ローンの売却先も見つからず、国有化に至った。スペイン最大の銀行、サンタンデール銀行が、6億1200万ポンドを支払いB&Bの197支店と、270万人の顧客の預金200億ポンドを買い取る。B&Bはノーザン・ロックに次いで英国で今年国有化された2行目。英政府はB&Bの預金をサンタンデール傘下のアビー・ナショナルに移す費用として約140億ポンドを拠出する。また、政府は約40億ポンドを拠出した。政府は見返りとして、B&Bの今後の資産売却で利益が出ればこれを受け取る。

3.フォルティス
ベルギー・オランダ系金融サービス大手フォルティスは投資家の信頼感が先週急落したのを受け、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクのベネルクス3国からの計112億ユーロ(約1兆7300億円)の出資を受け入れた。ベルギーはフォルティスの自国銀行部門の49%を47億ユーロで、オランダは自国銀行部門の約49%を40億ドルでそれぞれ取得する。ルクセンブルクは自国銀行部門の49%株式への転換権付きローンを提供する。フォルティスは、今回の世界的な金融混乱にのみ込まれた欧州金融機関としては最大。

4.ワコビア(WB)
シティグループは、ワコビアの銀行事業を株式交換により20億ドル余りで買収することで合意した。ワコビア株は、シティへの事業売却がなければ破産申請に追い込まれた公算もある。合意を仲介したのは連邦預金保険公社(FDIC)である。ワコビアの預金は全額保護され、シティはワコビアの優先債務と劣後債務を引き受けるという。シティは配当を半分に減額することと100億ドルの増資計画を公表。シティは米国の21州で約3300の支店・拠点を手に入れる。ブローカーのAGエドワーズと「エバーグリーン」ブランドの投資信託群は引き続きワコビアが保有する。ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、ウェルズ・ファーゴもワコビア買収案を提示した。ただし、FDICの発表はワコビアの投資銀行事業に触れていない。ワコービアにとては、ゴールデン・ウエスト・ファイナンシャル買収が命取りになった。ゴールデン・ウエストはオプションARM(変動金利型住宅ローン)に特化していた。

5.8月の個人消費支出(PCE)は前月比変わらず(前月は0.1%増)と、予想(0.2%増加)より低下した。一方、個人所得は前月比0.5%増(前月は0.6%減)と、予想(0.2%増加)より大きな伸びだった。8月のPCE価格指数は前月比変わらず(前月は0.6%上昇)で、実質個人消費支出も前月比横ばいとなった。7月の実質個人消費は0.5%低下と、2004年6月以来最大のマイナスだった。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.2%上昇した。前年同月比では2.6%上昇と、1995年1月以来で最大だった。

6.ヒポ・リアル・エステート
ドイツでも29日、金融機関で構成する企業連合が不動産金融大手ヒポ・リアル・エステートに数十億ユーロ(数千億円)規模の信用供与をして支援することを発表。

7.スビャジ銀行
ロシアでは政府系金融機関が中堅のスビャジ銀行の救済に乗り出した。

8.アメリカン・エキスプレス(AXP)
シティグループがネガティブ・コメント。景気減速を受けて信用の悪化に直面していると指摘、2008年およびこの先2年間の利益予想を引き下げた。

9.アップル(AAPL)
モルガン・スタンレーが、アップルの株式投資判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。売り上げと利益の伸び鈍化が見込まれると言う。

10.サーキット・シティ・ストアーズ(CC)
家電量販店のサーキット・シティ・ストアーズが発表した四半期決算は、前年同期比で赤字が拡大した。売り上げが6四半期連続で減少したほか、手持ち資金も減少。

11.フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド(FCX)
ドイツ銀行は、銅生産大手フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドの株式投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。銅価格の下落見通しが背景。

12.ウォルト・ディズニー(DIS)
英バークレイズはメディア大手ウォルト・ディズニーの株式投資判断を「アンダーウエート」で開始。軟調な広告売り上げや娯楽施設での消費減少、デジタル娯楽への移行等が背景。

13.フランス・ベルギー系の金融大手デクシアは30日、フランス、ベルギー、ルクセンブルクの政府から公的資金注入を受け入れるなどして、総額64億ユーロ(約9600億円)の資本増強を行うと発表した。金融大手フォルティスに続く公的資金による救済。

14.全米20都市部を対象にした7月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で16.3%低下(前月は15.9%低下)と、予想(16.0%の低下)を上回る落ち込みだった。前月比での住宅価格(季節調節前)は0.9%低下、前月は0.5%低下だった。20都市すべてで住宅価格が前年比マイナスとなった。

15.アトランタ連銀のロックハート総裁が30日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★全体的にインフレ見通しは改善された可能性がある。しかし、その一方で経済の下振れリスクは著しく高まった。

