2008年06月23日

先週米国株を取り巻くブルベア材料 6/22

先週米国株を取り巻くブルベア材料

6月22日

森  崇


ブル材料
1.4月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて1151億ドルの買い越し(前月は同796億ドルの買い越し)と、予想(633億ドルの買い越し)を大幅に上回った。買い越し額は11カ月ぶりの高水準となった。金融資産の合計は606億ドルの買い越しと、前月の487億ドルの売り越しから買い越しに転じた。外国人投資家による米国株の売越額は159億ドルと、前月の108億ドルの買い越しからマイナスに転じた。

  (米国債保有動向)
★日本の投資家による米国債の保有額…85億ドル純減の5922億ドル。
★中国の投資家の保有額…114億ドル純増の5020億ドル。
★英国…同485億ドル純増の2514億ドル。

2.リーマン・ブラザーズ(LEH)
証券大手リーマンが本日寄り前業績発表。9日に提示されものとほぼ同じ内容だった。ただし、保有資産を1470億ドル減らし、先週示した概算の1300億ドルよりも大幅に削減した。これが好感された。

第2四半期(3−5月期)実績
 ○純利益…28億ドルの純損失
 ○1株当たり損失…5.14ドル(コンセンサス予想は0.32ドル)

  (その他)
 〇評価損…40億ドル(そのうち住宅ローン資産評価損は20億ドル)
 〇削減したレバレッジド融資債券保有額…180億ドル
 〇削減した純資産…700億ドル
 〇削減した住宅関連資産…647億ドル

3.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
15日、マーティン・サリバン氏がCEOを退任。ウィラムスタッド会長が後任としてCEOを兼任することになった。ウィラムスタッド新CEOは、全社的な事業見直しにおいて聖域は設けず、すべてが検討の対象になると述べた。

4.ヤフー(YHOO)
投資家カール・アイカーン氏は16日、ヤフーと同業グーグルが12日に合意を発表したオンライン広告での提携についてコメントした。グーグルとの提携はマイクロソフトによるヤフーの完全買収よりは劣るが、ヤフーの検索事業だけの買収を模索したマイクロソフトの直近の提案よりはましだと指摘。
  
5.サウジアラビアは7月に日量970万バレルの原油を生産する予定であると言う。潘国連事務総長はサウジのヌアイミ石油鉱物資源相と会談後、同石油相から得た数値として明らかにした。20万バレル増産し、生産量は合計で970万バレルになると説明した。

6.ブロードコム(BRCM)
衛星利用測位システム(GPS)チップの設計会社、サーフ・テクノロジー・ホールディングスが半導体メーカー大手ブロードコムを相手取り、2件の特許権侵害で訴えていた問題で、米国際貿易委員会(ITC)は訴えを退けた。

7.テバファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)
世界最大の後発医薬品メーカー、イスラエルのテバファーマスーティカル・インダストリーズはパーキンソン病治療薬「アジレクト」が病状の進行を遅らせたとの試験結果を明らかにした。

8.シリウス・サテライト・ラジオ(SIRI)
連邦通信委員会(FCC)のマーティン委員長は、衛星ラジオ放送大手、シリウス・サテライト・ラジオによるXMサテライト・ラジオ・ホールディングスの買収承認への支持を表明した。

9.リッチモンド連銀のラッカー総裁は16日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米経済成長の下振れリスクは縮小した。景気の回復に伴い、利下げの反転が極めて理にかなったものになる。
★経済成長のペースは全般に弱々しい。住宅市場の軟調に足を引っ張られている。景気が回復したとしても、ことのほか緩やかなペースにとどまる可能性が非常に高い。
★最近の経済統計はインフレが許容できないほどに高いことを確認する内容だった。景気減速を抜け出す際に、減速期に入るときよりも高いインフレを伴うリスクがあることに対応しなくてはならない。

10.ゴールドマン・ザックス(GS)
ゴールドマンが17日発表した2008年3−5月(第2四半期)決算は、前年同期比で11%の減益となった。減益幅は市場予想よりも小幅にとどまった。第2四半期の評価損と信用損失は7億7500万ドル(約840億円)。この影響で、債券事業の収入は29%減となった。普通株の年間ROE(株主資本利益率)は20.4%。前四半期は14.8%、前年同期は26.7%だった。

第2四半期(3−5月期)実績
 ○総収入…94億2,200万ドル(87億4,635万ドル)
 ○1株当たり利益…4.58ドル(コンセンサス予想は3.42ドル)

11.チキータ・ブランズ・インターナショナル(CQB)
食品大手のチキータ・ブランズ・インターナショナルは7―9月(第3四半期)の損益が「前年同期と同程度」の赤字になるとの見方を示した。16日は「大幅な赤字」になるとの見通しを示していた。

12.CMEグループ(CME)
世界最大手の先物取引所、CMEグループは16日、米司法省からニューヨーク商業取引所(NYMEX)買収の認可を受けたと発表した。シティグループはCMEの投資判断を「ホールド」から「買い」へ引き上げた。

13.アップル(AAPL)
調査会社iサプライによると、アップルの携帯電話iPhoneの今年の出荷台数は1060万台に達し、第3世代(3G)対応機種がアイフォーンの今年の販売台数の60%を占めるだろうと言う。iサプライの推計によると昨年のアイフォーン販売台数は370万台。世界の携帯端末販売の0.3%を占めた。また、2012年までに携帯電話加入者数は49億人を上回るとの見通しを示している。今年の年末時点での加入者は37億人が予想されている。今年の世界の携帯端末出荷台数は12%増の12億9000万台、2012年には16億台に達する見込みだ。

14.経済予測を提供するカリフォルニア大学ロサンゼルス校のアンーソン・フォーキャストは18日、カリフォルニア州の住宅市場が回復の兆候を示し始めている可能性があるとの見方を示した。同州の住宅価格は引き続き低迷しているものの、一戸建て住宅とコンドミニアムの販売件数は増加しつつあると言う。年内は住宅差し押さえが続こうが、来年には落ち着きを取り戻し始めるだろう。通常の住宅市場の状況とはまだ程遠いものの、同州の一部地域で住宅販売が増加していることは良い兆候だと指摘。

15.石炭株
石炭株が高い。スティフェル・ニコラウスのアナリストは供給不足から石炭価格が2009年にかけて上昇するとの見通しを示した。コンソル・エナジー(CNX )、ピーボディ・エナジー(BTU)、アーチ・コール(ACI)等が急騰。

16.ボーイング(BA)
米政府監査院は国防大手ノースロップ・グラマンが米空軍から獲得した350億ドル相当の空中給油機受注について、入札のやり直しを求める同業ボーイングの申し立てを認めた。

17.ファイザー(PFE)
世界最大の医薬品メーカー、ファイザーは18日、コレステロール降下剤「リピトール」の後発医薬品について、インドのランバクシー・ラボラトリーズが米市場での販売開始時期を20カ月遅らせることで両社が合意したと発表。これにより、ファイザーは120億ドルを得る可能性がある。

18.フォード(F)
資産家カーク・カーコリアン氏が経営するトラシンダは米自動車大手フォード・モーターの株式を4080万株買い増し、保有比率を6.5%に引き上げた。新たに買い増した株式は18日の終値を基にすると、2億5380万ドルに相当する。

19.5月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.1%上昇(前月は0.1%上昇)と、予想(前月比変わらず)を上回った。

  (プラス寄与項目)
株価と米国債利回りの上昇、S&P500種株価指数、10年債利回りとフェデラルファンド(FF)金利の差、消費財と資本財の受注がそれぞれ寄与した。

  (マイナス寄与項目)
インフレ調整後のマネーサプライ(通貨供給量、M2)、住宅着工許可件数、消費者期待度指数、入荷遅延がそれぞれマイナス寄与。

  (中立寄与)
製造業の週平均労働時間

20.BB&Tコープ(BBT)
ノースカロライナの大手地銀に強材料。4月17日の発表通り、2008年中に増配するとコメントした。一部アナリストから減配予想が出ていた。

21.ブロードコム(BRCM)
任天堂のビデオゲームに搭載されている半導体メーカー大手に強材料。リーマン・ブラザーズが、第2四半期のEPS予想を2セント引き上げ、35セントとするとともに、第3四半期のEPS予想も引き上げ必要があるかもしれないとした。

22.ライダー・システム(R)やサウスウェスト航空(LUV)等の輸送株
全米最大のトラック・リーシング会社であるライダーや、航空会社大手のサウスウェスト航空等が買われた。原油価格の急落が背景。

23.国際通貨基金(IMF)は20日、以下の通り見解を表明した。

  (要旨)
★IMFは2009年の米経済成長率予想を従来の1.6%から引き上げ、2%とする。今年は、おおむねゼロ成長だろう。
★米国の景気減速は恐れていたほどではなかった。景気回復は来年にも始まるだろう。
★FOMCは、インフレ抑制のために早期利上げを迫られる可能性がある。

24.バンク・オブ・ジ・オザークス(OZRK)
アーカンソー州の銀行持ち株会社、バンク・オブ・ジ・オザークスは、資本は十分にある、増資計画はないと言明した。

25.ハンティントン・ブランクシェアーズ(HBAN)
オハイオ州地銀大手が、第2四半期のローン貸倒れは、予想範囲内にとどまると発表。

26.ウェスタン・ユニオン(WU)
送金、決済サービス会社大手に好材料。向こう3−5年にわたって、EPSの伸び率は18%が予想されるとした。また10億ドル分の自社株買戻しも発表。


ベア材料
1.6月のニューヨーク地区の製造業景況指数はマイナス8.7(前月はマイナス3.2)と、予想(マイナス2)を上回る落ち込みだった。

2.全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが16日発表した6月の米住宅市場指数は18(前月は19)と、予想(19)を下回った。

3.シティグループのチーフ米国株ストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏が以下の通り指摘。

  (要旨)
★テクノロジー株を売ってヘルスケア株を買ったほうが良い。去1年にわたる信用市場のひっ迫が情報技術(IT)を含む設備投資に悪影響を与える可能性が高いからだ。
★テクノロジー株全般の投資判断を「マーケットウエート」から「アンダーウエート」に引き下げる一方、ヘルスケア株を「マーケットウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。
★IBMを「推奨リスト」から除外し、代わりに医療保険会社のエトナを加えた。

4.チキータ・ブランズ・インターナショナル(CQB)
食品大手のチキータ・ブランズ・インターナショナルは7―9月(第3四半期)の損益が「大幅な赤字」になるとの見通しを示した。中米とエクアドルでの悪天候と供給コストの上昇が背景。

5.オフィスマックス(OMX )
クレディ・スイスは、オフィス用品販売3位のオフィスマックスを競合するステープルズが買収する計画は棚上げされたとの見方を示した。

6.5月の鉱工業生産指数は前月比0.2%低下(前月0.7%低下)し、予想(0.1%上昇)に反して低下した。5月の鉱工業設備稼働率は79.4%(前月は79.6%に修正)と、ハリケーン「カトリーナ」が襲来した2005年9月以来の低い水準だった。

  (内訳)
製造業は前月比変わらず(前月は0.9%の低下)った。自動車を除く製造業は0.2%低下(前月0.4%低下)した。消費財の生産は0.2%低下。 一方、自動車・同部品は1%上昇と、昨年11月以来で初のプラスとなった。鉱業は0.1%上昇と前月の0.6%低下からプラスに転じた。公益事業は1.8%低下した。

7.5月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比1.4%上昇(前月は0.2%上昇)と、予想(1%上昇)を上回った。これは、昨年11月以来で最大の伸び。食品とエネルギー価格を除いたコア指数は0.2%上昇でエ予想と一致。前月の0.4%上昇からは伸びが鈍化した。

  (内訳)
5月の食品価格は前月比0.8%上昇(前月横ばい)。ガソリン価格は前月比9.3%上昇と、昨年11月以来で最大。ディーゼル油と天然ガスはそれぞれ前月比11.2%と5.7%の上昇だった。

8.5月の住宅着工件数は前月比3.3%減の97万5000戸(前月は100万8000戸)と、予想(98万戸)を下回った。これは、過去17年間で最低水準。5月の住宅着工許可件数は1.3%減の年率96万9000件。予想は96万件だった。

9.リーマン・ブラザーズ(LEH)
オッペンハイマーのメレディス・ホイットニー氏はリーマン・ブラザーズの利益見通しを引き下げた。オッペンハイマーのほかメリルリンチやバンク・オブ・アメリカのアナリストもリーマンの利益見通しを下方修正した。大規模な経費削減を実施しない限り、株主資本利益率(ROE)目標を達成できないことが背景。ホイットニー氏は2009年のリーマンの1株当たり利益見通しを1.80ドルと40%引き下げ、同社の経費増大は収入の伸びを上回っていると述べた。メリルのモスコウスキー氏は同30%引き下げて3.46ドル、バンカメのアナリスト、マイケル・ヘクト氏は6%下方修正して1株当たり利益見通しを3.25ドルとした。

10.セントルイス連銀のプール前総裁は17日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★エネルギー価格高騰を背景にしたインフレスパイラルを回避するため、FOMCは利上げを実施すべきだ。
★インフレ期待が賃金上昇につながるのをFOMCは回避すべきだ。いったんインフレ期待が賃金上昇圧力を高め始めると手の施しようがなくなり、消費者物価を抑制するのが困難になる。

11.ベスト・バイ(BBY)
米家電量販大手のベスト・バイが17日寄り前業績発表。2008年3月−5月(第1四半期)の売上高は89億9000万ドル、純利益は1億7900万ドル(1株当たり43セント)となった。予想は、売上高が85億6300万ドル、一株当たり利益が37セントだった。戻し減税(税還付)が販売に寄与し、薄型テレビの販売が好調だった。ベスト・バイは採算性を優先した店舗レイアウトを採用し、収益性の高い地域に店舗を増設した。ただし、2009年度通期ベースのガイダンスを据え置いた。売上高が430億ドル〜440億ドル、一株当たり利益が3.25ドル〜3.40ドルになると言う。第1四半期が予想を上回ったが、通期で据え置いたことから、今後の収益減速予想が嫌気された。予想は、売上高が441億3200万ドル、一株当たり利益が3.25ドルだった。

