2009年08月03日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 8/2

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

8月2日

森  崇


ブル材料
1.6月の新築一戸建て住宅販売は前月比11%増の38万4000戸と、昨年11月以降で最高を記録した。伸び率は過去8年で最大。予想では前月比3%増が見込まれていた。

2.バンク・オブ・アメリカ(BAC)
モルガン・スタンレーは、大手銀行の中でも米銀バンク・オブ・アメリカを「厳選銘柄」に指定した。資本レベルの改善と株価の割安感を理由に挙げた。

3.ニューヨーク・タイムズ(NYT)
ベンチマークが、ニューヨーク・タイムズ紙の利益が好転するとの見方を示した。

4.NBTY(NTY)
サプリメント(栄養補助食品)メーカー、NBTYが発表した4−6月(第3四半期)決算は、一部項目を除いた利益が1株当たり90セントと、予想を75%上回った。

5.著名投資家のジム・ロジャーズ氏は27日、中国株が急落する公算が大きいと述べた。 上海総合指数が11月4日以降2倍に上昇し、2008年6月以来の高値水準に達したことから、過熱感が出ているとしている。同氏は株式の代わりに、中国が経済成長を維持するために購入が必要になる一次産品に投資していることも明らかにした。

6.フォード(F)
米格付け会社が格付け見通しを引き上げたフォード・モーターが急反発し、52週高値を更新した。

7.スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラーが発表した5月の住宅価格指数は前月から上昇した。

   (主要20都市圏の価格指数)
主要20都市圏の価格指数は前月比0.5%上昇(4月は0.6%の低下)と、予想(0.5%低下)に反しての上昇だった。前年比では17.1%低下したが、低下幅は4カ月連続で縮小した。20都市圏中17地域で前年比の数字が改善した。上昇は約3年ぶりで、価格安定化の可能性を示した。

   (主要10都市圏の価格指数)
主要10都市圏の価格指数は前月比0.4%上昇(4月は0.7%低下)となった。前年比では16.8%低下した。

8.サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁が28日、以下の通り発言。フェデラルファンド(FF)金利の具体的な引き上げ時期は示唆せず、長期にわたりゼロ近辺となる公算が大きいとのFRBの現在の見解をあらためて示した。

  (発言要旨)
★景気回復が軌道に乗った段階で金融政策を引き締める必要があることを連邦準備理事会(FRB)は認識している。
★ただ、回復は初期段階では非常に緩やかなペースとなり、インフレは当面、低水準に抑えられる見通しだ。また、雇用の完全な回復には数年かかる可能性がある。
★軟調な労働市場が引き続き現時点での懸念材料だ。商業用不動産市場の低迷も下方リスクを有する。
★当面消費支出は抑制されると予想する。
★金融政策がインフレを助長するのは、財・サービスへの過剰な需要を生み出すまで政策スタンスを緩めた場合だ。現在、われわれはまったくその対極にある。米国に必要なのは労働・商品市場の緩みを相殺する需要拡大であって縮小ではない。
★食品・エネルギー価格を除くコアインフレ率は、あと数年間2%を下回る水準で推移する可能性が高い。
★巨額の財政赤字自体は自動的にインフレを高進させるものではない。
★米国は依然、深刻な景気後退期にあり、現在の財政政策は完全に適切だ。

9.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)は、存続のための道筋にめどをつけたとして、米エネルギー省から追加融資を受ける見通し。同社のウォルター・ボースト財務部長が27日明らかにした。既に米エネルギー省の基金に最大100億ドルの融資を申し込んでおり、現在は同省の承認を待っているところ。

10.アムジェン(AMGN)
バイオ製薬大手のアムジェンが27日引け後に決算発表。4〜6月期決算で純利益は前年同期比40%増の12億6900万ドル、売上高は1.4%減の37億1300万ドルだった。営業費用の削減や税金に絡む一時的な収入が利益を押し上げた。特別項目を除く1株利益は1.29ドルとなった。予想は、売上高が35億7553万ドル、同EPSが1.16ドルだった。併せて2009年12月期通期の1株利益見通しは4.80〜4.95ドルと、従来予想の4.55〜4.75ドルから上方修正した。市場予想は4.57ドル。同期間の売上高は従来の予想レンジ(144億〜148億ドル)の上限になりそうだという。

11.エトナ(AET)
カウエンは医療保険で米3位のエトナの株式投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げた。

12.IBM(IBM)
IBMが12億ドルで買収すると発表した統計分析ソフト大手SPSSは急伸している。IBMは小幅安。

13.元モルガン・スタンレーでチーフ・グローバル・ストラテジストだったバートン・ビッグス氏が以下の通り発言した。

 (発言要旨)
★S&P500指数は現水準から22%上昇して1200に達するだろう。
★米企業のコスト削減が奏功し、個人消費と住宅市場の回復に伴い利益を押し上げるだろう。

14.ムーディーズ(MCO)
格付け会社のムーディーズが29日寄り前決算発表。4−6月(第2四半期)の売上高は4億5070万ドル、一部項目を除いたベースの1株当たり利益は43セントとなった。予想は売上高が4億2900万ドル、同EPSは40セントだった。世界的な景気低迷を受けた債務格付け需要の減退が響いた。ムーディーズは09年通期の利益見通しを引き上げ1株当たり1.45から1.55ドルとした。予想は同1.56ドルだった。

15.ニューヨーク連銀のダドリー総裁は29日以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★当局者は金融政策がインフレを引き起こすとの懸念を取り除く必要がある。
★利上げ時期についての議論は時期尚早だ。金融政策当局者は米連邦準備制度理事会(FRB)の行動がインフレ問題を引き起こしかねないとの懸念を真剣に受け止める必要がある。
★経済成長が緩慢なペースで推移し、失業率がしばらく高水準を維持した場合、物価上昇は休止する可能性が高い。

16.債券ファンド運用最大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏は29日、米経済が7-9月期(第3四半期)にプラス成長に戻る公算が大きいが、リセッションが終わったと判断するのは時期尚早だとコメントした。

17.資産運用会社テンプルトン・アセット・マネジメントのマーク・モビアス氏は29日、投資ポートフォリオにおける新興市場資産を2年以内に倍増し、500億ドル相当にする計画だと述べた。モビアス氏は、500億ドルのうち理論上はロシアが20%を占める可能性があるとした。

18.米連邦準備制度理事会(FRB)が29日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。全12地区連銀の大半が6−7月の景気減速のペース鈍化を報告しており、リセッションの最悪期は終わりが近いことを示唆。


  (要旨)
★6−7月は経済活動が引き続き軟調だったものの、サンフランシスコ連銀を含む4連銀は安定化の兆しを指摘。またシカゴとセントルイスでは景気後退の ペース減速がみられた。
★ただ、完全なプラス成長を示す内容はほとんどなかった。大半の地区は小売り販売が停滞。 自動車販売は一部でやや増加したものの、多くの地区で低迷した。非金融サービス事業はわずかに明るい要素がみられものの、総じて低迷した。製造業部門は不振だが、前回のベージュブックよりは若干明るい結果だった。
★銀行融資は大半の地区で安定的もしくは一段の落ち込みとなった。7地区では、銀行が融資基準を引き上げた。

19.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゴールドマン・サックスは、ゼネラル・エレクトリック(GE)の投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に引き上げた。金融部門GEキャピタルのスピンオフの可能性が後退したことを理由に挙げた。目標株価についても従来の13ドルから15ドルに引き上げた。米下院金融委員会のフランク委員長が、GEやハーレー・ダビッドソンといった企業の金融部門について、金融規制を改革した上でこれら金融部門の維持を容認すべきと発言したことを受け、GEキャピタル分離の可能性は低下したとの見方を示した。

20.新規失業保険週間申請件数(7月25日終了週)は、前週比2万5000件増の58万4000件と、市場予想の57万件を若干上回った。ただ、4週間移動平均ベースの申請件数は前週から8250件減少し55万9000件と、1月下旬以降の水準となった。減少は5週連続。7月18日終了週の受給総数は5万4000件減の619万7000件と3週連続で減少。4月上旬以来の水準となった。受給者比率は4.7%で変わらずだった。

21.アフラック(AFL)
補完医療保険販売最大手のアフラックが29日引け後発表した2009年4−6月(第2四半期)決算は、前年同期比で35%減益となった。米商業金融大手CITグループなどへの投資損失が響いた。 純利益は3億1400万ドル(1株当たり67セント)となり、前年同期の4億8300万ドル(同1ドル)から減少した。同社は実現投資損失として2億4900万ドルを計上。その約40%はCIT債に関連した損失だった。 営業利益は一部の投資損益を除いたベースで1株当たり1.20ドルとなり、予想(1.14ドル)を上回った。日本での新規保険販売は301億円と、前年同期比で5%増加した。新しい学資保険商品が好調だった。円高・ドル安の影響で保険料収入は11%増の29億ドルとなった。 米国での新規保険販売は11%減の3億4100万ドル。同社は極めて弱い経済環境が要因だと説明した。

22.モトローラ(MOT)
米通信機器メーカー大手モトローラが30日寄り前決算発表。4〜6月期の売上高は55億ドル、1株利益は0.01ドルとなった。予想は、売上高が56億ドル、EPSが4セントの赤字だった。製造コストや営業費用、研究開発費などの大幅経費削減が増益に貢献した。

23.インテル(INTC)
インテルは29日、次世代送電網(スマートグリッド)など有望な環境関連技術を持つベンチャー5社に計1000万ドルを出資したと発表。将来の株式売却益の獲得を狙うほか、環境新市場への自社技術普及などにもつなげる。社内ベンチャーキャピタル(VC)部門のインテル・キャピタルが出資した。投資先は、スマートグリッド向けソフト開発などのグリッド・ネット社や、家庭向け電力管理システムなどのiコントロール・ネットワークス社(同)など。成長資金を提供して環境市場の拡大を後押し。同市場でのIT(情報技術)活用を促し、自社半導体技術の普及などにつなげる。

24.マスターカード(MA)
マスターカード(MA)が30日発表した第2四半期決算は手数料引き上げやコスト削減が奏功し、黒字に転換した。特別項目を除くベースでの損益は1株当たり2.67ドルの利益。予想は2.43ドルだった。純収入は2.7%増の13億ドル。手数料収入引き上げのほか、クレジットカード利用増加に押し上げられた。ただ、ドル高が一部圧迫した。特別項目を除くベースで費用は13%減の7億2200万ドル。人事・総務関連費用のほか、広告・マーケティング費を36%削減した。

25.ケーブルビジョン・システムズ(CVC)
ケーブルテレビ(CATV)事業者のケーブルビジョン・システムズは、傘下の「マディソン・スクエア・ガーデン」部門をスピンオフ(分離・独立)することを決めた。これにより、採算性の高いニューヨーク地域のCATV事業に注力することが可能になる。

26.ダウ・ケミカル(DOW)
米化学最大手のダウ・ケミカルの4−6月(第2四半期)決算は、前年同期に比べて需要が改善したことから、利益は予想を上回った。シティグループは投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。

27.第2四半期(4−6月)の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率1%減少し、予想(1.5%減)より落ち込みは少なかった。第1四半期(1−3月)は前月発表された5.5%減から6.4%減に下方修正された。これは過去27年で最大のマイナス。第2四半期は前年同期比では3.9%減と、1947年の四半期統計開始以降で最大の減少率となった。前期比でのマイナスは4四半期連続で、記録上最長の景気後退局面となった。食品とエネルギーを除くコアの個人消費支出(PCE)物価指数は前期比年率2%上昇。第1四半期の1.1%上昇から加速した。

  (主要項目動向)
★個人消費…今年第2四半期に前期比年率1.2%減少、第1四半期0.6%増から再度マイナスに落ち込んだ。うち自動車や家電など耐久財が7.1%、衣料など非耐久財も2.5%とそれぞれ減少した。
★民間設備投資…8.9%減と前期(同39.2%減)からマイナス幅が縮小。うちソフトウエア・機器は9.0%減だった。
★在庫投資…同1411億ドル減少と、前期(1139億ドル減)から削減幅が拡大した。マイナス幅は統計開始以来の最大。
在庫の取り崩しは1560億ドルと前期(1274億ドル)から拡大した。
★住宅投資…29.3%減も前期(38.2%減)から小幅ながら改善。
★輸出…7.0%減と前期(29.9%減)までの落ち込みが鈍化。輸入は15.1%減だった。貿易赤字は年率換算で3393億ドルと、前四半期(3865億ドル)から縮小し、GDPに寄与した。
★政府支出は5.6%増と、2003年以来で最大となった。オバマ政権の7870億ドルの景気対策は2月に施行され、来年いっぱい景気支援を図る。
    
  (エコノミストの評価)
★在庫水準が非常に低いので、景気回復につれ、企業は在庫を積み増し始めるだろう。
★設備投資は減少ペースが鈍化している。これはハイテク企業にとって有利。

(オバマ大統領発言)
★慎重ながらも楽観視している。
★今回の数値は、米経済が正しい方向に向かっており、過去数カ月間落ち込んでいた民間設備投資が安定化の兆しを見せ始めていることを示す重要な兆候だ。
★第2四半期GDPの減速ペース鈍化は景気刺激策と直結している。
★来週発表される米雇用統計では引き続き一段と多くの失業が示されるだろう。

28.シカゴ購買部協会が31日に発表した7月のシカゴ地区の製造業景況指数は43.4(前月は39.9)と、予想(43.0)を上回った。昨年9月以来の高水準に改善した。生産活動の縮小ペースが緩やかになり、今年後半に入り経済見通しが改善しつつあることが示された。


  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…48.0(前月41.6)
★生産…43.4(前月39.3)
★雇用…35.3(前月28.9)
★仕入れ価格…35.0(前月36.3)
★入荷遅延…49.6(前月43.1)

29.中国物流購買連合会が1日発表した7月の製造業購買担当者指数(PMI)は53.3(前月は53.2)と、製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50を5カ月連続で上回った。過去最高の貸し出しや4兆元(約55兆5000億円)の景気刺激策が中国経済の回復をけん引した。

30.オフィスマックス(OMX)
シティグループは米事務用品小売り3位、オフィスマックスの株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。

31.ワシントン・ポスト(WPO)
米新聞発行のワシントン・ポストが発表した4−6月(第2四半期)決算は黒字を確保。出版部門の売り上げが減少したものの、学習塾・受験対策サービス部門の13%増収が寄与した。前年同期は赤字だった。

32.フィフス・サード・バンコープ(FITB)
オハイオ州最大の銀行、フィフス・サード・バンコープは、ジョン・F・バレット氏が21年務めた取締役会メンバーを退任したと発表。理由は明らかにしていない。後任探しに直ちに着手すると言う。

33.自動車、自動車部品株
米下院は7月31日、燃費の良い新車への買い替えに最大4500ドルを補助する制度について、予算を当初の10億ドルから30億ドルに増やすことを賛成多数で決めた。7月下旬にスタートした買い替え補助は、申し込みが殺到し、6日間で約25万台が売れたとされる。財源が枯渇する懸念が強まったため予算額を上積みする。

34.米連邦預金保険公社(FDIC)は31日、不良債権買い取りに向けた官民投資プログラムの一環として策定したレガシーローン・プログラムを試験的に開始したと発表。今回の売却で対象となる不良債権の保有者については明らかにされていない。対象となる住宅ローンポートフォリオは有限責任会社(LLC)に移される。プログラムへの参加を希望する投資家は秘密保持契約を結んだ上で、9月までに入札を行わなければならないとしている。レバレッジ規模の制限や住宅ローン担保などによりFDICは損失から保護されるとしている。

35.国際通貨基金(IMF)は31日、声明を発表。

  (声明内容)
★米経済の回復はゆっくりしたペースになる可能性が高い。回復腰折れとなりそうであれば米政府は金融と財政出動の両面によるさらなる刺激策を準備すべきだ。
★当面は現在の財政政策を実施し、その効果を見極めることに注力すべきだが、追加の財政出動も実施し得る。
★米当局が講じた強力かつ包括的な政策が景気縮小ペースの緩和に役立った。
★リスクは下振れの方向に傾いている。潜在成長率はかなり長期間にわたりトレンド水準を大幅に下回る状態が続く可能性がある。


ベア材料
1.キャルメイン・フーズ(CALM)
鶏卵生産で米最大手のキャルメイン・フーズが発表した3−5月(第4四半期)決算は、1株当たり利益が43セントと、予想を57%下回った。

2.ラジオシャック(RSH US)
家電販売大手ラジオシャックが発表した4−6月(第2四半期)決算は、売上高が9億6570万ドルと、予想を1.1%下回った。

3.マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフトは、欧州連合(EU)の欧州委員会からの強い要請を受け、欧州で基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」のユーザーにインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)の選択肢を与えることに同意した。欧州委が24日明らかにした。

4.ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
法人部門の売上高の減少が嫌気された。

5.エトナ保険(AET)
四半期決算が市場予想を下回った。

6.7月の消費者信頼感指数は46.6(前月49.3)と、予想(49.0)を下回った。2カ月連続で低下した。雇用について就職困難と回答した人の割合は48.1%と、前月の44.8%から上昇し、今年3月以来の高水準となった。近年の景気が個人消費に大きく依存していることを踏まえると、雇用に関する今回内容は経済にとって短期的に好ましくない材料。消費者信頼感指数が2カ月連続で低下したことも脆弱さを示す手がかりだ。現況指数は23.4で6月の25.0(修正値)から低下し、今年3月以来の水準となった。期待指数は62.0で4月以来の低水準。前月は65.5だった。

7.コーチ(COH)
米高級皮革コーチが28日寄り前決算発表。4〜6月期の売上高は前年同期比1%減の7億7800万ドル、一株当たり利益(一部項目を除く希薄化後ベース)は43セントだった。予想は、売上高が7億8300万ドル、同EPSが43セントだった。景気低迷による消費支出の冷え込みを受け、前年同期比で減収減益となった。北米地区での既存店売上高は前年同期比6.1%減少。日本での売り上げは円ベースで横ばい、ドルベースでは11%増となった。会長兼CEOルー・フランクフォート氏は北米地区での客足は7月に入り改善がみられ、底打ち感が出てきたとコメントした。

8.オフィス・デポ(ODP)
オフィス用品量販店オフィス・デポが28日寄り前決算発表。4〜6月期売上高が前年同期比22%減の28億2400万ドルとなり、赤字幅は前年の200万ドルから8200万ドルに拡大した。一株あたり利益(一部項目を除くベース)は22セントの赤字となった。予想は、売上高が28億8000万ドル、同EPSは12セントだった。人員削減、店舗や物流センターの閉鎖などコスト削減に努めたが、効果が薄かった。北米地区での既存店売上高は18%減少。同期中に同社は5店舗を閉鎖する一方、新たに3店舗を出店、1店舗を改装オープンした。

9.バイアコム(VIA)
米娯楽大手バイアコムが28日寄り前決算発表。4〜6月期の売上高は32億9900万ドル、純利益は2億7700万ドルにとどまった。希薄化後調整済みEPSは49セントとなった。予想は、売上高が35億ドル、同EPSが48セントだった。広告収入が落ち込み、ゲームソフト販売や映画興行収入もさえなかった。同社の広告収入、ビデオゲームソフトの販売が低調で、メディア・ネットワーク部門の売り上げは同8%落ち込んだ。パラマウント・ピクチャーズを持つ映画部門も、同スタジオ制作で今年公開された「スター・トレック」や「トランスフォーマー」がいずれも事前予測の興行収入を下回り、同22%減少した。

10.アムバック・フィナンシャル・グループ(ABK)
米金融保証会社(モノライン)のアムバック・フィナンシャル・グループは27日引け後、4〜6月期決算が13億ドルの最終赤字になりそうだと発表。債券保証部門アムバック・アシュアランスの信用デリバティブに関連した評価損が4−6月(第2四半期)に約16億ドル増加し約49億ドルになる見込みだと言う。同グループのアムバック・アシュアランス・コープで、クレジット・デリバティブ関連の評価損が増えるとみていることが要因。決算発表は8月5日に予定している。

11.ドイツ銀行
独銀行最大手のドイツ銀行が28日発表した2009年4〜6月期決算は、純利益が10億9200万ユーロ(約1500億円)と前年同期に比べて68%増えた。投資銀行業務が利益を押し上げ、2四半期連続の黒字となった。融資の焦げ付きに備えた引当金は膨らんだものの、中核的自己資本比率は11.0%と3月末の10.2%から上昇した。しかし、商業銀行部門の環境は厳しさを増している。企業倒産に備えてドイツ銀行は4〜6月期の貸倒引当金を10億ユーロと前年同期の7倍以上に増やしたことが嫌気されて株価は下落。アッカーマン頭取は、融資業務は引き続き利益の圧迫要因になるとしている。

12.BP(BP)
欧州2位の石油会社、英BPが発表した4−6月(第2四半期)決算は、前年同期比53%減益となった。リセッション(景気後退)に伴うエネルギー価格下落や燃料需要の後退が響いた。

13.USスチール(X)
朝方発表の四半期決算で1株損失は市場予想ほど悪化しなかったが、業績見通しが慎重と受け止められた鉄鋼大手のUSスチール株が下落。

14.29日の中国株式市場では、同国政府がバブル阻止に向け投資を制限するとの観測を背景に上海総合指数が8カ月で最大の下落を演じ、新興市場株相場の下げにつながった。原油や銅など商品も安くなった。 中国中銀が流動性縮小の措置を取るとの観測が出、投資家による利益確定化の動きが出ている。

15.24日までの1週間の住宅ローン申請指数は495.4(前週は528.9)と、前週比で低下した。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.36%と、前週の5.31%から上昇した。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…1862.1(前週は2089.7)
★購入指数…262.0(前週は262.1)

16.6月の米製造業耐久財受注額は前月比で2.5%減少(5月は1.3%増加)し、予想(0.6%減少)を大幅に上回る落ち込みとなった。一方、変動の大きい輸送用機器を除く受注は6月に1.1%増加(前月は0.8%増)し、過去4カ月では最大の伸びを示した。市場予想では横ばいが見込まれていた。輸送機器の受注は12.8%減少(前月は2.7%増)。民間航空機 が39%減少(前月は60%増)したことが響いた。自動車・同部品は1%減少(前月は8.7%減)した。製造業は引き続き弱いが、弱さの程度は軽減している内容。

17.コノコフィリップス(COP)
米石油3位のコノコフィリップスが29日寄り前決算発表。4−6月(第2四半期)の売上高は前年同期比50%減の354億ドル、一株当たり利益は87セントとなった。予想EPSは85セントだった。純利益は13億ドル(1株当たり87セント)と、前年同期の54億4000万ドル(同3.50ドル)から減少した。 同社は今年の設備投資を37%縮小し、1月には4%の人員削減計画を発表した。

18.モルガン・スタンレー(MS)
ゴールドマン・サックスは29日、モルガン・スタンレーの株式投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。投資銀行とトレーディング部門の収入が落ち込むとの見方が背景。 モルガン・スタンレーの09年通期の純損益は1株当たり45セントの赤字になる見通し。10年は同3ドルの黒字、11年は同3.40ドルの黒字になると言う。従来予想はそれぞれ6セント、3.35ドル、3.70ドルの黒字だった。

19.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
ウェルズ・ファーゴが127億ドルを投じたワコビア買収は、預金と住宅ローン事業の強化が目的だったが、投資銀行事業の拡大という結果をもたらした。

20.ヤフー(YHOO)
ヤフーが前日比で12%急落した。ソフトウエア最大手マイクロソフトとのインターネット検索事業での提携条件がアナリスト予想ほどヤフーに有利でなかったことで失望売りが出た。


   (提携内容)
★ライバルのグーグルの追撃を狙う。
★10年間の提携。
★ヤフーはマイクロソフトの検索エンジン「ビング」を自社のウェブサイトに使用する。ヤフーは代わりに、検索結果とともに表示される広告の販売を行う。
★ヤフーがマイクロソフトから前払い金を受け取らないことになっている。一部のアナリストは最大30億ドルの前払い金を予想していた。
★ヤフーにとっての経費削減効果とネット広告収入の取り分も一部の予想を下回った。

21.ヴァーレ(VALE)
鉄鉱石生産最大手、ブラジルのヴァーレが29日発表した2009年4−6月(第2四半期)決算は、純利益が7億9000万ドル(1株当たり15セント)となった。前年同期は過去最高の50億1000万ドル(同1.04ドル)だった。

22.CIT(CIT)
商業金融のCITグループは30日、債券保有者らから獲得した30億ドルの緊急融資枠の残り10億ドルが利用可能になったことを明らかにした。 英銀バークレイズは先に、CITの破たんを回避するための30億ドルの協調融資を取りまとめた。CITは融資枠から既に20億ドルを引き出している。

23.ヤフー(YHOO)
売上高の約半分を生み出す検索ビジネスの、マイクロソフトへの委託に合意したのは、バーツCEOにとって就任後で最悪との見解がアナリストの間に広がった。グーグルがますます占有率を伸ばすとの見方も高まった。

24.イーストマン・コダック(EK)
写真用品大手のイーストマン・コダックが30日寄り前決算発表。4−6月(第2四半期)の決算は赤字となった。損失は3四半期連続。また、2009年通期の赤字額は同社予想の下限になるとの見通しを示した。事業再建費用や税コストなど一部項目を除いた1株損益は43セント赤字と、予想(37セント赤字)よりも悪かった。09年通期については売り上げ減少を見込んでおり、実際に減収になれば4期連続となる。継続事業ベースの赤字額は同社予想の2億−4億ドル赤字の下限になるとの予想を示した。09年下期の売上高は4−6%減少の見通し。一方、デジタル部門の売上高は1%から3%増加するもようだ。

25.エクソン・モービル(XOM)
エネルギー会社最大手のエクソンモービルが30日寄り前決算発表。4−6月(第2四半期)の売上高は前年同期比46%減の745億ドル、訴訟費用を除くベースの1株利益は84セントとなった。予想は、売上高が727億ドル、同EPSは99セントだった。ブラジルでの掘削調査の失敗やカナダでの税率引き上げも影響。さらに精製事業の利益率が縮小した。ニューヨーク原油相場は4−6月期の平均が1バレル=60ドルを下回り、前年同期から52%下落。4−6月期としては最大の下落率を記録した。 同社の石油・天然ガス生産は3.3%減少。米国での精製事業は1500万ドルの赤字だった。

26.アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)
インターネット関連ソフトのアカマイ・テクノロジーズの4−6月(第2四半期)決算は、一部項目を除いた1株利益が40セントとなり、予想を1.5%下回った。

27.2009年第2四半期(4−6月期)の雇用コスト指数(ECI)は前期比0.4%上昇(第1四半期は同0.3%の上昇)し、予想(0.3%上昇)を上回った。前年同期比では第2四半期のECIは1.8%上昇と、同統計史上での最低の上昇率となった。前四半期は同2.1%の上昇だった。 賃金・給与の第2四半期の伸び率は0.4%。前年同期比では1.8%上昇した。 一部賞与や退職手当、健康保険や有給休暇を含む諸手当は前期比0.3%上昇と、07年第1四半期以降で最小の伸びとなった。前年同期比は1.8%の上昇だった。

28.バンカメ(BAC)
米政府支援を受けた銀行大手バンク・オブ・アメリカは、取締役3人が今週退社したことを明らかにした。4月以降に退社した取締役会メンバーはこれで10人となった。3人の退社は経営陣との対立が原因ではないと同行は説明している。

29.USEC(USU)
原子力発電所向け濃縮ウランを米国で唯一生産するUSECは、プロジェクトの解消を理由に、収益見通しを撤回した。

30.ラスベガス・サンズ(LVS)
★資産家シェルドン・アデルソン氏が経営するカジノ会社、ラスベガス・サンズの4−6月(第2四半期)決算では、1株当たり損失が7セントと、損失額がアナリストの予想平均より1セント大きかった。
★ラスベガス・サンズが4億ドルの短期資金調達を目指していると、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた。資金繰りの改善に加え、マカオでリゾート建設を再開する可能性があるためという。

31.ファースト・ソーラー(FSLR)
クレディ・スイス・グループは世界最大の薄膜太陽電池メーカー、ファースト・ソーラーの株式投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引き下げた。

32.ウォルト・ディズニー(DIS)
メディア最大手のウォルト・ディズニーが30日に発表した4−6月(第3四半期)決算では、売上高が予想に届かなかった。リセッションのあおりで広告収入が減少したほか、テーマパークの客足が遠のいた。


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2009年07月27日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 7/26

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

7月26日

森  崇


ブル材料
1.6月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.7%上昇(5月は1.3%上昇)と、予想(0.5%上昇)を上回った。これで3カ月連続プラス。3カ月以上連続上昇したのは2004年以来初めて。5月分は1.3%上昇と、速報値の1.2%上昇から上方修正された。

2.パーム(PALM)
カウフマン・ブラザーズは、携帯電話メーカー最大手、フィンランドのノキアが米携帯情報端末(PDA)メーカー、パームを買収することはあり得ると指摘した。買収は戦略的に理にかなうとの見方を示した。

3.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーが、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の再編でニューヨーク連銀から巨額の助言料を獲得する立場にあることが分かった。ニューヨーク連銀が17日にウェブサイト上に掲載した資料によると、モルガン・スタンレーはAIGのいかなる傘下部門の新規株式公開(IPO)において、世界の調整役としての役割が保証されている。モルガン・スタンレーはAIGの11の傘下部門いずれのIPOでも手数料を得るほか、当初支払い分400万ドルと四半期ごとに250万ドルを受け取る。AIGのアジア生命保険部門アメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)のIPOが香港で実施された場合、モルガン・スタンレーは約7200万ドルを獲得する可能性がある。

4.CITグループ(CIT)
米商業金融CITグループは、債券保有者が示した30億ドルのつなぎ融資の受け入れで合意した。融資期間は2年半。CITは3カ月物LOBORに10ポイント上乗せした利子を支払う。LIBORは0.51ポイント。CITの取締役会は前日に融資受け入れに合意。また別の関係者はつなぎ融資によってCITは破たんを回避し、債務を整理することができると述べ、CITは資本増強の一環として8月に現金による社債の公開買い付けを実施する計画であることを明らかにした。

CITは過去8四半期で計30億ドルの損失を計上。同社は公的資金注入を受けるため銀行持ち株会社に業態転換、昨年12月に財務省から23億3000万ドルの資金支援を受けた。その後追加支援を要請したが、政府はこれを拒否した。つなぎ融資は英バークレイズ・キャピタルが取りまとめている。

5.レッドハット(RHT)
リナックス関連ソフトウェア会社である同社株が急伸。CITグループに代わって、7月24日の引け後からS&P500指数に採用される。

6.ウォルト・ディズニー(DIS)
モルガン・スタンレーが同社株の投資判断を“オーバー・ウェイト”に引き上げた。ケーブルTVネットワークで、同社は優良資産を有しているとしている。

7.ピーボディー・エナジー(BTU)
石炭大手株の投資判断が“マーケット・パフォーム”から“アウトパフォーム”に引き上げられた。FBRキャピタルが引き上げた。

8.ラスベガス・サンズ(LVS)
香港のマカオ・カジノズのIPO上場申請を来月始めにすると言う。

9.ハリー・バートン(HAL)
油井サービス大手が第2四半期決算発表。一部項目を除くEPSが30セントと、予想を13%上回った。

10.ダウケミカル(DOW)
ゴールドマン・サックスの“コンビクション・バイ・リスト”に掲載された。コスト削減、及び配送のシナジー効果により、景気回復の際のメリットは大きいと言う。

11.シスコ・システムズ(CSCO)
CSFBが同社株を“中立”から“アウトパフォーム”に引き上げた。事業環境好転が背景。

12.CBSコープ(CBS)
TV放送今局株の投資判断が“オーバー・ウェイト”に引き上げられた。モルガン・スタンレーが引き上げた。2010年には、同社のローカル広告事業が魅力的存在になるだろうと言う。

13.キャタピラー(CAT)
バンカメが同社株の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。市況は底打ちと言う。