16.国際通貨基金(IMF)が30日発表した第2四半期(4−6月)の外貨準備に関する報告書によると、外貨準備に占めるドルの割合はユーロ導入以来の最低に落ち込んだ。各国政府や中央銀行が保有する外貨準備のうちドルが占める割合は今年6月末時点で62.5%。3月末は63%だった。一方、ユーロが占める割合は27%と第1四半期の26.8%から上昇、円も3.4%と同3.1%から増加した。

17.9月26日までの1週間の住宅ローン申請指数は前週比23%低下の455.4(前週は591.4)となった。住宅ローン30年物固定金利は平均で6.07%と、前週の6.09%から低下。

   (その他主要指数動向)
★購入指数…304.8(前週は342.2)
★借り換え指数…1333.9(前週は2043.4)

18.1日のロンドン銀行間取引市場で、ユーロ建てとドル建ての1ヶ月物金利がいずれも上昇。融資環境のかつてない悪化を反映している。

19.米供給管理協会(ISM)が1日発表した9月の製造業景況指数は43.5(前月は49.9)と、予想(49.5)を大幅に下回った。2001年10月以来の低水準となった。製造業は急激な悪化の瀬戸際にあり、信用危機が悪化に拍車をかけている内容。

   (主要コンポーネント内訳)
★輸出指数…52(前月57)
★新規受注指数…38.8(前月48.3)→01年以来の最低水準
★生産指数…40.8(前月52.1)
★仕入れ価格指数…53.5(前月77.0)
★雇用指数…41.8(前月49.7)→03年以来の最低水準

20.アラバマ州ジェファーソン郡は、計32億ドルの下水事業歳入債の一部について、8350万ドルの利払いを見送ると言う。同郡は破産の危機に直面中。ジェファーソン郡は、金融危機のあおりで、借り入れの金利が最大10%に上昇し、利払いを続けることが困難になっている。同郡はJPモルガン・チェースを含む債権者と借り換えで合意できない場合に備えて破産届けを準備していると言う。

21.ゼネラル・エレクトリック(GE)
@金融部門GEキャピタルの債務保証コストが過去最大になったが、ゼネラル・エレクトリックは1日、同社と金融部門GEキャピタルの財務は健全と表明した。同社はコマーシャルペーパー(CP)による資金調達で困難に直面しバックアップの融資枠の利用に追い込まれるとの観測が出ている中での表明。
Aゼネラル・エレクトリックは1日、120億ドル相当の普通株と、30億ドル相当の優先株発行計画を明らかにした。優先株については、投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが全額取得する。バフェット氏が取得する優先株の配当は年率10%で、3年後には10%のプレミアムで償還が可能。バフェット氏はまた、1株当たり22.25ドルの行使価格で30億ドルの普通株を取得するワラントも獲得する。
Bドイツ銀がGE金融部門の悪化で利益が打撃を受けるとの見通しを述べた。

22.ユンケル・ユーログループ議長は1日、EU各国政府は、金融危機によって大手銀行を破たんさせないと述べた。また、混乱は今後数カ月にわたって影響するとの見方を示した。欧州の銀行は米銀より良い状態にあるため、米国と同様の対応策は必要ないとの考えを表明していた。

23.SECと米財務会計基準審議会(FASB)は、一部議員が求めている時価会計規定の一時停止に応じない公算が大きい。議員らは、時価会計であるフェア・バリュー(公正価値)会計規定が世界的な金融危機を悪化させた一因だと主張していた。同会計を支持するバーナンキFRB議長らは、この規定を撤廃すれば、企業が損失を自ら明らかにするとの信頼感が薄れると主張している。

24.インガソール・ランド(IR)
産業機器メーカー大手株の投資判断がシティ・グループによって“買い”から“保有”に引き下げられた。信用危機で、企業の設備投資が遅れると言う。

25.9月27日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比1000件増の49万7000件(前週は49万6000件)と、予想(47万5000件)より大幅に悪化した。今回は、景気悪化と、ハリケーンの来襲という災害が影響している。4週間移動平均は47万4000件と前週の46万2500件から増加した。

26.バンク・オブ・アメリカは、FRBがベアー・スターンズから受け継いだモーゲージ担保証券(MBS)で最大60億ドルの損失を出す可能性があるとの見解を示した。前四半期に比べ、モーゲージ市場はさらに悪化しており、20−60億ドルの含み損が発生するだろうとしている。