12.金融機関が証券化して投資家に売却したモーゲージ資産が、各社のバランスシートに戻ってくる可能性があるとWSJ紙が報じた。米財務会計基準審議会(FASB)が先週提案した会計規則の変更で、金融機関はこうした資産を再び自社のバランスシートに戻すことを迫られる恐れがあると言う。金融機関が証券化のための特別会社を一部保有していることが背景。リーマンは16日、3−5月期に1500億ドル近くの資産を売却した。しかし、リーマンは2003−07年に7000億ドル超の資産を証券化しており、BSに戻す分が、仮に証券化したうちの20%だとしても最近の資産圧縮分は飲み込まれてしまうと指摘した。

13.ワシントン・ポスト紙とABCニュースが合同で実施した世論調査(12〜15日実施)によると、今年11月の大統領選で、民主党候補指名が確定しているバラク・オバマ上院議員に投票すると回答したのは有権者の49%で、共和党候補に確定しているジョン・マケイン上院議員の45%をわずかに上回った。不人気な現政権の存在がマケイン氏の挙戦に不利に働いていることをうかがわせた。

14.ゴールドマンは17日、米銀は貸倒損失や資産評価損は2009年1−3月(第1四半期)まで続くため、今後さらに650億ドルの増資が必要となる可能性があると指摘。米銀は必要な増資の3分の2を終えただけだとの見方を示し、金融機関のこれまでの増資は損失を埋めただけとしている。信用市場の環境を悪化させる住宅価格下落は今年いっぱい続き、銀行株の幅広い上昇は向こう数カ月には望みにくいとした。損失に備えた引き当てのピークは09年初めになるだろうとコメント。

15.ウォルマート(WMT)
小売り最大手のウォルマート・ストアーズは17日、2009年1月通期の設備投資計画を130億−140億ドルと発表。昨年10月時の135億―152億ドルから減額した。米国内での店舗拡大ペース減速に伴う措置。また、通期で店舗面積を前年比5−6%拡大する方針。昨年は同7.7%の拡大だった。

16.OPECのハティビ理事(イラン代表)は17日、サウジアラビアはほかのOPEC加盟国に協議せずに増産を実施すべきではないと述べた。サウジアラビアが単独で増産に踏み切れば、それは不正行為となると警告した。イランはOPECで第2位の産油国。同1位のサウジは5月、日量30万バレルの増産計画を発表。原油価格が最高値圏にある中、6月中にも追加の増産計画を発表する可能性がある。

17.アメリカン・エキスプレス(AXP)
フリードマン・ビリングス・ラムジーが、アメックスの投資判断を「アンダーパフォーム」で据え置いた。消費者信用が今年、引き続き悪化するとの懸念が背景。

18.センテックス(CTX)
センテックスなど住宅建設株に売りが膨らんだ。5月の住宅着工件数が軟調だったことが背景。

19.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーが18日寄り前業績発表した3−5月(第2四半期)決算は57%の減益になった。不動産やレバレッジド融資債権を担保にした証券で評価損を計上した上、自己勘定トレーディングも低迷した。同社が保有する流動性総額は3−5月期末時点で1690億ドルと、12−2月期の1250億ドルから増加した。中核自己資本のティア1比率は11.5−12%。

第2四半期(3−5月期)実績
 ○総収入…65億1,000万ドル(コンセンサス予想は71億900万ドル)
 ○1株当たり利益…0.95ドル(コンセンサス予想は0.92ドル)

20.サンフランシスコ連銀のイエレン総裁が以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米経済成長の鈍化はアジアから出荷される輸出品への需要を損ねることになり、アジア経済に悪影響をもたらす可能性が高い。
★商品相場の値上がりが世界的なインフレ圧力を強めており、金融市場はまだ正常化されていない。

21.アムバック(ABK)
モノライン大手アムバック・ファイナンシャル・グループは18日、格付け会社フィッチ・レーティングスとの格付け契約を打ち切る計画を明らかにした。

22.自動車大手クライスラーのロバート・ナーデリCEOは、今年の米自動車業界全体の販売ペースが同社予想より悪化していると述べた。

23.MFグローバル(MF)
先物・オプション取引大手のMFグローバルの株価が急落。同社が17日、2008年4−6月(第1四半期)利益は予想を下回るもようだと発表したことが背景。金利収入減とコスト上昇が背景。4−6月期の純利益は3億6000万−3億9000万ドルになると言う。予想は4億1500万ドルだった。

24.フェデックス(FDX)
米小荷物輸送大手のフェデックスが18日寄り前業績発表。2008年3月−5月(第4四半期)の売上高は前年同期比7.8%増加し98億7000万ドル、キンコーズ部門の特別支出を除くベースで、1株当たり1.45ドルの利益を計上した。予想は、売上高が97億1700万ドル、同ベースの1株当たり利益は1.47ドルだった。燃料コストの上昇に加え、文書作成サービス部門、キンコーズの営業権償却など特別支出が響いた。また、同社は6−8月(第1四半期)の1株当たり利益0.80−1ドルとの見通しを示した。予想は1.34ドルだった。燃料価格の変動と景気見通しの不透明感から、今後の利益予想は困難だと述べた。

25.フィフス・サード・バンコープ(FITB)
米銀フィフス・サード・バンコープは18日、転換優先株の発行と非中核事業の売却で20億ドルの増資を実施することを明らかにした。同社は9四半期連続で減益を計上。また、今年の貸倒引当率は想定されている1.6−1.65%を上回るもようだ。フィフスは引き続き貸倒引当金の積み増しを計画している。四半期配当は66%減配され1株当たり15セントまで引き下げられた。

26.UBS(UBS)
UBSに悪材料。同行がさらに50億スイス・フラン(約5200億円)の評価損を計上し、2008年通期が赤字となるとのJPモルガン・チェースの予想が背景。また、UBSの08年通期業績を1株当たり4.55スイス・フランの赤字と予想。株価予想も増資の影響で調整し、33スイス・フランと従来の43スイス・フランから引き下げた。

27.米住宅用不動産仲介大手リアロジーのヘンリー・シルバーマン会長は18日、米国の住宅価格はこの夏にさらに10%下がるとの見通しを示した。

28.ヘッジファンド、ポールソンの創業者、ジョン・ポールソン氏は18日、業界会議で語り、今回の信用危機による評価損や損失は総額で1兆3000億ドルに達する公算があるとの見方を示した。IMFは損失の総額を9450億ドルと見積もっているが、評価損はまだ3分の1ほどが出ただけで、まだ多くの問題があり、年末まで影響が続くだろう。安定化の兆しは見られないとしている。

29.ゼネラル・モーターズ(GM)等自動車株
シティグループとドイツ銀行は、6月の米自動車販売台数が15年ぶりの低水準に落ち込む可能性があると指摘。ガソリン高により、トラックの在庫が増え、燃費効率の良い小型車が不足するとの見方を示した。

30.サンディスク(SNDK)
アメリカン・テクノロジー・リサーチがフラッシュ・メモリー・カード大手の同社の利益予想を引き下げた。第2四半期のEPSを当初予想より29%下げて12セントとした。就業シーズンでの売上げが予想を下回る可能性があると言う。その他では、投資判断“買い”、目標価格も40ドルで据え置いた。

31.フィラデルフィア連銀が19日に発表した6月の同地区の製造業景況指数はマイナス17.1(前月マイナス15.6)と、予想(マイナス10)より悪化した。これで7カ月連続のマイナス。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…マイナス12.4(前月マイナス3.7)
★受注残…マイナス12.5(前月マイナス19.1)
★在庫…マイナス12.6(前月マイナス13.1)
★雇用者数…マイナス6.9(前月マイナス1.0)
★出荷…マイナス6.7(前月2.2)
★仕入価格…69.3(前月53.8)
★販売価格…29.7(前月31.6)

32. 14日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比5000件減の38万1000件。予想(37万5000件)を上回った。前週は38万6000件(速報値38万4000件)に上方修正された。4週間移動平均は14日までの1週間で37万5250件(前週37万2000件)に増加した。

33.モルガン・スタンレー(MS)
オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は19日、証券大手モルガン・スタンレーの利益見通しを下方修正した。モルガン・スタンレーの2008年11月通期の1株当たり利益予想を4.25ドルと、従来予想の5ドルから引き下げ、2009年度も同5.80ドルから4.40ドルに下方修正した。他社と同様にモルガン・スタンレーも今後数四半期は困難な収益環境に直面するだろう。資本市場の動きはなお停滞しており、市場は引き続き厳しいとコメント。

34.ゴールドマン・ザックスは、北海ブレント原油の今年の平均価格見通しをバレル当たり117ドルと、従来予測から9%上方修正した。世界的な供給逼迫が背景。2009年の平均価格見通しは27%引き上げられ140ドル、2010年は25%引き上げられ150ドルとなった。また、11年は17%上方修正の140ドル、12年は13%引き上げられ85ドルとされた。

35.シティ・グループ(C)
シティグループのクリッテンデンCFOは19日、サブプライム住宅ローン市場に関連する債券の実質的な評価損を追加計上することを明らかにした。4−6月(第2四半期)のサブプライム住宅ローン関連の評価損は1−3月期に計上した60億ドルを下回るだろうと述べた。

36.バイオジェン・アイデック(BIIB)
バイオテクノロジー大手バイオジェン・アイデックと資産家カール・アイカーン氏の間で繰り広げられていた委任状争奪戦はアイカーン氏の敗北に終わった。、空席になっていた4人の取締役会メンバー(定数12人)にはいずれもバイオジェンが推薦した候補が選ばれた。

37.ソーンバーグ・モーゲージ(TMA)
住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージは、救済計画の遅れで同社の存続が危うくなっているとの見解を示した。ソーンバーグは増資を予定していた6月中に完了できないと報告し、9月末までの期限延長を求めている。

38.コーンFRB副議長が以下の通り発言。

  (発言要旨)
★商業不動産は厳格に監督する必要がある。
★ホーム・エクイティー・ローン貸倒は確実に拡大している。

39.アンハイザー・ブッシュ(BUD)
ビール醸造最大手のアンハイザー・ブッシュは20日、メキシコのグルポ・モデロのカルロス・フェルナンデスCEOがアンハイザーの取締役を退任すると発表。アンハイザーはインベブによる436億ドルの買収案を阻止するため、グルポ・モデロとの統合を目指している。フェルナンデスCEOは、係争が生じることを避けるため退任したと説明した。

40.フォード(F)
フォード・モーターは20日、今年の自動車部門業績は前年よりも悪化するとの見通しを明らかにした。ピックアップトラックやスポーツ型多目的車(SUV)への需要はここ数十年での最低と言う。

41.モナコで開催されている「GAIMインターナショナル」ヘッジファンド会議で、ヘッジファンド・マネージャーが以下の通り発言。

  (要旨)
★信用市場の危機が続き、終息には程遠い可能性がある。

42.リーマン・ブラザーズは20日付のリポートで、ゼネラル・モーターズとフォード・モーターの金融部門がそれぞれ10億ドルを超える評価損の計上を余儀なくされる可能性があると指摘。トラック中古価格の下落が激しいため、リース後に返却された自動車の価値が当初予想を下回っていることが背景。

43.UBS、クレディ・スイス、ドイツ銀行
リーマン・ブラザーズは20日、スイスの銀行大手UBSとクレディ・スイス・グループ、独大手ドイツ銀行の4−6月(第2四半期)利益予想を下方修正。サブプライム住宅ローン問題に関連する評価損が追加計上されるとの見方が背景。UBSが第2四半期に主に住宅と金融保証会社への投融資に関連する評価損として55億ドルを計上する可能性があり、この結果、純損益は22億スイス・フランの赤字になり、ドイツ銀行とクレディ・スイスについてはそれぞれ19億ユーロと約13億スイス・フランの評価損を計上するとの予想を示した。

44.OPECのヘリル議長は20日、産油国に対する増産要請は非論理的であり、ジッダで22日に開催される石油消費国との会議では増産に反対する意向を表明。投機的な動きと地政学的な緊張、製油能力が限定的なことが原油高の原因だと指摘。

45.シティグループ(C)
UBSは、シティグループの4−6月(第2四半期)決算が赤字になるとの見方を示した。シティが4−6月期に87億ドルの評価損を計上すると予想。1株当たり損益見通しを40セントの赤字と、従来予想の37セントの黒字から下方修正した。シティのクリッテンデンCFOは19日、大幅な追加評価損と消費者ローンの損失増加を予想していると述べたことが背景。

46.MBIAとアムバック(ABK)
著名投資家のウィルバー・ロス氏は20日、米金融保証会社大手のMBIAとアムバックが失った最上級格付けを回復する可能性は低く、新たな競合相手に参入の可能性が広がるとの見方を示した。

47.米投資会社フォートレス・インベストメント・グループが、ディストレスト資産に投資する20億ドル規模のファンド向けに10億ドルを追加調達する可能性があると、NYポスト紙が報じた。

48.サンディスク(SNDK)
フラッシュ・メモリー・カード大手の同社株に悪材料。シティ・グループがネガティブ・コメント。海外需要の減少から、業績が予想を下回る可能性があると言う。同社株の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。2008年通期ベース予想EPSを12%下げて1.23ドルに、2009年も同25%下げて1.29ドルとした。
  
49.ファニーメイ (FNM)とフレディマック
リーマン・ブラザーズは20日、住宅市場の悪化が続くなか、米2大住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が2008年4−6月(第2四半期)に一段の損失を計上する可能性があると指摘した。

50.MBIA(MBI)とアムバック(ABK)
格付け会社フィッチ・レーティングスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)に続き、ムーディーズ・インベスターズ・サービスも金融保証会社MBIAとアムバック・ファイナンシャルの格付けを最高位の「Aaa」から引き下げた。

51.GMとフォード(F)
スタンダード・アンド・プアーズは20日、ゼネラル・モーターズとフォード・モーター、クライスラーの信用格付けを、いずれも格下げの可能性を示す「クレジット・ウォッチ・ネガティブ」に指定した。ガソリン価格の高騰が自動車業界の財務に打撃を与えているとの懸念を理由に挙げた。S&Pはこれら自動車3社の債務格付けを「B」としている。S&Pはまた、これら自動車3社の金融部門についても格下げ方向で見直していると表明した。

52.ワコービア(WB)
メリル・リンチがワコービアの目標価格を21%引き下げて15ドルとした。また、大規模米地銀株の2008年通期ベース予想EPSを22%、2009年分も同19%引き下げた。
 
53.MFグローバル(MF)
先物ブローカー大手のMFに悪材料。ドイチェ・バンクが同社目標価格を35%下げて11ドルとした。

54.マリオット・インターナショナル(MA)やブランスウィック(BC)
レギュラー無鉛ガソリン価格が今週は過去最高の4.09ドル(1ガロン当たり)をつけたことから、ドライブ減少予想より、ホテル株や、アウトドア活動用商品を製造しているブランスウィック株等が下落。