14.アトランタ連銀のロックハート総裁は20日、景気下支えのため実施している事実上のゼロ金利政策について確かに今は政策金利が低いとしながらも、しばらくはそうした状態が続くと思うと述べた。また約26年ぶりの高水準に達した失業率について、これから改善に向かう前に現在よりもさらに悪化する可能性があると指摘した。また、財務省やFRBの政策当局者は金融危機に対処する上で総じて正しい対応を取ったと評価。

15.キャタピラー(CAT)
建機最大手のキャタピラーが発表した4−6月(第2四半期)決算は、一部項目を除く1株当たり利益がアナリスト予想を大きく上回った。同社はまた、政府の景気対策が世界的な需要の改善に寄与し始めているとして、通期の利益予想を上方修正した。

16.メルク(MRK)
米製薬大手メルクが発表した4−6月(第2四半期)決算は、前年同期から減益となったものの、一部項目を除いた1株当たり利益は83セントと、予想(77セント)を上回った。

17.ユナイテッド航空(UAUA)
米航空大手ユナイテッド航空の持ち株会社UALが21日発表した2009年4−6月期決算は、1株当たり利益は0.19ドル。ただ、航空燃料調達に絡むヘッジ契約による利益を除いた1株当たり損益は2.23ドルの赤字だった。1株当たり2.61ドル程度の赤字を見込んでいた市場予想は上回った。ただし、世界的な景気低迷に伴う旅客・貨物需要の低迷が収益を圧迫しており、同社は年末にかけて一層の売り上げ減少を見込んでいる。

18.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は21日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★景気は安定化への暫定的な兆候がみられる。しかし、この先も長期間にわたり相当緩和的な金融政策を継続する。
★景気下降ペースは著しく減速したようだ。その一方で現実的な景気後退や抑制されたインフレ圧力を考慮し、金融政策の中心は引き続き景気回復の促進になる。
★労働市場が改善し、景気回復が軌道に乗り、さらにインフレを抑制している圧力が消えた場合には金融政策を引き締める。
★財政安定化に向けた力強い取り組みを実施しない限り、金融安定化も永続的な経済成長も達成できない恐れがある。

19.TDアメリトレード・ホールディング(AMTD)
オンライン証券のTDアメリトレード・ホールディングが発表した4−6月(第3四半期)決算は、一部項目を除いた1株当たり利益が33セントと、アナリスト予想平均を大幅に上回った。

20.全米抵当貸付銀行協会(MBA)が22日発表した17日まで1週間の住宅ローン申請指数は528.9と、前週の514.4から2.8%上昇した。借り換えと購入がともに伸びたことを受け、同指数は3週連続のプラスとなった。 住宅ローン30年物固定金利は平均で5.31%と、前週の5.05%から上昇した。


  (その他主要指数動向)
★購入指数…262.1(前週258.8)
★借り換え指数…2089.7(前週2009.4)

21.アップル(AAPL)
コンピューター・電子機器大手のアップルが21日引け後発表した4−6月(第3四半期)決算は、売上高と利益がアナリスト予想を上回った。パソコン(PC)「マッキントッシュ(マック)」の低価格版の投入で新規顧客獲得を図ったのが奏功。

22.リニア・テクノロジー(LLTC)
携帯電話やコンピューター向けの半導体メーカー、リニア・テクノロジーが発表した4−6月(第4四半期)決算は、1株当たり利益が25セントと、予想を12%上回った。

23.ファイザー(PFE)
医薬品最大手のファイザーは通期の利益見通しを上方修正。同社が発表した4−6月(第2四半期)決算は減益となったものの、利益は市場予想を上回った。同社は人員削減によるコスト削減効果が、コレステロール降下剤「リピトール」」と高血圧治療薬「ノルバスク」の販売落ち込みによる影響を補った。

24.スターバックス(SBUX)
世界最大のコーヒー店チェーン、スターバックスが21日引け後発表した4−6月(第3四半期)決算は、利益がアナリスト予想を上回った。同社はまた、通期のコスト削減目標を引き上げた。

25.VF(VFC):2.2%高の61.92ドル。衣料メーカー最大手のVFが発表した4−6月(第2四半期)決算は利益が予想を上回った。在庫圧縮と一般管理費の削減が寄与した。

26.6月の中古住宅販売件数は前月比3.6%増の489万戸となった。これで3カ月連続プラス。水準は昨年10月以来の最高。予想(484万戸)も上回った。一方、前月は472万戸(速報値477万戸)に下方修正された。6月の中古住宅販売は前年同月比では0.2%減少と、前月の4.6%減からマイナス幅が大きく縮小した。6月の住宅在庫は前月比0.7%減の382万戸。販売に対する在庫比率は9.4カ月分と、前月の9.8カ月分から低下した。

27.18日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は55万4000件(前週は52万4000件)と、予想(55万7000件)を下回った。今年は特に、ゼネラル・ モーターズやクライスラーが経営難から、工場閉鎖を早めたため、季節調整が困難になっている。新規失業保険申請件数の4週移動平均は56万6000件と、前週の58万5000件から減少し、1月以来の低水準。

28.CMEグループ(CME)
先物取引所最大手のCMEグループが23日発表した4−6月(第2四半期)の売上高は15%増の6億4800万ドル、昨年買収したニューヨーク商業取引所(NYMEX)の利益を含めると、1株当たり利益は3.37ドルとなった。予想EPSは3.23ドルだった。経費削減や取引手数料の引き上げが寄与した。

29.ブリストル・マイヤーズ(BMY)
医薬品大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブが23日決算発表。4−6月(第2四半期)の売上高は3.5%増の53億8000万ドル、一時項目を除く1株当たり利益は56セントとなった。予想EPSは48セントだった。人員削減のほか、統合失調症治療薬「アビリファイ」や抗血栓薬「プラビックス」の販売増が増益に寄与した。

30.AT&T(T)
米電話通信最大手のAT&Tが23日に発表した2009年4−6月(第2四半期)決算は、売上高が307億ドル、1株当たり利益は54セントとなった。予想は、売上高が307億ドル、EPSが51セントだった。同社が米国で独占契約しているアップルの「iPhone」のユーザーは、データ利用額が他の機種に比べて平均60%高い。

31.ゼロックス(XRX)
高速カラープリンターで最大手、ゼロックスが23日発表した2009年4−6月(第2四半期)の売上高は、前年同期比18%減の37億3000万ドル、1株当たりの利益は16セントとなった。予想は、売上高が37億3000万ドル、EPSは11セントだった。ゼロックスはこの1年で従業員を約3000人削減。利益を下支えするため、今年は3億ドル以上のコスト削減を進めている。

32.フォード(F)
経営再建中のフォード・モーターが23日に発表した4−6月期決算は、22億6100万ドルの純利益となった。黒字転換は5四半期ぶり。自動車事業は赤字が続いたが、債務削減に伴う一時的な利益が黒字化に貢献した。しかし主力の米市場の販売不振は続いており、一時的な特殊要因である債務削減などの利益を除くと、6億3800万ドルの損失だった。ただし、赤字幅がアナリスト予想より小幅となった。経費削減や国内市場のシェア拡大が奏功した。 金融危機や景気後退による欧米などでの販売低迷を背景に、自動車事業関連で約10億ドルの手元資金が流出。売却した英高級車ブランド「ジャガー」などを除く売上高は、前年同期比約29%減の272億ドル。北米のほか、欧州などで販売が低迷し、世界販売台数は約25%減の約117万2千台だった。

33.3M(MMM)
米化学大手3Mが23日発表した4−6月(第2四半期)決算は、一部コストを除く1株当たり利益が1.20ドルと予想(同94セント)を上回った。豚インフルエンザの影響でマスクなどへの需要が高まり、ヘルスケア製品の売上高は2.2%増加したが、全体の売上高は15%減の57億2000万ドルだった。

34.ハーシー(HSY)
米チョコレート菓子最大手のハーシーは、通期の調整後1株当たり利益の増加幅が長期目標である6−8%をやや上回ると見込んでいることを発表した。

35.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、金融危機対策として講じてきた緊急融資プログラムを巻き戻しつつあると述べたことから、最悪局面が終了したとみなされた。

36.コン・ウェイ(CNW)
米トラック輸送2位のコン・ウェイが発表した4−6月(第2四半期)決算は、1株当たり利益が64セントと、予想の4倍以上となった。J.P.モルガン・チェースは同社の株式投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。

37.ラジオシャック(RSH)
RBCキャピタル・マーケッツは米家電量販2位ラジオシャックの投資判断を「セクターパフォーム」からアウトパフォーム」に引き上げた。FBRキャピタル・マーケッツは「マーケットパフォーム」から「アウトパフォームに引き上げた。


ベア材料
1.バンカメ(BAC)
★FBRキャピタル・マーケッツは20日、今年下期の米銀バンク・オブ・アメリカ利益見通しを引き下げた。雇用市場の悪化に伴い貸倒引当金の積み増しが予想されるという。今年のバンカメの1株利益見通しを45セントと、40%下方修正した。バンカメは利払いが滞っているローンはほとんどないとしているものの、特に労働市場が引き続き悪化することを考慮すれば、その傾向は反転するとしている。
★フォックス・ピット・ケルトンが、同社株の投資判断を“アウトパフォーム”から“イン・ライン”に引き下げた。

2.パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロス共同最高投資責任者(CIO)は6月に、運用する債券ファンドで住宅ローン関連証券の保有割合を減少させたほか、現金保有に対する消極姿勢を後退させた。トータル・リターン・ファンド」(運用資産1610億ドル)に占める住宅ローン証券の割合は54%と、5月の61%から低下し、ほぼ2年で最低の水準となった。現金比率はマイナス6%で、前月のマイナス14%を上回り、今年に入って最高となっている。グロス氏は7月の投資見通しで、債券や配当支払いのある株式への投資を推奨していた。

3.ハーマン
米オーディオ機器メーカーのハーマンは20日、同社買収を目指した株式公開買い付けが行われているとの認識はないと表明した。当社はそのような買収案を受けておらず、買収案を提示したとされる当事者についても認識はないとコメントした。アラブ首長国連邦(UAE)のインターネット・ニュースサービスのAMEインフォはウェブサイトで、アラビアン・ペニンシュラ・グループが株式公開買い付けによるハーマン買収を目指していると報じた。

4.タイソン・フーズ(TSN)
食肉加工大手株が、ドイチェバンクによって投資判断引き下げとなった。“買い”から“保有”に。また、BMOキャピタルが“アウトパフォーム”から“マーケット・パフォーム”に引き下げた。

5.シティ・グループ(C)
同行株が、UBSの“短期買い”推奨から外された。信用コスト上昇と、信用損失増大観測が背景。

6.ロッキード・マーチン(LMT)
防衛最大手のロッキード・マーチンが発表した4−6月(第2四半期)決算は純利益が前年同期から17%減少。2四半期連続の前年比減益となった。

7.モンサント(MON)
遺伝子組み換え穀物開発最大手のモンサントはダウ・ケミカルと共同開発したトウモロコシの新種子「スマートスタック」を米国とカナダで販売する許可を獲得した。ダウ・ケミカル株も上昇した。

8.CITグループ(CIT)
商業金融CITグループは21日、4−6月(第2四半期)の決算が15億ドルを超える赤字になったもようだとして、来月の社債買い戻しの結果次第では破産法に基づく会社更生手続きの適用を申請する可能性があるとの見解を示した。同社は前日、債券保有者が30億ドルのつなぎ融資の提供に合意したと発表。同社は先週、8月償還債の保有者に対し額面1ドル当たり82.5セントでの買い戻しに応じるよう求めた。
9.ミシュキン元米連邦準備制度理事会(FRB)理事は21日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★経済には依然として商業不動産分野などに一部ぜい弱さがみられる。政府は慎重に対応する必要がある。
★経済危機で議会やオバマ政権の行動に拍車がかかる。

10.バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
カストディ(証券管理)業務で世界最大手の銀行、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが22日発表した2009年4−6月(第2四半期)決算では、一部項目を除いた1株当たり利益は52セントとなり予想値と一致した。 投資損失が前年同期比で68%増加した。住宅価格の下落が影響した。 投資評価損と前年同期の会計方法の変更に伴う影響を除く当期の収入は18%減の32億1000万ドルだった。当期の評価損は2億5600万ドル、前年同期の1億5200万ドルから増加した。住宅ローンをパッケージ化した証券の評価損が目立った。第1四半期の2億9500万ドルからは減少した。

11.マクドナルド(MCD)
マクドナルドが23日発表した4−6月(第2四半期)の売上高が7%減の56億5000万ドルと、予想(56億9000万ドル)を下回った。純利益は10億9000万ドル(1株当たり98セント)。前年同期は資産売却益(同10セント)を含むベースで11億9000万ドル(同1.04ドル)だった。前年同期比8.1%の減益となった。米国外の売り上げが為替変動の影響を受けた。

12.ニューモント・マイニング(NEM)
産金で米最大手のニューモント・マイニングが23日発表した2009年4−6月(第2四半期)の売上高は前年同期比6.6%増の16億ドル、一部項目を除く1株当たり利益は43セントとなった。予想は、売上高が16億6700万ドル、同EPSは48セントだった。前年同期比で40%減益となった。買収費用が影響した。ニューモントは先月、南アフリカ共和国のアングロゴールド・アシャンティと共有していたオーストラリアのボッディングトン・プロジェクトの未保有分の買収を完了した。

13.ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
小荷物輸送最大手のユナイテッド・パーセル・サービスが23日発表した、7−9月(第3四半期)の1株利益は45−55セントになると言う。コンセンサス予想は60セントだった。また、4−6月期の一部項目を除いたベースの1株利益は49セントとなり、予想と一致した。売上高は17%減の108億ドルだった。リセッションで企業が輸送の発注を減らしたことを背景に米国内の輸送量は6四半期連続で落ち込んだ。カート・クーエンCFOは「需要も事業活動も、著しく回復するとの自信は全くない」と述べた。

14.ムーディーズ(MCO)
米資産家ウォーレン・バフェット氏率いる米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイは、米格付け会社ムーディーズの決算が7四半期連続で減益となったことを受け、株式持ち分を17%引き下げた。

15.マイクロソフト(MSFT)
今年1月以来で最大の下げだった。同社が23日引け後発表した4−6月(第4四半期)の売上高がアナリスト予想を下回った。経費節減がパソコン(PC)用ソフトウェアの売り上げ減少を埋め合わせるには十分でなかったことが示された。一部項目を除いたベースの1株利益は36セントで、アナリスト予想を2.4%下回った。

16.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
同社が23日引け後発表した4−6月(第2四半期)売上高は46億5000万ドルと、予想を1%下回った。他社との競争で同社が価格引き下げや無料配送サービスを実施しているが、それが利益を圧迫することになったもよう。

17.ブロードコム(BRCM)
半導体メーカーのブロードコムが発表した4−6月(第2四半期)決算は、純利益が前年同期から90%減少した。リセッションによる需要低迷が影響した。

18.ノースロップ・グラマン(NOC)
バンク・オブ・アメリカは、米防衛大手ノースロップ・グラマンの株式投資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。同社の黒字化計画に対する投資家の信頼が低下し、株価が同業他社に出遅れるとの見方を示した。

19.メルク(MRK)
製薬大手メルクはシェリング・プラウ買収への障壁となっていた訴訟について、和解案を提示したと発表した。同案が裁判所で承認された場合、メルク、シェリング・プラウのいずれも損害賠償は支払わない。

20.ゴールドマン・サックス(GS)
24日付のニューヨーク・タイムズ紙は、金融大手ゴールドマン・サックスや一部のヘッジファンドが、株式市場の手口情報を他の市場参加者より先に入手し、自己勘定で売買して利益を上げていると報じた。市場では「公平なやり方ではない」と批判が高まっているという。米株式市場の多くは、大量の取引を行う市場参加者を優遇、手口情報などを他の参加者よりも100分の3秒ほど早く伝えている。ゴールドマンなどは、こうした情報を一瞬で分析できる高速コンピューターを取引所内部に設置し、自己勘定で有利な取引を行い巨額の利益を上げているという。 

21.チャブ(CB)
保険持ち株会社のチャブは2009年業績見通しの引き上げが好感されて上昇。ほかの保険株も値上がりした。


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2009年07月13日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 7/12

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

7月12日

森  崇


ブル材料
1.米供給管理協会(ISM)が6日発表した6月の非製造業総合景況指数は47(前月44)と、予想(46)を上回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★雇用…43.4(前月39)
★新規受注…48.6(前月44.4)
★仕入れ価格…53.7(前月46.9)
★新規輸出受注…54.5(前月47)

2.ゼネラル・モーターズ(GMGMQ)
米連邦破産裁判所は5日、会社更生手続きを進めている自動車大手ゼネラル・モーターズが、資産の大半を米財務省出資の受け皿会社へ売却することを承認。これにより、オバマ政権の米自動車産業再編に向けた努力に弾みがつくこととなった。残る資産については、リストラ専門家が数年間かけて清算することになる。この裁定は、クライスラーの案件を担当し、資産の大半の売却を承認した連邦破産裁のアーサー・ゴンザレス判事の裁定にほぼ沿った内容。売却の条件は、政府が500億ドルの救済ローンと引き換えに新生GMの60%株式を取得。医療保険給付金の縮小を受け入れた従業員のファンドが17.5%、カナダ政府が11.7%を保有する。債券保有者と、担保を持たない債権者は、新生GMの株式10%と、74億ドル相当のワラントを得る。新生GMの資本合計は380億ドル余りとなる見込み。

3.クライスラー
クライスラーは5日、未定だった5人の取締役を選任したと発表。これで取締役9人全員が決まり、新経営陣が整った。 9人の取締役は、伊フィアットが3人、米政府が4人、カナダ政府と全米自動車労働組合(UAW)がそれぞれ1人を任命した。CEOはフィアットのセルジオ・マルキオンネCEOが兼務する。

4.中国関連
★中国の胡錦濤国家主席は6日、国内経済は安定したとの認識を示した。
★バンク・オブ・アメリカのメリルリンチ部門は、中国の2010年経済成長率見通しを9.6%とし、従来予想の8.3%から上方修正した。輸出の回復と投資の加速が背景。

5.シュタインブリュック独財務相はブリュッセルで6日開催される欧州連合(EU)財務相会合を前に、ドルは主導的な地位を維持するだろうとの見解を示した。

6.データ・ドメイン(DDUP)
ストレージ最大手、EMCは6日、データソリューション会社データ・ドメインに対する買収提示額を1株当たり現金33.50ドルに引き上げた。新たな買収額は同業ネットアップの提示額を上回った。新たな買収案は総額で約21億ドル。EMCは、少ないディスク容量でデータを保存できる技術を獲得できる。EMCは規制当局からデータ・ドメイン買収案への承認を得たことから、両社合併が独占禁止法に抵触する可能性が低下した。ネットアップは6月3日に提示額を株式と現金を合わせて1株当たり約30ドルに引き上げていた。

7.欧州中央銀行(ECB)のカバードボンド購入計画は、実施前から既に、同市場を再活性化させるという中銀の目標を達しているもよう。ECBは6日に初回の購入を実施する。カバードボンドと同年限の国債の利回り格差(スプレッド)はECBが最大600億ユーロ(約8兆円)相当を購入する計画を示して以来の2カ月で急激に縮小した。ECBは発行規模が1億ユーロ以上で年限3−10年のカバードボンドを購入する。カバードボンドは不動産向けや公的部門向けの融資を裏付けとした金融債。

8.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁は6日、資産買い取りプログラムの検証を秋季に行うことを明らかにした。

9.アメックス(AXP)
スティーフェル・ニコラウスが、同社株の投資判断を“売り”から“保有”に引き上げた。

10.スプリント・ネクステル(S)
携帯電話サービス会社株の投資判断が“保有”から“買い”に引き上げられた。オーリガUSAが引き上げた。また、目標価格を7ドルに設定した。

11.マイクロソフト(MSFT)
ソフトウエア最大手マイクロソフトは、欧州連合(EU)から競争上の問題を指摘され調査を受けている2つの案件で、EUと和解に向けた予備交渉に入っている。和解が成立した場合、インターネット閲覧ソフトと、ワードプロセッシング・ソフトおよびスプレッドシート・ソフトウエアに関する問題が決着することになる。

12.ドイツ経済技術省が7日発表した5月の独製造業新規受注指数は前月比4.4%上昇と、2007年6月以来で最大の伸びとなった。景気下げ止まりの兆候が強まった。同指数は前年同月比では29.4%低下。

13.ヘルスケア株
ヘルスケア株が上昇。ホワイトハウスと上院金融委員会が8日に病院産業との合意事項を公表する意向だと言う。健康保険大手エトナ(AET)、シグナ(CI)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が上昇した。

14.ジェンコープ(GY)
航空宇宙関連部品メーカーの同社が発表した3−5月(第2四半期)決算は、1株当たり利益が18セントと、前年同期の12セントから増加した。

15.キーコープ(KEY)
キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズは、オハイオ州の銀行2位のキーコープの投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げた。同社の資本水準の高さが商業不動産や建設関連の損失拡大に対する緩衝材になることを理由に挙げた。

16.メトロPCSコミュニケーションズ(PCS)
UBSは携帯電話サービス会社、メトロPCSコミュニケーションズの株価下落は「行き過ぎだった」とし、同社株の投資判断を「買い」で据え置いた。

17.スター・サイエンティフィック(STSI)
毒性の低いたばこを開発する同社は、たばこに含まれるニコチンを低減するスターの特許は無効とする評決の棄却を裁判官に求めた。

18.半導体株
バンカメがインテル(INTC)、マーブル・テクノロジー(MRVL)、LSIコープ(LSI)、ナショナル・セミコンダクター(NSM)の投資判断を引き上げた。製品需要回復と、在庫整理進捗が背景。また、同業界は来年21%成長するだろうとの見通しを公表。当初見通しは14%だった。

19.国際通貨基金(IMF)は8日、世界経済見通しの改定値を発表。

  (内訳)
★来年の世界経済成長率を2.5%と4月時点の1.9%から上方修正。金融システムの安定化に加え、米国から日本に至るまで景気減速のペースが鈍化しているのが背景。
★先進国の経済成長率は今年については3.8%のマイナスが見込まれているが、来年は0.6%のプラス成長に転じる見通し。今年4月時点での予想は来年の経済成長率はゼロだった。
★今年の世界経済は1.4%のマイナス成長が見込まれており、4月時点のマイナス1.3%から下方修正された。
★世界経済はなおリセッション下にあるが、少しずつ回復に向かっている。財政や金融、信用供与政策を引き続き実行する必要がある。
★一方で、インフレ懸念を抑制し、国家財政の均衡を図るためにも経済・金融支援策の出口戦略の策定に着手するべきだ。
★今年の米GDP見通しは2.6%のマイナス成長。来年は0.8%成長が見込まれている。
★日本経済は来年の成長率予想が1.7%と、4月時点の0.5%から大幅に上方修正された。今年は6%のマイナス成長が予想されている。4月時点では同6.2%のマイナス成長が見込まれていた。日本の積極的な財政政策やアジア諸国からの需要増がマイナス成長率見通しの上方修正につながった。

20.グーグル(GOOG)
インターネット検索エンジン最大手のグーグルはパソコン用の基本ソフト(OS)を開発中と発表。マイクロソフトに挑戦する姿勢。同OS搭載の新製品は2010年下期にも発売の見通し。当初はネットブックと呼ばれる低価格の小型ノートパソコン向けに無償提供して普及を目指す。新OSは同社のウェブ閲覧ソフト「クローム」を標準搭載し、無償OS「Linux」をベースに開発するという。同社は来年のネットブックへのOS搭載に向けて複数のパソコンメーカーと協議している。

21.全米産業審議会(CB)が8日発表した米企業経営者の四半期信頼感調査によると、今年4-6月期の信頼感指数は55となり、前回調査(1-3月期)の30から大幅に改善した。信頼感指数を構成する項目をみると、景気の現状判断に関する指数は47(前回5)、向こう半年の景気見通し指数は61(前回40)と、ともに上昇した。

22.3日まで1週間の住宅ローン申請指数は493.1と、前週の444.8から11%上昇し、3月以来で最大の伸びとなった。購入指数は3カ月ぶり高水準に上昇した。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.34%と、前週から変わらず。
 
 (その他主要指数動向)
★借り換え指数…1707.7(前週1482.2)
★購入指数…285.6(前週267.7)

23.シカゴ連邦準備銀行のエバンス総裁は8日、以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★足元の米経済情勢について、データは一律ではないが、最近の指標は収縮ペースの鈍化と、活動の底打ちを示していると解釈している。
★今年下半期の米経済はわずかな拡大を予想、2010年は成長の基調が若干強まる。
★事実上のゼロ金利政策や国債・住宅ローン担保証券(MBS)などの購入措置について、予期せぬ衝撃や変化が生じない限り、大きく変える必要性はないとみている。

24.主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)の共同宣言草案によると、主要8カ国(G8)首脳らは、景気回復が確実になるまで景気刺激策の巻き戻しを見送り、出口戦略については各国独自の判断に委ねるとの方針を表明する。
景気回復が確実になれば、金融危機対策として特別に講じた政策の適切な出口戦略を準備する必要があるとの見解で一致した。

25.アムジェン(AMGN)
★開発中の骨粗しょう症治療薬の試験で、競合品を上回る効果が示されたと発表した。アナリストらはこれを受けて、同医薬品のピーク時の年間売上高と株価の見通しを引き上げた。
★ジェフリーズが、アムジェンの投資判断を、“買い”で据え置いた。また、株価の目標価格を、これまでの59ドルから65ドルへ上方修正した。
★オッペンハイマーが、アムジェンの投資判断を、“アウトパフォーム”で据え置いた。また、株価の目標価格を、これまでの60ドルから66ドルへ上方修正した。

26.米財務省は8日、官民合同で拠出して金融機関の不良資産を購入する措置に関し、最大300億ドルの投資を行うと発表。今年3月時点では同省は拠出規模を750億ドルから1000億ドルとしており、当初の見込みを大きく下回った。
また、投資対象資産の運用管理を担当する資産管理会社(ファンドマネジャー)の候補として名乗り出た100社以上を審査。その結果、ブラックロック、インベスコなど9社を選定した。各社は今後12週以内に最低5億ドルの資金を確保する必要がある。

27.データ・ドメイン(DDUP)
データソリューション会社データ・ドメインは8日、ストレージサービス最大手、EMCによる1株33.50ドルでの買収に合意した。

28.ファミリー・ダラー・ストアーズ(FDO)
ディスカウント・ストア・チェーンの同社は、通期の調整後1株当たり利益見通しを従来の1.90−2.00ドルから、2.03ドル−2.07ドルに引き上げたと発表した。

29.アメックス(AXP)
アメックスのCEO、ケネス・シュノー氏が、「当社は、連邦クレジット・カード業界規制法による最も影響の少ない企業である。当社の収入の8割は、カード手数料から得ており、改革の対象となる金利からの収入は少ない」と8日、CNBCで発言した。また、同氏は、米国に景気回復の芽生えが見られるとコメントした。

30.4日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は56万5000件(前週は61万7000件)と、予想(60万3000件)を下回った。今年1月以来初めて60万台を下回った。 7月は例年自動車会社が新型車生産に向けて設備刷新のための工場閉鎖を行うことにより、失業者が増加する。今年はゼネラル・モーターズやクライスラーが経営難から、工場閉鎖を早めたため、通常なら7月以降に一時解雇される労働者が前倒しで解雇された可能性も指摘されている。

31.ゴールドマン・サックス(GS)
バンカメは9日付のリポートで、ゴールドマン・サックスの株式投資判断を「買い」とし、従来の「ニュートラル」から引き上げた。2009年4−6月(第2四半期)利益はアナリスト予想を上回るとの見通しを示した。ゴールドマンの4−6月期の利益予想を1株当たり3.90ドルと、従来の2.92ドルから上方修正。更に、ゴールドマンの09、10年の通期利益予想を引き上げるとともに、株価見通しを175ドル(従来予想は144ドル)に上方修正した。
債券と株式の引き受け、トレーディング、固定利付き商品関連業務が第2四半期利益を押し上げた。ゴールドマンは収入の大きな割合をトレーディングや値付け業務から得ている。第2四半期は株式引き受け業務が過去最高を記録することもあり得るとしている。

32.5月の卸売在庫は前月比0.8%減少(前月は1.3%減)と、予想(1.0%減)より落ち込みが少なかった。ただし、前月比マイナスは9カ月連続。5月の卸売売上高は前月比0.2%増加した。対売上高在庫比率は1.29カ月と前月の1.31カ月から低下。昨年11月以来の低水準となった。耐久財在庫は1.5%減、自動車在庫は1.1%減。非耐久財在庫は0.3%増と、増加幅は昨年7月以来の最大だった。


33.世界銀行のゼーリック総裁は9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
ドルは準備通貨として首位の座にとどまるだろう。ただ、米国はこれを当然のものと思ってはならず、優れた財政・金融政策を運営しなければならない。

34.米連邦準備制度理事会(FRB)のデューク理事は9日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★米景気は底入れしつつあるようだが、金融システムはなお弱く、公的資金援助を受けた金融機関は資金返済の適切な時期を慎重に検討する必要がある。
★経済環境は安定化しつつある、あるいは悪化の度合いがいくらか鈍化しつつあるように見受けられる。しかし経済活動は依然として低調だ。
★TARPを通じて資金援助を受けたのであれば、少なくとも景気が一段と改善するまでは、もう少しTARP資金の保有を検討したほうが良い。一度返済すると、再びTARPを利用できる可能性は低いだろう。

35.シティグループ(C)
シティグループは9日、エドワード・ケリー最高財務責任者(CFO)を副会長に指名した。ケリー氏は今後、企業戦略やM&Aについてより広範な責任を担う。シティはまた、ジョン・ガースパッチ最高会計責任者をCFOに指名した。

36.フォード・モーター(F)
フォード・モーターは急成長中の中国自動車市場で業界全体のペースを上回る販売を目指すと表明。新型「フィエスタ」の需要が強みだと述べた。

37.スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイド(HOT)
FBRキャピタル・マーケッツが、米ホテル3位のスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドの株式投資判断を「アンダーパフォーム」から「マーケットパフォーム」へ引き上げた。

38.カジノ関連
BMOキャピタルが、5月のラスベガスでのギャンブル売上は、そこそこしっかりしていたとコメント。これを受け、ウィンリゾーツ(WYNN)、ボイド・ゲーミング(BYD)、ラスベガス・サンズ(LVS)等が買われた。

39.KBホーム(KBH)
住宅建設大手株の投資判断がCSFBによって引き上げられた。“中立”から“アウト・パフォーム”に。今年下半期は堅調な受注トレンドが見込まれると言う。

40.ウェスタン・ユニオン(WU)
送金事業を手掛ける世界最大手企業株の投資判断がCSFBによって引き上げられた。“中立”から“アウト・パフォーム”に。

41.ゼネラル・モーターズ(GM)
米政府が過半数株式を保有する新生ゼネラル・モーターズは10日、破たんした旧GMから優良資産を受け継ぎ、操業を開始した。連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用申請後から39日間の更正期間はクライスラー・グループよりも3日短かった。米政府のほか、労組年金基金やカナダ連邦政府、同国オンタリオ州政府、旧GMが株主となっている。ホワイトカラー従業員は20%、経営陣は35%削減されると言う。新生GMは「シボレー」と「キャデラック」、「ビュイック」、「GMC」のブランドのみで操業。自動車販売ディーラー数を3600に縮小する。「ポンティアック」ブランドは廃止し、「ハマー」と「サターン」は売却。スウェーデンの「サーブ」も売却を進めている。

42.グーグル(GOOG)
グーグルのエリック・シュミットCEOは、同社が開発中のパソコン(PC)用の基本ソフト(OS)「クローム」が数百万台のPCに搭載されるとの見通しを示した。マイクロソフトのOS「ウィンドウズ」からの乗り換えが予想される
という。ただし、OS市場に参入しユーザーを獲得するのは容易ではないとするアナリストの指摘もあった。