27.IMFは、秋の世界経済見通しを発表し、金融危機の悪化に伴い、米国はリセッションに陥る可能性があると指摘した。また、米国に対して金融機関の資本増強のために公的資金を注入するよう求めた。銀行の信用不安が原因で生じる景気の後退が深刻で長期的になる恐れがあると警告し、金融危機の拡大を防ぐためアメリカに対し金融機関に公的資金を注入するよう求めた。銀行をはじめ金融機関の融資や投資能力が高い国ほど経済活動が急速に縮小するリスクが高いとし、アメリカ経済が急激に悪化する可能性は極めて高いと指摘。

28.米不動産調査会社レーダー・ロジックが2日発表したリポートによると、7月の住宅価格は米国主要25都市のうち24都市で前年同月から下落したことが分かった。住宅差し押さえの増加が価格を押し下げている。

29.フォード(F)
フォード・モーターのアラン・ムラリーCEOは2日、米経済の活性化には断固たる行動が必要だとして、金融安定化法案の承認を呼びかけた。

30.サリーメイ(SLM)
米学資ローン最大手SLMのアルバート・ロードCEOは株主にあてた書簡で、同社は十分な資本を保有し、流動性も足りており、事業は堅調だと言明した。

31.政策金利を4.25%で据え置いた。ECBのトリシェ総裁は2日、銀行は現在、貸し出しリスクを過大に見積もっており、その結果、金融市場の機能不全を悪化させているとの考えを示した。冷静を保つよう求めたいと語った。

32.アルコア(AA)
ゴールドマン・サックスが、アルコアの投資判断を、“買い”から“中立”に引き下げた。

33.モザイク(MOS)
@1日引け後にネガティブ・コメント。燐酸肥料の在庫が積み重なったことから、向こう数ヶ月間で、50万トン〜100万トン減産すると発表。
Aメリルリンチが、モザイクの投資判断を、“買い”から“アンダーパフォーム”に引き下げた。
Bゴールドマンサックスが、モザイクの投資判断を、“買い”から“中立”に引き下げた。

これを受けて、農業関連株が総じて急落だった。メリル・リンチは、この他、ポタッシュ(POT)、アグリウム(AGU)株の投資判断を、“買い”から“アンダーパフォーム”に引き下げた。

34.イーベイ(EBAY)
@モルガンスタンレーが、イーベイの投資判断を、“オーバーウェイト”から“イコールウェイト”に引き下げた。
Aバンク・オブ・アメリカが、イーベイの投資判断を、“買い”で据え置いた。また、株価の目標価格を、これまでの38ドルから37ドルへ下方修正した。

35.9月の雇用統計は以下の通り。

★非農業部門雇用者数…前月比15万9000人減と、予想(10万5000人減)より悪化した。5年ぶりの大幅減少。
★8月の雇用者数改定値…7万3000人減(速報値8万4000人減)とマイナス幅が縮小。
★9月の失業率…前月と同じ6.1%で、予想(6.1%)と一致した。
★民間部門の週平均労働時間…33.6時間(前月は33.7時間)
★製造業部門の週平均労働時間…40.7時間(前月は40.9時間)
★超過勤務…3.6時間(前月3.7時間)
★平均時給…前月比3セント(0.2%)増加の18.17ドル。前年同月比では3.4%上昇した。

   (雇用動向)
★製造業部門は5万1000人減少(前月5万6000人減)した。
★建設部門の雇用者数は3万5000人減(前月は1万3000人減)。
★金融機関は1万7000人減と、前月の5000人減から一段と調整が進んだ。
★小売りは4万100人減少(前月は2万5400人減)した。
★政府機関の雇用者数は9000人増加(前月3万1000人増)に減速。

36.アップル(AAPL)
アップルは3日、スティーブ・ジョブズCEOが心臓発作を起こした事実はないと言明、朝方の複数の報道を否定した。

37.カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は、ポールソン米財務長官あてに書簡を送り、最大70億ドルの緊急連邦融資を要請した。カリフォルニア州は日常業務に必要な資金の確保、および短期借り入れが困難になりつつあり、数週間以内に緊急融資が必要になる可能性がある。

38.米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の非製造業総合景況指数は50.2(前月は50.6)と、予想(50.0)を若干上回った。

39.カンザスシティー連銀のホーニグ総裁とセントルイス連銀のブラード総裁は、利下げへの慎重姿勢を示した。

   (両氏の発言要旨)
★現時点で利下げを実施するのは恐らく正しい対応ではない。米経済には既に非常に強力な刺激策が施されている。
★インフレ進行時において追加利下げは経済の支援材料にはならない可能性がある。

40.ニューヨーク・タイムズ紙は今月6日付紙面から、地域ニュースやスポーツ、ビジネスなど現在数種類ある分冊を統合する。広告収入の減少で、統合による印刷コスト削減などが狙い。

41.フォード(F)
フォードは、傘下のスウェーデンのトラックメーカー「ボルボ」の2008年7−12月(下期)業績見通しを引き下げ、1−6月(上期)から業績が悪化すると2日引け後公表した。経済情勢の悪化を理由に挙げた。