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2008年06月16日

先週米国株を取り巻くブルベア材料 6/15

先週米国株を取り巻くブルベア材料

6月15日

森  崇


ブル材料
1.4月の中古住宅販売成約指数は前月比6.3%上昇(前月は1%低下)と、予想(0.4%低下)に反し、上昇に転じた。今回の4月の数字は6カ月ぶりの高水準となった。

2.アップル(AAPL)
アップルが3G 対応の新型iPhoneを発表。価格は199ドル。16ギガバイトの3GiPhoneは価格が299ドル。

3.マクドナルド(MCD)
5月既存店売上高が、前年同月比7.7%増加、米国内では、同4.3%増加した。

4.アルコア(AA)
バロンズ紙が、もし買収ターゲットになったら、60ドルまで株価が上昇するだろうとのコメントを掲載。

5.モザイク(MOS)
肥料メーカー株が急騰。ゴールドマン・ザックスの“コンビクション・バイ・リスト”に掲載された。195ドルの目標価格も設定された。これまでは165ドルだった。化学肥料価格上昇を背景とし、また、復配、自社株買いの可能性もあるとしている。これを受け、農業関連株が物色された。

6.ポールソン米財務長官は10日、13、14日に開催される主要8カ国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)財務相会合で、ドルが今後、長期的な米経済のファンダメンタルズの力強さを反映すると明言する方針を示した。同長官はまた、外為市場への介入は当局者の持つ手段の1つだと繰り返した。

7.コーラ(KO)
ドイチェ・バンクが、コーラの投資判断を“中立”から“買い”に引け上げた。また、目標価格も64ドルから65ドルに引き上げた。ラテン・アメリカでの売上、利益急増が背景。

8.シャッフル・マスター(SHFL)
カジノ用品を製造するシャッフル・マスターが9日引け後に発表した08年2−4月(第2四半期)売上高と利益はともにアナリスト予想を上回った。

9.シティグループ(C)
シティグループのパンディットCEOが10日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★金融サービス機関や銀行の流動性が正常化レベルへの回復に向かっている。流動性と貯蓄は正常化レベルに戻る過程にある。

10.ナショナル・シティー(NCC)
オハイオ州最大の銀行、ナショナル・シティーは10日、資本やリスク、流動性の管理に関して米通貨監督庁(OCC)との覚書に署名した。

11.ディズニー(DIS)
傘下のESPNネットワークに好材料。ケーブルテレビや衛星テレビから繰り延べられた収入がかなりあると言う。

12.ステイプルズ(SPLS)
世界最大のオフィス用品販売チェーンが、オランダの同業、コープレート・エクスプレスNVを買収するという。買収総額は16億8000万ユーロ(26億ドル)で、3回の価格引き上げ後に成立。

13.6日まで1週間の住宅ローン申請指数は、前週比10.9%上昇の557.1と、6年ぶりの低水準となった前週から上昇に転じた。住宅ローン30年物固定金利は平均で6.24%と、前週の6.17%から上昇。

  (その他主要指数動向)
★購入指数…12.8%上昇し376.2
★借り換え指数…8.4%上昇し1622.1

14.タルボット(TLB)
衣料品専門店のタルボットは11日、親会社のイオンから5000万ドルの無担保劣後貸付枠(劣後ローン)を獲得したと発表。タルボットは2010年1月までの1億ドルのコスト削減を目指している。

15.モルガン・スタンレー(MS)
ゴールドマン・サックスは、モルガン・スタンレーの株式を買う権利を付与するコールオプションの買いを推奨している。モルガン・スタンレーの決算発表後に株価が反発する可能性があることが理由。

16.バイオジェン・アイデック(BIIB)
バイオ大手のバイオジェン・アイデックは10日、著名投資家カール・アイカーン氏が昨年、同社に対し、最大で1株当たり82ドルの買収案(現金で最大150億ドル規模)を提示していたことを明らかにした。同社はアイカーン氏との委任状争奪戦の渦中にある。

17.ゴールドマン・ザックス(GS)
ゴールドマン・サックスは独ノルトライン・ウェストファーレン州から集合住宅9万3000戸を7億8700万ユーロ(約1308億円)の現金で買収することで合意。賃貸料の上昇を見込んだ投資とみられている。

18.ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループ(HIG)保険会社のハートフォードは10日引け後、自社株買い計画の規模を10億ドル引き上げると発表。

19.モンサント(MON)
遺伝子組み換え種子大手株の目標価格が引き下げられた。UBSが、140ドルから154ドルへと引き上げた。

20.ステート・ストリート(STT)
ゴールドマン・ザックスが、ステート・ストリート株を“コンビクション・バイ・リスト”に掲載。

21.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカのケネス・ルイスCEOは、減配しない意向を表明した。オッペンハイマーのホイットニー氏が11日付のリポートで明らかにした。ルイスCEOは個人顧客の返済遅延率が4月から5月にかけてかなり大幅に低下したことを明らかにした。住宅金融大手カントリーワイドの買収について、ルイスCEOは、評価損が予想を上回っても、買収はなお魅力的だと述べ、完了を目指す考えをあらためて示した。

22.5月の小売売上高は前月比1%増(前月は0.4%増)と、予想(0.5%増)を大幅に上回った。これは、昨年11月以降で最大の伸びとなった。ガソリン価格上昇はガソリンスタンドの売上高を押し上げた。ガソリンスタンドを除く売上高は0.8%増加した。変動の大きい自動車を除いたベースでは前月比1.2%増加と、市場予想(0.7%増)を上回った。5月から始まった戻し減税が寄与した。

  (内訳)
エレクトロニクスの売上高は0.7%増加。百貨店は1.2%増。建設資材は2.4%増。自動車および同部品の売上高は前月比0.3%増加。

23.シティグループ(C)
シティグループは12日、傘下ヘッジファンドのオールド・レーンを再編すると発表。同行はオールド・レーンの資産を実質上すべて、適正価格で買い取る。シティは5月に、オールド・レーンのほぼ全投資家が資金を引き揚げる見込みであることを明らかにしていた。

24.アンハイザー・ブッシュ(BUD)
ベルギーのビール世界最大手インベブは11日引け後、世界3位で米最大手のアンハイザー・ブッシュに総額約460億ドルでの買収提案をしたと発表。新会社実現した場合、売上高364億ドル、世界シェア約30%となり、2位の英SABミラーを引き離す。 1株65ドルで取得すると提案。直近30日の平均株価に35%を上乗せした額に相当。アンハイザーの取締役会は、提案を精査し、株主利益を最大化する手段を取るとコメント。
 
25.スタンダード・アンド・プアーズは11日、原油高騰を背景に、湾岸協力会議(GCC)加盟国の2002年からの累積経常黒字は今年ほぼ1兆ドルに達しているとみられ、政府系ファンド(SWF)の規模拡大につながっていると指摘。現在の石油ブームと1970−80年代のブームとの顕著な違いは、現在の方が石油収入の管理が用心深く、経常黒字の大半が蓄えられている。これは、GCC諸国の信用格付けに寄与しているという。英金融業界団体のインターナショナル・フィナンシャル・サービシズ・ロンドン(IFSL)の3月の発表によると、SWFの運用資産は外貨準備や国際商品輸出の増加が寄与し、2015年までに10兆ドル超と現在の3倍以上になる見込み。

26.クアルコム(QCOM)
携帯電話向け半導体大手のクアルコムは12日、4−6月(第3四半期)の売上高と利益見通しを上方修正。4−6月期の1株当たり利益(一部経費除く)予想は最大で55セントと、従来目標だった同最大52セントから引き上げられた。売上高は従来予想の上限だった最大27億ドルをやや上回る見通しだ。メッセージ送受信や画像ダウンロード、高速ネットワーク接続機能などを備えた高機能携帯電話向けの受注が増加しており、売り上げ拡大につながったと言う。

27.5月の輸入物価指数は前月比2.3%上昇と、予想(2.5%上昇)を下回った。自動車ならびに他の消費財コストの上昇幅が比較的小幅だった。5月の石油を除く輸入物価指数は前月比0.5%の上昇と、年初来で最小の上昇率にとどまった。

28.金融株
モルガン・スタンレーが、金融株の投資判断を“アンダー・ウェイト”から“中立”に引き上げた。JPモルガン・チェースと、AIGをモデル・ポートフォリオに加える反面、オキシデンタル・ペトロリアム(OXY)とエマーソン・エレクトリック(EMR)を除外した。

29.アリゾナ州立大学のエドワード・プレスコット教授は12日、米政府が貿易や生産性の伸び妨害あるいは増税を実施しない限り、米経済はリセッションを免れるとの見方を示した。同教授は2004年にノーベル経済学賞を受賞した

30.MBIA(MBI)
金融保証会社(モノライン)大手MBIAの株価が急伸。持ち株会社への資本移管を見送り、株主への還元方法を考慮する方針を明らかにしたことが好感された。

31.5月の消費者物価指数は前月比0.6%上昇(前月は0.2%上昇)と、予想(0.5%上昇)を上回った。ただし、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇(4月は0.1%上昇)と、市場予想に一致した。前年同月比でCPIは4.2%上昇した。4月は同3.9%の上昇だった。5月のコアCPIは2.3%上昇(4月も2.3%上昇)した。

  (内訳)
エネルギー価格は前月比4.4%上昇。ガソリン価格は5.7%上昇。燃料コストは10%上昇した。食品価格は0.3%上昇と、4月の0.9%上昇から伸びが鈍化した。新車や被服費、処方せん薬はいずれも低下した。

32.リーマン・ブラザーズ(LEH)
資産運用会社のブラックロックは、9日のリーマン・ブラザーズの公募増資で同社株を購入した。ブラックロックはリーマンの将来を楽観しているという。購入した株数は明らかにしなかった。

33.サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が以下の通り発言。今月22日に同国のジッダで産油国と消費国および企業との会議が開催される。

  (発言要旨)
★ジッダでの会議は原油価格の上昇について話し合う。原油価格の上昇は需給ファンダメンタルズで正当化できない。この会議で適切な解決策が提示されるだろう

34.US航空(LCC)
メリル・リンチが同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。US航空は、12日引け後、燃料価格の高騰に対応し、年内に1700人を削減し国内便の座席数を最大8%縮小すると発表していた。

35.コンチネンタル航空(CAL)
ソールバリー・リサーチが同社株の投資判断を“保有”から“買い”に引き上げた。客席数を減らし、4億1300万ドルを含むクレジットカードの支払いが合意に達したことを背景にしている。

36.スミス・アンド・ウェッソン・ホールディング(SWHC)
銃器製造のスミス・アンド・ウェッソンの親会社、スミス・アンド・ウェッソン・ホールディングが12日引け後発表した2008年2−4月(第4四半期)利益は1株当たり8セントと、予想(7セント)を上回った。

37.米エコノミストらはFRBとバーナンキ議長への信頼を強めているとWSJ紙が報じた。調査に答えたエコノミスト54人中75%が米金融当局はインフレに対し十分な配慮を見せていると回答。昨年5月の60%から増えた。ドル相場に対して当局が十分な懸念を示しているとの回答は66%だった。金融当局が2009年6月までにFF金利の誘導目標を0.5ポイント引き上げ2.5%にすると予想。年内は据え置きが予想されているという。


ベア材料
1.オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は9日、シティグループとメリルリンチ、UBSが保有債務に関し100億ドルの追加評価損を計上する可能性があるとの見方を示した。スタンダード・アンド・プアーズは5日、モノライン大手のMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループの保険財務力格付けを最上位の「AAA」から2段階引き下げて「AA」とした。両社が保証する1兆ドル余りの証券も格下げされた。これを受け、上記金融機関が追加評価損を計上するリスクが高まったとしている。銀行や証券会社が保有するサブプライム関連証券の保険ならびにヘッジの価値が低下するリスクが増すと言う。また、モノラインに関連した損失見通しについても、1月時点で予想していた400億ドルからさらに拡大するとの見方を示した。

2.リーマン・ブラザーズ(LEH)
@リーマンは60億ドルの公募増資計画を発表。また、2008年3−5月(第2四半期)が28億ドルの赤字となったことも公表。 第2四半期中に約1300億ドルの資産を売却したこと、住宅ローン関連資産とレバレッジド融資債権の保有を最大で35%減らしたことも明らかにした。これを受け、クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場で、リーマン・ブラザーズ債の保証コストが低下した。
Aムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、リーマンの格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」と、従来の「ステーブル(安定的)」から引き下げた。ただ、ムーディーズのアナリストは、60億ドルの増資は、バランスシートと投資家信頼感の回復に向けた前向きな一歩だとの見方を示した。
Bリーマン・ブラザーズが近く50億ドルを上回る資金を、ニュージャージー州投資局を含む一連の投資家から調達する見込みだと9日付WSJ紙が報じた。

3.OPECのヘリル議長(アルジェリア・エネルギー・鉱業相)は9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
@原油供給は、ほぼ十分にある。ドル安とイランをめぐる緊張が原油相場の最高値更新の原因である。
A米国の経済危機でドルが大幅に下落し、イランをめぐる脅威が地政学情勢の緊張を高めた。これらの要素がなければ、原油価格は恐らく1バレル=70ドルで推移しているだろう。ドル安だけで原油価格を40ドル押し上げている。

4.IMFの専務理事は、原油相場が年内に200ドルに達する可能性があると発言。

5.ニューヨーク連銀のガイトナー総裁は9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
規制当局者は、金融機関が資本ならびに流動性に対する単一の枠組みを順守するよう、監督を強化する必要がある。

6.ワコビアの6日付のリポートによると、昨年10月以降にデフォルト事由が発生した債務担保証券(CDO)の総額は2150億ドルに達したと言う。過去1カ月にはゴールドマン・サックス傘下のロックソングなどでデフォルト事由が発生した。

7.ワシントン・ミューチャル(WM)
UBSがネガティブ・コメント。同社の住宅ローン関連の損失は、アナリストの予想を上回るとコメントした。

8.バーナンキFRB議長はインフレ期待の高まりを断固阻止すると表明した。利下げ打ち止めとともに、次の一手は、利上げであることを示唆。

  (発言要旨)
★5月の米失業率は22年で最大の上昇だったが、大幅な減速のリスクは過去1カ月で後退した。むしろ、商品価格上昇が消費者物価全体に波及することがないように、インフレを注視する。