43.ヤフー(YHOO)
トーマス・ワイゼルが、ヤフー株の投資判断を“アンダー・ウェイト”から“マーケット・ウェイト”に引き上げた。

44.5月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支は前月比9.8%減の260億ドルの赤字と、1999年11月以来の低水準にとどまった。原油や自動車部品の輸入が減少する一方で、輸出が拡大したのが寄与した。予想は300億ドルの赤字だった。前月は288億ドルの赤字(速報値は292億ドルの赤字)に修正された。

45.債券ファンド大手のパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エルエリアンCEOは、信用市場の復活を目指すガイトナー米財務長官とバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の努力に「A」の判定を与えた。成果についての成績は「B」。現在については、金融システムはあるべき姿に戻ってはいないものの、正常化したとした上で、経済危機はまだしばらく続くだろうとの見解を示した。

46.デル(DELL)
ゴールドマン・サックスのアナリスト、デービッド・ベイリー氏が、ハイテク株に強気コメント。景気悪化、企業によるIT投資抑制等の悪材料が蔓延しているが、最悪期は脱した。季節的に強い下半期に入っており、このトレンドは来年初めまで継続しよう。更に需要増加が、過去12ヶ月間のコスト削減により好業績につながろう。2010年から企業によるPCアップグレード・サイクルが始まるだろう。そのきっかけは、刷新投資とウィンドウズ7の市場導入であるとしている。
この中でも、デル(DELL)株を“中立”から“コンビクション・バイ”に引き上げるとともに、株価目標を14ドルから17ドルに引き上げた。企業のアップグレード・サイクルに遭遇することや、同社の営業費用削減効果を背景にしている。株価が昨年以来48%も下落して値ごろ感も出ていると言う。

47.シーゲート・テクノロジー(STX)
ゴールドマン・サックスが、シーゲート・テクノロジー株の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。ハードディスク・ドライブ市場では、同社の強さが生きてくると言う。一方、ライバル、ウェスタン・デジタル(WDC)社の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。


ベア材料
1.バンカメ(BAC)
クレディ・スイス・グループは6日、バンカメの2009年4−6月(第2四半期)の不良債権が前期比で10%増え76億ドルに達する可能性があるとの見方を示した。ホーム・エクイティ・ローン関連の不良債権が19億ドルとなり、クレジットカード・ローンの約10.4%が焦げ付くとの試算を提示した。第2四半期利益が1株当たり32セントになると予想。CSFBは、バンカメの投資判断を「ニュートラル」とし、期間1年の株価目標を12ドルとしている。

2.ばら積み船会社株
鉄鉱石、石炭を運搬するばら積み船の運賃が4日続落したことから、Genco Shipping & Trading Ltd. (GNK) 、DryShips Inc. (DRYS)、 Eagle Bulk Shipping Inc. (EGLE) 等の株が軒並み下落した。

3.原油、金属等商品関連株
商品市況が下落したことから、アルコア(AA)、フリーポート・マクモラン(FCX)等株式価格が急落。

4.米銀行協会(ABA)の7日の発表によると、ホームエクイティローン(住宅評価額から住宅ローン残債を差し引いた含み益を担保とした融資)の返済遅延率は2009年1−3月(第1四半期)に過去最高に上昇。ホームエクイティローンに占める遅延の割合は3.52%と、昨年10−12月(第4四半期)の3.03%から上昇した。ホームエクイティ信用枠からの借り入れの返済遅延率も1.89%と過去最高だった。返済遅延の主因は失業。

5.米調査会社レッドブック・リサーチが7日発表した週間小売りまとめによると、6月第5週(7月4日までの週)までの主要小売りチェーン売上高は、季節調整済みの既存店比較ベースで前月比4.3%減(6月第4週4.4%減)となり、業界目標の4.1%減を下回った。前年同週比は4.2%減(前週4.3%減)。百貨店は7.6%減(7.2%減)、ディスカウント店は2.4%減(2.6%減)だった。

6.ドイツ銀行は、米銀は信用損失が膨らむことに加え、規制当局が自己資本比率の要件を引き上げることによって、最大で3000億ドルの追加資本調達が必要になる可能性があるとの見方を示した。

  (要旨)
★米銀は中核的自己資本(Tier1)比率を現行の規則で十分な水準に回復させるために少なくとも1000億ドルが必要。さらに、将来的にはTier1比率の要件は総資産の10%近くまで引き上げられる可能性があるとして、この場合はさらに1000億−2000億ドルが必要になるだろう。
★2009年4−6月(第2四半期)は信用市場での圧力が続き銀行業績は引き続き弱いと予想する。
★16行の中では、ウェルズ・ファーゴの第2四半期業績が最強だろう。住宅ローン事業とトレーディングの業績が堅調とみられることに加え、バランスシートの健全性や利ざやの傾向などから同行が有利。
★一部の米銀の業績は今年7−12月(下期)と2010年の大半も赤字になろう。消費者関連の損失が予想よりも長く高水準にとどまるとみられるためだ。また、商工関連の損失も09−11年にかけて10−11%に達する可能性がある。

7.米大統領経済顧問のローラ・タイソン氏は7日、以下の通り発言。

  (要旨)
★米国はインフラ投資に焦点を絞った景気刺激策第2弾の取りまとめを検討するべきだ。2月に承認された7870億ドル規模の刺激策はやや小さ過ぎる。
★米経済の状態は、現在の刺激策策定のベースになったCEAの景気予測に比べ悪い。雇用喪失は恐らく既に、当初予測を250万人余り上回っている。
★米政府は今年度の財政赤字が国内総生産の12%相当、来年度に8−9%になると予測しているが、この予測よりも悪化する公算が大きい。
★米国がインフレ加速とドル下落によって財政赤字を切り抜けるのではないかとの懸念が出ているが、米金融当局がそのような政策を容認することはない。景気が回復した際には財政赤字を縮小させる決意を米国が伝えていく必要がある。
★米国は消費依存から脱却して投資や輸出を通じた景気拡大を促進すべきだ。輸出主導の成長を促すためには、ドルが長期的には下落する必要がある。

8.債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のファンドマネジャー、ポール・マカリー氏は7日、米経済が抱える主な問題はインフレというよりも、むしろデフレだと述べた。

9.有力投資家のマーク・ファーバー氏は7日、米ドルの価値が金や銀、プラチナなど貴金属に対して長期的には下落するとの見方を示した。政府が紙幣を増発するにつれ、ドルは下落すると述べた。

10.AIG(AIG)
米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が43億ドル相当の株式を横領されたとして元最高経営責任者モーリス・グリーンバーグ氏の会社、スター・インタナショナル(SICO)を訴えていた裁判で、ニューヨークの連邦裁判所の陪審は7日、背任の罪にはあたらないとして、AIGの請求を棄却した。

11.サバイバル・スキルズと題した会合が、米国の超優良企業の財務担当者らを集めて5月の最終週にフィラデルフィアのパークハイアット・ホテルで開催された。IBMなど数十社の幹部らが議論したのは、2007年から08年にかけてのサブプライム住宅ローン問題の広がりと昨年9月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破たんによる信用市場の急激な干上がりを受け、企業の関心は手元資金の蓄積と、投資適格級債券の発行を通じた債務償還期間の延長に集中している。今年1−6月(上期)の投資適格級債の発行は過去最高の3010億ドルに達した。

12.ディスカバー・フィナンシャル・サービシズ(DFS)
クレジットカード会社ディスカバー・フィナンシャル・サービシズが急落。5億ドルの新株発行計画が嫌気された。

13.バレロ・エナジー(VLO)
全米最大の製油業者バレロ・エナジーは、ガソリン価格の大幅安を材料に急落した。

14.国際通貨基金(IMF)は8日金融安定報告を発表。

  (要旨)
★世界の金融市場の環境と景気回復への自信は4月時点に比べ改善したものの、依然としてリスクがある。
★レバレッジ解消は引き続き進行中で、銀行のバランスシートは依然、今後に予想される評価損からの圧力にさらされている。信用リスクが高止まりしており、民間部門への銀行融資は減速している。
★幅広い銀行危機のリスクは後退し、想定される証券関連評価損の額は低下する公算が大きい。ただし、不良資産の問題について完全な対応策を効果的に実施するのは困難であることが大西洋の両岸で明らかになっている。銀行のバランスシート修復が景気回復の前提条件である。
★米銀については、一段の評価損の可能性は高いものの、予想よりも良好な収益と、健全性審査とそれに伴う増資の成功により、米銀への信頼は高まった。しかし、融資に対する貸し倒れ率は上昇が続くと予想される。
★欧州の銀行についても、損失の比率は高まるもの、当局による健全性審査が市場の信頼回復につながるだろう。存続可能な銀行については、適切な条件での政府からの一時的な資本注入を支持する。存続困難の銀行については、実践が可能な範囲で出来る限り迅速に解体するべきだ。

15.バンカメ(BAC)
バンカメが買収した証券大手メリルリンチについて、身売りが決まった昨年9月以降、投資銀行事業に携わる経験豊富なバンカーが少なくとも18人退職し、人材が最も価値ある資産とされる事業だけに命取りになりかねないとWSJ紙が報じた。事業統合後のバンカメ全体の利益から見ると、メリルの投資銀行部門の収入はわずかなものにすぎず、人材流出が長期的に見て大きく影響する公算は小さいと指摘。ただ、メリルが数十年かけて築き上げたウォール街有数の投資銀行の地位は、わずか数カ月で消え去ることになったとしている。

16.1998年に事実上破たんした資産運用会社ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の創業者ジョン・メリウェザー氏が、その後設立したヘッジファンドを閉鎖する計画であることが判明。メリウェザー氏が率いるJWMパートナーズの経営はここ数カ月で悪化。旗艦ファンド「レラティブ・バリュー・オポチュニティ・U」の資産は2007年9月−09年2月に44%目減りした。同ファンドが取引を開始した1999年11月30日以降の平均リターンは年1.46%だった。

17.ゴールドマン・サックス(GS)とモルガン・スタンレー(MS)
サンフォード・C・バーンスティンが、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの4−6月(第2四半期)業績見通しを下方修正した。ゴールドマンの4−6月期1株当たり利益見通しは2.92ドルと、従来予想の3ドルから引き下げられた。モルガン・スタンレーは同47セントの赤字と、これまでの13セントの赤字から修正された。先月、政府から受けた100億ドルの公的資金を返済したことから配当コストが発生したほか、信用力改善で負債の評価額引き上げにつながる為。

18.AIG(AIG)
米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はAIGの投資判断を「売り」に引き下げた。20株を1株とする株式併合が承認されたため、投資家は同社株の下落を織り込むと予想されることが理由。

19.インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)
米先物市場2位のインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)は下落。商品先物取引委員会(IFTC)は原油、ガスなどエネルギー商品の投機的な取引に政府規制を設ける必要性について、公聴会で討議することを明らかにした。

20.ウェブセンス(WBSN)
従業員のインターネット閲覧を監視する企業向けソフトウエアを手掛けるウェブセンスは、4−6月(第2四半期)の一部項目を除いた売上高が8420万ドルを超えないとの見通しを発表。予想(8460万ドル)を下回った。

21.ベライゾン(VZ)とAT&T(T)
サンフォード・バーンスティンが両社の2009年度通期利益予想を引き下げた。ベライゾンを2.41ドルから2.37ドル(アナリストの予想は2.50ドル)へ、AT&Tを2ドルから1.97ドル(アナリストの予想は2.06ドル)に。米国業務について、法人顧客がリセッション対策として、支出を削減するだろうとしている。信用収縮の影響で、特に米国中小企業のダメージが大きいとしている。両社ともに法人顧客からの収入は、主として固定電話から上がっている。ベライゾンの場合、固定電話収入の33%を、AT&Tは同36%を法人顧客が占める。また、本日両社株は配当落ち。ベライゾンが46セント、AT&Tが41セント。

22.調査会社レッドブック・リサーチは9日、同社の集計で6月の米主要小売りチェーン売上高が前年同月比5.1%減少(前月4.6%減少)したと発表。

  (業種別動向)
★ドラッグストア…2.2%増(同0.9%増)
★ディスカウント店…6.0%減(前月5.9%減)
★衣料店…5.8%減(同2.2%減)
★百貨店…9.1%減(同9.4%減)
★会員制量販店…6.2%減(同7.0%減)

23.スリーコム(COMS)
ネットワーク機器メーカーのスリーコムが9日寄り前発表した2009年3−5月(第4四半期)決算は株式ベースの報酬などを除いた1株当たり利益が10セントとなり、予想(5セント)を上回った。ただし、続く第1四半期の同1株当たり利益がせいぜい5セントになると言う。予想は7セントだった。世界的なリセッションのなかで法人顧客が情報技術(IT)関連支出を抑えたことが背景となった。

24.アバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)
若者向け衣料のアバクロンビー・アンド・フィッチが発表した6月の既存店売上高は前年同月比32%減少し、リテール・メトリックスがまとめたアナリスト予想よりも大きな落ち込みとなった。

25.メルク(MRK)
ナティクシス・ブライシュローダーのアナリスト、ジョン・ルクロワ氏は、製薬大手メルクの株式投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。

26.AIG(AIG)
資金を政府に返還したら、同社株で投資家分の価値は残っていないだろうとシティグループがコメントした。

27.エミュレックス(ELX)
ブロードコムの敵対買収のターゲットになっているが、直近の買収提示価格は安過ぎると一蹴した。

28.ファイザー(PFE)
カナダ連邦裁判所にて不利な判決が下された。血圧降下剤“Norvasc”の特許はもはやカナダでは維持できないと言う。ドイツのRatiopharm GmbHにゾロ薬販売を認可した。

29.7月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は64.6(前月70.8)と、予想(70.0)を下回った。失業率悪化と、ガソリン価格上昇を反映し、3月以来の低水準となった。今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は60.9と、前月の69.2から低下した。低下幅は昨年10月以降で最大。現在の景況感を示す指数は70.4と、前月の73.2を下回った。この先1年間のインフレ期待値は3.0%と前月の3.1%から低下した。一方、5年先の同数値は3.1%と、前月(3.0%)から上昇した。

30.オバマ米大統領は10日、世界的な景気回復はまだ先との認識を示し、景気刺激策を巻き戻すのは時期尚早だと述べた。オバマ大統領はサミットで各国首脳に対し、さらなる景気対策の導入に柔軟な体制で臨むよう求めた。

31.ガイトナー米財務長官は10日、想定元本ベースで592兆ドル規模のデリバティブ(金融派生商品)市場を回避困難な新たな法律で規制するよう議会に求めた。長官は、各取引所や規制された取引機関に標準化された取引を強いるほか、すべてのディーラーへの規制を求めるオバマ米大統領の訴えを再度強調した。その上で、取引は新たな開示規則の対象となるとし、すべての市場参加者は比較的多めの資本準備や証拠金率の確保を求められるほか、取引の標準化も要求されると述べた。

32.シェブロン(CVX)
国際石油資本のシェブロン(CVX)は9日引け後、4-6月期の中間アップデートを発表し、石油・ガスの売り上げの伸びが非常に不利な為替相場の影響で大きく打ち消されたほか、精製部門の業績が1-3月期を大幅に下回ったとみられると発表。

33.6月の輸入物価指数は前月比で3.2%上昇。4カ月連続で上昇し、ペースも加速した。予想は2.0%の上昇だった。5月は1.4%の上昇(速報値1.3%上昇)に上方修正された。6月の石油を除く輸入物価指数は前月比0.2%上昇。一方、前年同月比では6.5%低下と記録的なマイナスとなった。

34.CITグループ(CIT)
10日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、米商業金融のCITグループの社債保証コストが昨年10月以来の高水準となった。同行の顧客は95万社。FDICが、同社の債券保証に消極的とのニュースが流れたため。

35.AIG(AIG)
AIGが、数十人の幹部に対し総額数百万ドルに上る賞与の追加支給を計画しているとワシントン・ポスト紙(電子版)が報じた。

36.IBM(IBM)
ゴールドマン・サックスがIBM株を“買い”から“中立”に引き下げた。今後はハイテクセクター内では、業界並みのパフォーマンスが予想されると言う。同社は市場全体が調整期にある時に業績の安定性が評価されるが、反発期には、むしろ高成長性にアナリストの焦点が移るため不利になるとしている。


=以上=
posted by mori at 09:56| マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 7/5

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

7月5日

森  崇


ブル材料
1.ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフリー・イメルトCEOは29日、以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★世界的なリセッションに伴う経営危機の時期は過去のものになった。来年にはある程度の景気回復が見込まれる。
★資本市場はほぼ完全に機能していると言えるだろう。ある形で2010年以降に景気は回復する。どれだけの成長となるかは現時点では不明だ。
★今後2年間でこれまでにない数多くの製品を投入し、価格帯を広げ製品数を増す。景気低迷の継続にもかかわらず、昨年を上回るR&D計画を実施する。
★私の生涯で金融サービス業界が依然のような形態に戻ることはなく、規制が強化されるだろう。

2.イラク駐留米軍は28日、期限の30日を前に都市部からの撤収を完了させた。2年半後のイラク完全撤退を目指すオバマ政権にとって、大きな里程標になる。
 
3.テプコ・パートナーズ(TPP)
エネルギーパイプラインなどを保有するエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズは29日、同業のテプコ・パートナーズを約33億ドルで買収することで合意。両社を合わせると全長約7万7000キロのパイプラインを持つ全米最大規模のエネルギー関連マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)となる。テプコの株主は同社ユニット株1株につきエンタープライズのユニット株1.24株を受け取る。26日の終値ベースで31.36ドルとなり、テプコの同日終値に9.3%上乗せとなる。

4.欧州連合(EU)欧州委員会は29日、ユーロ圏の四半期報告を発表。

  (要旨)
★ユーロ圏の景気後退は依然として深刻だが、域内経済は最悪期を脱したとみられる。
★経済状況は引き続き脆弱だが、ほとんどの金融市場では安定化の明るい兆候がみられる。
★昨年秋から域内で実施している銀行救済策により、金融界の崩壊は回避したが、状況は弱いままだ。金融危機による雇用減少や生産性の低下で、今後数年間は域内の経済成長が下振れしそうだ。

5.中国国営アルミ生産大手チャイナルコは、世界3位の鉱山会社、リオ・ティントが実施する株主割当増資を通して、同社株式8億8000億ポンド(約1390億円)相当を購入する計画だ。今回の株主割当増資により、チャイナルコはリオ・ティント株の9%を保持することになる。リオはチャイナルコによる195億ドルの出資提案を拒否していた。リオは一方で、鉱山会社最大手オーストラリアのBHPビリトンと、株式売却に加え、鉄鉱石の合弁設立で合意している。

6.アップル(AAPL)
アップルは29日、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が職場に復帰したことを明らかにした。ジョブズCEOは1月から病気療養のため休職していた。1週間のうち数日は出社で、残りは自宅で勤務すると説明。ジョブズCEOは休職中に肝臓移植手術を受けている。

7.マイクロソフト(MSFT)
同社株に強気材料が出た。

ドイチェバンク
★投資判断:“買い”
★目標価格:これまでの22ドルから30ドルへ上方修正。
★ウィンドウズ7のリリースで、株価は上昇するだろう。過去5度のOSリリースを見ても、株価は上昇している。
★ウィンドウズ7のリリースの要因は、まだ株価に織り込まれていない。
★ウィンドウズ7の販売のみで、5億ドルの収益が見込める。

コリンズ・スチュワート
★投資判断:“買い”
★目標価格:これまでの26ドルから30ドルへ上方修正。
★市場のEPS見通しは、低すぎる。
★コスト削減と、BINGのシェア拡大で、好業績となるだろう。
★ウィンドウズ7のリリースで、株価は上昇するだろう。
★2009年度と2010年度の利益予想は引き下げる。保守的PC出荷を見込んでいることや、新製品開発用のR&Dコストがかさむことを背景にしている。

8.フォード(F)
フォード・モーターは29日、同社が7−9月の生産台数を約2万5000台引き上げる計画であることを明らかにした。フォードは7−9月に48万5000台を生産する計画で、前年同期比で16%の増加となる。

9.シカゴ購買部協会が30日に発表した6月のシカゴ地区の製造業景況指数は39.9(前月34.9)と、予想(39.0)を上回った。

10.全米20都市を対象にした4月 のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で18.1%低下(3月は18.7%のマイナス)し、予想(18.6%低下)を下回る下落率だった。住宅価格指数は前月比では0.6%低下と、2008年6月以降で最小の低下幅だった。20都市のうち8都市で前月比プラスを記録した。特にダラスでは1.7%上昇した。

11.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、クライスラーと同じように、30日に始まる裁判所審理で資産の大半の売却について承認を得られる見通し。実現すれば、オバマ政権は米自動車産業の再建計画を予定より約1カ月早く進めることができる。GMは、米財務省が出資する受け皿会社ビークル・アクイジション・ホールディングスへの資産売却について承認を求める。ビークル・アクイジションは同社資産の唯一の買い手候補。

12.クライスラー・グループは30日、米国ではフィアットブランドで自動車は販売しないが、フィアットのサブコンパクトカー「500」や高級車「アルファロメオ」は米国で販売することを明らかにした。クライスラーを通じて販売されるフィアット車は500とアルファロメオに限定するとした。マルキオーネCEOは、500は2010年に米国で発売される可能性があると指摘している。

13.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米保険アメリカン・インターナショナル・グループのエドワード・リディCEOは30日、同社の年次総会に出席し、米政府から受けた支援資金を返済できる確率は十分にあると述べた。同社は先週、海外の生命保険2部門の優先株をニューヨーク連銀に譲渡し、同連銀に対する債務を250億ドル圧縮すると発表した。NY連銀から供与された融資枠での債務残高は400億ドル。同社は4度にわたり計1825億ドルの政府融資を受けた。

14.欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が30日発表した6月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.1%低下となり、予想(0.2%低下)を下回る落ち込みだった。インフレ率は1996年の統計開始以来で初めてマイナスとなった。ユーロ圏では、欧州一の経済大国であるドイツでインフレ率がゼロに落ち込んだほか、スペインとアイルランドでもインフレ率は3月以来、低下が続いている。また、欧州中央銀行(ECB)が同日発表した5月のユーロ圏マネーサプライ(通貨供給量)統計によると、家計と企業向け融資は統計開始以来の低い伸び率となった。

15.昨年11月に行われた米上院議員のミネソタ州選挙で、共和党のコールマン氏は30日、民主党のフランケン氏への敗北を認めた。コールマン氏は選挙結果について裁判で争っていたが、州最高裁が訴えを退けた。フランケン氏の当選確定により、上院での民主党の議席数は60議席となり、共和党のフィリバスター(議事妨 害)を阻止できる。

16.アポロ・グループ(APOL)
大学経営アポロ・グループが発表した2009年3−5月(第3四半期)決算は、1株当たり利益が市場予想を上回った。同社はまた、自社株買いの規模を5億ドルに引き上げた。

17.エレクトロニック・アーツ(ERTS)
バンク・オブ・アメリカは、ゲームソフトメーカー2位の エレクトロニック・アーツの投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げた。同社業績予想が上方修正される見込みであることを理由に挙げた。

18.エクスコ・リソーシズ(XCO)
米原油・天然ガス生産会社エクスコ・リソーシズは、資産の一部を英天然ガス生産3位のBGグループに売却した。

19.バイカル(VICL)
ワクチン開発会社のバイカルは、開発中の豚インフルエンザ(H1N1型)用ワクチンがネズミとウサギを使った実験で強い免疫反応を引き出したことを発表した。

20.米供給管理協会(ISM)が1日発表した6月の製造業景況指数は44.8(前月42.8)と、予想(44.9)を若干下回った。しかし縮小ペースは過去10カ月で最も緩やかだった。

  (主要コンポーネント内訳)
★生産…52.5(前月46)
★雇用…40.7(前月34.3)
★輸出…49.5(前月48)
★新規受注…49.2(前月51.1)
★仕入れ価格…50(前月43.5)
★入荷遅延…50.6(前月49.8)
★受注残…47.5(前月48)

21.全米不動産業者協会(NAR)が1日に発表した5月の中古住宅販売成約指数は前月比0.1%上昇(前月は7.1%上昇)し、予想(前月比変わらず)を上回った。上昇は4カ月連続。前年同月比では5月は4.6%の上昇だった。

(地域別状況)
北東部は前月比3.1%上昇。西部は2.2%上昇だった。一方、南部は1.7%低下した。中西部は1.3%低下。

22.投信調査会社モーニングスターのまとめたデータによると、4−6月期の米株式投信のリターンは平均で19%。四半期ベースでのリターンとしては、過去約10年で最大だった。また過去1年間では初めてリターンがプラスとなった。S&P500種株価指数の四半期ベースでの上昇率は1998年末以来で最大だった。特に大型株の伸びは17%上昇を記録した。米株式投資信託のうち、第2四半期(4−6月)のリターンが最も高かったのはビル・ミラー氏が運用する投資信託「レッグ・メイソン・オポチュニティー・トラスト」の48%だった。

23.米連邦住宅金融局(FHFA)は1日、政府系住宅金融大手、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の両社が手掛ける住宅ローンについて、住宅価格に対する融資額の比率の上限を拡大すると発表。住宅価格が大幅に下落した物件を所有する借り手に低金利ローンへの借り換えを促し、債務不履行に至る事態を阻止する狙い。両社の住宅ローンでは、実際の住宅価格に対する未払い元本の比率の上限が、これまで
105%に設定されていたが、125%に引き上げる。

24.ヤム・ブランズ(YUM)
タコベル、KFC等のチェーンを営む同社株に好材料。ゴールドマン・サックスが同社株の投資判断を“保有”から“買い”に引き上げた。中国と米国の事業部門の好調により、今年下半期の成長が加速すると言う。

25.ゼネラル・ミルズ(GIS)
食品大手が、1日寄り前に決算発表。売上高がやや弱かったが、利益は予想を上回った。また、2010年度通期利益見通しが予想を大幅に上回った。原料価格の上昇が緩やかなことが強材料になっていると言う。

第4四半期(3−5月期)実績
○売上高…36億5,000万ドル(コンセンサスは36億8,200万ドル)
○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.86ドル(コンセンサス予想は0.81ドル)
○為替差損により、増収率が2%減少した。

(会社側のコメント内容)
○6月29日に増配した。9.3%増配し、47セントとした。
○自社株買戻しから、負債返済にシフトする。

2010年度通期ベース予想
○1株当たり利益(一部項目を控除)…4.20ドル〜4.25ドル(6月17日のガイダンスは4.15ドルだった。コンセンサス予想は4.18ドル)

26.クラフト・フーズ(KFT)
食品大手に好材料。ロシアで工場を拡大すると言う。

27.27日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は61万4000件(前週63万件)と、予想(61万5000件)を下回った。新規失業保険申請件数の週間の振れを均した4週移動平均は61万5250件と、前週の61万8000件から減少。20日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は670万2000人と、前週の675万5000人から5万3000人減った。失業保険受給者比率は5.0%(前週5.1%)に低下した。

28.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
医薬品メーカー大手の同社は2日、アイルランドの製薬最大手エランのアルツハイマー治療薬を開発することで合意。エラン株式18.4%を10億ドルで取得する。同社はエランと同業のワイスが共同で開発しているアルツハイマー治療薬を受け入れる新会社を創設する計画だ。

29.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は2日、同中銀が今後数カ月、政策金利を現行の過去最低水準に据え置くことを示唆。

  (その他主要発言内容)
★現在の政策金利水準は適正だ。
★経済活動は引き続き弱いと見込まれるものの、今年1−3月(第1四半期)に比べれば縮小のペースは鈍化するだろう。来年について見ると、安定化の時期を経て2010年半ばごろに回復の時期が訪れるだろう。
★ECBは期間1年の流動性供給オペの初回結果に満足している。
★成長が回復した際には金融・財政両面の景気刺激を迅速に引き揚げることの必要性を認識している。
★当面、インフレ圧力が弱い状態が続くだろう。

30.フレディマック(米連邦住宅貸付抵 当公社)が2日発表した住宅ローン報告によると、今週の30年物固定金利は前週から低下。ローン金利低下に向けた米連邦準備制度理事会(FRB)の取り組みが効果を上げていないとの懸念が緩和された。30年物固定金利は平均5.32%と、 前週の5.42%から低下した。15年物固定金利は4.77%だった。

31.コンチネンタル航空(CAL)
モルガン・スタンレーが同社株の投資判断を“イコール・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げた。流動性が恩沢であることを背景にしている。一方、サウスウェスト航空株を“イコール・ウェイト”から“アンダー・ウェイト”に引き下げた。

32.エバーグリーン・ソラー(ESLR)
太陽光発電用ウェーハー・メーカー同社株の投資判断がJ.P.モルガン・チェースによって“アンダー・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げられた。

33.ポタッシュ(POT)
ロシア第2位の肥料メーカー、OAOウラルカリが肥料価格を20%引き上げたことが背景で、同業ポタッシュに買い物が入った。


ベア材料
1.ニューヨーク市マンハッタンの連邦地裁は29日、650億ドル規模と言われる史上最悪のねずみ講事件で逮捕・起訴されたバーナード・マドフ被告に禁固150年の判決を言い渡した。同被告は、証券詐欺や郵便詐欺、3件のマネーロンダリング、偽証、SECへの虚偽報告を含む11の罪で有罪となっている。

2.J.P.モルガン・チェース(JPM)
ロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は、以下の通りコメントした。

   (コメント要旨)
★J.P.モルガン・チェースの3−6月(第2四半期)は、金融安定化法に基づく公的資金の返済に関連した優先株の買い戻し費用と、米連邦預金公社(FDIC)に支払う査定費用により、赤字決算となる可能性がある。J.P.モルガンの第2四半期決算は1株当たり10セントの赤字となる可能性がある。予想では、1株当たり24セントの黒字が見込まれている。
★通期の利益見通しを24%引き下げ、1株当たり1.23ドルとしたが、2010年と2011年の見通しは引き上げる。

3.損害保険会社
業界団体が29日発表した文書で、AIGやオールステートなど、米損害保険会社の今年1−3月期の業績は過去最大の赤字だったことが判明。投資が落ち込む一方で、毎月の保険料を上回る請求があったのが背景。リセッションの影響で保険証書を裏付ける債券価値が下落したほか、資金繰りの厳しい顧客に対して保険料を引き下げたのが業績を圧迫した。保険売り上げは1−3月期に過去最大の落ち込みとなる3.6%減の1064億ドルだった。また投資の含み損は164億ドル拡大した。

4.ボストン連銀のローゼングレン総裁が29日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★オバマ大統領が提案する金融システム監督機関は、金融機関が良好な状況にある時でも、より高いリスクを取る可能性が見込まれる場合には資本の増額などを求める権限を持つべきだと述べた。
★システミックリスクを監視する機関は破綻しそうな銀行や非銀行金融機関の業務縮小を命じる権限は必要ないが、大手金融機関や相互に関連したすべての金融機関に対し、支払い能力と流動性を監視する権限を持つべきだ。
★オバマ政権が打ち出した包括的金融規制改革で金融制度全体のリスクを一元的に監視する当局は、バブル再発を防止するための監視も必要だ。

5.国際決済銀行(BIS)は29日公表した年次報告で、以下の通り指摘した。

   (主要指摘内容)
★大手銀行はシステミックリスクに対し比例配分以上の影響力を持つ。このことは、規模が大きいか、他社との相互依存が強い銀行ほど資本増強とレバレッジの縮小が必要なことを示している。
★規制は金融機関や金融商品、市場によってもたらされるシステミックリスクも考慮に入れて策定されるべきだ。
★各国中央銀行はインフレに焦点を絞るのではなく、信用や資産価格の急上昇にも対応すべきだ。