42.ライダー・システム(R)
米トラックリース最大手のライダー・システムは、トランスパシフィック・コンテナ・ターミナルとCRSAロジスティクスの全資産買収で合意した。買収価格は公表していない。




=以上=
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2008年10月03日

空売り禁止措置は10月中旬まで延長される可能性が高い

空売り禁止措置は10月中旬まで延長される可能性が高い

10月2日

森  崇


米証券取引委員会(SEC)は2週間前、空売り禁止を決めたが、SECは適用範囲を若干狭めた上で、10月中旬まで空売り禁止措置を延長する見通し。この空売り禁止措置は2日の午後11時59分で期限が切れるが、10月中旬まで延長される模様。

英国の空売り禁止措置に続いて、米国でも導入した。豪州やオランダの当局は、米国が実施した数日後に追随し、空売り制限措置を講じた。これまでのところ、指摘されているメリットとデメリットは以下の通り。WSJ紙が報じている。

(メリット)
 ★ヘッジファンドが取引を縮小したことで、空売り禁止リストの銘柄は売買高が半減した。
 その結果、特に寄り付きや、引け間際の値段の振れが小さくなった。

(デメリット)
 ★一部大手金融機関の株価急落を阻止するには至っていない。


地銀大手ナショナル・シティ(NCC)やソブリン・バンコープ(SOV)などは、今週に入って一時は70%以上下落した。貯蓄金融大手ワシントン・ミューチュアル(WAMUQ)は破たんして買収され、ワコビア(WB)はシティグループ(C)への身売りに追い込まれた。保険大手のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループ(HIG)の株価は2日間で25%下がり、ゴールドマン・サックス・グループ(GS)とモルガン・スタンレー(MS)といった有力投資銀行でさえも、銀行持ち株会社への転換を決意させられた。

 ★投資家にとって取引コストが増大している。
 ★買呼値と売呼値の開きが、取引時間にかかわらず拡大している。これは、円滑な取引が
 行われにくくなっていることを示す。
 ★株式オプション市場でもSECの規制変更の影響を感じている。例えば、空売り禁止措置に
 より、特定のオプションが取引停止になった。
 ★転換社債市場は閉鎖同然となっている。



=以上=
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2008年10月01日

本日の米国株相場について 9/30

本日の米国株相場について

9月30日

森  崇


本日の米国株相場は、新たな修正案の成立に向けた協議が進むとの期待から買いが膨らんだ。以下は本日のUSAトゥデイ紙の表紙を飾る写真である。法案反対票増加とともに株価が下落するプロセスを表示している。マネー面の表紙は、“一日で1.2兆ドルの時価総額が消失した”との見出しであった。

clip_20081001_03.JPG


ブッシュ大統領も緊急声明で、以下のように述べている。

法案の否決により、ニューヨーク証券取引所の株式相場が急落し、株式の時価総額も1兆ドルを超して消滅した。それに比べて不良資産の買い取り制度の最終的な費用は7000億ドルをはるかに下回り、公的資金はほとんどか全額回収できると思う。

この他、今日は以下の通りの株式支援材料が出た。

1.前日の株価暴落を受け、有権者の法案成立を促す電話が下院に殺到。当初反対に票を投じた議員も、「今日は、フィフティー・フィフティーだろう」(スポークスマンのデーブ・ヨンクマン氏談)。

2.上院少数党院内総務のミッチ・マコーネル氏が、本日ブッシュ大統領と会談し、「昨日の株価暴落によって、市場からのメッセージは明らかだ」とコメント、下院で否決された同法案審議を今週中に実施すると表明した。上院院内総務のハリー・リード氏は、金融安定化法案の成立は優先順位No.1であるとしている。

3.マイクロソフト、オフィスデポ、シェーリング・プラウ等が、法案否決は、米国経済全体を危険に落としいれるとコメント。

4.ロイターによれば、ワシントンのロビイストの間では、反対票を投じた一部の議員を説得すれば、再可決が可能との見方が出ていると言う。今回も、法案は反対228票・賛成205票の小差で否決されており、12人の議員が反対から賛成に回れば再可決が可能になる計算だ。

ロビイストは、法案否決でいかに株価が急落したかという観点から、一部の造反議員を説得すればいいと指摘している。抵当銀行協会(MBA)のロビイスト、フランシス・クレイトン氏によると、法案を再審議するには、法案を修正したうえで再度議会に提出する必要があるが、この際、大幅な変更は必要ないと言う。

5.SECがマーク・トゥ・マーケット(値洗い)規制を緩和するのではとの観測が出た。


徐々に、法案の逆転可決可能性が高まっている。



=以上=
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