9.ミシュキンFRB理事が10日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★中央銀行が金融政策で成功を収めるにはインフレとインフレ期待を抑制することが絶対的に重要である。
★市場との対話は、長期的なインフレを抑制する上で当局が正しい政策を実施すると理解してもらうことが肝要だ。
★また、景気に大きな下振れリスクができないよう注意を払う。

10.ダラス連銀のフィッシャー総裁が、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★インフレ圧力に対応する利上げについて、非常に慎重なやり方で進める必要があり、そうなると予想している。
★中央銀行の急激な動きは望ましくない。漸進主義が予想される。
★物価上昇が国民のインフレ期待に浸透し始めている。インフレ加速を抑制するためにFOMCは断固とした行動を取る必要がある。
★中国などの市場でエネルギーや食品への需要が高まっていることが世界的な物価上昇につながっている。

11.ボストン連銀のローゼングレン総裁は10日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★ドル安が原油価格に及ぼしている影響は、あったとしても小幅なものだ。為替レートではドル建て石油価格の変動のほんのわずかな一部しか説明できない。原油価格の衝撃がインフレ基調に与える影響は極めて軽微なものとなっている。
★FOMCによる利下げや米政府の税還付金支給が景気に影響を与えつつあるように、食品やエネルギー価格の大幅上昇もなお景気に影響を及ぼしている。
★4月の米消費者物価指数(CPI)が前年比3.9%上昇したのは明らかに望ましくない結果だ。CPIは食品とエネルギーを除くコア指数の水準まで低下する可能性がある。

12.4月の貿易収支統計が発表された。
財とサービスを合わせた貿易収支は609億ドルの赤字と、前月の565億ドルの赤字から7.8%拡大した。赤字幅は2007年3月以来の最大。予想は600億ドルの赤字だった。輸入は4.5%増加して2164億ドルと、02年11月以来で最大の伸び。輸出は3.3%増の1555億ドルと、04年2月以来の高い伸びとなった。民間航空機や自動車、農業用機械が主導した。輸入石油価格は平均で1バレル=96.81ドルと、輸入総額とともに過去最高を記録した。

  (要点)
石油価格上昇が貿易収支悪化にかなり影響した。輸出は良好だ。海外経済の堅調とドル安を反映している。

13.リーマン・ブラザーズ(LEH)
ワコビアとクレディ・スイス・グループは10日、リーマン・ブラザーズの株式投資判断を引き下げた。同社の2008年3−5月(第2四半期)が市場予想を超える大幅赤字となったことが理由。ワコビアは同社株の判断を「マーケットパフォーム」と従来の「アウトパフォーム」から引き下げた。クレディ・スイスは「ニュートラル」(従来は「アウトパフォーム」)に引き下げた。また、オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は同社の2008年11月通期損益予想を1株当たり3.34ドルの赤字に下方修正した。従来は同1.58ドルの黒字を予想していた。リーマン株は株価純資産倍率(PBR)は0.9倍と割安に見えるが、リーマンが引き続き抱えているリスクから生じ得る損失について、あまりにも不透明だとコメント。クレディ・スイスはリーマンの予想株価レンジを35−37ドルと、従来の55−60ドルから下方修正した。

14.テキサス・インスツルメンツ(TXN)
半導体大手メーカー、テキサス・インスツルメンツが9日引け後に業績見通しを公表。2008年4−6月(第1四半期)の売上高見通しは、アナリスト予想と合致した。4−6月期の売上高は33億3000万−34億6000万ドルの見込み。4月時点の見通しは32億4000万−35億ドルだった。予想は33億8000万ドルだった。1株利益見通しは43−47セント。アナリスト予想は46セント。4月時点では、最大48セントになるとみていた。

15.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
9日引け後、誤った投資やリスク隠ぺいにより株主への義務を怠ったとして同社の取締役らが提訴された。

16.XTOエナジー(XTO)
天然ガス・石油生産のXTOエナジーは10日、株式未公開のハント・ペトロリアムを約42億ドルで買収することで合意したと発表した。保有油井を増やすことで生産量を大幅に拡大する。ハントの保有者らに26億ドルの現金と約16億ドル相当のXTO株式を提供する。

17.フォード(F)
資産家カーク・カーコリアン氏の経営するトラシンダは10日、同社が提示したフォード・モーターの株式買い付けに対しフォード株主が応じた規模は、トラシンダの購入計画の50倍だったことを明らかにした。フォードのムラリーCEOが指揮する再建計画への信頼感が低いことが示唆された。

18.米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は、保有している住宅用の土地20億ドル相当の一部売却を検討している。米住宅価格下落のなかで、同資産への投資の収益は昨年、31%のマイナスとなった。

19.国際エネルギー機関(IEA)は10日発表した月報で、2008年の世界原油需要見通しを5カ月連続で下方修正。原油価格高騰で、石油消費が減少していることから予想を引き下げた。今年の世界需要見通しは日量8677万バレルと、5月時点の予想(8684万バレル)から約7万バレル引き下げられた。OPEC以外からの今年の供給見通しを日量5004万バレルとし、従来予測から30万バレル引き下げた。IEAは、この減少分を補うためOPECが1日当たり約3160万バレルを供給する必要があるとみている。これは5月時点のIEA試算を約30万バレル上回る水準。OPECは世界の原油需要の40%強を供給している。ドライバーは自動車の運転を控え、航空会社は運航路線を縮小。インドやインドネシアなどの新興国・地域は燃料消費抑制を目指し、政府補助金で低く抑えている価格を引き上げた。

20.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、リッカネン・フィンランド中央銀行総裁は10日、物価上昇リスクが高まったとの認識を示し、インフレ期待を押さえ込むことが急務だとの見解を表明した。

21.エヌビディア(NVDA)
グラフィックス用半導体大手の投資判断が引き下げられた。FTNミッドウェスト・セキュリティーズが“中立”から“売り”に引き下げた。

22.CMGI(CMGI)
在庫管理サービスの同社は、一部の新契約切れを理由に08年通期売上高見通しを下方修正した。

23.マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)
JPモルガン・チェースが同社の投資判断を“オーバー・ウェイト”から“中立”に引き下げた。株価が高くなったこと、及び、中国からの需要減少見通しが背景。

24.マーシャル&アイルスレイ・コープ(MI)
ウィスコンシン州最大に地銀に悪材料。ゴールドマン・ザックスが、同社の“コンビクション・セル・リスト”にマーシャル株を掲載した。住宅建設ローンの額が最も多い銀行であり、この第2四半期は特に、中小銀行の間で、同ローンの焦げ付きが表面化するだろうと言う。

25.アメリグループ(AGP)
低所得者向けマネージド・ヘルスケアー会社が、通期の業績見通し公表を取りやめた。テネシー州での医療費用が、予想より多かったと言う。

26.ヤフー(YHOO)
資産家カール・アイカーン氏は10日、身売りを回避したヤフーの取締役会は一段と水準が落ちたと批判した。アイカーン氏は、経営権が移ると発効する同社の従業員報酬制度について非難されるべきだとの見方を示した。

27.OPECのバドリ事務局長は11日、原油価格の上昇は投機的な取引によるものであると非難した上で、市場は十分供給されていると指摘した。市場には多くの原油が存在し、いかなる不足も見られず、さらなる原油を求める顧客もいないと言明した。OPECは22日にサウジアラビアのジッダで開催される会議で、石油消費国と原油価格上昇が経済に及ぼす影響について協議する。

28.英石油大手BPのチーフエコノミスト、クリストフ・ルール氏は11日、以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★原油相場を押し下げるため、OPECが増産を余儀なくされるだろう。
★一部諸国で燃料価格に抑えるための政府補助金が打ち切られることなどにより、世界の原油需要は減少が続く。

29.リーマン・ブラザーズが、先に発表した60億ドルの追加増資の一部として、韓国の金融機関グループとの提携で合意に近づいており、戦略的提携が年内に実現する可能性があるとフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。

30.オックスフォード・インダストリーズ(OXM)
アパレルのオックスフォードは10日引け後、2009年1月期利益見通しを1株当たり1.90−2.05ドルと、従来予想の2.35ドルから引き下げた。

31.米半導体工業会(SIA)は11日、2008 年の世界半導体売り上げの伸び率見通しを4.3%と従来の7.7%から下方修正した。メモリー部門の価格競争激化が背景。

32.アルコア(AA)
@第2四半期のEPSが2-3セント減少する可能性があると警告。6月3日に起きたアパッチ・エナジーの工場爆発事故による影響が背景。
AJPモルガン・チェースが、同社株の投資判断を引き下げた。“オーバー・ウェイト”から“中立”へ。コストの上昇傾向や、CEOの戦略(部門売却等でなく、あくまでもコングロマリットにとどまろうとするスタンス)のまずさを指摘している。

33.バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNI)
UBSがネガティブ・コメント。第2四半期の業績ガイダンスが引き下げになるかもしれないと言う。

34.FRBのコーン副議長が以下の通り発言。

  (発言要旨)
★インフレ期待の安定が不可欠。
★一時的な物価上昇と、失業率の上昇は避けられない。
★石油価格高騰の一般物価への影響は20年前より小さい。

35.ECBのオーファニデスが以下の通り発言。

  (発言要旨)
★物価期待が抑制されなければ、ECBは行動を取る準備がある。

36.リーマン・ブラザーズ(LEH)
リーマン・ブラザーズ株が4日続落。9日に発表した2008年3−5月(第2四半期)の決算で損益が28億ドルの赤字になったことが蒸し返されている。10日はワコビアとクレディ・スイス・グループがリーマンの投資判断を引き下げた。

37.メリル・リンチ(MER)
同社のサインCEOが発言。メリルの資本は十分である。第2四半期の初めは、困難な状況だった。モノライン、サブプライム市場は悪化が続いていると言う。

38.11日に地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表になった。

  (要旨)
★4月後半から5月を通じて経済活動は全般的に弱かった。
★個人消費はエネルギー価格や食料品の値上がりを受け、減速し、住宅市場はほとんどの地域で軟調。
★物価は原材料の値上がりが広がっている。
★雇用活動はほとんどの地域で引き続きむらがある。

39.リーマン・ブラザーズ(LEH)
リーマン・ブラザーズは12日、エリン・カランCFOとジョセフ・グレゴリー社長の退任を発表、CFOと社長の後任にイアン・ロウィット氏とハーバート・マッケード氏をそれぞれ任命した。同社は9日、60億ドルを調達した。2008年3−5月(第2四半期)決算は四半期決算として1994年の株式公開以来初の赤字だった。

40.7日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比2万5000件増の38万4000件と、予想(37万件)を上回った。ただし、5月26日がメモリアルデーの祝日で行政機関が休業していたことから、祝日明けの2週間については週間申請件数の季節調整が難しくなる。

41.メリル・リンチ(MER)
メリルリンチのジョン・セインCEOは11日、資本増強に向けてブルームバーグの持ち株売却(ブルームバーグの持ち株比率が20%で、50億−60億ドル相当)や、新株発行の可能性をもはや否定できないと指摘。信用市場の状況がここ2カ月に悪化したためだという。セインCEOは、市場環境はわれわれが考えていたよりさらに困難な状況になってきていると発言した。

42.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米金融当局は国民のインフレ期待の急激な高まりを未然に防ぐため、先制的な行動が必要である。
★利上げが必要であることは明白だ。問題は景気の現状と将来の展開、そして利上げがいつ必要になるかだ。
★金融市場については、困難を完全に脱してはいない。今後一段の波乱があるだろう。

43.SECは11日、格付け会社に対する新しい規制案を採択。新規制案の骨子は格付けに用いたデータや計算手法の開示、格付け業務の年次報告書の提出、格付け分析と営業部門の分離など利益相反行為の禁止、過去の格付け見直し過程と関連データの開示、証券化商品と他の金融商品への格付け表記の区別である。

44.インビトロジェン(IVGN)
ライフサイエンス研究用試薬・機器販売のインビトロジェンは、病原体を発見する早期警報システム開発のアプライド・バイオシステムズ・グループを67億ドルで買収することで合意した。買収提示額はアプライド株1株につき38ドルで、11日の株価終値を17%上回る水準。買収完了後の社名はアプライド・バイオシステムズとなる。

45.キーコープ(KEY)
米地銀大手キーコープは12日、15億ドルの増資計画を明らかにした。同行は税金をめぐる係争に絡み4−6月(第2四半期)に11億−12億ドルの特別費用を計上する計画。また、配当を50%引き下げる方針も明らかにした。リース事業をめぐる税負担増加は、米銀をさらに苦しい立場に追い込んでいる。キーコープは貸倒引当金も第2四半期に約6億ドル積み増す。通期の貸倒償却額は7億5000万−10億ドルを見込んでいる。増資では普通株と転換権付き優先株を発行するという。

46.ソーンバーグ・モーゲージ(TMA)
米住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージが12日寄り前業績発表。2008年1−3月(第1四半期)決算では、不動産関連証券の評価損の影響で、純損益が33億1000万ドルの赤字となった。1株当たり損失は20.64ドル。

47.ヤフー(YHOO)
ヤフーは12日、インターネット検索最大手のグーグルと広告提携で合意したと発表。ヤフーは米国とカナダの同社検索サイトに、グーグルの検索連動型広告の一部を掲載する。ヤフーは、ソフトウエア最大手米マイクロソフト(MS)との身売り交渉を打ち切った。今回の提携契約は年間売上高を8億ドル増加させる見込み。両社は、米司法省の審査期間を考慮し、サービス開始を最長3年半遅らせる方針。投資家のカール・アイカーン氏は、マイクロソフトが提示した475億ドルの買収案が実現しなかった責任はヤンCEOにあると批判している。グーグルとの提携は、ユーザーが広告をクリックするたびにヤフーが受け取る収入の増加につながる。グーグルとの提携は、最初の1年間で営業キャッシュフローを最大4億5000万ドル増加させる見込み。独占契約ではないため、ヤフーとグーグル以外の企業も、ヤフーのサイトに掲載される広告を販売することができる。

48.キーコープ(KEY)
地銀大手のキーコープは13日、転換優先株と普通株の発行で16億5000万ドルを調達する計画を公表。増資総額は12日に明らかにした計画を1億5000万ドル上回った。普通株の募集価格は1株当たり11.75ドル。価格は12日の終値を1.9%下回っている。転換優先株の募集価格は1株当たり100ドル。