6.全米産業審議会(CB)の6月の新規のオンライン求人広告数は194万9400件で、前月の196万100件(改定値)から減少した。

7.6月の消費者信頼感指数は49.3(前月 54.8)と、予想(55.3)を下回った。

   (項目別動向)
現況指数は24.8と前月の29.7から低下。今後6カ月の期待指数は65.5となり、前月の71.5から落ち込んだ。今後6カ月間で雇用が増加するとの回答の割合は17.4%(前月は19.3%)に減少。今後6カ月間で所得が増加するとの回答も9.8%(前月10.8%)に減った。

8.米通貨監督庁(OCC)と貯蓄機関監督局(OTS)が30日発表した四半期報告によると、リスクの低い米住宅ローンの返済延滞率が1−3月(第1四半期)に前年同期の2倍以上に膨らんだ。プライム住宅ローンの60日以上の延滞率は2.9%に拡大した。前年同期は1.1%だった。同住宅ローンに対する差し押さえの初回届出件数は前期比22%増加した。米住宅ローンの3分の2を占めるプライムローンの深刻な返済延滞件数は1−3月に66万1914件と、前年同期の25万986件から増加。住宅ローン全体でみても、60日以上の延滞率は1年前から88%増えた。

9.セントルイス連銀のブラード総裁は30日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★金融政策当局者はインフレリスク抑制や景気回復の後押しを目指して実施してきた大規模な資産購入の出口戦略を策定する必要がある。
★戦略がなければ、インフレ高進期待が生じる可能性がある。インフレ期待が長期利回りに影響を及ぼせば、今日にでも利回りは上昇するだろう。

10.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、欧州の金融機関に販売したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の価値低下が、同社の業績に重大な悪影響を与える可能性があることを明らかにした。
                           
11.サザン・カンパニー(SO)
電力大手株がシティ・グループによって“買い”から“保有”に投資判断が引き下げられた。

12.ディア(DE)
農機具メーカー大手株に悪材料。800人の人員削減により税前費用が1億ドルに達するとの見通しを発表した。これは会社側の当初見通しの倍に相当する額である。

13.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが1日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、6月の米民間部門の雇用者数は前月比47万3000人減少した。39万4000人の減少が見込まれていた。また、5月は48万5000人減(速報値53万2000人減)に修正された。

   (業種別雇用動向)
製造業では14万6000人減少、サービス部門は22万3000人減少した。

14.全米企業エコノミスト協会(NABE)は1日、6月の雇用統計で非農業部門の就業者数が、季節調整済みで前月比34万4,000人減少するとの見通しを発表した。また就業者数が30万人以上の減少となる確率を56%とした。6月雇用統計は労働省が2日発表する。

15.5月の建設支出は前月比0.9%減少(4月は0.6%増)し、予想(0.6%減)より大きな落ち込みとなった。民間と公共を合わせた住宅建設は3.5%減(前月は横ばい)。非居住建設は0.1%増(前月0.8%増)にとどまった。

16.ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は1日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米経済は数四半期の間プラス成長となった後、再びマイナス成長に転じるだろう。
★景気は一時的にかなりの改善を示すだろう。4−6月(第2四半期)には「ゼロ付近」または「若干のプラス」になると見ている。

17.サンフランシスコ連銀のイエレン総裁が、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米金融当局が政策金利を向こう数年にわたってゼロ付近に維持することは可能性の範囲の外ではない。
★米国は非常に深刻なリセッションにある。インフレ率が今後に恐らく米金融当局が望ましいと考える水準を下回ると予想。リセッションの深刻さを踏まえ、当局がより多くの対策を取ろうと考えるのは妥当だ。
★インフレについては、向こう数年についての主要なリスクは、高過ぎることではなく低過ぎることだ。
★今回の金融危機は百年に1度の洪水であり、継続的な緊急態勢を我々に強いてきている。必要な時期が来れば、米金融当局が今までに景気に対して供給してきた記録的な量の刺激を引き揚げることをためらわない。どちらかといえば、早過ぎる政策引き締めに傾き、回復の芽を摘むことの方を懸念している。
★完全なメルトダウンを回避することには成功した。しかし、商業用不動産の価格下落などが金融市場に次の衝撃を引き起こす可能性はある。
★リセッションは年内に終了するだろう。しかし、通常の状態にすぐに戻るとの楽観的な見方は抱いていない。失業率は今後、数年間にわたって、痛みをもたらす高水準にとどまるだろう。
★住宅ローン金利の上昇が依然として非常に病んでいる住宅市場の足かせになりかねない。原油価格上昇も回復に悪影響を与える恐れがある。

18.自動車メーカー各社が1日発表した6月の米国販売統計によると、フォードの販売台数は前年同月比で11%減、クライスラー・グループは42%の減少となった。

19.AIG(AIG)
1対20の逆株式分割を実施したAIG株が急落。欧州の金融機関に販売したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の価値低下が、同社の業績に重大な悪影響を与える可能性があることを明らかにしたことが引き続き悪材料となっている。

20.マリオット・インターナショナル(MAR)
ホテル大手に悪材料。バークレイズが同社株の投資判断を“イコール・ウェイト”から“アンダー・ウェイト”に引き下げた。ホテル株の回復は、相場の回復に少なくとも6ヶ月遅れると言う。バークレイズは、更に同業スターウッド・ホテル(HOT)も同様に投資判断を引き下げた。

21.6月の雇用統計が発表になった。
★非農業部門雇用者数は前月比46万7000人減少した。予想は36万7000人減少だった。5月は32万2000人減と、速報値の34万5000人減から修正された。就業者数の減少は18か月連続で、第2次オイルショック後の長期停滞に陥った81〜82年を超える戦後最長となった。
★失業率は9.5%と、予想(9.6%)を下回った。しかし、1983年8月以来の高水準に上昇した。
★週平均労働時間は33時間(前月33.1時間)
★製造業での週平均労働時間は39.5時間(前月39.4時間)
★平均週給は611.49ドル(前月613.34ドル)
★平均時給は18.53ドル(前月18.53ドル)

  (部門別雇用動向)
★製造業部門では、13万6000人の雇用が減少。予想では15万人減が見込まれていた。製造部門のうち、自動車・同部品部門では2万6500人が減少した。ゼネラル・モーターズとクライスラーが破産を申請したことで関連する部品メーカーや自動車ディーラーが打撃を受け、さらに人員解雇が増えた。
★建設部門は7万9000人減、前月の4万8000人減から削減幅が拡大した。

銀行や保険会社、レストランや小売業者を含む広義のサービス業は24万4000人減少と、前月の10万7000人減から人員削減が加速。小売りは2万1000人減(前月1万7600人減)。金融機関での人員削減は2万7000人減と、前月の3万人減から削減幅が縮小した。

22.ボーイング(BA)
航空機メーカー大手のボーイングは2日、新型機「787ドリームライナー」15機の受注をこの1週間で失ったと発表した。

23.オラクル(ORCL)
ソフトウエアメーカー世界2位のオラクルは欧州で最大1000人を削減する計画。

24.エクセロン(EXC)
原子力発電所運営で米最大手のエクセロンは2日、同業の米NRGエナジーに対する買収提示額を12.4%引き上げた。

25.格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2日、アイルランド国債の格付けを「Aa1」とし、従来の最高格付け「Aaa」から1段階引き下げた。膨らみつつある同国債務を理由に挙げた。格付け見通しは一段の引き下げの可能性を示す「ネガティブ(弱含み)」。アイルランドは1998年に取得した最高格付けを失い、ベルギーと同水準となった。

26.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーの2009年4−6月(第2四半期)は赤字のもようだと、ニューヨーク・タイムスが1日、アナリストらの見方を基に報じた。金融危機を受け、トレーディングリスクを控えるとの昨年の決断が短期的に影響するという。一方で、こうした決断を取らなかった同業のゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースの収益はリスクテークを受けて回復しているという。モルガン・スタンレーが今月発表する第2四半期決算の赤字は4億ドルの見込みとし、一部では10億ドルとの指摘もあると伝えている。

27.ニューヨーク証券取引所(NYSE)の運営会社、NYSEユーロネクストは2日、NYSEの同日の取引終了時間を午後4時15分とし、取引時間を通常より15分間延長した。コンピューターの障害が理由。

=以上=
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2009年06月17日

3月9日以来の上昇相場はいったん終了

3月9日以来の上昇相場はいったん終了(ただし深押しはないだろう)
=物色対象は薬品、バイオ中心のディフェンシーブに移りそう=

6月16日

森  崇


3月9日以来の上昇相場は終了し、ダウ指数は8300ドル・レベルを下値にした往来相場に入りそうである。具体的にはテクニカルに以下の通り弱気サインが出ている。相場の物色対象は薬品、バイオを中心としたディフェンシーブ・セクターに移るだろう。

(テクニカルな弱気サイン)
下の矢印は上から以下の通りとなる。
★RSIが48.66と50を割り込んだ。
★遅行スパンが26日前の株価を下回り始めた。
★本日のダウ指数は基準線を下回って引けた。
★本日のダウ指数は25日移動平均線を下回って引けた。
★マックDは既にデッド・クロスを示現している。
★日足が2日間のつたい足になっている。

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昨日、上海市場で銅相場が値幅制限いっぱいまで下落したことを嫌気し、原油や金属相場が下落し、商品関連株に売りが出た。銅の最大消費国である中国で供給が需要を上回るとの思惑が銅売りの背景。ここでこれまで商品相場を支えていた投機的資金が流出を始めていると考えられる。以下は、銅大手のフリー・ポートマクモランの株価チャートである。ダウ指数同様弱気指標が複数出ている。

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そもそも5日(金)発表になった5月雇用統計により、今年年末から来年初にかけての利上げを織り込んで、10年金利が4%をザラ場でつけたことから、当面債券相場のネガティブ・キャンペーンが終了したと言っていい。

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物色対象は、代わってアムジェン(AMGN)やギリアド(GILD)、ファイザー(PFE)と言った、本日プラスで引けている銘柄群となりそう。以下はアムジェンのチャート、及びテクニカル指標である。ダウ指数とほぼ逆の強気サインが複数見える。実際アムジェンは本日サンフォード・バーンスティンが投資判断を引き上げている。


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=以上=
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2009年06月08日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 6/7

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

6月7日

森  崇


ブル材料
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
★ゼネラル・モーターズは1日午前、ニューヨーク市の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。GMの資産規模(08年末)は910億ドル(約8兆6500億円)で、米メディアによると負債総額は1728億ドル(約16兆4000億円)。米企業では過去4番目、製造業では過去最大の破綻となった。不採算事業を分離した新生GMは優良資産を引き継ぎ、米・カナダ両政府が計396億ドル(約3兆8000億円)の追加支援を実施する。代わりに米政府が60%、カナダ政府が12%の株式を取得し、GMを一時国有化。6−18カ月で再上場を目指す。
★ゼネラル・モーターズのフリッツ・ヘンダーソンCEOは1日、今後60−90日間以内にGMはまったく新しい会社として生まれ変わると宣言した。純粋かつ厳正な速度での再建がGMの成功にとって必要不可欠であると言明。品質の高い新車の投入計画を進めていると述べ、消費者に納得してもらう唯一の道は、良い自動車を提供していくという約束を果たすことだと述べた。
★オバマ大統領は1日、ゼネラル・モーターズが連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請したのは、同社の存続かつ成功にとって必要だったとの見解を述べた。GMと同社の株主による再建計画は実行可能かつ達成可能であり、この象徴的な米国企業に再生のチャンスを与えるものだ。今回は困難な決断だったが、公平な結果だと発言。
★ニューヨーク証券取引所は1日、連邦破産法を申請したゼネラル・モーターズ株式の上場廃止を決めたと発表した。2日の通常取引開始前にGM株の取引を打ち切る。本日GMの4本値は以下の通り。

 (寄り付き)0.99(高値)1.01(安値)0.27(引け値)0.75(±0)
 (出来高)3億4,007万2,671株

2.フォード(F)
米自動車メーカーのフォード・モーターは、第3四半期の北米生産計画を約10%上方修正し、トラックと乗用車の生産台数を46万台とした。

3.米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景況指数は42.8(前月40.1)と、予想(42.3)を上回った。50は下回ったものの、縮小幅は過去8カ月で最小となった。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…51.1(前月47.2)
★生産…46(前月40.4)
★雇用…34.3(前月34.4)
★輸出…48(前月44)
★仕入れ価格…43.5(前月32)
★入荷遅延…49.8(前月44.9)
★在庫…32.9(前月33.6)

4.4月の個人消費支出(PCE)は前月比0.1%減少(前月は0.3%減)と、予想(0.2%減)ほど落ち込まなかった。一方、4月の個人所得は前月比0.5%増加した。この結果、貯蓄率は5.7%(前月4.5%)に上昇。過去14年で最高水準に達した。

5.4月建設支出は0.8%(前月0.4%)と、予想(‐1.5%)を上回った。

6.中国物流購買連合会が1日発表した5月の製造業購買担当者指数(PMI、季節調整後)は53.1と、前月の53.5から低下したものの、3カ月連続で製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50を上回った。融資の伸びや固定資産投資の加速、さらに小売売上高の増加は、同国の温家宝首相による4兆元(約55兆円)規模の景気刺激策が効果を表していることを示している。

   (主要コンポーネント内訳)
★生産…56.9(前月57.4)
★新規受注…56.2(同56.6)
★輸出受注…50.1(同49.1)

7.ダウ・ジョーンズ(DJ)は1日、米国の代表的な株価指数であるダウ工業株30種平均から米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)と米銀シティグループを除外。替わりにネットワーク機器大手のシスコシステムズ(CSCO)と保険のトラベラーズ(TRV)を追加すると発表した。

GMは1日、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請。ニューヨーク証券取引所(NYSE)はGM株の取引を1日中に打ち切る。シティは政府から450億ドルの公的資金を受け取っている。前回、ダウ平均の構成銘柄から除外されたのは昨年9月のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)。シスコを追加した理由について、コンピューターが経済の中心的存在になっていると指摘。自動車は前世紀にそうだったと説明している。昨年まで資産額で世界最大の銀行だったシティは2002年にスピンオフ(事業の分離・独立)したトラベラーズに替わられる。シティはサンフォード・ワイル会長時代にトラベラーズを買収した。

8.4月に米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請したクライスラーは、フィアット主導のグループへ大半の資産を売却することについて、ニューヨークの米連邦破産裁判所の承認を得た。クライスラーはフィアットが率いる新会社と労組基金、米財務省、カナダ政府に売却される。クライスラーは69億ドル(約6560億円)相当の債権を持つ有担保債権者向けに、資産売却によって20億ドル余りを手にする見通し。6月15日まで資産売却が完了しない場合、フィアットは売却を撤回する権利がある。この資産売却は反トラスト法(独占禁止法)の承認手続きのため1カ月間延期できる。クライスラーは資産売却に関してこれ以外の入札は受けていない。

9.自動車部品メーカーのデルファイが連邦破産法11条に基づく会社再建を完了する計画がまとまった。

10.4月の中古住宅販売成約指数は前月比6.7%上昇(前月は3.2%上昇)と、予想(0.5%上昇)を大幅に上回った。過去7年で最大の伸びを記録。成約指数は全米3地域で上昇した。特に北東部は前月比で33%の大幅上昇を記録した。中西部は9.8%上昇。西部は1.8%の上昇だった。一方、南部は0.2%低下。

11.5月の米国内販売統計によると、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、クライスラーの米国勢はアナリスト予想ほど減少しなかった。GMの販売台数は前年同月比30%減、クライスラーは47%減少、フォードは24%減少した。

12.バンカメ(BAC)
バンカメは2日、米連邦準備制度理事会(FRB)が設定した基準に基づく緩衝資本339億ドルのうち、大半の約330億ドルをすでに調達し、調達額は目標を容易に上回る見通しだと表明した。同行は民間投資家が保有する永久優先株と普通株式約7億400万株を交換、これにより95億ドルが調達額に加算された。米当局はストレステスト(健全性審査)の結果、バンカメに審査対象の金融機関の中で最大の339億ドルの追加調達を求めた。

13.シティ・グループ(C)とバンカメ(BAC)
シティ・グループとバンカメがヘッジファンド関連サービス事業の拡大を目指しており、ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレーへの攻勢を強化しているとWSJ紙が報じた。

14.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、スポーツ型多目的車(SUV)ブランド「ハマー」の売却で、中国の重機メーカー、腾中重工との間で合意に達した。GMは2日、ハマー売却で合意が成立しており、第3四半期末までに手続きが完了するとの見通しを示した文書を発表したが、相手名や売却条件は明らかにしなかった。

15.サントラスト・バンクス(STI)
地銀大手株がモルガン・キーガンによって投資判断が引き上げられた。“マーケット・パフォーム”から“アウトパフォーム”に。

16.コンチネンタル・エアーラインズ(CAL)
J.P.モルガン・チェースが“中立”から“オーバー・ウェイト”に投資判断を引き上げた。最近の株価下落は行き過ぎであると言う。

17.米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3日、下院予算委員会で証言し、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米景気は底打ちし、今年後半に上向きに転じる。戦後最長となった景気後退期が年内に終わるだろう。
★金融市場が安定して今年に入り個人消費が改善、住宅市場も底入れの兆しがある。
★雇用情勢については、雇用減少と失業率上昇が今後数カ月間続く公算が大きい。
★財政赤字の拡大で連邦政府の累積債務残高が2011年に実質国内総生産(GDP)比70%に達し、第2次世界大戦後の1950年代以来の高水準に達するだろう。国は財政均衡の回復に向けた計画策定に着手する必要がある。

18.ゴールドマン・サックス、UBSなどウォール街の金融機関は、信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、顧客であるヘッジファンドも清算機関の利用を通じて保護される仕組みを12月15日までに整える方針を示した。金融各社は2日付でニューヨーク連銀に連名で書簡を送り、この計画を明らかにした。

19.2009年第1四半期の非農業部門労働生産性指数(確定値)は前期比年率1.6%上昇と、速報値の0.8%上昇から2倍に上方修正され、予想(1.2%上昇)を大幅に上回った。第1四半期の単位労働コスト指数は前期比年率3%上昇(速報値3.3%上昇)と、昨年第4四半期の5.1%上昇から伸びが縮小した。

20.ニューヨーク連銀のダドリー総 裁は4日、米連邦準備制度理事会(FRB)がターム物資産担保証券ローン制度(TALF)を利用できる投資家の範囲拡大を検討していることを明らかにした。TALFは資金提供を通じ、クレジットカード債権や学資ローン、自動車ローン、中小企業向けローンを担保とした証券市場の活性化を図っている。これら資産担保証券(ABS)の米国債に対する利回りの上乗せ幅(スプレッド)が縮小していると指摘。これにより潜在的な投資収益率が減少し、投資家の参加意欲が減退するため、投資家のすそ野を広げることが必要だ。年金基金や保険会社が新たな候補と考えられている。

21.ゼネラル・モーターズ(GMGMQ)
ゼネラル・モーターズのレイ・ヤングCFOは4日、破産法の下で大半の資産を新たに設立される新生GMに売却する計画は順調に進んでいるとして、会社更生手続きが60日前後で終了する公算だとの認識を示した。

22.欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は4日、現在の政策金利水準は適正との認識を示した。ECBはこの日、政策金利を1%で据え置いた。ユーロ圏の今年末にかけての経済成長率は、マイナス幅が大きく縮小するとの見通しを示した。

23.5月の雇用統計が発表になった。

   (内訳)
★非農業部門雇用者数…前月比34万5000人減少(予想は52万人減少)で、マイナス幅が過去8カ月間で最小。
★4月非農業部門雇用者数…50万4000人(速報値は53万9000人)
★5月の失業率…9.4%(前月8.9%)と、予想(9.2%)を上回った。1983年以来の高水準に達した。
★平均時給…前月比2セント(0.1%)上昇して18.54ドル。前年同月比では3.1%増と、2005年11月以来で最小の伸び。

   (部門別動向)
★建設部門は5万9000人減(前月10万8000人減)、金融機関は3万人減(前月4万5000人減)、広義のサービス業は12万人減少(前23万人減)、小売りは1万7500人減(前月3万6500人減)、政府部門の雇用者数は7000人減少(前月9万2000人増加)

24.ゴールドマン・サックス(GS)
英バークレイズは、ゴールドマン・サックスの利益見通しを大幅上方修正した。2四半期連続で並外れたトレーディング収入を計上したとし、4−6月(第2四半期)のゴールドマンの1株当たり利益予想を5.20ドルと従来の2.20ドルから大幅に引き上げた。同氏は今年と来年の通期利益予想についても、それぞれ15.88ドルと14.55ドルに上方修正した。従来予想は9.71ドルと11ドルだった。

25.ウォルマート(WMT)
小売り最大手、ウォルマート・ストアーズは5日、同社取締役会が150億ドル相当の自社株買いプログラムを承認したと発表した。これより先に実施されていた150億ドルの自社株買いプログラムは、今回発表されたプログラムに置き換えられる。前回のプログラムでは、約34億ドル相当の買い取りが残っていた。

26.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米政府の管理下にある保険会社、アメリカン・インターナショナル・グループは航空機リース部門の売却に向け、カナダの投資会社オネックスと米グリーンブライアー・エクイティ・グループを中心とした企業連合を優先交渉相手に選定。

27.ゼネラル・モーターズ(GM)
★米自動車販売会社ペンスキー・オートモーティブ・グループは5日、ゼネラル・モーターズから、ブランド「サターン」部門を取得することで合意した。買収手続きは第3四半期に完了する予定だ。金額や買収条件は明らかにされていないが、価格は1億―2億ドルだと言われている。事業再建を目指すGMは、8ブランドのうち4ブランドを手放す計画。
★GMのインド部門は、同国でエンジン工場建設を完成させるのに必要な追加資金2億ドルを調達できるめどが付いたと言う。

28.リオ・ティント
英豪資源大手リオ・ティントは5日、中国の非鉄最大手、中国アルミニウム によるリオへの195億ドルの出資計画が白紙になったと発表した。リオは代わりに、株主割当増資により152億ドルを調達するとしている。同社はまた、英豪資源大手BHPビリトンとオーストラリア国内での鉄鉱石事業を統合し、合弁会社を立ち上げることで合意したと発表。リオと中国アルミは2月、提携計画で合意。株主の反対などで合意内容の変更が話し合われたが、難航していた。オーストラリア国内では、中国アルミに代表される中国国有企業による資源会社への買収攻勢に警戒感が広がっている。

29.クアンタ・サービシズ(PWR)
送電線製造最大手の同社がS&P500指数に採用される。機械大手インガソル・ランド(IR)に替わる措置。

30.モンスター・ワールドワイド(MWW)
オンライン求人会社最大手株が買われた。5月雇用統計の非農業雇用増加数の落ち込みが予想を大幅に下回ったことが背景。この他、人材派遣会社ロバート・ハーフ・インターナショナル(RHI)株も急伸。

31.インターパブリック・グループ(IPG)
全米2位の広告会社である同社は、GMに最高でも5000万ドルのローン債権があったと公表。


ベア材料
1.米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、米大手銀行19行が公的資金返済の承認を受けるためには、新株発行によって資金調達が可能だと証明することが条件になると指摘。各社はまた「米連邦預金保険公社(FDIC)の暫定流動性保証プログラム(TLGP)に頼らずに、長期債市場で資金を調達できることも示す必要があると付け加えた。ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーの3社は先に、計450億ドルの公的資金返済を申請した。FRBは、返済承認の第1弾を6月8日の週に発表するとしている。

2.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーは2日、公募による普通株発行で22億ドルを資本増強すると発表。100億ドルの公的資金を6月中に返済するためだ。提携先の三菱UFJフィナンシャル・グループが出資比率20%超を維持するため4億4000万ドルを引き受けるほか、中国の政府系投資ファンド「中国投資」も引き受ける。

3.J.P.モルガン・チェース(JPM)
J.P.モルガン・チェースは1日、公募による普通株発行で50億ドルの資金調達を行うと発表。 昨年秋に注入された250億ドルの公的資金を返済する狙いだ。

4.アメックス(AXP)
クレジットカード会社アメリカン・エキスプレスは1日、公的資金の受け入れと引き換えに発行した優先株の買い戻しに向け、普通株5億ドル相当を発行する計画を明らかにした。需要が旺盛であれば、発行額は5億7500万ドルまで増やすと言う。調達した資金は、米政府の金融安定化資金の受け入れに伴って発行した優先株34億ドル相当の買い戻しの一部に回るもよう。

5.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、米財務省を中心とした買い手を対象に資産を競売する許可を裁判所から得た。7月に売却を完了し新会社として生まれ変わることを目指す。

6.ジュニパー・ネットワークス(JNPR)
ネットワーク機器メーカー大手株の投資判断が“買い”から“中立”に引き下げられた。UBSが引き下げた。株価のバリュエーションが適正なレベルに至ったと言う。

7.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが3日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、5月の米民間部門の雇用者数は前月比53万2000人減少し、予想(52万5000人減)より悪化した。また4月分も54万5000人減(速報値49万1000人減)に修正された。

   (業種別雇用動向)
製造業と建設業を含む財生産部門が26万7000人減少。製造業では14万9000人減少した。サービス部門は26万5000人減少した。

8.米供給管理協会(ISM)が3日発表した5月の非製造業総合景況指数は44.0(前月43.7)と、予想(45.0)を下回った。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…44.4(前月47.0)
★受注残…40.0と前月(同44.0)
★雇用…39.0(同37.0)
★仕入れ価格…46.9(同40.0)
★新規輸出受注…47.0(同48.5)

9.4月の製造業受注額は前月比0.7%増(3月は1.9%減)と、予想(0.9%増)より大きな落ち込みとなった。4月の輸送機器を除く受注は0.1%増加した。製造業の半分強を占める耐久財受注額は1.7%増加、前月は2.2%減だった。民間航空機の受注額は6.9%減少(前月は7.5%増)。自動車および同部品は2.2%増。前月は0.4%減だった。

10.J.P.モルガン・チェース(JPM)
同行は、同行の資金をヘッジファンドやレバレッジド・バイアウト(LBO)に振り向ける部門を閉鎖し、不動産投資部門は他事業と統合する。

11.債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の創業者ビル・グロス氏が以下の通り発言。

   (発言要旨)
★中央銀行や政府系投資ファンド(SWF)もいずれは米国の増大する赤字を懸念し、ドル資産から投資先を分散するだろう。その前にドル資産保有投資家は投資先を分散すべきだ。

12.グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2日、オバマ政権が推進する金融規制改革は米国の国際的競争力を弱めるものであってはならないとの見解を示した。世界市場で勝ち抜くには、米国市場そのものに強い競争力がなければならない。厳しい規制を課し、創造的破壊を阻止するのは、そうした競争力を弱めてしまうと述べた。

13.5月29日まで1週間の住宅ローン申請指数は658.7と、前週の786.0から16%低下した。住宅ローン金利がここ7カ月で最大の上げとなったことを受け、借り換えが落ち込んだ。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.25%と、前週の4.81%から上昇し、1月以来の高水準を記録。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…2953.6(前週3890.4)と、2月以来の低水準に落ち込んだ。
★購入指数…267.7(前週256.6)と、2カ月ぶり高水準となった。

14.カンザスシティー連邦準備銀行のホーニグ総裁は3日、ワイオミング州で講演し、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★インフレの衝撃を回避するため、現在の金融緩和の水準を後退させる必要がある。金融政策の重点を景気対策からインフレ対処に移すべきだ。
★米経済が、例え緩やかなペースでも回復する中で、資源に対する需要は拡大し始める。需要の拡大により物価の上昇圧力が強まる。
★市場は人為的な低金利に長い間、だまされることはないだろう。市場参加者は高水準の財政赤字と緩和的な金融政策が続く時期が、高まったインフレ圧力を招く招待状であることを認識している。
★我々がインフレ対応を強いられる前に、市場のメッセージを警戒し、金融政策に適切な均衡をもたらすことを真剣に開始する必要がある。

15.米調査会社レッドブック・リサーチは4日、5月の米主要小売りチェーン売上高が前年同月比4.6%減少(前月0.5%増)したと発表。
 
   (業種別動向)
★ディスカウント店…5.9%減(前月4.8%増)
★衣料店…2.2%減(同1.0%減)
★会員制量販店…7.0%減(同4.7%減)
★百貨店…9.3%減(同9.8%減)
★ドラッグストア…0.9%増(同4.6%増)

16.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は3日、下院予算委員会で証言し、大規模な財政赤字は金融の安定化にとって脅威であり、支出の抑制か増税が必要だ。FRBは財政赤字を貨幣化しないと語った。

米議会予算局(CBO)によると、今年度の財政赤字は1兆8400億ドルとなり、国内総生産(GDP)比で約13%に相当する見通し。オバマ政権は財政赤字が来年度に1兆2500億ドル(GDP比8.5%)に減少すると予想しており、2011年度には9300億ドル(同比6%)まで縮小すると見込んでいる。

政府支出の拡大や過去最大規模の財政赤字、FRBによる大規模な買い切りオペなどで投資家の間ではインフレ懸念が高まっているが、バーナンキ議長は、資源利用が低迷していることから、インフレの数値は低水準で推移するだろうと語った。

17.クリーブランド連銀のピアナルト総裁は4日、景気回復は下半期に始まる可能性が高いとしながらも、そのペースは緩やかなものにとどまるとの見通しを示した。

   (その他発言内容)
★リセッション(景気後退)が終われば、景気はフルスピードの回復ペースに戻ると考えられがちだが、米経済には長期にわたる不均衡があり、そうなる可能性は小さい。財政赤字も景気回復を遅らせる要因だ。
★景気刺激策は異常な状況に対する重要な対応だったが、財政支出をこのような高水準で半永久的に継続することは不可能であり、望ましくもない。
★景気が回復するにつれ、FRBは緊急融資プログラムから撤退し、バランスシートを縮小する。

18.米連邦預金保険公社(FDIC)は、アトランタ本拠のシルバートン・バンクをプライベート・エクイティ投資会社に売却せず、清算する道を選択した。
米投資会社カーライル・グループと投資家グループで構成する企業連合がシルバートン買収で合意に近づいているとメディアは報じていた。通貨監督庁(OCC)は5月1日にシルバートンを閉鎖し、FDICを管財人に指名した。シルバートンは44州にある約1400行にサービスを提供。個人顧客の預金はない。

19.米半導体工業会(SIA)は5日、今年の世界半導体売上高が前年比21%減の1956億ドルになるとの見通しを発表した。売り上げは2010年に回復し始める見通しで、10年と11年の増加率をそれぞれ6.5%と予想した。

20.テラダイン(TER)
半導体製造装置大手株が急落。シティ・グループが“買い”から“保有”に投資判断を引き下げた。この他、ラムリサーチ(LRCX)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)、ATMIインク(ATMI)も同様に投資判断を引き下げた。

21.デュポン(DD)
全米3位の化学会社である同社株の投資判断が“中立”から“アンダー・パフォーム”に引き下げられた。バンカメが引き下げたが、利益の伸びが来年度も横ばいが見込まれ、株価は割高であると言う。



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2009年06月01日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 5/31

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

5月31日

森  崇


ブル材料
1.5月の米消費者信頼感指数は54.9(前月は40.8)と、予想(42.6)を大幅に上回り、昨年9月以降で最高となった。項目別にみると、現況指数は28.9と前月の25.5から上昇。今後6カ月の期待指数は72.3となり、2007年12月以来で最高だった。今後6カ月間で雇用が増加するとの回答の割合は20%に増え、過去5年余りで最大。今後6カ月間で所得が増加するとの回答も10.2%(前月8.3%)に増えた。

2.J.P.モルガン・チェース(JPM)
J.P.モルガン・チェースは、290億ドルもの収入を得るもよう。S&L(貯蓄・貸付組合)ワシントン・ミューチュアルから昨年取得した不良資産を収入に変える会計処理方法が背景。J.P.モルガンは昨年9月、ワシントン・ミューチュアルを19億ドルで買収したが、時価会計を用いて取得したローン資産1182億ドルの価値を25%引き下げた。現在は、借り手による返済が進んで同ローンの期限内に税引き前ベースで291億ドルを得られる可能性があるとJ.P.モルガンは試算している。米国財務会計基準SOP第03-3号は、譲渡によって取得したローンあるいは債務証券への初期投資に対する見積回収額のキャッシュ・フローとこれらのローンあるいは債務証券の元契約上のキャッシュ・フローとの間の差異に係わる会計処理を説明している。規制当局への届け出によると、ウェルズ・ファーゴ(WFC)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC)も、それぞれ買収したワコビア、カントリーワイド・ファイナンシャル、ナショナル・シティから恩恵を得るもよう。

3.ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、全米抵当貸付銀行協会(MBA)、不動産・住宅業界各団体のエコノミストらの見通しをまとめると、悪化している住宅市況は、来月底入れする可能性があると言う。ただし、回復までにはまだ1年はかかると言う。

4.ゼネラル・モーターズ(GM)
★ゼネラル・モーターズ(GM)は、新生GMの株式のうち17.5%を全米自動車労組(UAW)医療基金に分配すると言う。UAW医療基金はまた、65億ドル相当の優先株式(配当年率9%)と2017年まで分割返済される25億ドル相当の社債を受け取る。
★ガイトナー米財務長官は、ゼネラル・モーターズについての米政府の計画は、存続可能な企業を残し、破たんの場合には雇用への影響を抑えることが目的だと発言。政府には企業の株式を保有したり経営に参加したりする意図はなく、目的は納税者の利益を守ることだと説明した。
★イタリアの自動車メーカー、フィアットのセルジオ・マルキオーネCEOは26日、ゼネラル・モーターズの欧州部門オペル買収提案をめぐり、ドイツ政府と建設的な対話を持ったことを明らかにした。
★GMは、時間給労働者を対象に最大14万ドルの早期退職勧奨案の提示を計画していると言う。
★全米自動車労組(UAW)は、米政府が米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の清算を回避するため、巨額の追加金融支援を行うだろうと言う。また、GMはリストラ計画の一環として自動車部品メーカー、デルファイの工場5カ所を所有する見通しだ。CNBCが報じた。
★米財務省が26日公表した公的資金の取引報告によると、同省は21日に発表したGMの関連金融会社GMACに対する追加支援措置に基づき、GMACの優先株75億ドルを21日に購入した。

5.オバマ米大統領は22日、クレジッ トカードの手数料を抑え、契約変更を制限する法案に署名した。成立した規制法の下、クレジットカード会社による事後的な金利引き上げは原則禁止となり、利用者による別のカード会社への支払いが遅れたことを理由に同利用者の既存の借入残高に対する金利を引き上げることも禁じられる。

6.オバマ米大統領は26日、ニューヨーク連邦高等裁判所のソトメイヤー判事を最高裁判事に指名すると言う。ソトメイヤー氏が任命されれば、ヒスパニック(中南米系)で初の最高裁判事となる。

7.バンカメ(BAC)
フリードマン・ビリングス・ラムジー・グループは26日、バンク・オブ・アメリカの株式投資判断を「マーケットパフォーム」に引き上げた。BOAの資本増強計画の前半が成功したことを理由に挙げた。ただし、貸し倒れの急拡大を考えると、引き続きバンカメの長期的展望には慎重だとしている。

8.アップル(AAPL)
モルガン・スタンレーは26日、アップルの株式投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。アップルの携帯電話「iPhone」効果で同社の利益は今後2年間、予想を上回るとの見方が背景。

   (要旨)
★市場はアイフォーン需要を過小評価している。アップルはアイフォーンの現行モデルを値下げするだろうが、現行モデルの価格を50ドル引き下げた場合、需要は50%増加し、100ドルの値下げでは需要は100%増加するだろう。
★今年のアイフォーン販売台数見通しを42%上方修正し2480万台、2010年は同61%引き上げて3620万台とする。
★2010年のアップルの業績予想(一般会計基準)を1株当たり利益7.50ドルとこれまでの5.52ドルから上方修正した。また一部項目を除く1株当たり利益予想も5.67ドルから9ドルに引き上げた。

9.AIG(AIG)
保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループがアジア生保部門のアメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)の新規株式公開(IPO)で、米金融大手のモルガン・スタンレーを幹事に起用する公算だとWSJ紙が報じた。AIGはAIAをアジア市場に上場する計画で、少なくとも2社の投資銀行を起用する見込み。

10.4月の中古住宅販売件数は前月比2.9%増の年率換算で468万戸(前月は455万戸)と、予想(466万戸)を上回った。中古住宅価格(中間値)は前年同月比15%下落し、過去2番目の大きな下げを記録。差し押さえ物件の販売が全体の45%を占めた。中古住宅販売は前年同月比では3.5%減少した。住宅在庫は前月比8.8%増の397万戸。販売に対する在庫比率は10.2カ月分と、前月の9.6カ月分から上昇した。

一戸建て住宅の中古販売は前月比2.5%増加し、年率418万戸。集合住宅は同6.4%増の50万戸だった。全米4地域のうち、特に北東部が12%増と目立った。西部は3.5%増、南部も増加した。一方、中西部は減少した。販売は低価格物件が中心で、高価格物件の売買はほとんどない状態だと言う。

11.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカは27日、米政府のストレステスト(健全性審査)の結果を受けた増資計画のうち、約260億ドルを既に達成したことを明らかにした。民間投資家が保有する優先株を普通株に転換する59億ドル規模の合意も含まれ、転換によって普通株が4億3600万株増える可能性があると言う。また、同様の転換を通じてさらに5億6400万株を発行するかもしれない。資本増強計画にはこのほか、合弁事業の設立や傘下のファースト・リパブリック・バンクとコロンビア・マネジメント・グループの売却が含まれている。

12.全米企業エコノミスト協会(NABE)の最新調査は、米景気回復が予想よりも弱いことを失業者の増加が示唆するものの、リセッションは今年7−9月(第3四半期)に終息する公算が大きいとの見通しを示した。

   (調査内容要旨)
★回答者の74%が米景気は第3四半期から拡大に向かうと予想。ただ、2月調査時と比べて回復のスピードは遅く、失業者は7−12月(下期)から2010年を通して高水準で推移するだろう。
★4−6月(第2四半期)の米経済成長率は前期比年率マイナス1.8%となるものの、第3四半期はプラス0.7%、10−12月(第4四半期)には同1.8%へ成長が加速する見込み。
★米政府の景気刺激策や連邦準備制度理事会(FRB)の信用市場緩和への取り組みを受けて、米経済は回復するだろう。
★住宅市場が安定化する一方、失業者の増加が年内続いて労働市場が悪化するため、個人消費は抑制されそうだ。

13.スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の欧州・中東・アフリカのソブリン格付け責任者、モリッツ・クレーマー氏は27日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★英国の最上級格付けに対する見通しの引き下げ決定は、米国に対しても同様の措置が取られることを暗に示唆するものではない。
★米国は世界で最も重要な準備通貨を自由にできる巨大な特権を有しているため、ほぼ際限のない借り入れが可能だ。米国債は最上級の格付けを有し、非常に安全だ。

14.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、米国に付与している最上級の「Aaa」格付けについて、債務増加にもかかわらず見通しは安定的だとした。

15.ステープルズ(SPLS)
オフィス用品小売り最大手のステープルズが27日寄り前決算発表。2−4月(第1四半期)の売上高は前年同期比19%増の58億2000万ドル、1株当たり利益(コーポレート・エクスプレスの買収費用を除くベース)は22セントとなった。予想は、売上高が58億4600万ドル、同EPSが22セントだった。33%の減益となったが、昨年8月に完了したオランダの同業コーポレート・エクスプレスの買収効果で売り上げが伸びた。米国とカナダの既存店売上高は8%減少した。

16.商品運搬コストの指標となるバルチック・ドライ指数が27日上昇し、昨年10月以来で初めて3000ポイントを突破した。中国の鉄鉱石需要の拡大が押し上げ要因となった。

17.4月の米製造業耐久財受注額は前月比1.9%増(3月は2.1%減)と、予想(0.5%増)を上回り、2007年12月以来で最大の伸びとなった。変動の大きい輸送用機器を除く受注は4月に0.8%増加し、予想(0.3%減)を上回った。自動車受注の底入れと、国防受注の急増が寄与した。

   (内訳)
国防受注は23%急増。輸送用機器は5.4%増加。自動車・同部品は2.7%増と7カ月ぶりにプラスに転換した。一方、民間航空機は6.8%減少した。

18.23日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は62万3000件(前週は63万6000件)と、予想(62万8000件)を下回った。4週移動平均は62万6750件と、前週の62万9750件から減少した。16日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は678万8000人に増加し、17週間連続で過去最高水準を更新した。

19.ゼネラル・エレクトリックのジェフリー・イメルトCEOは28日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★世界の資本市場は劇的に改善し、経済は最悪期を脱した。自身が過去9カ月と比べて自信を深めており、経済には回復の兆しであるグリーンシュート(新芽)が見られる。
★石油と鉄鉱石の価格は上昇が見込まれる。中東や北アフリカ、インド、中国といった資源国については、われわれは強気だ。インド情勢に関しては、最近の下院選挙結果は同国でこの20年間に起きた出来事のなかで最善のものだ。インドに関しては長期的に非常に楽観している。

20.マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフトは28日、同社の家庭用ゲーム機「Xbox360」の世界での販売台数が3000万台を突破したと発表した。

21.タイムワーナー(TWX)
メディア・娯楽大手のタイム・ワーナーは28日、傘下のネット部門「アメリカ・オンライン(AOL)」を分離することを取締役会で正式決定した。AOLは株式公開した独立企業となる。タイム・ワーナーは、分離作業を年内にも終えることを目指す。同社はAOL株の95%を保有している。また、グーグル保有分の5%を2009年の第3四半期にいったん買い取ると言う。

22.格付け会社のフィッチ・レーティングスは28日、米政府による大量の国債発行を指摘しながらも、米国の信用格付けを見直すのは時期尚早との見解を示した。金融および経済危機に対するこれまでの米政府の対応は適切だったとし、同社は米経済が再び成長軌道に復帰すれば、金融当局は債務残高の削減に取り組むとみていると述べた。

23.第1四半期(1−3月)の実質国内総生産改定値は前期比年率5.7%減少。速報値の6.1%減少から上方修正された。ただし、予想は5.5%減だった。
貿易赤字が速報値と比べて縮小し、在庫投資の減少幅が小さくなったことが上方修正につながった。

   (内訳)
★在庫投資は年率換算で914億ドル減少と、速報値の1037億ドル減少から上方修正された。
★輸入は年率34%減と、輸出の30%減を上回る落ち込みを記録し、純輸出の赤字縮小に寄与。
★機器やソフトウエア、構築物を含む設備投資は過去最大の37%減少。住宅建設も1980年以来で最大となる39%減。
★政府支出は3.5%減と、95年以降で最大の落ち込み。国防費縮小に加え、州政府や地方自治体の歳出が81年以来の大幅な減少となったことを反映した。

24.デル(DELL)
デルが発表した2−4月(第1四半期)決算は、経費節減が奏功し、一部項目を除く1株当たり利益が24セントと、アナリスト予想(23セント)を上回った。

25.FMCテクノロジーズ (FTI)
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、海底油田・ガス田用装置メーカーのFMCテクノロジーズを、プラスチック製品メーカーのコビディエン(COV)に代えてS&P500指数の構成銘柄に採用すると発表した。6月4日の取引終了をもって実施する。

26.Jクルー・グループ(JCG)
衣料小売りのJクルー・グループが発表した2−4月(第1四半期)決算は、1株当たり利益が34セントと、アナリスト予想平均値の3倍以上だった。

27.レックスマーク・インターナショナル(LXK)
バークレイズ・キャピタルは、米プリンターメーカー2位のレックスマーク・インターナショナルの株式投資判断を「アンダーウエート」から「イコールウエート」に引き上げた。


ベア材料
1.米連邦準備制度理事会(FRB)が4月の公定歩合議事録を26日に公表。

   (要旨)
★経済活動の潜在成長への回復を促進するため、かなりの期間にわたり金融政策による刺激を続ける必要性に全体として合意した。
★各連銀は経済見通しをめぐる懸念を引き続き表明した。米経済は依然として収縮しているようだ。また一部の連銀は労働市場の弱さが及ぼす影響を特に懸念している。
★ただし家計支出などの部門が安定化している可能性がある。また、物価動向については大半の連銀がインフレ率は現時点では低い水準で落ち着いていると分析した。

2.全米20都市を対象にした3月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で18.7%低下と、予想(18.3%低下)を上回る低下だった。住宅価格指数は前月比では2月と同様に2.2%低下した。前年同月比では全20都市で低下。特にフェニックス、ラスベガス、サンフランシスコの下げが目立った。

3.26日のロンドン銀行間市場で、3カ月物ドル建て金利が39営業日ぶりに上昇した。一部金融機関の財務についての懸念が再燃した。3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は0.664%と、22日の0.660%から上昇した。これまでは3月26日から全営業日で低下していた。ドイツの銀行は政府の「バッドバンク」構想に参加しなければ不良債権が爆発的に増えるとの独当局者の指摘を報じた。

4.英金融サービス機構(FSA)は、米金融大手モルガン・スタンレーのシニアトレーダーだったニレシュ・シュロフ氏に業務を禁止したほか、罰金を科した。顧客の注文に先立って自社勘定で株を売買する「フロントランニング」という不正行為が理由。FSAが26日発表した。

5.金融業界幹部や投資家、学者らで構成する資本市場規制に関する委員会は26日、米国の金融規制システムは全面的な再編が必要との見解を公表した。米連邦準備制度理事会(FRB)の権限を拡大するとともに、投資家保護により重点を置いた規制の仕組みを勧告した。57項目から成る勧告には、規制機関の数の削減、FRBの権限拡大、米国版金融サービス機構(FSA)の創設などが含まれる。

6.米連邦預金保険公社(FDIC)は27日、第1四半期(1−3月)に問題ありと判断された銀行は前四半期比21%増の305行(資産総額2200億ドル)と、過去15年間での最多を記録したと発表。昨年第4四半期の問題銀行は252行(資産総額1590億ドル)だった。FDICの保険基金は第1四半期中に25%減少した。

7.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMによる破産法の適用申請がほぼ確実な情勢になった。GMは米政府から追加資金支援などを取り付けるために6月1日までに440億ドルの負債圧縮を目指していた。その為に、債権者が保有する270億ドルの債券を、再編によって誕生する新会社の株式の10%と交換することを提案していた。しかし、27日、この提案について債権者からの申し込みが目標を大幅に下回ったと発表。申し込みは期限を迎え、この結果、株式への交換は実施されないことになった。具体的な応募の水準は不明。

8. 22日まで1週間の住宅ローン申請指数は786.0と、前週の915.9から14%低下した。金利上昇に伴い借り換えが落ち込んだ。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.81%と、前週の4.69%から上昇。

   (その他主要指数の動向)
★借り換え指数…3890.4(前週4794.4)
★購入指数…256.6(前週254.0)

9.米抵当銀行協会(MBA)は28日、2009年1−3月期の住宅ローン延滞率が9.12%と、過去最悪だった前期の7.88%からさらに悪化したと発表。前年同期は6.35%だった。住宅差し押さえ手続き中のローンの比率も3.85%と、過去最悪だった前期の3.30%からさらに増加した。前年同期は2.47%だった。

10.コストコ・ホールセール(COST)
米会員制量販大手コストコ・ホールセールが28日寄り前決算発表。2009年2−4月期決算は、売上高が前年同期比5%減の154億7740万ドル、訴訟関連費用などの特殊要因を除いた1株当たり利益は0.52ドルとなった。予想は、売上高が168億6650万ドル、同EPSが56セントだった。ガソリン価格下落などの影響で米国内の既存店売上高が5%減となったほか、為替差損の影響で国外の売上高も12%減少した。訴訟関連費用や雇用関連費用がかさんだことも、収益を圧迫した。

11.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは28日、米政府が同社の破産法申請を前提に、債務削減交渉で新提案をした。倒産の悪影響を極力抑え、再建を早めるため、破産法申請前にあらかじめ債権者や労組などと債務削減などで合意しておく「事前調整型破綻(はたん)」の本格的な準備が始まった。

12.5月のシカゴ地区の製造業景況指数は34.9(前月40.1)と、予想(42)を下回った。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…37.3(前月(42.1)
★雇用指数…25(前月31.8)
★生産指数…38.1(前月と変わらず)
★仕入れ価格指数…29.8(前月28.4)
★入荷遅延指数…43(前月45.4)

13.ティファニー(TIF)
宝飾品小売り2位のティファニーが29日寄り前決算発表。2009年2−4月(第1四半期)の売上高は前年同期比22%減の5億2310万ドル、一株当たり利益は20セントとなった。予想は、売上高が5億3730万ドル、EPSが20セントだった。決算は、前年同期比62%の減益となった。世界的なリセッションで売り上げが落ち込んだ。米国の既存店売上高は前年同期比で34%減少した。富裕層が高級品を買い控え宝石販売が低迷した。同社は、消費者の支出減少ペースは緩やかになりつつあるとの認識を示した。

14.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは、6月1日に米連邦破産法11条に基づく保護適用を申請し、事業資産の大半を新たに設立される会社へ売却する方針だ。新会社は政府主導で設立される。破産法申請後のGMは、「キャデラック」や「シボレー」といったブランドを中心に事業を再構築する計画。昨年末時点でのGMの資産総額(910億ドル)と負債総額(1764億ドル)に基づくと、同社の破たんは金融リーマン・ブラザーズ・ホールディングスと通信ワールドコムに次いで、米史上3番目の規模となる。クライスラーの登録資産は390億ドルだった。新会社の株式の72.5%を米財務省が保有する仕組みになっていると言う。

残る株式のうち17.5%は全米自動車労組(UAW)の医療基金に付与し、残りの10%は「旧GM」の債権者に割り当てる。尚、GMが6月1日に破産を申し立てた場合、新生GMは60日以内に設立される可能性がある。尚29日、ゼネラル・モーターズ(GM)で就労する全米自動車労組(UAW)組合員は、労使協約の修正合意を74%の賛成票で承認した。

29日のニューヨーク株式市場で、ゼネラル・モーターズの株価が急落し、前日比33.03%安の0.75ドルと1ドルを割り込んだ。1933年以来76年ぶりの安値。6月1日にも米連邦破産法の適用を申請すると報じられ、急速に値を下げた。

15.欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が29日発表した5月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比で変わらずとなった。前年同月比0.2%上昇と予想されていた。4月のインフレ率は0.6%だった。 燃料価格の落ち込みに加え、一段の景気悪化で企業が値下げしたことを反映し、インフレ率は統計が開始された1996年以来で初めて0%に落ち込んだ。

16.レベル3コミュニケーションズ(LVLT)
UBSは、電話ネットワーク事業者のレベル3コミュニケーションズの株式投資判断を「ニュートラル(中立)」から「売り」に引き下げた。


=以上=
posted by mori at 09:28| マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月25日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 5/24

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

5月24日

森  崇


ブル材料
1.ゴールドマン・サックス(GS)
シティグループは18日、ゴールドマン・サックス・グループの株価目標を10%引き上げ160ドルとした。また、ゴールドマンの4−6月(第2四半期)1株当たり利益予想も3.35ドルと、従来の2.18ドルから引き上げた。2009年通期は12ドル(従来予想10ドル)に上方修正。10、11年もそれぞれ14ドルと17ドル(従来予想13.50ドルと16.40ドル)に引き上げた。債券と為替トレーディングでの平均以上のスプレッド、時価評価による損失の減少見通し、債券と株式の引き受けの増加が背景。また、ゴールドマンは公的資金返済の条件を満たすことができる見込だと指摘。

2.バンカメ(BAC)
★シティグループは同行が普通株発行により最大40億ドルを調達したもようだとコメント。8日以降に2億5000万−3億株を発行し30億−40億ドルを調達したとの見方を示した。

★ゴールドマン・サックス・グループは、バンカメ株の投資判断を「バイ(買い)」とし、従来の「ニュートラル(中立)」から引き上げた。4−6月(第2四半期)1株当たり利益は25セントに達する可能性があるとしている。

★格付け会社フィッチ・レーティングスは18日、バンカメの優先株の一部を格下げ。339億ドルの増資はどんな環境の下でも大仕事だと指摘。資本強化の成否は株式発行と適切な価格での資産売却、政府審査での想定以上の利益を上げられるかどうかにかかっているとした。

先週の中国建設銀行株135億株売却によって40億ドルの税引き前利益を計上するとの試算もある。バンカメはまた、運用事業のコロンビア・ファンズやプライベートバンクのファースト・リパブリック・バンクの売却も検討している。

3.ステート・ストリート(STT)
世界3位のカストディー銀行、 ステート・ストリートは18日、普通株の発行と米連邦預金保険公社(FDIC)の保証を付けない社債を発行する計画を明らかにした。株式の発行規模は15億ドル、社債は5億ドル以上が計画されている。20億ドルの公的資金返済に充当する計画。

4.銀行業界
★BMOキャピタル・マーケッツが強気コメント。次四半期から銀行業界の利益好転が始まると言う。

★ロッチデール証券のアナリスト、リチャード・ボーブ氏が強気コメント。景気回復につれ、銀行の利益が爆発的に伸び、株が異例な上昇を遂げる可能性があるとコメント。

5.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーが問題資産購入計画(TARP)に基づき注入を受けた資金の返済に向け、返済条件を満たしていることを当局に確認中であるとCNBCが報じた。

6.J.P.モルガン・チェース(JPM)
J.P.モルガン・チェースは、クレジットカード債権を裏付けとする証券10億ドルを発行した。融資拡大を目指して連邦準備制度理事会(FRB)が導入した制度「ターム物資産担保証券融資ファシリティー(TALF)」は利用せず、同証券に対する需要が高まってきた様子をうかがわせた。発行額は当初7億ドルの予定だった。TALFの支援を受けずにクレジットカードローン担保証券が公募発行されたのは、今年初めて。FRBのTALF拡大を背景に消費者ローンを裏付けとする証券購入に投資家が積極的になってきたことを示唆している。

7.世界銀行のゼーリック総裁は18日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★世界経済は2009年の年末までに成長軌道に復帰する可能性がある。
★世界的な金融危機により、外国資本による中欧、東欧への直接投資が滞った。ポーランドは混乱に耐えられるだけの良好な状態にあるが、楽観は許されない。

8.欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁は18日、欧州の大手銀行20−25行に対するストレステスト(健全性審査)の実施を支持すると表明した。検査の結果について、全体の合計あるいは平均で評価するやり方が望ましい。金融業界では監視を免れる部門があってはならないと発言。

9.ローズ(LOW)
米住宅関連用品小売り2位のローズが18日寄り前決算発表。2009年2−4月(第1四半期)の売上高は前年同期比1.5%減の118億ドル、1株当たり利益は32セントとなった。予想は、売上高が116億ドル、EPSが26セントだった。花や低木などの園芸用プラントの売り上げが好調だった。売上高の35%は屋外向けの日曜大工関連品が占めたと言う。

10.全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが18日発表した5月の米住宅市場指数は16(前月14)と、予想に一致した。6カ月先の一戸建て住宅販売見通し指数は27と、前月の24から上昇した。5月は全米4地域のうち、3地域で指数が上昇、特に西部は4ポイント上昇して12となった。北東部は18と、前月から3ポイント上昇した。

11.ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ(HIG)
米保険のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループは18日、米国の損保部門と赤字となっている生保事業を手放さない方針を明らかにした。

12.ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、日本国債(円建て)の格付けを、21段階で上から4番目の「Aa3」から、3番目の「Aa2」に引き上げた。 市場が国債を吸収できる力を持っていることや、投資家が安全志向を強め借り換えリスクが低下していることなどを挙げている。 景気対策のための国債増発で財政悪化が懸念されることについては、財政赤字の悪化は一時的なものとしている。 一方、同社は、外貨建て日本国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa2」に同日引き下げ、円建ての格付けと統一した。

13.欧州中央銀行(ECB)のパパデモス副総裁は18日以下の通りコメント。

   (発言要旨)
★最近の前向きな指標は、ユーロ圏経済の好転が予想よりいくらか早く始まることを示唆している可能性がある。2010年から緩やかに回復が始まるというのが、依然として予想の主流だが、最近のデータを見ると、回復がそれより少し早い09年末に起こる可能性もある。

14.債券ファンド最大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の住宅ローン担保証券(MBS)投資責任者、スコット・サイモン氏は18日、米国の住宅ローンを担保とする証券(MBS)はここ2カ月間で値上がりし、タイプによっては昨年10月以来の高水準まで上昇したが、依然として買う価値があるとの見解を示した。米財務省が3月23日、不良資産買い取りのための官民投資プログラムを発表したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が新しい融資制度、ターム物資産担保証券(ABS)ローン制度(TALF)を導入したことがきっかけとなり、MBSは上昇を続けていた。

15.18日のインド市場では、インド株の指標となるセンセックス30種指数が前週末比17%高と急騰した。同国の下院総選挙でシン首相率いる与党連合が大勝し、経済改革が進むとの見方から買われた。通貨ルピーは過去20年で最大の上昇を演じ、国債相場も大幅高。

16.ガイトナー米財務長官は18日、政府が企業幹部の報酬に上限を設けるべきではないとの見解を述べた。今必要なのは、報酬制度に基づく奨励金に対して広範な規制を設けることだと考えているとした。

17.ゼネラル・モーターズとクライスラーは、ディーラーを減らしても販売台数を伸ばせると見込んでいる。GMとクライスラーは先週、計2000近くのディーラーを削減する計画を発表。これは、同じブランドを扱うディーラー間の競争を減らせば、残った販売店は価格を引き上げて利益を増やし、新たな顧客獲得に向けて再投資することができるとのトヨタの手法。

18.ゴールドマン・サックスとJ.P.モルガン、モルガン・スタンレーの3社は総額450億ドルの公的資金の返済を申請。3社が金融安定化策に基づく公的資金を返済するためには、米連邦準備制度理事会(FRB)の承認が必要。

19.ネットワーク管理ソフトのソーラーウィンズとレストラン予約サイト運営のオープンテーブルが今週、新規株式公開(IPO)を行う。ソーラーウィンズは1210万株を売却し、最大1億3930万ドル(約132億円)を調達する計画。オープンテーブルは300万株を売却し最大4200万ドルの調達を目指す。今四半期はこのほか、米テクノロジー企業3社がIPOを計画。昨年10−12月(第4四半期)と今年1−3月(第1四半期)は実施件数がゼロと、米テクノロジー企業のIPOは少なくとも過去38年で最低状態だった。

20.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーは19日、株価指数算出会社MSCI株の持ち株すべてを公募で売却したことを明らかにした。売却代金は約5億9600万ドル。同社はMSCI株2770万株を1株当たり21.50ドルで売却した。売却により自由に中核事業に投入できる資本が増えると説明。モルガン・スタンレーは今月初めに自社株発行でも45億7000万ドルを調達し、資本強化とともに100億ドルの公的資金返済の原資確保に努めている。

21.米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は19日、金融安定化策に基づいて金融機関に注入した公的資金の返済申請について来月8日頃に回答を示す計画だと語った。

22.J.P.モルガン・チェース(JPM)
J.P.モルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は19日の年次株主総会で、政府から注入を受けた公的資金の返済に関する指針を受け次第、数週間で返済できる見通しだと述べた。問題資産購入計画(TARP)に基づき資金注入を受けたことは、思っていたよりも悲痛な経験となったとコメント。TARP資金を受けた企業には外国人従業員の採用が制限されることについては極めて屈辱的と発言した。ただし、3社が公的資金を返済するためには、主要監督機関である米連邦準備制度理事会(FRB)の承認が必要。

23.欧州株式相場は上昇し、ダウ欧州株価指数は4カ月ぶり高値を付けた。銀行間取引金利が低下したほか、ドイツ景況感指数が予想を上回る伸びとなったことを受け、リセッションの最悪期が過ぎたとの見方が強まった。銀行株他、金属相場の上昇を背景に、オーストラリアの鉱山会社BHPビリトンと、同業の英アングロ・アメリカンが資源株の上げを主導した。

24.米連邦準備制度理事会(FRB)は19日、各種債権の証券化市場を支援する制度であるターム資産担保証券融資ファシリティー(TALF)の拡充策を発表した。2009年1月1日より前に発行された商用モーゲージ担保証券(CMBS)を7月から融資の担保として認め、情勢の悪化が続く商用不動産市場の活性化を図る。商用不動産市場では今後、大型融資が相次いで満期を迎えるが、資産価値の下落に伴い金融機関は融資の継続に慎重になっており、不動産業者の資金繰り悪化で市場がさらに落ち込む懸念が強まっていた。FRBは5月1日にTALFの担保としてCMBSを認める措置を発表したが、対象を09年1月1日以降に発行された同証券に限定していた。またCMBSを担保に融資する場合、該当する証券が格付け会社2社以上から「トリプルA」の格付けを取得していることを条件とする。新発CMBSを対象とする融資の初回募集は、6月16日に実施する。

25.ミネアポリス連銀のスターン総裁は19日、以下の通り発言した。

   (発言要旨)
★米経済は来年中ごろまでに健全な成長に戻るだろうが、それまでは低成長にとどまる。
★信用市場の状況と株式および住宅の価値が低下しているため景気回復に勢いが付くまでには時間がかかりそうだ。
★米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に加え、財務省と米連邦預金保険公社(FDIC)が導入したプログラムが奏功し、信用市場は改善しつつある。
★雇用情勢については建設や金融業界などで失業が増えるが、デフレの脅威は弱まる可能性が高い。一方、将来のインフレに備えた予防的措置として、過剰な流動性を供給する政策から撤退する上で時間的な余裕がある。

26.中小素材株
シティ・グループが、中小素材株の投資判断を“マーケット・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げた。バリュエーションが安いと言う。

27.テネット・ヘルスケアー・コープ(THC)
病院経営大手株に好材料。ゴールドマン・サックスが同社株の買い推奨。第1四半期の好決算が背景。

28.サックス・インク(SKS)
高級百貨店の決算が良好だった。第1四半期の1株当り純損失が4セントとなり、予想より大幅に改善されていた。

29.ソラー・ファン(SOLF)
中国の太陽光発電関連企業のソラー・ファンが19日寄り前決算発表。一株当たり損失が予想を大幅に下回った。

第1四半期(1−3月期)実績
★売上高…前年同期比43%減少し、RMB6億8420万(=1億10万$)(コンセンサス予想は1億253万$)
★一株当たり損益(一部項目を除く)…2セント赤字(コンセンサス予想は16.7セント赤字)

30.ゼネラル・エレクトリック(GE)
世界最大の投資信託会社、フィデリティ・インベストメンツは、米多角経営企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の株式保有をほぼ倍増した。一方、米資産運用会社キャピタル・グループは保有していたGE株の約62%を売却した。フィデリティは1−3月(第1四半期)にGE株を9030万株購入。同社の3月末時点のGE株保有比率は1.6%に上昇し、保有株数は1億7260万株と、GEの株主上位5番目となった。一方、昨年末時点で筆頭株主だったキャピタル・グループは3億8000万株を売却し、保有比率は昨年末の5.8%から2.2%に低下。保有株数は2億3000万株と、株主上位4番目に後退した。

31.19日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、米欧企業の社債保証コストが低下した。ゴールドマン・サックス・グループとJ.P.モルガン・チェース、モルガン・スタンレーが公的資金返済を申請したことが分かり、リスク意識が後退した。

32.フォード(F)
フォード・モーターは同業のゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーのようなディーラー数の大幅削減を実施しない方針を明らかにした。両社による2000近いディーラー削減の恩恵を受けると予想しているという。

33.15日まで1週間の住宅ローン申請指数は915.9(前週895.6)だった。金利低下を受けて借り換えが進んだ。

   (その他主要指数動向)
★借り換え指数…4794.4(前週4588.6)
★購入指数…254.0(前週265.7)