49.リアルティトラックが13日発表したデータによると、5月の差し押さえ手続き件数は前年同月比48%増となった。5月は全米の住宅保有者483人に1人が、デフォルト通告や競売の通知を受け住宅差し押さえの手続き中となった。割合はリアルティトラックが月次統計を開始した2005年1月以来で最悪で、前年比の悪化は2年5カ月連続。割合が高いのはネバダ、カリフォルニア、アリゾナなどの州で、ニュージャージーが新たに上位10州に加わった。ネバダ州の差し押さえの割合は118世帯に1件、カリフォルニアは183世帯に1件、アリゾナ州は201世帯に1件だった。住宅保有者は通常、住宅ローンの返済遅延が90日を超えるとデフォルト通告を受け、尚返済がない場合、物件は競売にかけられる。あらかじめ設定された価格に達しないときは、所有権が貸し手に移る。

50.6月ミシガン大学消費者信頼感指数(暫定値)が56.7と発表になり、予想(59)を下回った。

51.コーラ(KO)
世界第2位のコーラ飲料ボトラーであるコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング(コーラが24%出資)が、売上高と利益見通しを引き下げた。食品、及び燃料費の高騰が背景であると言う。

52.フィフス・サード・バンコープ(FITB)
オハイオ州2位の地銀である同行株が急落。BMOキャピタル・マーケッツが同行株の投資判断を“アウトパフォーム”から“マーケット・パフォーム”に引き下げた。増資の必要性が出てくるだろうと言う。





=以上=
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2008年06月09日

先週米国株を取り巻くブルベア材料 6/8

先週米国株を取り巻くブルベア材料

6月8日

森  崇


ブル材料
1.米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景況指数は49.6(前月は48.6)と、予想(48.5)を上回った。

  (特徴)
新規輸出受注の好調に見られるとおり、輸出業界は引き続きしっかり。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…49.7(前月46.5)
★生産…51.2(前月49.1)
★新規輸出受注…59.5(前月57.5)
★入荷遅延…53.7(前月54.0)
★在庫…48.0(前月48.1)
★受注残…46.0(前月51.5)
★雇用…45.5(前月45.4)
★仕入れ価格…87.0(前月84.5)

2.ゴールドマン・ザックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)
メリルリンチは、ゴールドマンとモルガン・スタンレーについては株価に上値余地があるとし、投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げた。

3.ジェイビル・サーキット(JBL)
レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルは電子機器メーカーのジェイビル・サーキットの株式投資判断を「マーケットパフォーム」から「ストロングバイ」に引き上げた。

4.ゼネラル・モーターズ(GM)
バロンズ紙は、ゼネラル・モーターズは、新規労働協約により数十億ドル規模でのコスト軽減を実現できるとして、GMの株価が今後1年半で現在の3倍に相当する45ドルまで上昇する可能性があると指摘した。

5.トール・ブラザーズ(TOL)
米高級住宅建設最大手トール・ブラザーズが3日寄り前業績発表。2008年2−4月(第2四半期)の売上高は8億1880万ドル、純損益は9370万ドル(1株当たり59セント)の赤字だった。予想は、売上高が8億1900万ドル、一株あたり純損益は、90セントの赤字だった。3四半期連続の赤字となった。土地評価損の計上を余儀なくされたことが響いた。ロバート・トールCEOは「需要は大半の市場で依然弱い」とコメントした。

6.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは3日、トラック組み立て4工場で生産を停止する一方、小型車の新たなモデルを投入する方針を明らかにした。ワゴナーCEOは、1ガロン=4ドルを超えるガソリン価格は、循環的な変化ではなく、構造的な変化を示唆していると指摘。ピックアップトラックを敬遠し、燃料効率の良い乗用車の人気が高まっていると述べた。

7.英銀2位のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の株価が上昇。120億ポンドの増資への需要が堅調との見方や、英ヘッジファンドのTCIファンド・マネジメントが同行株を購入し事業分割を迫るとの観測が背景。

8.4月の製造業受注額は前月比1.1%増(前月は1.5%増)と、予想(0.1%減)に反してプラスだった。輸送機器を除くと4月の受注額は前月に続き2.6%の増加だった。

9.モンサント(MON)
ゴールドマン・サックスはモンサントの株価および利益見通しを引き上げた。価格上昇と市場シェア拡大が見通し上方修正の背景。

10.NCIビルディング・システムズ(NCS)
北米最大の金属建材メーカー、NCIビルディング・システムズは2−4月(第2四半期)利益が前年同期の2倍以上に増加し、アナリスト予想も上回ったと述べた。

11.2008年1−3月期(第1四半期)の非農業部門の労働生産性指数(確定値)は前期比年率2.6%上昇(前期は1.8%上昇)と、速報値の2.2%上昇から上方修正され、予想(2.5%上昇)を上回った。

  (その他内訳)
労働総投入量は1.8%低下。前期は1.6%低下だった。単位労働コスト指数は前期比年率2.2%上昇した。前期は4.7%上昇だった。時間当たり給与は前期比年率4.9%上昇。前期は6.6%の上昇だった。

  (エコノミストの評価)
生産性の伸びは高く、労働市場が低迷していることもあり、賃金上昇圧力は引き続き緩和される公算が大きい。

12.米供給管理協会(ISM)が4日発表した5月の非製造業総合景況指数は51.7(前月は52.0)と、予想(51.0)は上回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…53.6(前月は50.1)→今年の最高水準。
★景況…53.6(前月は50.9)
★雇用…48.7(前月は50.8)
★仕入れ価格…77.0(前月は72.1)

13.リーマン・ブラザーズ(LEH)
@WSJ紙が、リーマン・ブラザーズが、海外の金融機関との戦略的提携を目指す可能性があると報じた。出資を受け入れるもよう。同紙によれば、そのうち少なくとも1つは韓国企業。韓国産業銀行とウリ・ファイナンシャル・グループが含まれている模様。リーマンは3日引け後に、四半期末に400億ドル以上の手元現金があったと発表。また、FRBの連銀窓口貸し出しを前回利用したのは4月16日だと言明。
Aメリル・リンチが、リーマン株の投資判断を“アンダー・パフォーム”から“買い”に引き上げた。ベア・スターンズのような支払不能リスクはない。現在の株価は、更なる増資の実施、第2四半期74セントの赤字を計上等の悪材料を織り込んで余りあるものがある。リーマンの株は昨日の引け値から、今後1年間で21%上昇(37ドルへ)する可能性がある。また、20億ドルの増資を実施したとしても、一株当たり利益が10%希薄化されるに過ぎず、今週起こった株価下落より小規模だ。

14.ディズニー(DIS)
傘下のABC放送の広告量がアナリストの予想を上回っているとの観測から、物色人気となった。

15.アメックス(AXP)
クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)は4日、2008年通期の継続事業ベースでの1株当たり利益が3.51−3.61ドルとの見通しを示した。1株当たり3.32ドルが見込まれていた。ケネス・チェノルトCEOは、同社の事業モデルが融資ではなく手数料に焦点を絞っていることを理由に、現在検討されているクレジットカード規制案による影響は少ないとの見方を示した。

16.金融サービス会社GMACは4日、合計600億ドルを上回る借り換えと新規与信枠を取りまとめ、住宅金融子会社のレジデンシャル・キャピタル(ResCap)の破たん回避に向けた資金繰りの改善措置が完了。今回の資金繰り改善措置は、JPモルガン・チェースとシティグループ、バンク・オブ・アメリカをはじめ世界の50社以上の金融機関の支援によってまとめられた。

17.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが4日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、5月の米民間部門の雇用者数は前月比4万人増加と、予想(3万人の減少)に反して増加した。4月分は1万3000人増と速報値の1万人増から上方修正された。

  (内訳)
製造業、建設業を含む財生産部門が3万7000人減少。サービス部門は7万7000人増加。建設業は1万3000人減少、金融業は5000人増加した。

18.データスコープ(DSCP)
医療機器メーカーのデータコープは同社買収の可能性について数多くの打診を受けたことを明らかにした。

19.ゲス(GES)
アパレルメーカーのゲスが発表した2008年2−4月(第1四半期)利益はアナリスト予想を上回った。同社はまた、09年1月通期の増益見通しを上方修正した。

20.労働省が発表した新規失業保険申請件数(5月31日終了の週)は、前週比35万7,000件となり、市場予想37万5,000件を下回った。また、前週は速報値の37万2,000件から37万5,000件に修正された。更に、失業保険継続受給者数(季節調整済み)は、309万3,000人となり、市場予想である311万人を下回った。

21.ベライゾン・ワイヤレス(VZ)
ベライゾン・ワイヤレスが、オールテル買収のニュースを受けて上昇。買収額は現金と債務を合わせて、281億ドルとなる。内訳は現金59億ドルと債務222億ドルだという。この買収により、ベライゾンはAT&Tを抜き全米最大の携帯電話事業社となる。

22.コンチネンタル・エアライン(CAL)
コンチネンタル・エアラインが、従業員3,000人の人員削減と、運行機数67機を減らすと発表した。これは、燃料高に対応するための措置で、運行機数67機については、今年中に37機、来年に30機を予想しているという。

23.UAL(UAUA)
ブローカー各社が、UALの投資判断を引き上げたことを受け、同社株が買われた。

★ソレイユ:“買い”
★リーマン・ブラザーズ:“イコールウェイト”から“オーバーウェイト”へ。
★UBS:“中立”株価の目標価格は、9.50ドルから10ドルへ上方修正

24.ウォルマートストアーズ(WMT)
5月の既存店売上が、予想を上回る3.9%増となったことから、ウォルマート株が上昇した。原油価格や食料品価格の高騰を受け、消費者はディスカウントストアーで買い物をすることが多くなり、客足が伸びたことが背景だという。

25.キャボット・オイル・アンド・ガス・カンパニー(COG)
天然ガスのキャボット・オイル・アンド・ガス・カンパニーが、テキサスの土地を購入するとのニュースを受けて高騰した。

26.CRAインターナショナル(CRA)
経済およびビジネスのコンサルティング会社、CRAインターナショナルが上昇。第2四半期のEPSが市場予想0.39ドルを上回る0.48ドルとなったことが背景。

27.ニューコア(NUE)
第2四半期の利益は、予想を上回ろう。海外の旺盛な需要が背景。

28.コストコ(COST)
5月既存店売上げが好調だった。国内が7% 増、海外が15% 増、全体で9%増となり、予想(7% 増)を上回った。

29.航空業界
リーマン・ブラザーズが業界の投資判断を“中立”から“ポジティブ”に引き上げた。稼働率低下が利益増に貢献すると言う。UALとノースウェストをそれぞれ“オーバー・ウェイト”に引き上げた。

30.リーマン・ブラザーズ(LEH)
ニューヨーク・ポスト紙は6日、リーマン・ブラザーズが、財務状態をめぐる市場の懸念を沈静化させるために2008年3−5月(第2四半期)決算の発表を前倒しする可能性があると報じた。リーマンは16日からの週に決算発表を予定しているが、決算と同時に増資についても発表する公算があると言う。

31.ナショナル・セミコンダクター(NSM)
半導体大手ナショナル・セミコンダクターが5日引け後業績発表。2008年3−5月(第4四半期)の売上高は前年同期比1.3%増の4億6200万ドルとなった。アナリスト予想は4億5090万ドル、自社予想は4億4000万−4億6000万ドルだった。1株当たり利益は34セントと、予想(26セント)を上回った。また同社は、生産施設の最新化と高価格半導体への絞り込みにより09年5月期が増益になるとの見通しを示した。09年5月期の1株利益が15−20%増となると言う。リストラと、携帯機器向けの電力を制御する半導体に重点を置いた。7四半期連続で赤字決算が続いたものの3−5月期に底を打ったとCEOがコメントした。これを受け、レイモンド・ジェームズが“マーケット・パフォーム”から“強い買い”に投資判断を引き上げた。

32.ヤフー(YHOO)
資産家カール・アイカーン氏は6日、ヤフーの取締役会にあてた書簡で、マイクロソフトに1株当たり34.375ドルでの自社売却を申し出るよう呼びかけた。アイカーン氏はヤフーの現取締役会がマイクロソフトによる買収を阻害したとして、自身を含めた新取締役候補の名簿を提出している。ヤフー株主は8月1日に取締役再任について採決する。ヤフーのロイ・ボストック会長は今週、アイカーン氏への書簡で、同社が過去数週間にマイクロソフトと繰り返し会談しており、さまざまな提携案を受け入れる用意があると伝えていた。マイクロソフトはヤフーの働き掛けに対し、同社全体を買収する考えはもはやないと応じたという。

33.クイックシルバー(ZQK US)
スポーツ用品メーカーのクイックシルバーが5日引け後発表した継続事業ベースの08年2−4月(第2四半期)利益は1株当たり30セントと、予想を上回った。

34.テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア(TTWO)
ビデオ・ゲームソフトメーカー、テイクツーが5日引け後発表した08年2−4月(第2四半期)決算は、黒字になった。ビデオゲーム「グランド・セフト・オート4」の売り上げ好調が寄与した。


ベア材料
1.4月の建設支出は前月比0.4%減少(前月は0.6%減少)と、予想(0.6%減)を下回る落ち込みだった。民間の住宅部門は前月比2.3%減少(前月は3%減)、公共部門を含む非居住用建設は0.7%増加(前月1.1%増)。

2.リーマン・ブラザーズ(LEH)
@メリルリンチは、リーマン・ブラザーズの投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げた。資産の追加評価損計上見通しが背景。巨額の流動性に乏しい資産を保有しており、利益を維持する当面の能力について懸念を表明。さらに、増資の可能性を排除できないとの見解を示した。
Aオッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏はリーマン・ブラザーズの第2四半期(3−5月)決算が赤字になる可能性があるとの見方を示した。リーマンは3−5月期に1株当たり75セントの損失を計上する可能性があるとし、従来予想の1株当たり72セントの利益から下方修正した。コンセンサス予想は1株当たり12セントの黒字。また、リーマンの2008年通期の1株当たり利益見通し従来予想の3.45ドルから1.58ドルに下方修正するとともに、09年通期も4.35ドルと、前回予想の4.45ドルから引き下げた。リーマンの株式投資判断は「マーケットパフォーム」のまま。
Bスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2日、モルガン・スタンレー、メリルリンチおよびリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが再び資産評価損の計上を迫られるとの見方に基づき、3社の格付けを引き下げた。モルガン・スタンレーは「AA−」から「A+」に、メリルリンチとリーマンは「A+」から「A」にそれぞれ格下げされた。格付けアウトルックについては3社とも「ネガティブ」で据え置かれた。投資銀行業務が引き続き軟調に推移する可能性や、さらなる評価損計上の可能性を反映しているとしている。ただし評価損は過去数四半期にみられたような規模にはならないもよう。またバンク・オブ・アメリカとJPモルガン・チェースのアウトルックをネガティブに修正した。シティグループは格下げ方向での見直し対象から除外され、アウトルックは「ネガティブ」となった。一方、ワコビアが格下げ方向での見直し対象に加えられた。