34.ターゲット(TGT)
ディスカウントチェーン第2位のターゲットが20日寄り前決算発表。2―4月(第1四半期)の総売上高は前年同月比ほぼ変わらずの148億ドル、1株当たり利益は69セントとなった。予想は、売上高が148億3825万ドル、1株当たり利益は60セントだった。減益となったが、予想ほどは悪化しなかった。価格設定の改善や食品雑貨の販売好調が下支えた。

35.タルボッツ(TLB)
米婦人衣料品のタルボットの株価が上昇、一時は2カ月ぶりの大幅高。フリードマン・ビリング・ラムジーが、タルボットの株式投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げた。春物商品が好調だったことが背景。

36.ゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックのジェフリー・イメルトCEOは20日、小規模企業向け融資や電化製品販売などの分野で景気回復の兆候がみられるとの認識を示した。4−6月(第2四半期)に、小規模企業向けの商業融資需要が急速に伸びたと語った。

37.経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は20日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★2009年は困難な1年となるだろうが、恐らく10年には景気縮小に歯止めがかかり、回復し始めるのではないかと思われる。
★最新の経済見通しを6月24日に発表するが、大幅な修正はないだろう。(OECDの3月末時点の予測では、加盟国30カ国全体の09年経済成長率はマイナス4.3%と、過去50年余りで最悪の落ち込みが見込まれている。ユーロ圏については4.1%のマイナス成長が予想されている)
★世界の各国・各地域の政府が採用した景気対策を評価に値する。地域により影響は異なるものの、景気対策やゼロに近い政策金利、流動性の供給、銀行の資本強化などの組み合わせはいずれ、効果をもたらすだろう。

38.オバマ大統領は20日、ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる経済回復諮問会議のメンバーに、米国経済の一部は正常化しつつあると語った。

39.ガイトナー米財務長官は20日、上院銀行委員会で証言。

   (発言要旨)
★銀行の不良資産を買い取る計画が7月初めまでに始まる見通しだ。FRBと米連邦預金保険公社(FDIC)とともに協議を進めており、計画が6週間以内に始まるとみている。
★さまざまな不良資産が米金融システムに詰まっている。この資本ひっ迫により、金融機関の新規信用創造力が低下。さらに不良資産価値をめぐる不透明感から金融機関の民間資本調達能力は弱まっている。
★7000億ドルの問題資産購入計画(TARP)資金のうち、約1240億ドルが残っている。それには今後1年間に返済されるとみられる250億ドルも含まれている(従来の残高見通しは3月下旬現在で1350億ドルだった)。
★金融システムが回復し始めていることを示す明確な兆候が表れている。社債や地方債、銀行間貸出金利のプレミアムが低下している。
★レバレッジは低下しており、銀行以外の金融システムで最もぜい弱な分野のリスクは従来ほど高くはなく、銀行の資金調達方法は従来よりも保守的になっている。

40.FRBが20日公表した連邦公開市場委員会(FOMC、4月28−29日開催)の議事録によると、資産購入拡大は、当面見合わせることで全会一致に至った。

   (主な内容)
★回復歩調を速めるため、購入総額のさらなる引き上げがいずれ正当化される可能性は十分にあるとの指摘が一部メンバーからあった。しかし、すでに講じた政策に対する経済と金融状況の反応を見極めるまでは決断を見送るのが望ましいとの認識で一致した。
★金融状況の改善と、企業と家計の景況感が上向いたことに加え、在庫刷新のための鉱工業生産の拡大が予想される。
★FRBによる大規模な証券購入が金融へ刺激を与えており、持続的経済成長の緩やかな再開に貢献するとの認識でメンバーは一致した。すでに発表済みの1兆7500億ドル規模の計画に基づいた資産購入の継続は適切となろうとの見解で合意した。
★2009年の米国内総生産(GDP)実質成長率をマイナス2%−マイナス1.3%の範囲と予想、1月時点の前回見通し(マイナス1.3%−マイナス0.5%)を下方修正した。09年の失業率は9.2−9.6%と前回見通し(8.5−8.8%)を引き上げた。米金融当局はストレステストを実施した際、前提条件となる景気悪化シナリオで09年の失業率を8.9%としており、雇用情勢はこのシナリオより大きく悪化する見通しとなった。また、09年の個人消費支出(PCE)物価指数は0.6−0.9%と前回見通し(0.3−1.0%)から予想範囲を縮小。食品とエネルギーを除く同コア指数は1.0−1.5%と前回の予想(0.9−1.1%)を上方修正した。

41.欧州中央銀行(ECB)の政策決定委員会は、今月7日の定例政策委員会で、約1250億ユーロ(約16兆3800億円)相当の資産購入計画を協議していたと言う。委員会メンバーはコマーシャルペーパー(CP)や社債の買い取りを含む同資産購入計画について協議した。

42.フォード(F)
フォード・モーターのビル・フォード執行会長は19日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★同社が政府支援なしで経営を継続することは国益にかなう。米自動車メーカーで唯一政府支援を受けていない事実から同社が打撃を受けることがないよう、オバマ政権関係者と会談した。独立企業で公的資金を受け入れていないという事実が当社を不利にしないことが狙いだ。

43.プロクター&ギャンブル(PG)
バークレイズが同社株の投資判断を“オーバー・ウェイト”に引き上げた。売上と利益が加速度的に好転する可能性があると言う。

44.アナログ・デバイセズ(ADI)
米半導体メーカー、アナログ・デバイセズが19日引け後に示した09年5−7月(第3四半期)の1株利益見通しは17−19セントと、予想(11セント)を上回った。

45.4月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比1%上昇。2005年11月以来で最大の上昇となった。予想は0.8%上昇だった。3月は0.2%低下と、速報値の0.3%低下から修正された。

LEIを構成する10項目のうち7項目が寄与した。S&P500種株価指数は最もLEIに寄与した。ロイター・ミシガン大学消費者マインド指数も寄与した。失業保険申請件数、消費財受注も寄与した。

LEIへの比重が最も高いインフレ調整後のマネーサプライはマイナス寄与となった。非国防資本財受注もマイナス寄与した。

46.米国銀行(ストレステスト実施の19行)
ゴールドマン・サックスは、米大手銀行の株式投資判断を「ニュートラル(中立)」に引き上げた。住宅ローン市場と資本市場の好調な収益が4−6月期も続く可能性が高く、増資によってレバレッジが縮小するとの見方が理由だ。また、米信託銀行の投資判断を「アトラクティブ」に引き上げた。収入が第1四半期よりも改善すると判断した。また、クレジットカード会社の株式投資判断も「ニュートラル」に引き上げた。一方、米地銀については「まだ最悪期を脱していない」として「コーシャス」で据え置いた。

47.ゴールドマン・サックス(GS)
サンフォード・C・バーンスティーンが、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの4−6月(第2四半期)は、株式発行引受手数料の収入が増加する見通しとコメント。株式発行引受手数料収入による1株当たり利益の押し上げ効果は、ゴールドマンが54セント、モルガン・スタンレーは17セントとみている。バーンスティーンは、ゴールドマンの1株当たり利益が10.91ドルと、前年同期の4.47ドルから増加すると予想。一方、モルガン・スタンレーは同1.06ドルと、前年同期の1.54ドルからの減益になる見通し。第2四半期を通じて増資目的の株式発行が活発化すると想定すれば、引受手数料の増加がゴールドマンやモルガン・スタンレーの業績にプラスとなるのは間違いないと指摘。

48.ゼネラル・モーターズ(GM)
全米自動車労働組合(UAW)は21日、経営危機に陥った米自動車最大手ゼネラル・モーターズとの労務関連費削減をめぐる交渉で暫定合意に達した、と発表した。合意には、UAWが管理する退職者向け医療保険などの基金にGMが拠出する200億ドルの負担減額が含まれる。

49.ガイトナー米財務長官は21日、下院歳出委員会の小委員会が開いた公聴会の質疑応答で以下の通り発言。

   (発言要旨)
★強いドルの維持が自分の基本的な任務の一つだ。
★足元の景気について、米経済は安定化しつつある。景気の落ち込むペースは鈍化している。
★金融危機に伴い事実上停止状態にあった資産担保証券(ABS)市場は再び動きだした。金融市場全般も改善した。企業の資金調達コストも低下した。
★米経済は依然として非常に厳しい局面にあり、こうした状況が当面続く。
★緊急経済安定化法に基づく金融機関への公的資金投入については、恒久的な措置ではない。
★財務省とホワイトハウスが議会と協力し、財政赤字削減に必要な税制改革を全国民にとって公平な形で進めていく。
★緊急経済安定化法で認められた金融安定化の資金7000億ドルについて、財務省は追加資金を要求する計画はない。

50.ノーベル経済学賞受賞者、プリンストン大学のポール・クルーグマン教授は21日、以下の通り発言。
★世界経済の急速な下降局面は終わり、その影響でドルが打撃を受ける可能性がある。米連邦公開市場委員会(FOMC)が実施した利下げや、住宅ローン担保証券(MBS)などの資産購入に加え、政府の景気対策により、危機が緩和したと指摘。失業のペースが鈍化していることを理由に、米景気は下半期にわずかに拡大する可能性がある。
★ほとんどの経済指標が急速な下降局面が終わり、安定したことを示唆している。金融システムへのショックという面では最悪期は終わっただろう。
★昨秋のリーマンショックで一気に深刻化した緊張状態は和らいだ。コマーシャルペーパー(CP)の金利スプレッドは縮小し、社債の金利スプレッドもやや縮小した。銀行間貸出金利は低下している。
★1930年代の一連の金融市場崩壊のように一段と悪化する可能性は低い。
★景気は底入れしたとは思わないが、底はそれほど遠くはない。懸念しているのは底を打っても反発せず、底ばいが続くことだ。どの分野から景気回復が始まるかはっきりしていない。
★ドルは急落する、少なくとも大幅下落するだろう。ドル需要は危機によって一時的に膨張している。経済にとって良いニュースはドルにとっては悪いニュースだ。状況が安定すれば、逃避先としてのドルの需要は急減する。

51.著名投資家のジム・ロジャーズ氏は21日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★政府軍により反政府勢力タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)が掃討されたスリランカには素晴らしい機会がある。
★ミャンマーについて、天然資源と同国がインドと中国に隣接する地の利を考慮すれば、ミャンマーも投資家に膨大な潜在性を提供する。
★アジアの他地域については、中国と台湾が平和的な方向に進んでいることを確信している。また、株式選好には、中国とインドの水資源関連などが含まれる。
★現時点では売り持ちがない。

52.ゼネラル・モーターズ(GM)
ドイツの週刊誌シュピーゲル(電子版)は21日、ゼネラル・モーターズがドイツ子会社オペルの売却先として、同社の買収・出資に意欲を示している3グループのうち、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルを最有力候補として検討していると報じた。候補の2番目は、ベルギーの投資会社RHJインターナショナル(旧リップルウッド)で、イタリアの自動車大手フィアットは最下位という。

53.ノーベル経済学賞受賞者、プリンストン大学のポール・クルーグマン教授は22日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米政府がデフォルトに陥る可能性は信じ難い。米国の債務水準に関しては懸念しているものの、米政府には大きな増税余地がある。

54.オバマ政権が、住宅ローンや投資信託など複雑さを増す金融商品を一元的に監督する新機関の設置を検討していると言う。不透明な金融商品があり、消費者への被害拡大や金融危機にもつながった反省から、監督体制を改善する。ガイトナー財務長官も独立した新たな委員会か、新機関を設置することの利点を検証していると表明。

55.米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は22日以下の通り発言。

   (発言要旨)
★米国の経済は回復し、ムードは明るくなるだろう。ただ足元では経済情勢は厳しい。景気後退の中にあり、労働市場は弱い。FRBの金融政策運営は経済的繁栄の回復と経済的機会の最大化に重点を置いている。

56.米政府の問題債権購入計画(TARP)を通じて公的資金の注入を受けた金融機関は資金返済の後、ワラントの買い戻しで生じる利益のうち、約100億ドルの支払いを免れる可能性があると言う。これまでに金融機関17社がTARP資金を返済したが、この中で唯一ワラントの買い戻し条件で政府と折り合いがついたオールド・ナショナル・バンコープは、581万ドルの価値が生じる可能性のあるワラントを、わずか120万ドルで米財務省から買い戻すことができた。

オールド・ナショナルのワラント買い戻し条件を他行に適用した場合、各銀行の利益は以下の通りとなる。TARPを通じて注入された公的資金額の上位20行は、合計99億8500万ドル得をすることになる。

★バンク・オブ・アメリカ…20億3000万ドル
★ウェルズ・ファーゴ…14億8000万ドル
★J.P.モルガン・チェース…14億6000万ドル
★モルガン・スタンレー…9億8300万ドル、
★シティグループ…9億6500万ドル
★ゴールドマン・サックス・グループ…6億9300万ドル

米下院科学技術委員会の調査監督小委員会で委員長ブラッド・ミラー下院議員は、銀行に暴利をむさぼらせるわけにはいかないと述べた。

57.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズとカナダ自動車労組(CAW)は、新たな労働協約で暫定合意した。今回の労働協約では2015年までの年金凍結などの労務費削減が盛り込まれている。これによると、退職者と現役の従業員はいずれも医療費を一部自己負担するほか、従業員に支給される生活費手当ては現行水準で据え置かれる。

58.アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
シティグループは米エタノール生産2位のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド株の投資判断を「売り」から「ホールド」に引き上げた。アルゼンチンの干ばつが業績に貢献するとの見方が理由。

59.オートデスク(ADSK )
米エンジニアリング設計ソフトウエア最大手のオートデスクは5−7月(第2四半期)決算の一部項目を除いた1株当たり利益が15セント以上になると予想。予想は14セントだった。

60.シアーズ・ホールディングス(SHLD)
米百貨店チェーン最大手のシアーズ・ホールディングスの2−4月(第1四半期)決算は、予想外の黒字となった。広告費や人件費の削減が奏功した。


ベア材料
1.パシフィック・エタノール(PEIX)
エタノールメーカーのパシフィック・エタノールは18日、同社工場を所有する子会社が連邦破産裁判所に破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請したと発表した。

2.4月の住宅着工件数は前月比13%減の45万8000戸(前月は52万5000戸)と、予想(52万戸)を大幅に下回り、調査開始以来の最低となった。先行指標となる4月の住宅着工許可件数は3.3%減の49万4000件と、これも統計開始以来の最低を記録した。変動の大きい集合住宅が46%の大幅減少を記録したことが響いた。一方、一戸建て住宅の着工件数は前月比2.8%増の36万8000戸となった。地域別で見ると、北東部が31%減と大幅に減少し、南部は21%減少した。一方、西部では43%増加した。

3.ホーム・デポ(HD)
ホーム・デポが、本日寄り前第1四半期の業績を発表した。売上高EPS共に市場予想を上回った。また、2009年通期見通しは、これまでの会社側見通しを据え置いた。売上高見通しは市場予想を上回ったが、EPSは下回った。

第1四半期(2‐4月期)実績
○売上高…161億7,500万ドル(コンセンサス予想は158億2,922万ドル)
○1株当たり利益(一部項目を除く)…0.35ドル(コンセンサス予想は0.29ドル)
○既存店売上…10.2%減少(予想は11.7%減少)
○販売管理費…18%減少し、40億400万ドルだった。

2009年通期見通し
○売上高…648億7,200万ドル(コンセンサス予想は648億5,380万ドル)
○1株当たり利益(一部項目を除く)…1.25ドル(コンセンサス予想は1.35ドル)

4.メドトロニック(MDT)
心臓用電子装置メーカー最大手のメドトロニックが19日寄り前決算発表。2009年2−4月(第4四半期)の調整後の1株利益が82セントとなり、予想と一致した。買収コストや訴訟の和解費用が響いた。心臓用電子装置や脊髄治療の医療機器の売り上げ不振を補うため、2012年までに10億ドルの経費削減を達成する計画だ。主力の心臓細動除去機を含む心臓用電子機器の売り上げは4.6%減少した。心臓細動除去機の一部は取替えが必要なこと、また、これにより今後の利益が予想を下回る可能性があるとコメントした。

5.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)のヘンダーソンCEOは19日、政府が定めた6月1日の期限までに必要なリストラを達成するのは困難との認識を示した。経営再建計画の見直しの焦点となっている債務圧縮について、債権者の大半の同意を得るのが大変難しいと述べた。

6.米調査会社レッドブック・リサーチが19日発表した週間小売りまとめによると、5月第2週(16日までの週)までの主要小売りチェーン売上高は、季節調整済みの既存店比較ベースで前月比0.2%減となり、業界目標の0.1%減を下回った。前年同週比は0.3%減。百貨店は7.7%減、ディスカウント店は4.3%増だった。

7.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカのケネス・ルイスCEOは20日、ロンドンでの講演で以下の通り発言。

   (発言要旨)
★景気安定に伴い米銀行間の合併が今後増えると見込まれるものの、バンカメはこの業界再編の動きには参加しないつもりだ。当行は今のところ、手一杯だ。
★リセッションと信用危機で米国の銀行システムは過剰能力を抱えたとし、強者による弱者の吸収は不可避となった。
★米当局による大手19金融機関のストレステスト(資産査定)では、FRBが想定している結果は現時点で可能性が高いシナリオや予想されるシナリオのいずれに比べても格段に悪い。また、住宅ローン事業で貸倒率が5.7%に達する可能性があるとのFRBの試算は同意できない。この試算結果が実現するためには、貸倒率が09年1−3月(第1四半期)の水準から2倍以上に上昇、極端に高いその水準にさらに7四半期とどまることが必要だ。
★景気については、今年7−12月には米国と欧州がプラス成長に転じ、緩やかだが持続的な回復となろう。最悪期は恐らく過ぎた。

8.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)は19日、全米自動車労組(UAW)や米政府との債務削減交渉が難航し、期限になっている今月26日までの合意が難しい見通しだと表明した。期限を延ばすか、交渉を打ち切るかを27日に改めて発表するという。GMは、UAWの退職者向け医療基金への拠出金200億ドルと政府への債務200億ドルのそれぞれ半分を、GM株に転換する交渉を続けている。破産法申請の可能性が高まっている。

9.ヒューレット・パッカード(HPQ)
19日引け後にヒューレットが決算発表。売上高が予想を下回った。また、第3、通期ベースの売上高も弱い。特にヒューレットの売上比率30%を占めるPC部門が不振であった。とりわけデスクトップ・コンピュータが不振であった。デルの攻勢も影響している。

第2四半期(2‐4月期)実績
○売上高…273億5,000万ドル(コンセンサス予想は274億8,000万ドル)
○1株当たり利益…0.86ドル(コンセンサス予想は0.86ドル)

第3四半期(5‐7月期)予想
○売上高…268億ドル‐273億5,000万ドル(コンセンサス予想は275億ドル)
○1株当たり利益…0.88ドル‐0.90ドル(コンセンサス予想は0.89ドル)

通期ベース予想
○売上高…4%−5%減少(2月のガイダンス時には2%−5%減少だった。コンセンサス予想は1,135億7,600万ドル)
○1株当たり利益… 3.76ドル〜3.88ドル(コンセンサス予想3.71ドル)

10.アメックス(AXP)
米上院は19日、クレジットカー ドの手数料を抑え、契約変更を制限する法案を賛成90、反対5で可決した。同法案は、先月同様の法案を通した下院に送付され、一本化された上で20日にも最終可決の見通し。クレジットカード会社に対し、利用者による別のカード会社への支払いが遅れたことを理由に同利用者の既存の借入残高に対する金利を引き上げることを禁じている。また、原則禁止とする事後的な金利引き上げを実施する場合は、利用者に45日以上前に通知することを義務付ける。これに対し、米銀行協会は反対している。

11.21日に発表した16日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の63万1000件と、前週の64万3000件(速報値63万7000件)から減少したが、予想(62万5000件)は上回った。4週移動平均は62万8500件と、前週の63万2000件から減少した。9日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は666万2000人に増加。16週間連続で過去最高水準を更新した。同週の失業保険受給者比率は1982年12月以来で最高となる5%(前週は4.9%)に上昇した。

12.英国が、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の最上級格付け「AAA」を失う恐れが出てきた。英経済が第2次世界大戦後で最悪のリセッションに見舞われるなか、同国の財政は悪化している。S&Pは21日、英国の格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」と、従来の「ステーブル(安定的)」から引き下げたと発表。債務負担の増大を理由に挙げた。格付けの引き下げとなれば、英国は現在の景気低迷を理由とした格下げでは欧州連合(EU)の西側諸国ではアイルランド、ギリシャ、ポルトガル、スペインに続き5番目となる。

13.フィラデルフィア連銀が21日に発表した5月の同地区製造業景況指数はマイナス22.6(前月はマイナス24.4)と、予想(マイナス18)より大きな落ち込みだった。今後6カ月の予想指数は47.5と、前月の36.2から上昇。約4年ぶりの高水準となった。

   (主要コンポーネント内訳)
★雇用…マイナス26.8(前月マイナス44.9)
★新規受注…マイナス25.9(前月マイナス24.3)

14.カナダのグラスキン・シェフ・アンド・アソシエーツのチーフエコノミスト、デービッド・ローゼンバーグ氏は、S&P500種株価指数が3月9日に記録した12年ぶり安値を割り込む可能性があると指摘した。個人消費に回復の兆しがみられないのが理由だという。同氏は最近まで、バンク・オブ・アメリカ(BOA)で北米チーフエコノミストを務めていた。

15.米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21日、米オンライン証券イー・トレード・ファイナンシャルの長期信用格付けを「シングルB」から「トリプルCマイナス」に引き下げたと発表した。格下げの理由として、同社が多額の債務負担を早急に軽減できない場合、米貯蓄金融機関監督局(OTS)の介入を招く可能性があると指摘した。

16.ゼロックス(XRX)
高速カラープリンターで世界最大手のゼロックスは21日、アン・マルケイヒー会長兼CEOがCEOを退職するとを発表した。後任にはウルスラ・バーンズ社長が指名された。

17.検察当局は、ニューヨーク市内にあるユダヤ教礼拝堂の爆破と地対空のスティンガーミサイルによる軍用機撃墜を企てたとして、4人を逮捕した。検察当局が20日、電子メールで発表した。4人は、同市ブロンクスのリバーデール地区にあるユダヤ教礼拝堂の爆破を計画したほか、ニューヨーク州の空軍
基地で軍用機への攻撃を企てた。

18.英米系格付け会社フィッチ・レーティングスは21日付のリポートで、米銀は住宅ローン設定や債券トレーディングの伸びが弱まり、信用損失が増加することから、1−3月(第1四半期)の利益改善ペースの維持は難しくなるとの見方を示した。

19.債券ファンド最大手のパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)、ビル・グロス氏は21日、米国はいずれは最上級格付けを失うだろうとの見方を示した。ただ、その事態がすぐに起こるわけではないとも指摘。

20.マスターカード(MA)
電子決済ネットワーク2位のマスターカードは、米国のデビットカードポートフォリオ590億ドルの半分以上を失う。取引先のJ.P.モルガン・チェースが同業ビザとのデビットカード取引拡大へと方針を転換したことが背景。切り替えの対象には、昨年の破たん後にJ.P.モルガンに買収されたS&L(貯蓄・貸付組合)ワシントン・ミューチュアルに当座預金口座を保有していた預金者が含まれる。ニルソン・リポートによると、ビザは米デビットカード取引市場の約3分の2を取り扱っている。また、ワシントン・ミューチュアルのデビットカード取引は全米市場で約5%を占め、マスターカードの同市場でのシェアは22%超という。

21.米連邦預金保険公社(FDIC)は預金保険基金を増強するため、加盟銀行に対し特別手数料を徴収することを決定した。FDICは銀行資産(Tier1=中核的自己資本を除外)100ドル当たり5セントの特別手数料を徴収することになる。

22.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
AIGは21日、エドワード・リディ会長兼最高経営責任者(CEO)が取締役会に対し、後継者が見つかり次第退職する意向を伝えたと発表した。

23.セールスフォース・ドット・コム(CRM)
インターネットベースの顧客管理ソフトウエア最大手、セールスフォース・ドット・コムは21日引け後、通期売上高見通しの上限を12億7000万ドルとした。予想は13億2000万ドルだった。シティグループはセールスフォース株の投資判断を「ホールド」に引き下げた。

24.モンサント(MON)
シティ・グループが同社株の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。


=以上=
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2009年05月11日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 5/10

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料

5月10日

森  崇


ブル材料
1.全米不動産業者協会が4日に発表した3月の中古住宅販売成約指数は前月比3.2%(前月は2%の伸び)と、予想(前月比変わらず)を上回った。2カ月連続でのプラス成長は過去1年間で初めて。3月の指数は前年同月(83.7)比では1.1%上昇した。

   (地域別状況)
成約指数は全米4地域のうち2地域で上昇した。特に南部では前月比8.5%上昇。西部は同3.9%の上昇だった。北東部は5.7%低下し、中西部でも1%低下した。

2.3月の建設支出は前月比0.3%増(前月は1.0%減)と、6カ月ぶりに増加に転じるとともに、予想(1.6%減)を上回った。民間と公共部門を合わせた非住居用建設は2.0%増加した。前年同月比では1.7%増。発電所やホテル、工場の建設増加が寄与した。公共部門の建設は前月比で1.1%増加した。民間と公共部門を合わせた非住居用建設は2.0%増加した。前年同月比では1.7%増。発電所やホテル、工場の建設増加が寄与した。

3.シティ・グループ(C)
シティグループは、ストレステストで増資が必要と判断された場合、政府資金に頼る代わりに、民間資金による資本増強を図ることで、政府管理下入り回避を目指す公算があると言う。現在の議論の中心は、政府が保有するシティ優先株をどの程度普通株に転換するかだという。

民間からの増資を確保できれば、シティは米財務省が残り270億ドル相当の優先株を普通株に転換することを回避できる公算だ。270億ドルが普通株転換された場合、政府持ち分は50%を超え、シティは国有化されることになる。選択肢の1つは民間投資家が保有する100億ドル相当の証券を普通株に転換することが遡上に乗っていると言う。

4.バンカメ(BAC)
★バンカメとシティグループがそれぞれ100億ドル以上を増資する計画だとFT紙が報じた。バンカメはこれに対し、100億ドルの増資に取り組んではいないと表明し、FT紙の報道内容を否定した。また、必要とみられる増資の規模について同行はまだ米連邦準備制度理事会(FRB)から最終的な数字を知らされていないと述べた。
★バンカメは、出資先の中国建設銀行との間で取り決めた株式売却を禁じるロックアップ期間が7日に終了した後、同銀の持ち株を最大135億株売却することが可能になる。ストレステストの結果次第では、バンカメは増資を余儀なくされる可能性がある。バンカメが保有する中国建設銀行株は4日の終値ベースで84億ドル相当。バンカメは1月、28億ドルの中国建設銀行株を売却している。

5.スプリント・ネクステル(S)
米携帯電話サービス3位のスプリント・ネクステルが4日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比12%減の82億1000万ドル、一部費用を除くベースの一株当たり利益は3セントの黒字だった。特別項目を除くベースで予想外の黒字となった。人員削減やコールセンター閉鎖が奏功した。予想は、売上高が82億7400万ドル、同1株当たり損益は5セント赤字だった。

6.タイソン・フーズ(TSN)
米鶏肉生産2位のタイソン・フーズが4日寄り前決算発表。1−3月(第2四半期)の売上高は前年同期比1%未満減少し63億1000万ドル、一部項目を除く1株当たり損失は5セントとなった。予想は、売上高が65億9700万ドル、同1株当たり損失は6セントだった。牛肉の売り上げ減が影響した。鶏肉生産業界は飼料コストの上昇と需要減に直面している。1−3月期の牛肉部門の売上高は11%減の24億2000万ドルだった。

7.全米最大の衛星テレビ事業者ディレクTVグループは4日、リバティ・メディアのエンターテインメント事業部門と合併すると発表。分離・合併手続き完了後、リバティ・エンターテインメントの業績連動株(トラッキングストック)の保有者は、同1株につきディレクTV株1株、さらにリバティ・スターズへと社名が変更されるリバティ・エンターテインメントの株式0.1株を受け取る。ディレクTVによると、合併手続きは第4四半期までに完了の見込み。

8.リッチモンド連邦準備銀行のラッカー総裁は4日、以下の通り発言。

   (背景)
★経済活動は依然として全般に収縮が続いているものの、一部の支出に関する項目は底打ちしつつあり、全体の落ち込みペースは減速している。仮に住宅部門と個人消費で安定化する動きが、続けば、設備投資の一部は年末までに底打ちするはずであり、それに伴い経済成長はプラスに転じる。
★労働市場は悪化が続く。しかし、個人消費と設備投資を合わせた全体の支出は失業率がピークに達する前に底打ちする公算が大きい。
★物価動向について、インフレ期待は2%程度の水準で安定的に推移している。デフレリスクを懸念するのは行き過ぎとの考えを示した。

9.中国の製造業活動が9カ月ぶりに拡大した。これを受け、センチュリー・アルミナ(CENX)、アルコア(AA)、フリーポート・マクモラン(FCX)などが急騰した。

10.インテル(INTC)
モルガン・スタンレーがインテル株の投資判断を“イコール・ウェイト”から“オーバー・ウェイト”に引き上げた。受注増加予想を出すとともに、利益見通しが低過ぎると言う。

11.石炭会社株
ゴールドマン・サックスが、石炭大手のマッセイ・エナジー(MEE)株を“コンビクション・バイ・リスト”に掲載した。これを受け、同業他社であるパトリオット・コール(PCX)、ファンデーション・コール(FCL)、ピーボディ・コール(BTU)、コンソル・エナジー(CNX)などが連れ高を演じた。

12.オーバーシーズ・シップホールディング(OSG)
石油タンカー保有会社の第1四半期EPSが1.08ドルと、予想(1.05ドル)を上回った。

13.プレインズ・エクスプロレーションズ・プロダクション(PXP)
石油・天然ガス生産大手株の5.38%をソロス・ファンド・マネージメントが保有したと言う。SECへの届出書類で明らかになった。

14.REIT
サイモン・プロパティー(SPG)、ボルナド・レアルティ・トラスト(VNO)、ボストン・プロパティー(BXP)などの株が上昇。今週号バロンズ紙に強気コメントが掲載された。不振な商業不動産市場の中で、上の3銘柄は安全だろう。10を超す企業が資本調達でき、結局70億ドルもの資金を集めているとして、REITへの楽観は高まっているとしている。

15.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
資産家ウォーレン・バフェット氏が「すばらしい銀行」と評したことから、急伸。

16.米供給管理協会(ISM)が5日発表した4月の非製造業総合景況指数は43.7(3月は40.8)と、予想(42.2)を上回った。

   (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…47.0(前月38.8)
★雇用…37.0(前月32.3)
★仕入れ価格…40.0(前月39.1)
★新規輸出受注…48.5(前月39.0)

17.米調査会社レッドブック・リサーチが5日発表した週間小売りによると、4月第4週(5月2日までの週)までの主要小売りチェーン売上高は、既存店比較ベースで前月比1.5%増(4月第3週1.6%増)となり、業界目標の1.3%増を上回った。前年同週比は0.3%増(前週0.7%増)。百貨店は7.3%減(7.2%減)、ディスカウント店は5.0%増(5.6%増)だった。

18.バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5日、上下両院合同経済委員会で証言し、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★金融システムが新たな衝撃を受ければ、米国が今年リセッションから抜け出し、緩やかな回復を遂げるとの当局の予測が崩れる。
★景気後退のペースが鈍化している可能性があり、住宅市場は底入れの兆しを幾らか示している。
★FRBが近いうちに融資プログラムについてウェブサイト上で情報をさらに公開する。それには借り手数、借り手の信用状況、担保となる金融商品の格付け、民間企業との契約の詳細が含まれる。
★年内に経済活動が底入れし、上向くと引き続き予想している。住宅市場が安定し始め、現在進んでいる急速な在庫調整のペースが今後四半期に鈍化する、また、財政・金融両面からの景気刺激策で最終需要が下支えされる、金融情勢が徐々に改善するなどが主な背景である。
★ストレステスト(健全性審査)の結果を受け、銀行は包括的な資本計画の作成を義務付けられるだろう。
★クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場などから判断すると、金融業界に対する懸念はまだかなり残っている。
★労働市場については、大規模な失業が続き、失業率が今後数カ月に上昇する公算が大きい。
★住宅ローンの貸し出し状況はなお比較的引き締まっており、融資活動はまだ政府の支援プログラムや政府系機関に大きく依存している。

19.MGMミラージュ(MGM)
カジノ運営大手のMGMミラージュが4日引け後決算発表。09年1−3月(第1四半期)決算は黒字を計上した。同社は、事業は安定しつつあるとの見方を示した。

20.ウィン・リゾーツ(WYNN)
カジノ運営大手が5日寄り前決算発表。1−3月期(第1四半期)の売上高は7億4000万ドル、一部項目を除く一株当たり損益は27セント赤字となった。予想は、売上高が7億5280万ドル、同EPSが2セント黒字だった。ただし、会社側のコメントが強気内容だった。景気回復、各種会議のキャンセル率が減少、予約増加(インターネット経由が多い)、マカオでは、しっかりの4月から、5月は更に向上していると言う。

21.AIG(AIG)
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が今週発表する四半期決算は、新たな資本注入の引き金にはならないもよう。

22.クラフト・フーズ(KFT)
食品メーカーで世界2位のクラフト・フーズが5日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高はドル高の影響で6.5%減の94億ドル、1株当り利益は45セントとなった。予想は売上高が97億5400万ドル、EPSが40セントだった。前年同期比10%の増益だった。製品値上げとコスト削減が寄与した。昨年実施した値上げが為替変動や年金基金コスト上昇による打撃を抑えた。

23.給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが6日発表した集計調査によると、4月の米民間部門の雇用者数は、前月比49万1000人減少(3月は70万8000人減)で、予想(64万5000人減)より減少幅が少なかった。雇用削減の縮小は9カ月ぶり。統計内容は経済の縮小ペース鈍化を示す他の多くの統計や材料と一致している。

   (雇用者数の業種別動向)
製造業では15万9000人減少、サービス部門は22万9000人減少した。

24.米人材サービス会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが6日集計した4月の米企業の削減計画人数は13万2590で、前月の15万441人から減少し、昨年10月以来の低水準となった。削減計画人数の減少は3カ月連続。

ジョン・チャレンジャーCEOは、人員削減数はまだ景気後退期の水準だが減少傾向にあり、経営者の自信が少しずつ戻り始めている兆候かもしれないと指摘。

   (4月の業種別削減計画数内訳)
★公益・非営利関連…2万7624人
★自動車関連…2万4172人
★工業製品関連…1万8636人

25.1日まで1週間の住宅ローン申請指数は979.7と、前週の960.6から2%上昇した。記録的低水準にある金利が購入を促した。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.79%と、前週の4.62%から上昇した。

   (その他主要指数動向)
★購入指数…264.3(前週251.6)
★借り換え指数…5169.3(前週5134.4)

26.銀行株
事情に詳しい関係者1人は、米当局が大手金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。19行中10行の結果が公表された。残り9行は不明。以下がその結果である。

ストレステストの結果資本不足により要資本増強を指摘された金融機関
★バンカメ(BAC)… 340億ドル
★シティ・グループ(C)… 50億ドル
★GMAC(GMAC)… 115億ドル
★ウェルス・ファーゴ(WFC)… 150億ドル *

ストレステストの結果資本増強の必要なしと判断された金融機関
★アメックス(AMEX)
★JPモルガン・チェース(JPM)
★バンク・オブ・ニューヨークメロン(BK)
★ゴールドマン・サックス(GS)
★モルガン・スタンレー(MS)
★METライフ(MET)

バンク・オブ・アメリカの株価が急騰。事情に詳しい関係者1人は、米当局が大手金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果、バンカメが340億ドル(約3兆3600億円)の資本増強が必要になると判断したと述べた。資産売却または米政府が保有する優先株を普通株に転換することによって、米当局が求める資本要件を満たせるとの観測が株高の背景。

バンカメは既に、450億ドルの公的資金注入を受けているが、ケネス・ルイスCEOはそれ以上の公的資金注入なしに今回のリセッションを乗り切れると株主に約束している。

バンカメは資産運用会社ブラックロック、投資管理子会社であるUSトラストとコロンビア・マネジメントを保有しており、これらの株を売却することが可能。

また、中国建設銀行株も保有しており、これを直ちに売却する可能性があるとFT紙が報じている。売却禁止期間は7日に終了する。先の合意に基づき、バンカメは最大135億株の中国建設銀株を7日に香港市場で売却できる。また、バンカメが米政府保有の優先株340億ドル相当を昨年に定められた1株6.24ドルの条件に基づいて転換した場合、政府の持ち分は46%になり、過半数を握られることにならない。バンカメの増資必要額は審査対象の金融機関19社のなかで最大。  

ギブズ米大統領報道官は6日、金融機関に対するストレステスト(健全性審査)結果を7日に公表した後、経営者の交代を求める可能性があることを示唆した。

27.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカのミューチュアルファンド部門に対し、資産運用会社のブラックロックとフランクリン・リソーシズ、フェデレーテッド・インベスターズが暫定買収案を提示した。これ以外の企業も買収案を提出する可能性があるが、レバレッジド・バイアウトを手掛ける企業からの提案にはバンカメは応じないという。

バンカメのミューチュアルファンド部門、コロンビア・マネジメントの資産運用額は3410億ドルで、買収額は20億ドルを超える可能性があると見られている。バンカメはコロンビアの売却意向を明らかにしている。

28.シティ・グループ(C)
シティグループは証券部門スミス・バーニーをモルガン・スタンレーとの合弁会社に移譲する計画を前倒しで完了させる方針。これにより58億ドルの利益を確定し、一段の資本増強は不要とのシティの議論を補強する考え。シティは部門移譲を6月1日までに完了させる方針を従業員に伝えた。利益を早期に確定することで、シティの資本余力をめぐる当局の懸念が和らぐ可能性もある。シティとモルガン・スタンレーは合弁会社を設立し、モルガン・スタンレーが合弁会社の株式51%を保有する。シティはスミス・バーニー部門について27億ドルを受け取る。これによって税引き前で58億ドルの会計上の利益につながるとシティは発表していた。

29.中国人民銀行(中央銀行)は6日、1−3月(第1四半期)の同国経済の実績が予想よりも良好だったことを明らかにした。四半期金融政策報告の中で言明した。

30.調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、ヘッジファンドの4月の運用成績は平均でプラス3.8%と、2000年2月以降で最高だった。

31.ウォルマート・ストアーズ(WMT)
ウォルマート・ストアーズが7日発表した4月の既存店売上高は、増加率が予想を上回った。米既存店売上高(ガソリン除く)は5月1日までの4週間で前年同月比5%増加した。コンサルティング会社リテール・メトリクスがまとめた予想平均では3%増と見込まれていた。ガソリン値下がりに加え、所得税が引き下げられたことを受け、選択的消費も増加した。イースターが、今年は4月12日だったことも増収要因となった。

ウォルマートはまた、年毎に変更する休暇やその他行事による不安定要因を理由に、月間ベースでの既存店売上高発表をとりやめると言う。今後は、四半期決算発表と同時に13週ベースの売上高を発表する。

32.2009年第1四半期の非農業部門労働生産性指数(速報値)は前期比年率0.8%上昇(2008年第4四半期は0.6%の低下)と、予想(0.6%上昇)を上回った。

第1四半期の単位労働コスト指数は前期比年率3.3%上昇と、昨年第4四半期の5.7%上昇から伸びが鈍化した。労働総投入量は9%低下と、1975年以来で最大の落ち込み。生産は8.2%低下した。インフレ調整後の時間当たり給与は前期比年率6.6%上昇、前四半期は14.8%の上昇だった。

33.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
インターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムは6日、電子書籍端末「キンドル」シリーズの新機種「キンドルDX」を今夏に発売する、と発表。従来機より画面を2.5倍の9.7インチと大型化。新聞など大きな紙の媒体も読みやすくした。無線でネットに接続し、パソコンを経由せずに新聞や書籍をダウンロードできる。

34.2日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前週比3万4000件減の60万1000件と、1月下旬以来3カ月ぶりの低水準。予想は63万5000件だった。

35.欧州中央銀行(ECB)は7日、定例政策委員会を開き、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を0.25ポイント引き下げ1%とすることを決定した。予想通りだった。下限政策金利である中銀預金金利は0.25%に据え置かれた。上限政策金利の限界貸出金利は0.5ポイント引き下げられ1.75%となった。市中銀行に供給する資金の期間延長も発表する可能性がある。ECBがいよいよ非伝統的手段の領域へと向かう内容となっている。

36.ゼネラル・エレクトリック(GE)
GEは7日、今後6年間で医療機器分野に約60億ドルの重点投資を行い、コンピューター断層撮影装置(CT)の低価格化などに取り組む計画を発表した。CTなどの医療機器導入などにかかるコストの15%削減を目指す。

37.バンカメ(BAC)
ガイトナー財務長官が「リセッションがどのようなストレスを与えようと、銀行システムは抗して行ける」と発言したことから、バンカメなどが買われた。

38.プルデンシャル(PRU)
6日引け後に決算発表。第1四半期のEPSが1.05ドルと、予想を大幅に上回った。

39.4月の雇用統計が発表になった。

★非農業部門雇用者数…前月比53万9000人減少(予想は60万人減少)
3月は69万9000人減少(速報値66万3000人減)
★失業率…8.9%(前月は8.5%)で予想(8.9%)と一致。1983年9月以来の水準に上昇した。
★週平均労働時間…33.2時間(前月と変わらず)
★製造業部門の週平均労働時間…39.6時間(前月は39.4時間)
★超過勤務…2.7時間(前月は2.6時間)
★週平均賃金…614.53ドル(前月は614.20ドル)
★平均時給…18.51ドル(前月とほぼ変わらず)

   (部門別内訳)
製造業部門では、14万9000人の雇用が減少。製造部門のうち、自動車・同部品部門では2万9100人が減少した。建設部門は11万人減少、金融機関では4万人減少。広義のサービス業は26万9000人減少。小売りは4万6700人減少。政府機関の雇用は7万2000人の増加と、前月の6000人減からプラスに転じた。10年に1度実施される国勢調査のために、米国勢調査局は先月、14万人の臨時雇用を始めた。来年にかけて140万人以上が雇用される見込み。

   (オバマ大統領コメント)
4月の米雇用統計で非農業部門の就業者数の減少幅がこの半年間で最小となったことについて、やや勇気づけられるものだと述べた。我々は不況の真ん中におり、失業者数の増加はさらに数カ月続くだろうと発言した。

40.3月の卸売在庫は前月比1.6%減少(前月は1.7%減)し、予想(1.0%減)より大きく減少した。3月の卸売売上高は前月比2.4%減少し、2005年以来の最低水準となった。対売上高在庫比率は1.32カ月(前月は1.31カ月)だった。

41.米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、大手金融機関19社を対象に実施したストレステスト(健全性審査=景気が悪化した場合に19社がこれを乗り切る上で必要な資本を備えているかどうかの審査)の結果を公表。10社に対し、景気悪化に対応する上で必要な資本が総額で750億ドル不足していると判定。

   (資本増強が必要だと指摘された金融機関)
バンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、GMAC、モルガン・スタンレー(MS)、リージョンズ・ファイナンシャル(RF)、フィフス・サード・バンコープ(FITB)、キーコープ(KEY)、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC)、サントラスト銀行(STI)の10社。

   (増資の必要なしと判定された金融機関)
JPモルガン・チェース(JPM)、ゴールドマン・サックス・グループ(GS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、BB&T(BBT)、ステート・ストリート(STT)、メットライフ(MET)、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)、USバンコープ(USB)、キャピタル・ワン・ファイナンシャル(COF)の9社た。
 
   (財務省の指摘)
★2007年半ばから始まった今回の金融危機による19社の損失は総額9500億ドルに達する可能性がある。
★政府のシナリオ以上に経済が悪化した場合、19社は2009年および2010年に計6000億ドルの損失を抱える可能性がある。

42.モルガン・スタンレー(MS)
米金融大手モルガン・スタンレーは8日、株式と社債の発行で計75億ドルを調達した。調達額は7日に発表した計画の1.5倍となった。米当局に求められた18億ドルの増資を達成するとともに、公的資金返済の条件も満たした。

1億4600万株を1株当たり24ドルで売却し35億ドルを調達した。募集価格は7日終値(27.14ドル)を12%下回った。また、連邦預金保険公社(FDIC)の債務保証プログラムが昨年導入されて以来で初めてこの保証を使わずに起債し、40億ドルを調達した。保証なしの起債は公的資金を返済するための条件となる。

米大手金融機関19社を対象としたストレステスト(健全性審査)では、モルガン・スタンレーを含め10社が増資必要と判断された。当局は、逆境シナリオの場合、モルガン・スタンレーの損失が197億ドルに達する可能性があると試算。これは同社の融資残高の0.4% に相当する。トレーディングとカウンターパーティーリスクによる損失 187億ドル、商業用不動産向け融資での6億ドルを想定している。商業 用不動産向け融資については45%の貸倒率を想定。

43.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
ウェルズ・ファーゴは普通株の発行により、当初予定を25%上回る75億ドルを調達。米政府は7日、ウェルズ・ファーゴが137億ドルを調達する必要があると発表した。同行は09年と10年に全ローンの8.8%に相当する861億ドルの損失に直面する恐れがある。ウェルズ・ファーゴは8日、1株当たり22ドルで新株を発行し、75億ドルを調達した。

44.マクドナルド(MCD)
マクドナルドが8日発表した4月の既存店売上高は前年同月比6.9%増加した。米既存店売上高は6.1%増。欧州は8.4%増、アジア・中東アフリカは6.5%のプラスだった。

45.クライスラー
米破産法の適用を申請したクライスラーの資産売却に反対する有担保債権者を代表するグループは8日、売却差し止めを求める訴訟を取り下げる考えを明らかにした。「クライスラー非TARP債権者団」と称する同グループは、イタリアのフィアットが運営する企業へのクライスラー資産売却差し止めを求めていた。米政府の巨大な圧力と仕組みに抵抗するには力が足りないとの結論に至ったと言う。

46.米財務省は次の金融機関向け資本注入プログラムとなる「資本支援計画(CAP)」をまとめるに際し、ストレステストで資本増強が必要と判断された金融機関の増資計画に資金注入の時期を合わせるべきかどうかを検討している。草案によると、CAPを通じた支援の申請は6月8日まで受け付ける。これはストレステストの結果、増資が必要だと判断された10社による増資計画の提出期限と一致している。CAPの資金支援を暫定的に認められた金融機関は、11月9日までに支援受け入れについて正式に回答する。草案内容ままだ流動的だが、早ければ8日中に最終案がまとまる可能性があるという。


ベア材料
1.スタンダード&プアーズは4日、米銀のシティグループとPNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、キーコープ、USバンコープ、BB&Tを含む金融機関23社を格下げの可能性を示す「クレジット・ウォッチ・ネガティブ」に指定した。この他シノバス・ファイナンシャルやリージョンズ・ファイナンシャル、ハンティントン・バンクシェアーズ、フィフス・サード・バンコープ、ウェルズ・ファーゴも23社に含まれる。

2.空売り筋によるシティグループ株の売り持ちは、政府保有の優先株の一部を普通株に転換する計画が発表された2月27日に比べ6倍に増えている。バンク・オブ・アメリカと保険のメットライフ、クレジットカード会社アメックス株の空売りも同期間に40%以上増えた。株式を公開している金融機関18社の株の空売りは4月15日時点で、昨年のピークだった7月に比べ2倍。投資家は銀行の優先株が普通株に転換される可能性に備えている。その為、優先株を購入し、普通株を空売りしているもよう。米連邦準備制度理事会(FRB)は7日に米銀ストレステスト(健全性審査)の結果を公表する予定。

シティやバンカメ、ウェルズ・ファーゴ、BB&T、サントラスト・バンクス、リージョンズ・ファイナンシャルが資本増強を必要としているとみなされる公算が大きいとみられている。

3.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズの破産申請の可能性が高まっているとの見方が高まっている。クライスラーについて、オバマ政権は労働組合の医療費基金の保護を優先し破産申請を容認した。GMについても同様の結果となる公算大だと言う。GMと大口債券保有者は、270億ドル相当の無担保債務の再編で合意に達していない。破産申請回避のための債務再編の期限は6月1日。オバマ政権は債権者の譲歩を迫るために破産法を活用する公算が大きいと見られている。

4.連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請したクライスラーの有担保債権者団は、同社事業の競売計画差し止めを裁判所に求めた。競売ではクライスラーとイタリアの自動車メーカー、フィアットとの提携に基づく新会社が第一の買い手候補と目されている。クライスラー非TARP債権者委員会と称する同債権者団は、同社による米財務省への45億ドルの融資申請にも反対を表明した。

5.オバマ大統領は4日、キャタピラーやプロクター・アンド・ギャンブルなど米企業が使用しているオフショアでの租税回避策3つの違法化を提案した。今後10年で約1900億ドルの税収確保が狙い。米個人に対しても租税回避地の銀行での資金秘匿を難しくする。税制は法人税の抜け穴に満ちているとした。今回の税制改革案は政権が今週発表する詳細な予算案の一部。オバマ政権は米国の多国籍企業が利益をケイマン諸島など税率の低い司法管轄区に移す上で、海外子会社の役割を米内国歳入庁(IRS)から実質的に隠している企業戦略を標的にしている。

オバマ政権は課税対象の選択権を与える「チェック・ザ・ボックス」規則の変更で、2011年から19年の間に差し引き865億ドルの税収が見込めるという。海外利益への税金支払いに猶予を認めた法律の改正により支出控除を制限するほか、不正な海外税控除を取り締まることにより、それぞれ601億ドルと430億ドルの税収を確保する考えだ。施行されれば、1986年以来で最大の法人税増税となる。個人に対しても、IRSがオフショア銀行に資産を隠していると疑えば、反証責任を求めることになる。

6.カンザスシティー連邦準備銀行のホーニグ総裁は4日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★金融システムと経済をめぐる短期的な見通しは、依然として不透明だ。
★金融市場は依然として緊迫した状況にある。厳格化した与信条件により経済活動が抑制され、景気悪化により金融機関が融資に慎重な姿勢を続けている。

7.米連邦準備制度理事会(FRB)が4日発表した銀行融資担当幹部調査(四半期報告)によると、過半数を大幅に上回る銀行はあらゆる種類の貸出債権が今後1年にわたり質的に劣化すると予想している。

8.アドビ・システムズ(ADBE)
CGグラフィックスフト大手株の投資判断が引き下げられた。シティ・グループが“買い”から“保有”に引き下げた。株価は妥当な値になっているが、第3四半期の利益見通しは高すぎるとしている。また、UBSも“買い”から“中立”に引き下げた。売上は大きく伸びないだろうとしている。

9.バンクトラスト・フィナンシャル・グループ(BTFG)
第1四半期の損失が予想を上回った。

10.フリードマン・ビリングス・ラムジー・グループが5日、米政府によるストレステスト(健全性審査)の対象となっている米商業銀行12行のうち、一段の景気悪化を乗り切るのに十分な資本を備えているとみられるのはJPモルガン・チェースのみだとの見方を示した。より深刻な景気悪化局面を想定した場合、健全性審査の対象となっている商業銀行すべてで資本増強が必要となる可能性があると指摘。

11.欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁は、デフレに陥るリスクの方がインフレに陥るリスクよりも高いとの認識を示した。

12.ボストン連銀のローゼングレン総裁は5日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★この先金融市場に不安をもたらすような大手金融機関の破たんに備え、監督当局は権限を拡大する必要がある。
★不適切な活動を秩序立って清算する権限を保有していた当局は一つもなかった。世界的な清算方針が確立されない限り、国際展開している組織を清算するだけでは問題が残るだろう。

13.アーチャー・ダニエルズ(ADM)
穀物加工最大手のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)が5日寄り前決算発表。1−3月(第3四半期)の売上高は前年同期比21%減の148億ドル、一時費用や一部資産の売却益を除くベースで1株当たり利益は34セントとなった。予想は、売上高が171億8700万ドル、同EPSは49セントだった。98%の減益となった。出資先のトウモロコシ加工食品メーカー、グルマ(メキシコ)で為替差損が発生したことが響いた。ADMは23%出資するグルマで発生した為替デリバティブでの損失に絡み、1億3200万ドルの費用を計上した。

14.JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは5日、同行を含め多くの銀行がストレステスト(健全性審査)の最終結果を公表するのはFRB発表から1日遅い8日になると述べた。

15.ゼネラル・モーターズの関連金融会社GMCが5日発表した1−3月期の決算概要は、6億7500万ドルの純損失だった。損失額は前年同期の5億8900万ドルより拡大した。住宅ローン関連などの損失拡大が足を引っ張った。減益となったが営業黒字は確保した。

16.ゼネラル・モーターズの欧州部門であるオペルの買収をめぐり、ドイツの雇用やブランドとしてのオペル存続を保証しているという点で、イタリアのフィアットの提案の方がカナダの自動車部品メーカー、マグナ・インターナショナルの対案よりも有力とみられている。

17.エイボン・プロダクツ(AVP)
米化粧品大手エイボン・プロダクツが5日寄り前決算発表。1−3月期決算は、売上高が前年同期比13%減の21億7980万ドル、1株当たり利益は0.27ドル(前年同期0.43ドル)となった。予想は、売上高が21億1660万ドル、同EPSは0.33ドルだった。主力の化粧品の販売量は前年同期から2%増加したが、為替差損の影響で販売額は12%の減少となった。

18.D.R.ホルトン(DHI)
時価総額で住宅建設米最大手の同社が4日引け後決算発表。2009年1−3月(第2四半期)決算は、8四半期連続の赤字となった。1株当り損失は34セントと、予想(26セント)より悪かった。金融機関の融資抑制や新築住宅販売の不振が響いた。

19.レッグ・メイソン(LM)
米資産運用大手レッグ・メイソンが5日寄り前決算発表。2009年1−3月(第4四半期)の1株当り損益は2.29ドルの赤字となった。予想は2.33ドル赤字だった。5四半期連続で赤字となった。マネー・マーケット・ファンド(MMF)の投資先から住宅ローン関連債を取り除く費用が響いた。同社はまた、配当を1株当たり3セントと、従来の24セントから引き下げた。
更に、1−3月(第1四半期)の顧客解約額が440億ドルに上ったと言う。

20.チェサピーク・エナジー(CHK)
エネルギー大手が5日寄り前決算発表。第1四半期の一部項目を除く一株当たり利益は46セントと、予想(49セント)を下回った。

21.テバ・ファーマシューティカル(TEVA)
世界最大のジェネリック(後発医薬品)メーカー、イスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズが5日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は31億5000万ドル、同業のバー・ファーマシューティカルズ買収関連費用を除外した調整後1株当たり利益は71セントとなった。予想は、売上高が34億700万ドル、同EPSが69セントだった。多発性硬化症治療薬「コパクソン」や緊急避妊薬「プランB」の売り上げ増加が寄与した。

22.AIG(AIG)
WSJ紙(電子版)は6日、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が2009年1−3月期決算で約50億ドルの純損失を計上する見通しだと伝えた。赤字額は08年10−12月期の約616億ドルから縮小するが、保有する金融商品関連の損失は拡大しているという。AIGの決算発表は7日の予定。

23.ミネアポリス連銀のスターン総裁は6日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★監督当局が金融市場安定化に必要と判断される企業への権限を一段と拡大しなければ、米国は大規模な損失を被る可能性がある。
★米国はそのような代償を払う余裕はない。大手企業には一段の準備資本の積み増しを求めるべきだ。

24.アリババ・ドット・コム
中国の企業間オンライン取引サイト運営会社、アリババ・ドット・コムが6日発表した2009年1−3月(第1四半期)決算は、前年同期比で16%減益となった。サイトへの掲載料を値下げしたことやマーケティング支出を増やしたことが響いた。

25.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズが7日発表する2009年1−3月(第1四半期)決算は、約69億ドルの赤字が見込まれている。予想では、GMの損失は1株当たり11.34ドルの見込み。ほぼ69億ドルの赤字となる。更に、一部項目を除いたベースの第1四半期赤字は1株当たり10.97ドルと予想されている。

26.ダウケミカル(DOW)
ローム&ハース買収用の資金繰りに10億ドルの株式発行を発表。

27.アドビ・システムズ(ADBE)
アトランティック・エクイティーが同社株の投資判断を“中立”から“アンダー・ウェイト”に引き下げた。

28.ガーミン(GRMN)
カーナビ大手が決算不振で売られた。

29.モルガン・スタンレー(MS)
モルガン・スタンレーは7日、普通株20億ドルと連邦預金公社(FDIC)の保証のない優先債30億ドルの発行で50億ドルの資金を調達すると発表した。

30.米連邦準備制度理事会(FRB)が7日発表した6日に終わった週のコマーシャルペーパー(CP)発行残高は、前週比432億ドル減の1兆3791億ドルだった。4週連続で前週の水準を下回った。また資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)の発行残高は6225億ドルと前週比228億ドル減り、4週連続でマイナスとなった。

31.米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は7日、商用不動産市場は経済の弱さの根源だと述べ、同市場の情勢悪化が景気全体へ及ぼす影響に警戒感を示した。商用不動産部門が景気悪化に伴う空室率の上昇、賃貸料の下落に直面する上、資金調達に大きな問題を抱えていると指摘。また商用不動産向け債権の証券化市場は、大部分が閉鎖され、銀行は商用不動産に対する融資に慎重になっていると話した。

32.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズが7日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比47%減の224億ドル、一部コストを除いたベースの第1四半期損失は1株当たり9.66ドルとなった。予想は、売上高が212億3800万ドル、同EPSは10.97ドル赤字だった。調整後で59億ドルの赤字となった。

   (ヤングCFO発言内容)
★GMの破産懸念を背景に消費者が同社製品を敬遠している兆候がある。生産は全世界で40%減少した。これが売上高急減の理由だ。
★引き続き法廷外での再建を望んでいる。しかし必要な場合は連邦破産法の適用申請を行う準備がある。何としても破産を回避することが重要というのがわれわれの見方だ。
★5月に米政府から26億ドルの追加支援を必要とする。

   (破産申請までの猶予期限6月1日を控えた現況)
★4月27日に示した債務再編案は、再編後の同社について米政府が少なくとも50%、労働組合の医療費基金が39%、無担保社債保有者が10%、既存株主が1%を保有する内容。社債保有者には元本1000ドルにつき225株への交換を提案しているが、GMが目指す負債圧縮を達成するには90%以上の保有者がこれに応じる必要がある。ただし、同社の債券保有者らは270億ドル相当の債務の交換に難色を示している。
★4月27日に、「ポンティアック」ブランドの廃止や2工場の追加閉鎖、10年末までに労働組合員の雇用を少なくともさらに7000人減らす計画を打ち出した。7日には、ホワイトカラーや幹部の人員削減をさらに進める方針を示した。

33.アルコア(AA)
同社のパートナーであるアルミナLtdが、ネガティブコメント。金属需要が今年落ち込み、再度生産調整に追い込まれる可能性があると言う。

34.AT&T(T)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)
JPモルガン・チェースが両銘柄の投資判断を“オーバー・ウェイト”から“中立”に引き下げた。

35.マイクロン・テクノロジー(MU)
ドイチェ・バンクが同社の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。売上高が予想を下回るかもしれないと言う。

36.ナスダックOMXグループ(NDAQ)
電子取引所を運営するナスダックOMXグループが7日発表した1−3月(第1四半期)決算は、前年同期比22%の減益だった。欧州市場での取引が伸び悩んだことが響いた。ただし一部経費や投資益を除いた1株当たり利益は48セントと、予想を上回った。

37.シマンテック(SYMC)
アンチウィールス・ソフト大手が6日引け後決算発表。次四半期の売上高ガイダンス(15億1000万ドル)が、予想(15億2000万ドル)を下回った。また、シティ・グループが同社株の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。株価が既に妥当な値段になっている、2010年の設備投資は、利益成長を阻害すると言う。

38.USエアウェイズ(LCC)
1520万株の普通株と7500万ドル分のCBを発行し、1億5000万ドルを調達する計画であると言う。

39.メットライフ(MET)
米生命保険大手のメットライフは7日、規制当局に提出した文書で、1−3月(第1四半期)に保有社債の評価損が差し引きで9.9%増加し、154億ドルになったことを明らかにした。2008年末時点では140億ドル、08年9月末では82億2000万ドルだった。

40.ファニーメイ(FNM)
米政府の管理下にある住宅金融投資会社ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)は、190億ドルの追加資本注入を米財務省に求めた。長期的な存続のためには一段の支援が必要となる可能性を示唆した。同社は3月31日に政府からの支援資金152億ドルを引き出している。

2009年1−3月(第1四半期)の純損益は232億ドル(1株当たり4.09ドル)の赤字となり、純資産額が前四半期に続きマイナスとなった。同社の資産から負債を差し引いた純資産額は3月31日時点でマイナス189億ドル。昨年末のマイナス152億ドルに続き債務超過だった。第1四半期は貸倒引当金を417億ドルと、昨年10−12月期の248億ドルから積み増した。保証しているローンのうち不良債権は1215億ドルと昨年末の985億ドルから増え、保有ローンの不良債権は235億ドル(同207億ドル)に増えた。保有資産の評価額はマイナス1103億ドルとなった。

41.米国債の年初来相場が1994年以来最悪のリターンとなっている。リセッションの最悪期が過ぎた兆しを手掛かりに、高利回り資産に投資が回帰しているため。S&P500指数は3月9日に付けた今年の安値から34%上昇。米企業による5060億ドル規模の社債発行と短期金利の低下も、世界経済が回復しつつある状況を示唆しており、米国債という資金逃避先の必要性が薄れる。債券ファンド最大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の米国債担当責任者、スティーブ・ロドスキー氏は、米国債の弱気相場が始まる兆候が見えた。米国債は明らかに、投資避難先としての地位を幾らか失っていると発言した。


=以上=
posted by mori at 09:26| マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月04日

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 5/3

先週米国株を取り巻くブル・ベア材料 5/3

5月3日

森  崇


ブル材料

1.クアルコム(QCOM)
携帯電話向け半導体最大手のクアルコムが27日寄り前決算発表。2009年1−3月(第2四半期)の売上高は前年同期比5.8%減の24億6000万ドル、1株当たりでは18セントの赤字となった。予想は、売上高が23億5000万ドル、1株当たり利益は29セントだった。同業の米ブロードコムとの訴訟に関連した和解金のほか、需要低迷が影響した。クアルコムは26日、特許をめぐる訴訟に関連した和解金としてブロードコムに4年にわたり計8億9100万ドルを支払うことで合意した。1−3月期に訴訟費用として7億4800万ドルを計上したクアルコムは、和解による同社のライセンス収入モデルへの影響はないとの見解を明らかにした。

2.コーニング(GLW)
液晶表示装置(LCD)用ガラス大手、コーニングが27日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比39%減の9億8900万ドル、リストラ経費などを除いたベースでは1株当たり利益は10セントとなった。予想は、売上高が9億7900万ドル、同1株当たり利益は5セントだった。純利益が前年同期比で99%減少した。ただし、液晶テレビの需要が持ち直し始めた。

3.ゼネラル・モーターズ(GM)
GMは27日、無担保公募債270億ドル相当の普通株への交換を求め、保有者からの申し込み受け付けを開始した。破産法適用を回避することが狙い。
株式への交換に応じる社債総額が6月1日までに少なくとも元本ベースで90%に達しなければ、同社は破産法に基づく会社更生手続きの適用申請を余儀なくされる。

4.ヒューマナ(HUM)
医療保険のヒューマナ株が上昇。四半期決算で純利益が2倍強に拡大したことが好感された。

5.IBM(IBM)
IBMは28日、四半期配当を10%引き上げ、1株当たり55セントとすると発表。5月8日時点の株主に対し支払う。増配実施は14年連続。また、新たに30億ドル相当の自社株買い計画も決定した。