3.アトランタ連銀のロックハート総裁が2日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米景気は上半期に減速した後、徐々に回復するだろう。
★インフレについては、居心地が悪い水準から落ち着く可能性が高いが、安心するには早過ぎる。
★連邦政府の景気刺激策は第2、3四半期に家計の支出増加に役立つはずだ。景気の足を引っ張る材料が後退するにつれ、景気は上半期に軟調に推移した後、下半期にやや回復するだろう。
★金融市場は尚ぜい弱だ。住宅価格の下落は続き、下落ペースが速まる恐れさえある。
★エネルギー価格と食品価格の落ち着きを受け、現在の高い物価上昇率が低下するというのが基本的なインフレ見通しだ。経済成長の鈍化により、企業がエネルギーなどのコスト増を価格に転嫁できる能力は限られるともみている。

4.国際通貨基金(IMF)は2日、ユーロ圏の成長率予想を上方修正し、ECBに年内の利下げ余地があるとの見解を撤回した。今年のユーロ圏成長率は1.75%との予想を示した。従来は1.4%と見込んでいた。2009年は1.25%成長となり、インフレ率はECBが目安とする2%未満の水準に来年末までに低下するとの見方を示した。IMFは、欧州経済はこれから世界的な信用収縮の影響を受けるとの見通しを示した。リスクプレミアム拡大や融資基準の厳格化による企業や家計への圧力は、時間とともに高まると予想され、商品と食品の価格上昇が消費を圧迫するだろうとした。従って、より後の時期に利下げの余地が生じるだろうとして、先行指標が設備余剰の拡大とインフレ圧力低下を示唆すれば、政策見通しに変化が生じるとした。

5.ポールソン米財務長官が2日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★金融市場混乱が終えんするまでには数カ月かかり、それまでには波乱があるだろう。
★長期的にはファンダメンタルズがドル相場に反映されると信じている。

また、1日には以下の通り発言。

(発言要旨)
★中東諸国の首脳は自国通貨のドル・ペッグ(連動)制について懸念を表しておらず、ペッグ制を廃止しても物価上昇への影響はほとんどないと理解している。

6.ワコビア(WB)
米銀4位のワコビアは2日、ケン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が取締役会の要請により退任すると発表した。ランティ・スミス会長が暫定CEOに指名された。

7.マリオット・インターナショナル(MAR)
第2四半期の北米での売上げの伸びは、当初予想より鈍化する見通しであると言う。

8.航空会社株
国際航空運送協会(IATA)は2日、世界の航空会社が2008年に61億ドルの損失を計上する見通しであるとした。燃料コストの高騰や景気減速の影響で、03年以降で最悪となる恐れがあるという。

9.ユニシス(UIS)
メリルリンチは米軍を顧客に持つコンピューターサービス会社ユニシスの株式投資判断を「ニュートラル(中立)」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。

10.ヤフー(YHOO)
ヤフーが3日に取締役会議を開催。著名投資家で、ヤフーの大株主であるカール・アイカーン氏が、ヤフーのジェリー・ヤンCEOの更迭を求める意向であると、WSJ紙が報じている。

11.リーマン・ブラザーズ(LEH)
WSJ紙は3日、リーマン・ブラザーズがバランスシート強化のため、数十億ドル規模の増資を検討していると報じた。正確な増資規模は不明だとしているが、アナリストやウォール街の幹部らは30億−40億ドルになる可能性があるとみているという。これを受け、リーマン株は一時2003年8月以来の安値を付けた。これに対してリーマンは、手元流動性は改善しており、4−6月期に400億ドルを超えているとコメントした。また、資金繰り悪化で、FRBの貸し出しを利用しているとの憶測に対し、貸し出しを利用したのは4月16日が最後であると釈明した。

12.自動車大手各社が3日、5月の米自動車販売統計を発表。
フォードは前年同月比16%減、GMは28%減少した。ガソリン価格が1ガロン当たり4ドル近くに上昇するなか、米消費者はピックアップトラックやスポーツ型多目的車(SUV)から乗用車へと乗り替えている。

13.FRBのバーナンキ議長が以下の通り発言。

  (発言要旨)
★成長促進と物価安定に向けて政策金利は適切な水準にある。
★FRBは財務省とともに、外国為替市場の動向を注意深く監視している。ドル相場の変動がインフレとインフレ期待に及ぼす影響を注視している。物価安定と最大雇用というFRBの責務を果たすことが、ドルが強くて安定した通貨にとどまることを保証する鍵になる。
★金融市場の状況については、なお緊張下にある。消費者は、住宅価格の下落や弱い雇用市場、融資の厳格化、エネルギー費用の高騰という強い向かい風に直面している。
★第2四半期の経済成長については、比較的弱くなる公算が大きい。ただ、下半期には経済状況が多少改善するとみられる。2009年には成長が加速する可能性がある。住宅価格に安定の兆しが一段と鮮明に表れるまで、成長には下振れリスクが残るだろう。


最近の原油相場の高騰は下振れリスクを一段と強めている。商品価格が上昇を続ける可能性はインフレ見通しにとって重大なリスクになっている。

  (議長発言の評価)
★過度のドル安に警戒感を示し、ドル安定への意志を鮮明にした。急ピッチなドル安を食い止める口先介入だ。

14.CSX(CSX)
UBSは鉄道大手CSXの株式投資判断を「買い」から「ニュートラル(中立)」に引き下げた。株価評価とセンチメントがピークをつけつつあり、原油価格も高値で推移しているとした。

15.ワコービア(WB)
資産家のマイケル・プライス氏が、ワコービアの評価損増加を見込んで、同社株の空売りを敢行しているとの記事がWSJ紙に掲載された。

16.5月30日までの1週間の住宅ローン申請指数は、前週比15.3%低下の502.3と、2002年4月以来、6年ぶりの低水準となった。金利上昇を受けて、借り換えが減少したことを反映した。住宅ローン30年物固定金利は平均で6.17%と、前週の5.96%から上昇。

  (その他主要指数動向)
★借り換え指数…26%低下し1496.1→06 年7月以来の低水準
★購入指数…5.4%低下し333.6→5年ぶり低水準。

17.BNPパリバとソシエテ・ジェネラル、英銀バークレイズ株が下落。フィッチ・レーティングスが、財務悪化で増資が必要となる可能性を指摘した。 フィッチによると、3行の2007年末の中核自己資本比率は5.7%以下。これは、クレディ・スイス・グループの9.8%やHSBCホールディングスの7.8%に比べ低い。英銀は同国の不動産バブル破裂により長期的な収益低下圧力に直面していると指摘。

18.ドイツ銀行とクレディ・スイス・グループ、ソシエテ・ジェネラルに悪材料。J.P.モルガン・チェースは4日、ドイツ銀行(36億ユーロ)とクレディ・スイス・グループ(21億スイス・フラン)、フランスのソシエテ・ジェネラル(18億ユーロ)が今年、税引き前で計95億ユーロ(約1兆5400億円)相当の追加評価損を計上する可能性があるとの見方を示した。 これを受け、4日のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場で、金融機関債の保証コストが6週ぶり高水準になった。欧州の銀行は米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失についての情報開示で米銀に比べ後れを取っているとの批判も出ている。

19.米人材あっせん会社、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが4日発表したリポートによると、米企業が発表した人員削減数は5月に前年同月比で46%増加。2005年12月以来で最大の10万3522人に達した。金融市場危機の影響や自動車メーカーの雇用削減を反映。

  (内訳)
自動車業界が3万11人でトップ。金融業界が1万6206人、運輸が9705人だった。

20.アムバック(ABK)とMBIA(MBI)
ムーディーズが、アムバックとMBIAの保険財務格付を格下げ方向で見直すと言う。新規事業見通し縮小や、財務の柔軟性が損なわれていることが背景。増資の必要性も背景にあるが、アムバックは、「現在増資の計画は無い」とムーディーズの判断に反発。

21.ヤフー(YHOO)
ヤフーの大株主であるアイカーン氏は、ヤフーのヤンCEO更迭と取締役会の刷新を模索している模様。また、ヤフー救済の唯一の方法はマイクロソフトとの合併であることも言及。

22.UAL(UAL)
UAL傘下で世界2位の航空会社、ユナイテッド航空は4日、燃料費高騰に対応するため、格安航空会社部門「Ted」を閉鎖する方針を発表。70機を運航休止し、最大1100人を削減する計画も発表。

23.バンカメ(BAC)
メリルリンチは4日、バンク・オブ・アメリカの2008年の1株当たりの利益見通しを0.20ドル引き下げ2.25ドル、2009年の同見通しを0.20ドル引き下げ3.05ドルにそれぞれ設定した。

24.ノーベル経済学賞受賞者のエドムンド・フェルプス・コロンビア大学教授が以下の通り発言。

  (発言要旨)
★近い将来の政策反転は予想していない。利上げに方向転換する前に、金融当局は景気が底を打ったという感触を得たいだろう。
★建設業界の回復の遅れと金融業界の人員削減で、景気がさらに悪化するだろう。
★インフレ期待が相当大幅に高まっているのはやや心配だが、金融当局は強い姿勢を示すことで恐らくインフレ期待を抑え込むことができるだろう。
★金利を据え置くことは、当局には大きなリスクとはならない。必要とあらば急速に利上げをすることが可能だからだ。

25.バーナンキFRBB)議長は4日、ハーバード大学卒業式で講演。

  (発言要旨)
★今は、1970年代初めのような賃金と物価のスパイラルを示す統計はほとんどみられない。ただし、米金融当局の物価安定に向けた取り組みに引き続き確信を持つことが最優先事項だ。
★全体のインフレ率は過去4四半期間、平均で約3.5%となっており、これはわれわれが望む水準より明確に高いが、1970年代半ばに達した2けた台のインフレ率から比べるとずっと低い。

26.ホブナニアン・エンタープライゼズ(HOV)
住宅建設大手ホブナニアン・エンタープライゼズは、土地価格の下落継続が影響し7四半期連続で赤字決算を計上。

27.全米抵当貸付銀行協会が、第1四半期の住宅ローン返済遅延率を発表した。1ヶ月以上の返済遅延率は6.35%増となり前月の5.82%増を上回った。物件差し押さえの比率は全体の0.99%増となり、前四半期(2007年第4四半期)の0.83%より上昇した。遅延率、差し押さえ率共に1979年以来の高水準となった。

28.ワコビア(WB)
銀行大手、ワコビアが減配を実施する可能性があるとの見解から、同社株が買われた。ゴールドマン・サックスのアナリスト、ブライアン・フォーラン氏は、ワコビアの業績は、前四半期の業績に引き続き赤字となることが予想される。その措置として減配を行うことは適切である。と述べた。また、同氏は、減配は50%行われる予定で、それにより、年間約16億ドルの資金ができると予想している。

29.フォード・モーター(F)
フォード・モーターが、給与労働者を対象に、約15%のコスト削減を行う予定であることを明らかにした。これは、デトロイトの新聞、デトロイト・フリー点プレスが、フォードの社長が社員宛に送ったメールの内容として報じたもので、8月1日までに実施される予定だという。メールの内容については、フォードの担当者に既に確認が取れており、景気低迷で、赤字の続いている業績を少しでも改善するための一環で、担当となる従業員の中には、契約社員も含まれており、解約することもありえる、と言う。

30.マーテック・バイオサイエンシズ(MATK)
乳児用のミルクや、栄養サプリメントなどを販売する、マーテック・バイオサイエンシズが、第3四半期の業績見通しについて、売上が予想を下回る可能性があるとの見通しを明らかにした。受注減などが背景だという。

31.スミス・フィールド・フーズ(SFD)
豚肉生産、加工、販売などを行う最大手、スミス・フィールド・フーズが業績を受けて下落。食料価格の高騰が背景。

32.シエナ(CIEN)
シエナが、第2四半期の業績を発表した。光ファイバー機器の売上が伸びたことが背景となり約83%増益となった。しかし、軟調な見通しを発表したことを嫌気して、売られた。

33.アムバック(ABK)とMBIA(MBI)
スタンダード・アンド・プアーズは5日、金融保証会社(モノライン)大手のMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループの保険財務力格付けを最上位の「AAA」から2段階引き下げて「AA」とした。両社の格付けは引き続き格下げ方向での見直し対象に含まれている。

34.リッチモンド連銀のラッカー総裁が5日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★FRBが3月より始めた証券会社への融資はさらなる金融危機の種をまいている恐れがある。危険なのは信用供与の対象を拡大したことが金融市場参加者の心理に影響し、一段と大きなリスクを取るようになることだ。代償として、危機発生の頻度が増える可能性がある。
★FRBが金融市場救済の適用基準を明確に設定すべきだ。

35.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は5日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★FRBが3月に実施したベアー・スターンズの救済を踏まえ、金融機関への緊急資金提供に関するルール作りが重要だ。
★明確な指針に沿って系統的なやり方で行動するとの決意を、信頼できる形で表明する政策が必要だ。融資決定が自由裁量に任されている現状は、モラルハザードを増幅し、金融機関が行き過ぎたリスクを負うことを助長しかねない。
★FRBの最後の貸し手としての責務は、このところの出来事からは、金融市場の世界的な動向と進展に照らし、非常に慎重に見直すべきだ。

36.ファイザー(PFE)
ゴールドマンが格下げ。“買い”から“中立”に

37.住宅建設株
全米抵当貸付銀行協会が、第1四半期の住宅ローン返済遅延率を発表したが、1ヶ月以上の返済遅延率は6.35%増となり前月の5.82%増を上回ったことが嫌気され、住宅建設株が安かった。