6.4月の米消費者信頼感指数は39.2(前月は26.9)と、予想(29.7)を上回った。伸び幅は2005年11月以降で最大だった。現況指数は23.7と前月の21.9から上昇。今後6カ月の期待指数も49.5と昨年9月以降では最高だった。

7.クライスラー
米政府は自動車大手クライスラーの債務圧縮をめぐり債権銀行団と合意に達した。銀行団はクライスラー向け債権69億ドルを放棄する代わりに、現金20億ドルを受け取る。ただし、破産申請の可能性は消えていない。全46行
が債権放棄の条件を承認する必要があるが、その可能性は低いという。その場合、反対する銀行を取り込むための応急措置として破産申請が必要になる可能性がある。

8.FOMC始まる
  連邦公開市場委員会(FOMC)が28日、ワシントンの連邦準備制度理事会(FRB)本部で始まった。当局は政策金利を現行のゼロ近辺に据え置いた上、国債の買い取りなどを通じた量的金融緩和を継続するとみられる。

9.米財務省は28日、住宅ローンの契約条件を借り手側に有利な内容に変更した住宅金融機関1社に対し最大1億5600万ドルの奨励金を支給する財源を割り当てたと発表。今回対象となったのはミネソタ州に本社を置くグリーン・トゥリー・サービシング社。最終的な奨励金の額は融資条件の変更実績に応じて決定される。これにより奨励金の支給対象となった金融機関は計12社、割り当てられた財源は合計で140億7490万ドルとなった。

10.全米20都市を対象にした2月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で18.6%低下(前月は19%低下)し、予想(18.7%低下)をわずかに上回った。同指数は07年1月以来、毎月低下しているが、低下率が過去最大を記録しなかったのは今回の低下基調の中で2月が初めて。住宅価格指数は前月比では2.2%低下、1月は2.8%低下だった。前年同月比では全20都市で低下。特にフェニックス(35%)、ラスベガス(32%)、サンフランシスコ(31%)の下げが目立った。

11.ボルカー元FRB議長が、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★経済は底入れしつつあり、追加刺激策は不要。
★第1四半期のGDP落ち込みは予想していた。オバマ政権は銀行システム支援で全力を尽くすだろう。

12.米財務省は29日、不良資産を買い取る官民投資プログラム(PPIP)に100社を超す資産運用会社が参加申請したと報告。

  (財務省の声明内容)
★選考基準として、民間資本を調達する能力があり、納税者を守るという財務省の目標に即した方法で資産を運用できる企業が望ましい。
★財務省は、参加申請した運用会社に一次審査の結果を5月15日前後に通知する予定。

13.クライスラー
クライスラー・ホールディングスのロバート・ナーデリCEOは、フィアットとの提携に向けて前進していると述べた。クライスラーと債権銀行団との間で予備的合意が成立した債務交換交渉の取りやめについて財務省が確認したことを明らかにした。クライスラーと債権者団は、債務69億ドルを現金20億ドルに交換する案を協議しいていた。

14.米連邦準備制度理事会(FRB)は28、29の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標(年0〜0.25%とするゼロ金利政策の維持)ならびに、国債や住宅ローン担保証券などの買い取り目標(3000億ドルの長期国債の買い入れなど事実上の量的緩和策の維持)維持を決定。

15.銀行株
  フォックス・ピットが米銀の投資判断を“アンダー・ウェイト”から“マーケット・ウェイト”に引き上げた。同社が銀行の投資判断を引き上げるのは2004年以来はじめて。米銀の不良債権の額は2009年末にピークアウトすると言う。

16.バンカメ(BAC)
  バンカメの株主は、ルイスCEOを含む取締役18人全員の再任を承認した。

17.米議会共和党の長老であるアーレン・スペクター上院議員(ペンシルベニア州選出)は28日、党籍を民主党に変更すると発表。2010年の中間選挙では民主党から立候補し再選を目指す。共和党が右傾化傾向を強め、党の政治哲学に同調できなくなったことが背景。スペクター議員のくら替えで、民主党は上院(定数100)で59議席(同党系無所属を含む)を確保。議席が確定していないミネソタ州の1議席も民主党が獲得する可能性が高く、同党は、上院での共和党の議事妨害を阻止できる60議席を獲得する見通しとなった。

18.ムーディーズ(MCO)
  格付け会社大手のムーディーズが29日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の一部項目を除いたベースの1株当たり利益は41セントと、予想(34セント)を上回った。

19.クエスト・コミュニケーションズ・インターナショナル(Q)
米電話サービスのクエスト・コミュニケーションズ・インターナショナルが29日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比6.6%減の31億7000万ドル、1株当たり利益は12セントとなった。予想は、売上高が32億3000万ドル、同EPSが8セントだった。

加入者減少に対応して実施した人員削減やコスト節減が奏功した。固定回線電話を敬遠する消費者の傾向が強まるなか、クエストは従業員全体の11%を昨年削減したほか、ネットワーク改修への支出を削減した。

20.グッドイヤー(GT)
米最大のタイヤメーカー、グッドイヤー・タイヤ&ラバーが29日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高は35億ドル、雇用削減と資産の評価切り下げに関連したコストや税制変更に伴う収益増を除いたベースでの、1株当たり損失は1.19ドルとなった。予想は、売上高が41億ドル、同1株当り損失が1.33ドルだった。世界的にタイヤ需要が減少する中で実施したコスト削減が奏功し、赤字額はアナリスト予想より小幅だった。

21.タイムワーナー(TWX)
タイム・ワーナーが、第1四半期の業績を発表した。景気後退による広告販売が軟調だったこと、またDVDの売上が減少したことが要因となり、前年同期比14%減となった。売上高、EPS共に市場予想を上まわった。

第1四半期(1‐3月期)実績
○売上高…69億4,500万ドル(コンセンサス予想は67億8,960万ドル)
○1株当たり利益…0.45ドル(コンセンサス予想は0.40ドル)

2008年通期予想
○2009年通期1株当り利益…1.98ドル(コンセンサス予想1.95ドル)

22.第1四半期(1−3月期)の雇用コスト指数は前期比0.3%上昇(昨年第4四半期は同0.6%の上昇)と、予想(0.5%上昇)を下回った。1982年の同指数調査開始以来で最小の伸びだった。前年同期比では第1四半期のECIは2.1%上昇した。前四半期は同2.6%の上昇だった。


23.25日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比1万4000件減の63万1000件(前週は64万5000件)と、予想(64万件)を下回った。4週移動平均は63万7250件と、前週の64万8000件から減少した。これで3週連続減となった。18日に終わった1週間の失業保険継続受給者数は前週比13万3000人増加して627万1000人と、過去13週間連続で過去最高を更更新した。

24.シカゴ購買部協会が30日に発表した4月のシカゴ地区の製造業景況指数は40.1(前月は31.4)と、予想(35.0)を上回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…42.1(前月30.9)
★生産指数…8.1(前月32.7)
★雇用指数…31.8(前月28.1)
★仕入れ価格指数…28.4(前月34.1)
★入荷遅延指数…45.4(前月48.4)

25.ニューヨークの投資会社、ハイペリオン・パートナーズの会長ルイス・ラニエリ氏が以下の通りコメント。

  (発言要旨)
★米住宅価格の下落はほぼ終わった。現在は住宅市場を非常に有望とみてい
る。過去5年間には、こうした発言をしたことはなかった。
★景気が回復する前に住宅市場は底打ちする。住宅は値下がりで米国の中産階級にとってより手ごろな価格になっている。

26.ダウ・ケミカル(DOW)
米化学最大手ダウ・ケミカルが30日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比39%減の90億9000万ドル、一部項目を除く1株利益は12セントとなった。予想は、売上高が111億487万ドル、同1株損益は19セント損失だった。一時項目を除いた1株当たりの損益は予想に反して黒字となった。プラスチックや化学部門の業績は悪化したものの、農薬や種子を生産する農業部門ダウ・アグロサイエンシズは過去最高益を記録した。また原材料価格の低下が後押しした。

27.ニューモント・マイニング(NEM)
鉱山大手のニューモント・マイニングが30日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比20%減の15億5000万ドル、一部項目を除く1株当たり利益は44セントとなった。予想は、売上高が14億3450万ドル、
  同1株当たり利益は41セントだった。前年同期比48%の減益だった。金相場の下落が影響した。保有鉱山で産出した金販売は1.8%減少して127万オンスだった。同社は今年の販売見通しを520万―550万オンスで据え置いた。昨年の販売量は520万オンスだった。

28.ケロッグ(K)
シリアル最大手のケロッグが30日寄り前決算発表。1−3月(第1四半期)の売上高が前年同期比2.7%減少し31億7000万ドル、1株当たり利益は84セントとなった。予想は、売上高が31億7800万ドル、同1株当たり利益は79セントだった。デービッド・マッケイCEOは、2011年末までに年間コスト10億ドルの削減を目指すとともに、ロシアと中国に投資中。コダックはこの投資により2009年の1株当たり利益が22セント減少するとの見通しを示し、従来見通しの同14セント減から減少幅を引き上げた。

29.米財務会計基準審議会(FASB)のロバート・ハーツ会長は30日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★簿外資産の会計処理に関する規則の承認が大詰めを迎えている。新規制が承認されれば2010年に施行される見通しだ。
★これまで住宅ローンやクレジットカードの売り掛け分も含めて簿外での資産・債務の保有を認めていた規制は悪用された。

30.スターバックス(SBUX)
世界最大のコーヒー店チェーン、スターバックスが29日引け後決算発表。2009年1−3月(第2四半期)の売上高は前年同期比7.6%減の23億3000万ドル、リストラ費用を除いた1株利益は16セントとなった。予想は、売上高が23億5700万ドル、同1株当たり利益が15セントだった。前年同期比77%減益となった。今年の新規出店が当初の計画よりも少なくなると発表。
今年9月までに経費5億ドルの削減を目指すなかで、今年の新規出店は20カ所と、1月時点で想定していた95カ所を大幅に下回るとしている。同社はコスト削減が進展しているとの認識を示し、1−3月期に1億2000万ドル節減できたとしている。

31.アカマイ・テクノロジーズ(AKAM)
  第2四半期の売上高と利益が予想にかなった水準だとコメントした。また、1億ドル規模の自社株買戻しも発表。

32.ビザ(V)
  クレジットカード大手のビザが29日引け後決算発表。利益が予想を大幅に上回った。

1-3 月期(第2 四半期)実績
○ネット営業収入…前年同期比13%増の16 億ドル(コンセンサス予想は16 億700万ドル)
○1 株利益(一部項目を除く)…73 セント(コンセンサス予想は65 セント)

2009 年通期ベース予想
○ネット増収率…1 ケタ台上位
○調整済み営業利益率…50%前半
○設備投資額…3 億ドルから3 億5000 万ドル

2010 年通期ベース予想
○ネット増収率…11%から15%
○調整済み営業利益率…40%後半から50%前半
○設備投資額…グロス売上高の3%から4%

33.4月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は65.1(前月は57.3)と、速報値の61.9から上方修正され、予想(61.9)を上回った。
今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は63.1(速報値58.9)と、前月の53.5を上回った。現在の景況感を示す指数は68.3(速報値66.6)と、前月の63.3から上昇した。

34.米供給管理協会(ISM)が1日発表した4月の製造業景況指数は40.1(前月は36.3)と、予想(38.4)を上回った。製造業の活動サイクルは転換しつつあるとの見方が出ている。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注指数…47.2(前月41.2)
★輸出指数…44(前月39)
★生産指数…40.4(前月36.4)
★雇用指数…34.4(前月28.1)
★在庫指数…33.6(前月32.2)
★仕入れ価格指数…32(前月31)

35.ゴールドマン・ザックスのシニア投資ストラテジスト、アビー・コーエン氏は1日、S&P500指数が今後6−12カ月に20%上昇し、1050に達する可能性があるとの見方を示した。

  (発言内容)
★この水準がしばらくは維持されそうだ。2−3月の取引レンジよりも格段に高い水準で新たな取引レンジが確立されるだろう。
★予想を上回る決算発表が相次いだことや、銀行の不良債権処理計画がリセッションからの脱却に役立つ。

36.米連邦準備制度理事会(FRB)は1日、ターム物資産担保証券ローン制度(TALF)に基づく商業用不動産ローン担保証券(CMBS)購入向けに期間5年の融資を6月から実施すると発表。FRBは昨年12月、TALFに基づくローンの期間を1年から3年に延長していた。 

  (ポイント)
★商用モーゲージ担保証券(CMBS)を新たに融資の担保として認め、悪化する商用不動産市場を支援する。
  ★TALFの融資期間を現行の3年から5年に拡大し、5年間の融資を最大1000億ドルまで実施する。
★中小企業の資金調達を支援するため、TALFの担保として現在認めている中小企業向けの債権を組み込んだ証券の範囲も広げる。

37.自動車メーカー各社が1日発表した4月の米自動車販売によると、ゼネラル・モーターズの販売台数は予想ほど落ち込まなかった。ただ、フォード・モーターは予想以上の落ち込みだった。GMは前年同月比34%減、フォードは32%減した。フォードは30%減、GMは37%減が予想されていた。

38.セントルイス連銀のブラード総裁は1日、以下の通り発言。

  (発言要旨)
★経営危機に陥っているノンバンクに対応する際、破産裁判所のような正式な手続きを踏む必要がある。大手金融機関の破たん処理に向けて信頼できる制度の確立と、監視体制の強化が必要だ。問題が大きければ、資本を積み増していても破たんする。企業を清算する体制が必要である。

★ストレステストは銀行の健全性を計る通常の審査とは違い繊細だ。将来の仮説シナリオであるとのメッセージを送ることが重要だ。

★今回の危機全体で問題の1つは不透明感だ。ストレステストがその対応であることは明白だ。そういった面では成功する可能性が大いにあると思う。

★4―6月(第2四半期)は深刻さが弱まるだろう。下半期は多少のプラス成長に戻るだろう。住宅販売については減少ペースが鈍化しているため、2009年に住宅市場が底打ちすると期待している。

★今年の景気回復ペースは非常に緩やかにとどまるだろう。消費者が債務削減に動いているため、個人消費がしばらく抑制される可能性があるからだ。失業率については恐らく9%を超えるが、1982年の10.8%は下回るだろう。

★緊急信用供与プログラムの撤退時期をめぐり、中期的にインフレが加速しないよう、米金融当局内部で活発な議論が交わされている。今年はデフレリスクの方が高いが、中期的主要リスクは急激なインフレで、1970年代のようになる可能性は小さいとは言えない。重要なのは信頼される良い計画を作成し、適切な時期に信用供与プログラムを終了させることだ。
            
39.エクスペディア(EXPE)
バンカメは、オンライン旅行会社のエクスペディアの株式投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げた。売り上げ拡大の余地があるとの見方が背景。


ベア材料
1.ベライゾン・コミニケーションズ(VZ)
通信サービス大手のベライゾン・コミニケーションズが27日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比12%増加の266億ドル、
1株当たり利益が63セントとなった。売上高が262億8700万ドル、一株当たり利益が59セントだった。米地域携帯電話会社オールテル買収が売り上げを押し上げた。データサービスの販売は56%増加。携帯情報端末「ブラックベリー」の新モデル「ストーム」やその他ウェブ閲覧機能を持つ携帯電話ユーザーによるデータサービスの利用拡大が寄与。ただし、法人顧客の売上高が前年同期比3.4%減少した。法人顧客の売上比率は14%である。

2.世界保健機関(WHO)は27日に、豚インフルエンザ流行に関する警戒レベルを引き上げるもよう。WHOの警戒水準は現在、6段階中の3。4以上はWHOが1999年に段階別の警戒レベル制を導入して以来で初めてとなる。レベル4は、新ウイルスの一定地域への封じ込め、または拡大の遅延を目的とする。レベル4に引き上げられた場合、旅行への警告につながる可能性が高い。20人の感染が確認された米国は公衆衛生上の非常事態を宣言した。

3.ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズの社債保有者を代表する委員会は、同社が提案した270億ドルの社債を株式と交換する案について、受け入れ比率が破産法の適用申請を回避するために必要な90%に達する可能性は低いとみているようだ。
労組などに比べ社債保有者の扱いが悪いことが背景。社債保有者は株式への
交換に応じれば、再建後のGM株の10%を所有する。また、GMは全米自動車労組(UAW)に対し、退職者向け医療基金への拠出金204億ドルについて、株式への転換を通じて少なくとも半分に縮小するよう提案している。これにより、同基金が得る普通株は最大で全体の39%となる。

4.ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授は、米経済の悪化ペースが今年1−3月(第1四半期)までの2四半期のマイナス6%から、10−12月(第4四半期)までにマイナス2%に鈍化するとの見通しを示した。

  (主なポイント)
★来年の米成長率はプラス0.5%、米失業率は11%を大きく上回る水準に達するだろう。
★日本と欧州の経済については、来年末までリセッションが続くだろう。
★米政府の取り組みのおかげで、同国経済はL字型のリセッションではなくU字型の景気回復基調にある。
★多額の不良資産のため金融機関の一時的な公的管理下入りの必要性が拡大する公算がある。

5.ニューヨーク市当局者らは27日、豚インフルエンザの感染が確認された人数を28人に引き上げ、これ以外に感染が疑われる人が100人以上いると発表。いずれも症状は軽く、クイーンズ地区のセント・フランシス・プレパラトリー高校に限定されていると言う。

6.米衣料小売りチェーンを展開するファイリーンズ・ベースメントは今週、破産法に基づく保護適用を申請する可能性があると言う。

7.サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長が週末のテレビ番組で、米経済の縮小が継続すると述べた。

8.タイソン・フーズ(TSN)とスミスフィールド・フーズ(SFD)
  JPモルガン・チェースがタイソンとスミスフィールドの利益見通しを引き下げた。スミスフィールドは、豚肉加工を扱っており、豚インフルエンザ関連で敬遠されている。

9.ファイザー(PFE)
製薬最大手のファイザーが28日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比8.3%減の109億ドル、一部項目を除いたベースの1株当たり利益は54セントとなった。予想は、売上高が111億2200万ドル、同EPSが49セントだった。2%減益となった。コレステロール降下剤「リピトール」や禁煙補助薬「チャンティックス」の売り上げ低迷、ドル高が圧迫要因となった。ファイザーは、1月に同業のワイス買収で合意した。

10.ブリストル・マイヤーズ(BMY)
医薬品大手のブリストル・マイヤーズ・スクイブが28日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の継続事業ベースの売上高は前年同期比2.5%増の50億2000万ドル、一部項目を除く1株当たり利益は48セントとなった。予想は、売上高が51億3470万ドル、同EPSが47セントだった。人員削減や業務のアウトソーシングによるコスト削減のほか、統合失調症治療薬「アビリフィ」や抗血栓薬「プラビックス」の売り上げ増が寄与した。同社は向こう3年で25億ドルの経費を圧縮するため、人員削減とアウトソーシングを進めている。また、通期の利益見通しを1株当たり1.58−1.73ドル、一時項目を除いたベースについては1株当たり1.85−2ドルにそれぞれ据え置いた。予想は1.93ドルだった。

11.シティグループ(C)とバンク・オブ・アメリカ(BAC)
米政府は両行について一段の資本増強が必要になる可能性があると判断したとのWSJ紙報道が嫌気された。政府の審査結果は早ければ5月4日に公表される予定。

  (報道内容)
★米政府のストレステスト(健全性審査)の予備的な結果で、両行の増資が必要になる可能性が示された。両行幹部はこの結果について異議を唱えるため当局者と会談するという。
★バンカメのケネス・ルイスCEOには株主から退任を求める圧力が強まっている。同行株主は29日に同CEOの再任について採決する。シティのビク
ラム・パンディットCEOも、さらに資本が必要となれば更迭される可能性がある。

12.米疾病対策センター(CDC)のリチャード・ベッサー所長代行が以下の通り警告。

  (発言内容)
★米国における豚インフルエンザの感染者は今後増加すると予想され、感染者が入院、死亡に至る可能性もある。
★豚インフルエンザがパンデミック(大流行)となるかを判断するのは時期尚早としたうえで、企業は非常時の計画を見直し、事態に備える必要がある。

13.米投資銀行ラザードが28日発表した2009年1−3月(第1四半期)決算は赤字だった。企業買収に関連する業務の減少や人員削減コスト増が響いた。
純損失は5350万ドル(1株当たり77セント)。前年同期は純利益780万ドル(同14セント)を計上していた。

14.米財務省は28日、緊急経済安定化法に基づき米銀12行に対し、計1億2185万ドルの資本注入を24日付で実施したと発表。新たに資本を注入したのはイリノイ州に本社を置くスタンダード・バンクシェアーズなど。

15.第1四半期(1−3月)の実質国内総生産速報値は前期比年率6.1%減少し、
落ち込みは予想(4.7%減)を上回った。在庫と企業設備投資の大きな落ち込み、住宅投資の一段の悪化が背景。食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)物価指数は年率1.5%上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)の長期予想レンジの下限に位置。

  (内訳)
★個人消費は年率2.2%増と、過去2年で最高の伸び。
★在庫投資は年率換算で1037億ドル減少。これはGDP統計が始まった1947年以降で最大の減少幅。
★機器やソフトウエア、構築物を含む設備投資は過去最大の38%減少。
★住宅建設は1980年以来で最大となる38%減。
★政府支出は3.9%減と、95年以降で最大の落ち込み。
★純輸出のGDP寄与度は2ポイント。輸入は年率34%減と、輸出の30%減を上回る落ち込みを記録し、純輸出の赤字縮小に寄与。

16.24日まで1週間の住宅ローン申請指数は960.6と、前週の1172.2から18%低下した。金利低下にもかかわらず、借り換えが大幅に落ち込んだことが響き、同指数は2月初め以来で最大の低下となった。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.62%と、前週の4.73%から低下した。

  (その他主要指数動向)
★借り換え指数…前週比22%低下の5108.2
★購入指数…同0.6%低下の251.6

17.バンカメ(BAC)
FBRキャピタル・マーケッツのアナリスト、ポール・ミラー氏は28日、バンカメは600億−700億ドルの資本増強が必要になる可能性があると指摘した。バンカメは政府保有分に加えて、270億ドルの民間保有分も含めて優先株をできるだけ速やかに普通株に転換することを検討すべきだと指摘。

18.米当局のストレステスト(健全性審査)の暫定結果では、テストを受けた米銀19行のうち少なくとも6行が不合格となり、資本増強が必要と判断されたもようだ。そのうち一部の銀行は政府から追加の現金注入を必要とする可能性があるものの、大半の銀行は優先株を普通株に転換することにより資本増強する公算が高いという。

19.エトナ(AET)
医療保険で米3位のエトナが29日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比11%増の86億1000万ドル、調整後の1株当たり利益は96セントと、予想売上高(85億2300万ドル)、及び同EPS(93セント)を上回った。1.4%増益となった。加入者増加に加え値上げが寄与した。エトナは通期利益見通しを1株当たり3.85−3.95ドルとし、2月12日に公表した予想を据え置いた。予想は3.85ドルだった。ただし、失業社員への医療サービス費用が予想を上回ったとの会社側コメントが出て、売りが殺到した。

20.米テキサス州保健局は29日、同州で、新型の豚インフルエンザに感染した1歳10カ月のメキシコ人男児が死亡したと発表した。米国内では初の死者で、メキシコ以外で死亡が確認されたのは初めて。世界保健機関(WHO)は30日朝にもジュネーブで3度目の緊急委員会を開く。

22.クライスラーがチャプター11の適用申請
クライスラーは30日、ニューヨーク市の裁判所に連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請。

(破綻法申請の背景)
フィアットとの提携や有担保ローンの69億ドル圧縮、医療保険基金への支払い義務の106億ドル削減を模索した。しかし、ヘッジファンド等一部債権者が22億5000万ドルへの債務軽減を拒否した為。

(今後の目標)
★イタリアのフィアットとの提携を含む再編を通じ、事業を簡素化し、債務を圧縮する。

★「ジープ」や「ダッジ・ラム」など優良ブランドで新会社を設立し、フィアットとの提携を通じ、同社の持つ小型車技術をテコに、復活を目指す。

23.3月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減少(前月は0.4%増)と、予想(0.1%減少)より大きな落ち込みだった。3月の個人所得は前月比0.3%減少した。予想は0.2%減だった。PCE価格指数は前月比変わらず(前月は0.3%上昇)。前年同月比は0.6%上昇(前月同0.9%上昇)に鈍化した。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.2%上昇。前年同期比では1.8%上昇と、市場予想と一致した。貯蓄率は4.2%(前月4%)。
可処分所得は2カ月連続で前月比変わらず。インフレ調整後の可処分所得も前月比変わらず。

24.プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
消費財最大手のプロクター・アンド・ギャンブルが30日寄り前決算発表。
2009年1−3月(第3四半期)の売上高は8%減の184億ドル、1株当たり
利益は97セントとなった。予想は、売上高が219億3800万ドル、一株当た
り利益が1ドルだった。同社は昨年、素材価格の高騰に対応するため、値上
げに踏み切った。P&Gはまた、広告費用が低下していることを利用し、広告を増やした。ドル高も影響し、売り上げは全部門で減少した。同期間中、円は対ドルで8.4%、ユーロは同5.2%下落している。同社は09年6月通期の1株利益を最大で4.25ドルと予想。従来の最大4.35ドルから下方修正した。

25.コルゲート(CL)
  消費財大手のコルゲートが30日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比5.7%減少し35億ドル、1株当たり利益では97セントとなった。予想は、売上高が35億8600万ドル、1株当たり利益は97セントだった。ドル高が圧迫要因となった。同期間中、円は対ドルで8.4%、ユーロは同5.2%下落。
  
26.エクソン・モービル(XOM)
時価総額で世界最大の企業、石油大手エクソンモービルが30日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は640億2800万ドル、調整後1株当り利益は92セントとなった。予想は、売上高が505億825万ドル、同一株当たり利益が95セントだった。前年同期比58%の減益となった。リセッションでエネルギー需要が落ち込み、石油・ガソリン価格が下落したことが響いた。

27.モトローラ(MOT)
米通信機器大手モトローラが30日寄り前決算発表。1−3月期の売上高が54億ドル、一部除く継続事業1株当り損失が10セントとなった。予想は、56億2100万ドル、同1株当り損失が10セントだった。四半期ベースで赤字は3期連続。携帯電話機の売り上げが前年同期に比べて45%減少したことなどが響いた。               

28.イーストマン・コダック(EK)
写真用品大手のイーストマン・コダックの株価は30日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は14億8000万ドル、継続事業ベースの調整後1株当り損失は95セントとなった。予想は、売上高が15億8200万ドル、同1株当り損失は44セントだった。同社は手元資金を留保するため配当の支払いを停止し、ペレスCEOの給与は15%削減する。役員や上級管理職の給与に関しては10%削減される。そのほかの従業員は今年、1週間の無給休暇を与えられるという。

29.バイアコム(VIA)
メディア大手バイアコムが30日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は29億1000万ドル、1株当たり利益は29セントとなった。
予想は、売上高が29億6900万ドル、1株当たり利益は25セントだった。
広告収入が減少したほか、ドル高で海外での映画興行収入が目減りした。

30.ニューヨークの不動産調査会社レイスが1日発表したリポートによると、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の裏付けとなるローンのデフォルトや延滞の割合は2009年1−3月(第1四半期)に1.8%と、前年同期の3倍に上昇した。この割合は今後、約20年ぶりの高水準に達する可能性があると言う。デフォルトや延滞が残高に占める比率は前期の1.14%、前年同期の0.53%からともに上昇した。年末までに同比率が6%に達する可能性があるとの見方も示した。

31.ニューヨーク州のクオモ司法長官は1日、100社を超える資産運用会社とそのエージェントに召喚状を発行した。同州とニューヨーク市の年金基金をめぐる談合およびリベートの疑いがあると言う。販売エージェントは若干の例外を除き、証券取引委員会(SEC)への登録が義務付けられているが、ニューヨーク州年金基金エージェントの約半数が未登録という。

32.米金融監督当局は大手米銀19行に対するストレステスト(健全性審査)の最終結果公表を7日の金融市場取引終了後に延期。金融監督機関の間では、銀行の健全性という、本来なら銀行検査官が保持すべき情報をどのように公表すべきかについて議論が行われた。最終結果公表により、財務基盤の強い銀行と弱い銀行の区別が明確になるからだ。

33.3月の製造業受注額は前月比0.9%減(前月は0.7%増)と、予想(0.6%減)を下回った。3月の輸送機器を除く受注は0.9%減少した。耐久財受注額は0.8%減少、前月は1.6%増だった。非耐久財の受注額は1%減少した。航空機を除く非国防資本財受注は0.4%増加した。前月は4.1%の増加だった。

34.米住宅ローン会社ソーンバーグ・モーゲージは1日、メリーランド州にある連邦破産裁判所に連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請。ジャンボ(大口)住宅ローン専門だった。同社の資産は最大5億ドル、負債は10億ドルを超える。

35.オバマ大統領が、クライスラーの破綻法適用申請につき、ヘッジファンドを厳しく責めた。一部の投資会社やヘッジファンドが譲ろうとしなかった。ほかの債権者の2倍の額を要求する者までいたと言う。労働組合が退職者向け医療費の削減を受け入れ、大口債権者が債権残高を3分の1以下まで減らすことに応じていたのに、再建策の結実を阻んだとした。

36.マスターカード(MA)
マスターカードが、第1四半期の業績を発表した。ドル高の影響で、海外からの売上高が減少したことが要因となり、前年同期比18%の減益となった。EPSは市場予想を上回ったが、売上高は下回った。

第1四半期(1‐3月期)実績
○売上高…11億5,610万ドル(コンセンサス予想12億744万ドル)
○1株当たり利益…2.80ドル(コンセンサス予想2.62ドル)

2009年1−3月(第1四半期)決算は、前年同期比18%の減益だった。ドル高に伴い海外か

37.連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請したクライスラーの有担保債権者リストが1日、明らかになった。エール大学をはじめ、投資ファンドのオークツリー・キャピタル・マネジメント、ハリバートン、クラフト・フーズの年金基金、マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツ氏が夫人と創立したビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金が含まれる。

38.メットライフ(MET)
米生命保険最大手のメットライフが発表した1−3月決算は、2001年以来8
年ぶりの赤字となった。投資資産の評価損や投資リターンの低下が響いた。同社はまた、プライベートエクイティやヘッジファンドへの投資リターンが今年の通期目標を下回るとの見通しを示した。

39.ワシントン・ポスト(WPO)
ワシントン・ポストや週刊誌ニューズウィークなどを発行するワシントン・ポストが1日発表した1−3月期決算は赤字だった。広告収入の減少、人員削減に伴う経費増、教育事業部門の減益が影響した。

40.エーオン(AOC)
世界最大の保険ブローカー、エーオンが発表した1−3月(第1四半期)決算は、一部項目を除く1株当たり利益が76セントと、予想を下回った。

41.ディーン・フーズ(DF)
乳製品メーカー大手のディーン・フーズは4−6月(第2四半期)の一部項
目を除く1株当たり利益は38セント以上との予想を示した。1株当たり41セントの利益が見込まれていた。同社はまた新規発行する普通株2250万株
の募集を開始。

42.シェブロン(CVX)
米2位の石油会社シェブロンが1日寄り前決算発表。2009年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比46%落ち込み350億ドル、売却益を除いたベースでは1株当たり利益は72セントとなった。予想は、売上高が226億5400万ドル、同1株当たり利益は81セントだった。純利益が過去5年間
で最低の水準に落ち込んだ。世界的なリセッションで燃料需要が減退し、エネルギー価格が下落したことが響いた。原油先物相場が前年同期に比べて56%下落した為、シェブロンの米国の石油・天然ガス田部門の利益は99%急減し、2100万ドルとなった。


=以上=
posted by mori at 10:14| マーケット概況 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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