38.5月の雇用統計内容は以下の通り。

★非農業部門雇用者数…前月比4万9000人減少し、予想(6万人減)以下の落ち込みだった。雇用者数はこれで5カ月連続で減少。
★4月の雇用者数…2万8000人減と、速報値の2万人減から下方修正
された。3月と4月の雇用者数は合計で1万5000人下方修正された。
★失業率…5.5%(4月は5.0%)と、予想(5.1%)を大幅に上回った→2004年10月以来の高水準。前月比での上昇率は1986年2月以来で最大
★週平均労働時間…33.7時間と前月と変わらず。
★平均週給…0.3%増の604.58ドル。4月は602.89ドルだった。
★平均時給…前月比5セント(0.3%)増加の17.94ドル。市場予想は
0.2%増だった。

  (内訳)
★製造業部門では2万6000人減少(4月は4万9000人減)した。予想は4万人減だった。建設部門の雇用者数は3万4000人減と、4月の5万2000人減に続き大幅減少した。金融機関は5月に1000人減少(4月は1000人増)した。広義のサービス業の雇用は8000人増(前月は7万2000人増)。小売りは2万7100人減少(前月は3万8700人減)した。政府系機関の雇用者数は1万7000人増加した(前月は1万2000人増)このため、5月の民間部門の雇用者数は合計6万6000人減少。

39.4月の卸売在庫は前月比1.3%増加(前月は0.1%増加)し、予想(0.4%増)を上回った。4月の卸売売上高は前月比1.4%増加(3月は1.8%増)。原油、金属在庫が急増。

40.クロズナーFRB理事が6日、マサチューセッツ州で講演した。

  (公演内容)
★住宅ローン関連証券の市場が失速し、住宅差し押さえが増加するなかで、米住宅市場の回復は緩やかにしか進まない。住宅市場の回復は、需要が回復して余剰在庫がはけるペースに沿った緩やかなものにとどまる。
★景気回復に伴う収益機会を生かすためにも銀行は資本増強に向けた取り組みを継続するべきだ。

41.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米監督当局が1−3月期決算がまとめられるまでの会計内容を調査していると言う。WSJ紙(6日付)によると、米司法省の検察当局と、ニューヨーク・ブルックリンの連邦地検も、SECがAIGの調査で収集している情報の提供を求めているもよう。AIGが昨年12月にクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の評価損見通しを過小評価した原因を調査している。



=以上=

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2008年06月06日

本日の米国株相場について 6/5

本日の米国株相場について

6月5日

森  崇


全般大幅反発した。
ダウ指数が100日移動平均線を再度上回り始めた他、ナスダック指数にいたっては、引け値ベースで一気に200日移動平均線を超えた。

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反発要因としてはリーマンの追加強気レポートが大きい
ドイツ銀行のアナリスト、マイク・マヨ氏は5日、リーマン・ブラザーズの買い推奨レポートを出した。

(要旨)
★リチャード・フルドCEOはリーマンを安定させるだろう。私は、リーマン株を買っている。
★リーマンが40億ドルの増資を実施することと、信用商品の評価損29億ドルにより2008 年3−5月(第2四半期)が赤字となることは既に予想済みだ。第2四半期は、59セントの赤字を予想。主に商業用不動産と住宅ローン関連証券による評価損が背景だ。
★リーマンはベアー・スターンズとは違う。リーマンにとって流動性は重大な問題ではないだろう。資本をめぐるリスクは依然存在するが、大問題とはならないと見る。
★40億ドルの増資はリーマンの1株当たり純資産額を38.01ドルと、約4%低下させよう。また、リーマンは1株当たり31ドルで1億2900万株を売却すると見込んでいるが、新株発行は通常通りに事業を続けるための保険のようなものだ。
★リーマンの目標株価を49ドルと、従来の52ドルから下方修正する。また、08年度1株利益を2.45ドルと07年度の7.25ドルから減少すると見込む。 リスク要因はリーマンが収入の半分を債券事業に頼っていることだ。債券事業の収入は少なくとも数年間、04年の水準にとどまるだろう。これが利益の重しとなる可能性がある。

一方、サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、ブラッド・ヒンツ氏は5日、リーマンの投資判断を“マーケット・パフォーム”に据え置き、資金流出に直面してはいないものの、レバレッジを下げ問題のある種類の資産保有を減らすまでは同社株の買いは手控えるべきだとコメント。


(リーマン・ブラザーズに関しては4日にも支援材料が出ている)
@WSJ紙が4日、リーマン・ブラザーズが、海外の金融機関との戦略的提携を目指す可能性があると報じた。出資を受け入れるもよう。同紙によれば、そのうち少なくとも1つは韓国企業。韓国産業銀行とウリ・ファイナンシャル・グループが含まれている模様。リーマンは3日引け後に、四半期末に400億ドル以上の手元現金があったと発表。また、FRBの連銀窓口貸し出しを前回利用したのは4月16日だと言明。また、WSJ紙は5日、リーマンが米国の機関投資家から出資を受ける可能性もあると報じた。

Aメリル・リンチのアナリスト、ガイ・モスコウスキー氏が、リーマン株の投資判断を“アンダー・パフォーム”から“買い”に引き上げた。ベアー・スターンズのような支払不能リスクはない。現在の株価は、更なる増資の実施、第2四半期74セントの赤字を計上等の悪材料を織り込んで余りあるものがある。リーマンの株は昨日の引け値から、今後1年間で21%上昇(37ドルへ)する可能性がある。また、20億ドルの増資を実施したとしても、一株当たり利益が10%希薄化されるに過ぎず、今週起こった株価下落より小規模だ。


ナスダック主導の相場は続く
重要なのは、最近経済指標で強いものが続出していることだ。このファンダメンタルズの改善は、業績相場を連想せしめる。事実、産業のコメ、半導体株の上昇には目を見張るものがある。以下はインテルのライバルであるアドバンスト・マイクロ・デバイシーズ(AMD)株のチャートである。昨日、ノートPCハイデフィニション画像向け半導体をリリースしている。これは、従来のものより画像鮮度が5倍良いものである。

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この為、ハイテク株がひしめくナスダック指数の動きが俄然良くなった。ナスダック指数こそ、現在の場味を忠実に反映させていると言えよう。本日は200日移動平均線を引け値ベースで上回った。ここもと利下げ打ち止め観測から金利が上昇傾向だったところに来て、バーナンキ発言でドル高に振れたことから、ドル安ヘッジで買われた原油、貴金属等の商品相場が調整気味だった。相対的に素材株が多いダウ指数やS&P500指数は、ナスダック指数に比べ動きが悪かった。

また、信用不安再燃、リーマン・ブラザーズの流動性懸念から、金融株も大きく下げたことも、ダウ、S&P500の圧迫要因となった。


原油等商品相場も深押しはない
石油輸出国機構(OPEC)のヘリル議長(アルジェリア・エネルギー・鉱業相)は5日、ドルがユーロに対し上昇すれば、原油相場は下落し、インフレヘッジとしての魅力が限定されるとの見方を示した。しかし、現時点では、原油相場が1バレル当たり150ドルに到達したり、逆に100ドルを下回ることもない。120ドル前後にとどまるとの見通しを示している。いずれにしても、経済指標改善傾向は、実需の下支えを連想させる為、大相場となっている商品が、ここで終わることはありえない。今回商品相場買いの背景には、サブプライム問題に端を発し、証券化商品市場が崩壊したところから来た“実物資産買い”のトレンドもあることを忘れてはなるまい。ただし、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度理事会(FRB)はドル下支えで一致している可能性もある為、騰勢にはある程度歯止めがかかってこよう。ただし、その方が相場は長持ちする。


穀物関連は、ドル相場にあまり関係なく上昇相場が続きそう
以下はモンサント(MON)とポタッシュ(POT)のチャートである。更なる上値追いが始まった。このセクターは、断然需給関連逼迫状況を反映している。

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何せ、世界的な食糧価格の上昇で、一部地域では暴動が発生している。潘基文(バン・キムン)国連事務総長は4日、世界的な食糧危機に対応するには、各国合計で年間150億−200億ドルの政府支出が必要だと述べた。長年にわたる農業セクターの軽視や生産性向上に向けた投資の不足など、根底にある問題に取り組む必要があるとしている。 この事態は一朝一夕に解決しない。長い年月を要する。これが、MONやPOTの株高を支える、オプションで言ういわゆる時間価値に相当する。


=以上=

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2008年06月02日

先週米国株を取り巻くブルベア材料 6/1

先週米国株を取り巻くブルベア材料

6月1日

森  崇


ブル材料
1.4月の米新築一戸建て住宅販売は前月比3.3%増の52万6000戸と、予想(52万戸)を上回った。3月は50万9000戸と、速報値の52万6000戸から下方修正された。

2.バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
同行は27日、ブルース・バンソーンCFOの後任にトーマス・ギボンズ氏を指名したと発表。現在、最高リスク責任者を務めるギボンズ氏は7月1日付でCFOに就任する。

3.バンカメ(BAC)
バンカメは27日、中国の大手商業銀行、中国建設銀行の株式を買い増す権利を行使し、持ち株比率を8.2%から10.75%に引き上げる方針を発表した。

4.クロズナーFRB理事は27日、以下の通り発言。
  (発言要旨)
★米住宅ローン市場は時間の経過に伴い回復するだろう。信用市場で金融商品の簡素化が進むほか、透明性の向上が見込まれるからだ。
★融資機関は、現行の住宅ローン金利引き下げや返済期限の延長などにより、住宅差し押さえの抑制へ努力を強化するべきだ。

5.ラム・リサーチ(LRCX)
半導体製造装置メーカーに好材料。メリル・リンチが投資判断を、“中立”から“買い”に引き上げた。受注が加速化する第4四半期の2ヶ月から6ヶ月前から同業界株は上昇を始めると言う。

6.ダーデン・レストラン(DRI)
メリル・リンチがポジティブ・コメント。他の小さなレストラン・チェーンに比べ、消費落ち込みに耐性を発揮しており、これから市場シェア拡大に向かうだろうと言う。投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。目標株価を39ドルに設定。

7.ビザ(V)
サントラスト・ロビンソンが、ビザ株の投資判断を“買い”で据え置き、目標株価を87ドルから100ドルに引き上げた。これを受け、ライバルのマスター・カード株も上昇。

8.4月の製造業耐久財受注額は前月比0.5%減少(前月は0.3%減少)し、予想(1.5%減少)より落ち込みは浅かった。一方、変動の大きい輸送用機器を除く受注では2.5%増と、予想(0.5%減少)を裏切る、昨年7月以来で最大の伸びを記録した。4月は電子機器や機械、一次金属の受注が拡大。特に電子機器は前月比28%増と過去最大を記録、前月の19%減から大きくプラスに転じた。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注は4.2%増。これは今年に入って最大の伸び。

9.ヤフー(YHOO)
ヤフーが、マイクロソフトかグーグルのいずれかと近く合意するとビジネス・ウィーク誌が報じた。マイクロソフトは恐らく買収額を先の提案の1株当たり31ドルから引き上げるだろうとしている。ヤフーがマイクロソフトによる買収を拒否する場合は、グーグルとの間で、ヤフーが検索事業をグーグルに外注することなどを含めた合意に達する可能性があると言う。

10.ダウ・ケミカル(DOW)
米化学最大手のダウ・ケミカルは28日、全製品の価格を最大で20%引き上げる計画を発表。6月1日から実施。エネルギー等各種コストの上昇が理由。

11.クライスラー
インドの自動車メーカー大手、タタ・モーターズは28日、米市場でのミニトラック販売に向け、クライスラーと協議していることを明らかにした。

12.JPモルガンのストラテジスト、トーマス・リー氏が銀行株に強気コメント。銀行株はここから21%上昇するだろう。なぜなら、銀行による自社債をデフォルトから防衛する為のコストが低下するからだと言う。

13.グーグル(GOOG)
@グーグルの4月のスポンサーリンク(検索結果とともに表示される4行の文字広告)のクリック件数は前年同月比20%増になったと言う。
A投資家カール・アイカーン氏は、ヤフーに、マイクロソフトが同社を完全に買収しないのであれば、グーグルと提携する方が望ましいとの考えを伝えた。WSJ紙が報じた。

14.マスター・カード(MA)
世界第2位のクレジット・カード会社が強気の業績見通しを公表。同社の純利益は平均20%〜30%増が来年から3年間見込まれると言う。当初の目標は15%〜20%増だった。これを受け、ライバル、ビザ株も急伸。クレジット・カードやデビット・カードの使用増加が背景。

15.カントリーワイド・フィナンシャル(CFC)
6月25日に株主総会日を設定したと言う。ここで、バンカメへの身売りを採決すると言う。28日のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では、カントリーワイド・ファイナンシャルの社債保証コストがここ2カ月間で最大の低下となっている。バンカメによる買収が完了するとの楽観的な観測が広がった結果である。臨時株主総会の日程が確定したことで、BOAが買収価格を引き下げる、あるいは買収を撤回するのではないかとの憶測が静まった。

16.第1四半期(1−3月)の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率0.9%増加と、速報値の0.6%増から上方修正された。予想と一致。純輸出の上方修正が寄与した。個人消費支出は1%増と、速報値から変わらず。

17.ヤフー(YHOO)
@ヤフーのジェリー・ヤンCEOは28日引け後、今月475億ドルの買収提案を取り下げたマイクロソフトが提携の可能性を依然ヤフーと協議していることを明らかにした。ヤンCEOは、マイクロソフトは、ほかのさまざまな考えや提携案についてわれわれと協議しており、われわれは耳を傾けていると説明した。
Aメリル・リンチは、ヤフーがマイクロソフトあるいはヤフーのライバル企業グーグルと提携する可能性があると指摘した。マイクロソフトがヤフーを買収する確率は45%、買収価格は最大で1株当たり34ドル。マイクロソフトによる買収が実現しなかった場合でも、ヤフーはグーグルと広告事業で提携し、増益を図る可能性があると指摘。

18.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMの北米販売部門責任者、マーク・ラネーブ氏は28日夜のインタビューで、ピックアップトラックとスポーツ型多目的車(SUV)の生産を減らす方針を示唆した。ガソリン価格の高騰で乗用車需要が増えていることが背景。

19.太陽光発電関連株
ドイツの連立政権による、太陽光発電用予算削減が予想より少なかったことが好感された。ファースト・ソラー(FSLR)、サンパワー(SPWR)等が上昇した。

20.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
世界最大の保険会社株が、モルガン・スタンレーによって投資判断が引き上げられた。“イコール・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に。最近の株価下落は行き過ぎだと言う。現在の株価はAIGが大規模な追加評価損に直面し、追加増資を迫られていない限り適正とは言えないし、金融危機が悪化しない限り、AIGが追加増資を検討するとは考えにくいと言う。

21.ティファニー(TIF)
宝飾品小売り大手のティファニーが30日寄り前業績発表。2008年2−4月(第1四半期)の売上高は6億6810万ドル、純利益は6440万ドル(1株当たり50セント)となった。海外での売り上げや米国への旅行者からの需要が貢献した。また、同社は09年1月通期の1株利益見通しを2.80−2.90ドルと、従来の最大2.85ドルから上方修正した。

22.4月の個人消費支出(PCE)は前月比で0.2%増加(前月は0.4%増)と、予想(0.2%増)に一致した。個人所得は前月比0.2%増加(前月は0.4%増)と予想(0.1%増)を上回った。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.1%上昇と前月の0.2%上昇から鈍化した。前年同月比では2.1%上昇。

23.デル(DELL)
PC直販大手が29日引け後に業績発表。好決算だった。海外でのパソコン販売増加が寄与した。ノートパソコンの好調に支えられ、アジアの業務用売上高は19%増となった他、ヨーロッパでも売上を伸ばした。

第1四半期(2 –4 月期)予想
 ○売上高… 160億7,700万ドル(コンセンサス予想は157億2,225万ドル)
 ○1株当たり利益…0.38ドル(コンセンサス予想は0.34ドル)

24.マーベル・テクノロジー・グループ(MRVL)
半導体製造のマーベル・テクノロジー・グループが29日引け後業績発表。08年2−4月(第1四半期)利益と売上高はアナリスト予想を上回った。管理コストの削減、無線接続用、ネットワーク・ストアレッジ用、プリンター用半導体の売れ行きが好調だった。また、続く第2四半期の売上高ガイダンスも予想を上回った。

25.シカゴ購買部協会が30日に発表した5月のシカゴ地区の米製造業景況指数は49.1(前月は48.3 )と、予想(48.5)を上回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…56.1(前月は53.0)
★受注残…46.8(前月は39.5)
★生産…51.5(前月は53.0)
★在庫…42.2(前月は51.9)
★雇用…41.2(前月は35.3)
★仕入価格…87.5(前月は82.9)

26.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMは30日、部品メーカーでのストライキの影響で閉鎖あるいは一部操業停止となっている約20工場について、6月半ばまでに生産をフル稼働させる計画を明らかにした。


ベア材料
1.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ドイチェ・バンクがGE株の目標価格を35ドルから33ドルに引き下げた。投資判断は“保有”を維持。2009年通期利益は、GEキャピタルの実効性率上昇と、損失計上、進行中のポートフォリオ調整の結果予想される利益の希薄化により圧迫されるだろうと言う。

2.大手証券会社株
バンカメが、大手証券の利益見通しを引き下げた。景気減速、バランスシート上の住宅ローン貸付額が相変わらず巨額にのぼること等を背景にしている。第2四半期の一株当り利益予想を、リーマン・ブラザーズに関しては、76セント黒字から50セントの赤字に、ゴールドマン・ザックスに関しては、同3.75ドルから3.45ドルに、モルガン・スタンレーに関しては、同1.40ドルから0.95ドルにそれぞれ引き下げた。米国のこれら大手投資銀行が保有する資産の価値はバランスシート上で計上されている額よりも約20%低いとの概算を示した。大手投資銀行の株価純資産倍率(PBR)は1.43倍と、ここ5年間の平均の1.96倍を下回っているものの、バランスシート上の非流動資産の増加に基づいて調整したPBRは1.78倍と、まだ高いと言う。

3.UBSのアナリスト、デービッド・ビアンコ氏とシティグループのトビアス・レブコビッチ氏はそれぞれS&P500種株価指数に採用されている企業の利益見通しは高過ぎるとの見方を示した。チーフ株式ストラテジストのビアンコ氏は、S&P500種採用企業の2008年の利益見通しを4.2%引き下げて1株当たり92ドルとし、金融機関、小売企業、自動車メーカーの利益予想を下方修正。シティの米国株スラテジスト、レブコビッチ氏は株価が利益下方修正の可能性を反映していないとしている。

4.サンフランシスコ連銀のイエレン総裁が27日、以下の通り発言。
  (発言要旨)
★FOMCの金利政策は年内の景気回復に向けて適切である。
★一連の利下げと1000億ドルを上回る税還付は、年内に緩やかな経済成長達成に向けて十分な促進策となる見込みだ。
★インフレに関しては満足できない。

5.JPモルガン・チェース(JPM)
ゴールドマン・サックスはJPモルガン・チェースの利益見通しを下方修正した。投資銀行部門ならびに個人向け融資の業績が伸び悩んでいることを背景にしている。JPモルガンの4−6月(第2四半期)1株当たり利益は35セントとの見通しを示した。従来予想は同53セントだった。また、08年通期の1株当たり利益見通しについても2.40ドルと、従来予想の2.44ドルから下方修正した。株式投資判断は“中立”としている。

6.全米20都市部を対象にした3月のスタンダード・アンド・プアーズ/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で14.4%低下と、2001年の指数発表開始以来で最大の落ち込みを記録した。予想は、14.2%の低下だった。20都市のうち1都市を除きすべての都市で住宅価格は前年比マイナスとなった。唯一ノースカロライナ州シャーロットは前年比で0.8%上昇した。

7.米民間調査機関のコンファレンス・ボードが27日に発表した5月の米消費者信頼感指数は57.2に低下(前月は62.8)と、予想(60)を下回った。1992年10月以来の低水準。

8.ゼネラル・モーターズ(GM)
シティグループがGMの株式投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。エネルギーや商品の価格上昇、信用収縮継続が背景。自動車産業のファンダメンタルズは2008年以降も悪化する方向にあると指摘。

9.ベアー・スターンズ
JPモルガン・チェースに買収されることになったベアー・スターンズは、3月に資金繰り悪化で身売りに追い込まれる前に、数十億ドル規模の資金調達の機会が少なくとも6回あったとWSJ紙が報じた。投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、ゴールドマン・サックス・グループのパートナー、J・クリストファー・フラワーズ氏からの出資案があったという。ベアー・スターンズは29日に、JPモルガンによる買収について株主投票を実施する。

10.リーマン・ブラザーズは27日までに、原油やその他の商品相場の高騰のなかで通常の国債よりも高収益が見込めるとして、インフレ連動債の買いを勧めた。

11.米通貨監督庁(OCC)のドゥガン長官は、住宅ローンの査定をめぐりファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、州当局などとの間で成立した合意にについて、連邦法に抵触する恐れがあるとの見解を表明した。

12.米連邦準備制度理事会(FRB)が27日に公表した公定歩合議事録で、4月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米連邦準備銀行(地区連銀)12行中で7行が2.5%での公定歩合据え置きを求めていたことが明らかになった。

13.世界半導体メーカー65社で構成する統計団体の世界半導体統計(WSTS)は27日、2008年の世界半導体市場が前年比 4.7%増の2676億9600万ドルになるとの予測を発表した。前回見通しの同9.1%増の2805億6400万ドルから下方修正した。メモリー不況が想定以上に長引いていることが理由。

14.キーコープ(KEY)
オハイオ州3位の銀行キーコープは、27日引け後、純貸倒損失が予想を上回るとの見通しと、住宅建設会社のリスク資産削減に注力している旨を公表。これを受け、同業のリージョンズ・フィナンシャル(RF)が7年ぶりの安値に急落した他、金融株全体軟調だった。
           
15.農業関連株
農機具のディーア(DE)が12%の増配と、50億ドル分の自社株買いを発表したことや、昨日農務省が、今後50年間、日照りによって穀物の作柄に大きな影響が発生る可能性が高く、農家は干ばつや害虫の被害に備える必要があると警告したことを背景に、遺伝子組み換え種子のモンサントやデュポンが買われた他、農薬メーカー株が買われた。

16.アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
穀物加工最大手のADMは27日引け後、短期債務の返済と長期投資のため、最大で20億ドル相当のエクイティユニットを発行する計画を発表。既存株の価値希薄化につながる可能性があることが嫌気された。

17.ジェットブルー・エアウェイズ(JBLU)
ジェット燃料が値上がりするなか、同社はエアバスの航空機「A320」21機の納入受け入れを延期すると発表。また同社は1億6000万ドル相当の転換社債発行も明らかにした。

18.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ株に悪材料。シティグループが、AIGは先週発表した203億ドルの資本調達に加え、さらに増資が必要になる可能性があると指摘した。AIGは格付け会社に再び格下げされ、借り入れコストの上昇と収入減少に直面するよりは、50億−100億ドルの追加増資を模索する可能性があると言う。

19. 23日までの1週間の住宅ローン申請指数は、前週比4.6%低下の593.3と、1カ月ぶりの低水準となった。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.96%と、前週の5.90%から上昇。また15年物固定金利は平均5.49%と、前週の5.42%を上回った。

  (その他主要指数動向)
★購入指数…0.1%上昇し352.7
★借り換え指数…8.9%低下し2013.5

20.アムバック(ABK)
金融保証会社(モノライン)大手アムバック・ファイナンシャル・グループは28日、2008年4月の債務担保証券(CDO)による未実現損失が2億2800万ドルになったと発表した。アムバックの広報は、財務の透明性向上に向けた取り組みの一環として月次データを発表したと述べた。

21.ボーイング(BA)
航空機大手の欧州エアバスは28日、燃料コスト上昇と景気減速で旅行需要が減退しているとして、超大型旅客機「A380」の今年の受注見通しを約3分の1引き下げた。今年のA380機の受注予想は約20機。今年2月20日時点では同30機を見込んでいた。

22.ミネアポリス連銀のスターン総裁は28日、以下の通り発言。
  (発言要旨)
★インフレ水準が高過ぎる。FOMCが利下げ姿勢を反転させる際、その影響力とタイミングを考える必要がある。
★金融政策当局者は、インフレを低水準で抑えるという責務に対し過敏になっている。

23.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは29日までに、クレジット・デフォルトスワップ(CDS)の大手ディーラーが破たんした場合、デリバティブ市場は数億ドルの損失に直面するとの分析をまとめた。

24.24日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比4000件増の37万2000件と、予想(37万件)を上回った。

25.シアーズ(SHLD)
米百貨店最大手のシアーズ・ホールディングスが29日寄り前業績発表。2008年2−4月(第1四半期)の売上高は前年同期比5.8%減の111億ドル、一部項目を除いたベースの1株損益は53セントの赤字。予想は、売上高が112億ドル、一株当たり利益は18セント黒字だった。消費者が家庭用品や衣料品への支出を抑えたことや、ディスカウント・チェーンに買い物客が流れた影響が大きい。既存店売上高も8.6%減少。シアーズは09年1月通期のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却前利益)は増加との見通しを示した。具体的な数字は挙げなかった。また、5億ドル相当の追加自社株買いの計画も示した。

26.欧州中央銀行(ECB)は29日、インフレ期待が上昇しているようで、引き続き抑制していくことが不可欠だとの見解を示した。

27.シティグループやドイツのWestLB、英HBOSなどの大手金融機関がロンドン銀行間取引金利(LIBOR)として報告している金利は市場の他の指標が示すよりもかなり低いとWSJ紙が指摘した。

28.米連邦預金保険公社(FDIC)が29日発表した銀行業界に関する四半期報告書によると、第1四半期の米銀や貯蓄金融機関の利益は前年同期比で減少した。FDIC加盟行の第1四半期純利益は193億ドルと、前年同期(356億ドル)から45.7%減少した。

29.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は29日、市場の状況は改善しているものの、正常な状態には程遠いと発言。必要に応じ銀行向け資金入札を拡大するとの考えをあらためて表明した。

30.インフィニオン・テクノロジーズ(IFX)
欧州2位の半導体メーカー、ドイツのインフィニオン ・テクノロジーズは29日、通信関連メモリーの利益と売上高の見通しを下方修正した。受注が予想より落ち込んだことやフィンランドの携帯電話大手ノキアとの契約の遅れが理由。

31.米商品先物取引委員会(CFTC)は、市場で価格が操作されていないか調査を進めている。CFTCは、米国での原油の輸送、貯蔵、取引について昨年12月から調査を続けていることを明らかにした。原油に基づくデリバティブ取引も調査されている。通常、秘密裏に調査を実施し、調査がいつ完了するかについては不明。また、インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)が運営する欧州市場での原油取引の監視を強化する方針も示した。

32.フォード(F)
@フォードの金融部門、フォード・モーター・クレジットがローン返済の延滞増に直面し利益が急減、親会社の収益にも打撃を与えているとWSJ紙が報じた。第1四半期にはフォード・モーター・クレジットの自動車ローンで担保車差し押さえが前年同期に比べ5%増え、60日超の延滞の割合も増えたという。
A資産家カーク・カーコリアン氏が経営するトラシンダは30日、フォード・モーターの株式を2000万株買い増す計画を撤回しない方針を表明。フォード株が同氏の提示した公開買い付け価格を21%下回っているものの、フォード経営陣への支持を示した。トラシンダは引き続きフォードの経営陣と同社の改革努力を信頼しており、株式買い付けを継続すると発表。1株当たり8.50ドルの買い付けは6月9日に期限切れとなる。

33.US航空
UAL傘下のユナイテッド航空とUS航空が、合併交渉を打ち切ったとWSJ紙が報じた。

34.CITグループ(CIT)
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、金融サービス会社CITグループの優先無担保債を「Baa1」に格下げした。資金調達コストの上昇でCITの利益が縮小する懸念が背景。CITは30日、増資と資産売却で16億ドルを調達したことを挙げ、今回の格下げは納得行かないとしている。

35.カルパイン
米発電所運営大手のカルパインは30日、電力会社のNRGエナジーから提示された110億ドルの買収案は不十分だとして、さらに交渉を模索する可能性を明らかにした。

36.Jクルー(JCG)
衣料小売りのJクルー・グループは29日引け後、Tシャツの売り上げ不振などを理由に、09年1月期の利益見通しを下方修正した。

37.CIFGギャランティ
格付け会社フィッチ・レーティングスは30日、金融保証会社(モノライン)、CIFGギャランティの保険財務力格付けを投機的等級(ジャンク)に引き下げた。CIFGの損失により、支払い不能に陥る可能性を懸念した。

38.5月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確報値)は59.8(前月は62.6)と、予想(59.5)を上回った。ただし、28年ぶりの低水準。ガソリン価格高騰と失業の増加が背景。




=以上=
posted by mori at 09:20 | TrackBack(0) | マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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